アルレシオ公国編 第1章 魔人が哂う夜

◆幕間シーン 〜意外な参戦者〜
ある日、眠りの皇帝のセッションを組み立てながら
エスペランサーリプレイ「命尽き果てるまで」のPCレイア
エスペランサーセイバーリプレイ「星の伝承記」のPCクフィルをロールしていたプレイヤー富村さんと
話していた時、ある閃きが降り立った。

GM:富村さん、よかったら眠りの皇帝編でゲストPCとして登場しません?

富村:お、ゲストっすか?

GM:ちょうど最初のシナリオで他国内部の物語をやる予定だったんで、なら折角だし
以前、富村さんがGMの時にシナリオをやった「汝、誰が為の剣とならん」の舞台となった国
アルレシオ公国をお借りしようかと。

汝、誰が為の剣とならん編
眠りの皇帝編以前に富村さんGMによる行われたエスペランサーリプレイの物語。
アルレシオ公国と呼ばれる騎士公国にて起こった、とある伝承の魔族「虹瞳の姫」をめぐる物語。
実はこの時、わたくし白い旅人もプレイヤーとして参戦している。

富村:おお、アルレシオ公国っすか(笑)。使っていただけるなら是非是非。

GM:それでそのアルレシオ公国編で、ゲストPCとして富村さんも参戦して頂けませんか?(笑)

富村:是非!(笑)

GM:プレイヤーはどうします?騎士団長あたりとかありかなとは思いますが。

富村:そうですね、じゃあここは…○○で。

GM:おお、いいですね、それ(笑)。じゃあ、そいつで行きましょう(笑)

富村:いいんですか?!(笑)

GM:ええ、やっちゃいましょう!(笑) こちらもそのようにシナリオ組んでみますので。

富村:こいつは楽しみだ(笑)

こうして意外なプレイヤーとキャラクターを交えて、眠りの皇帝は新たなる舞台、
新たなる物語へと移行する。
その結果がどのような結末を生むか、それは今後の展開と共にご期待くださいませ。


◆GMシーン 〜集う騎士達〜
GM:というわけでかねてからPLの皆さんには告知していましたが
今回からの『アルレシオ公国編』にて特別ゲストが参加いたしますので
皆さん、どうぞよろしくお願いします〜!

富村:競演できて、とても嬉しいぜ。とは言っても単なるゲストだが(笑)

アルジェント:よろしくお願いしまーす。

ディゼル:富村にぃは何のキャラするの?(笑)

富村:まさかバルバルスのPLを任せて頂けるなんて光栄です。

一同:バルバルスかよ!!!(笑)

バルバルス
とあるエスペランサーリプレイで登場した完全なるネタキャラ。
「きょへへへへへ!!」「げひゃひゃひゃひゃひゃ!!」などという奇声を発しながら
敵、味方、シナリオなど所構わず破壊しまくる若本系キャラ。ベアーマンなんて目じゃないぜ。
こいつが出てくると、どんなシリアスシナリオも即座に崩壊するまさにエスペ最終兵器切り札である。
ちなみに初登場となったシナリオは「意志ある者への標」と言うリプレイであり
初登場時のそれはまぁなんというとにかく――(以下自主規制)

バルバルス(富村):俺のシマで勝手はさせねぇぜ、聖十騎士団。

サクス:出オチじゃん(笑)

GM:バルバルスを笑う者はバルバルスに泣く。

バルバルス(富村):その通りだ。何故なら俺が本気でデータを組んでいるからな!

アルジェント:笑ってないけど泣いたわ。

GM:まぁ、そんな感じでそろそろはじめましょうか〜!
まずGMシーンから行って、その後で富村さんのキャラのOPにいきま〜す!

アルジェント:よろしくお願いしまーす。

ディゼル:お願いします〜ん

◆   ◆   ◆

アルレシオ公国。
その地で繰り広げられるは魔人達の狂宴。

集う聖十騎士団。
祖国のために戦う騎士達。
赤き血を流し戦うは誰が為か――。
死闘の果てに現れるは第七騎士にして公国の支配者
“暴君”ジグード=ネルデファ

彼が抱く黒き野望。
そして、物語の裏に蠢く影がゆっくりと舞台へ上がりゆく。



◆   ◆   ◆

――アルレシオ公国の首都・ヴィルケナム。その王宮の最深部に五人の存在がいた。
彼らはいずれも劣らぬ人知を越えた化け物、魔人の集団。
その中の一人、赤い服を着た神弾の討ち手が言う。

「指輪は見つけたが、その指輪を持っていた小僧が契約をしていたぜ。
あの小僧をぶっ殺さないと指輪は手に入らないだろうな」

その言葉を聞き、玉座に座り威厳に満ちた雰囲気を纏う壮年が口を開く。

「ネヴィル。貴様はお遊びがすぎる。なぜ、さっさと殺して奪わなかった」

「いいじゃねぇかよ。どうせ、連中はここに来るんだろう。
だったらその時に改めて奪えばいいさ。狩りってのは楽しんでやるもんなんだよ」

その答えに対し、暴君は苛立ちを込めつつも静かに返す。

「知っているとは思うが、この国における支配権利は全て儂にある。
同じ聖十騎士とは言え、貴様達も儂の指示には従ってもらうぞ」

その言葉に対し無言の肯定を表す四人であったが、
うち一人が気だるそうに起き上がり扉の方へと向かう。

「…どこに行く、レスト」

「ここじゃオチオチ寝てられないからな。別の場所で寝る。
作戦が決まったら言ってくれ、指示には従うよ」

サクス:レスト(笑)

気だるそうにそう言いながらレストは静かに退席をしていく。

「ちっ、何であんな奴が騎士団最強の一人なのかね…」

「仕方が無いでしょう。18年前に死んだ“あの三人”を除けば彼と“創生者”が現状では最強です」

奥にいた青髪を持つどこか知的な雰囲気を漂わせる青年がそう言う。
それと同時に、その言葉を聞いたこの場いる全員が静かに黙り込む。

それは緊張でなく―――純粋な恐怖。彼らは思い出し、恐れているのだ。
“あの三人”という存在を。

「…“人形遣い”あの忌まわしい奴らの名を口にするな。想像するだけでもおぞましい。
奴らはもはや我らの汚点、反逆者なのだぞ」

一騎当千にして魔人とも呼べるべき存在、聖十騎士団。
その彼らすら“三騎士”と呼ばれる存在を恐れている。それはもはや同じ騎士と言う枠組みではなく
それをも超越した位階の上位の存在のように。
そして、それに頷くように人形遣いと呼ばれた男は別の話題をふる。

「なら彼らがここに来たら、策は僕に任せてもらえますか、暴君殿。
僕は弱く臆病ですから、戦いは貴方達に任せますよ」

人形遣いのその言葉に暴君を含め多の騎士達も頷く。

「いいだろう。策はお前に任せる。だが決定権は儂にある。忘れるなよ」

「ええ、仰せのとおりに――」

そうおじきを行い人形遣いは静かに肯定の意を表す。
やがて、何かを思い出したように神弾の討ち手ネヴィルが不快な感情を込めて言う。

「それにしても“創生者”の奴も何のつもりだか…。そもそもなんであいつがあんな……」

「彼の任務は別物なんですよ、神弾の討ち手。まあ、他人の任務の事なんて気にしない方がいいですよ」

「は、言われるまでもねぇよ」

やがて、しばらくの沈黙の後に暴君は静かに宣言する。

「いずれにしろ。奴らの命とそして指輪はここで、儂が奪い取る。
この聖十騎士団第七騎士“暴君”ジグード=ネルデファがな」


『聖十騎士団』


―――― DEATH   0/10
     REBIRTH  0/3  ――――


<アルレシオ公国>編
◆PC4オープニングシーン 〜魔人が哂う夜〜
GM:アルレシオ公国、教会地下――。
かつては栄華を極め美しかった街が今は荒み荒れ果てていた。
人心も疲弊し、多くはアヴェスター教会の教えに従い彼らの傘下となり
王宮の騎士達もまた暴君ジグードのいいなりと化していた。

――そんな状況下ではあったが、一筋の希望もそこにはあった。
今、教会の地下にいるのはそんな現状を打開するべく王宮より逃れ集まった騎士団達。
そして、それらをまとめる神父クロード=マンデスと――公国最強騎士“天剣”のアゼル。

アゼル:剣を地に突き立て祈りを捧ぐ。剣に何かを誓うように、ただ真摯に祈りを捧ぐ。

GM(クロード):「アゼル殿。現状、兵力は確かに集まっていますが
我々だけではまだ蜂起には難しいかと…」
そんな君を見て、後ろから不安げに声をかけるクロード。

アゼル:その言葉に立ち上がり微笑む。
「ご安心を、『機』が来ます」

GM(クロード):「…機、ですか」
少し不安そうだったクロードだが君の言葉を受け、彼もまた笑顔を浮かべる。
「ええ、そうですね。アゼル殿がそう仰るのであれば」

アゼル:「待ちましょう。今はそれが戦いです」
剣を地から抜き、鞘に戻す。

GM(クロード):「分かりました。それではいつも申し訳ないですが、
教会付近の見回りをお願いできますか」

アゼル:「勿論です。我等を匿って頂いているのですから。私に出切る事でしたら何なりと」
微笑み1人教会へと繋がる階段へ向かう。

GM(クロード):「ええ、ではお願いいたしますね」神父は君を信頼し、笑顔を見せ見送る。
そして夜――、少し肌寒く赤い月が昇る不吉な夜。
君は教会から少し離れたところで気づく。自分を囲む数人の人の気配に。

アゼル:「……ふむ」

GM(騎士):「公国最強“天剣”アゼル殿ですな」そう言い、現れたのは王宮の騎士団数人。

アゼル:「えぇ、私がアゼルです。こんな夜更けに何か御用ですか?」

GM(騎士):「偉大なるアヴェスター教会に逆らう異端者。ここで我らが貴方に裁きをくだそう」
そう言い、彼らはゆっくり剣を抜く。その瞳には殺意のみしか存在していない。

アゼル:「……」1、2、3…10人
「…来なさい」

GM(騎士):「いかに貴方が公国最強とは言え、これだけの数を同時に相手できますか!」

アゼル:剣に手をかけることもせずただ悠然と立つ。

GM:騎士達は駆ける、君の四方を囲むように同時に。

アゼル:「貴方達は“天剣”の由縁を知らないようですね。」

GM:胸。右腕。左腕。背。その四箇所を同時に狙い刺そうとする。

アゼル:瞬間、血飛沫が舞う。

GM(騎士):「―――――」君へ向かった四人の騎士は全く同時にその場に斃れる。
「…なっ!馬鹿な…一体…何が…?」

アゼル:「…今日は、いい夜ですね」空を見上げ、月を眺め微笑む。

GM(騎士):「くっ!ひるむなっ!同時だ!全員同時で行くぞッ!!」
そう言い、残り全員の騎士が同時に君へと向かう。

アゼル:「…それに…いい月だ。そう、殺すには、とても、ね」

そして、視界は全て鮮血に染まった――。
しばしの後、笑う男の足元に血溜りのみが存在し騎士団はその原型すらもなくただ肉の塊となっていた。

アゼル:「…満ち足りませんねぇ」
顔に狂気の微笑みを浮かべそう嘯く。

鮮血の月のよりも紅く、その男の身体は染まっていた。
魔人。彼は哂う。これから起こる愉快の出来事を想像して。

◆PC4オープニングシーン終了

アルジェント:まさかのアゼル。

アゼル(アザゼル)
汝、誰が為の剣とならん編で登場したNPCにして物語の黒幕。
その正体は人間でありながら、何千と言う魔族の血肉を喰らい、自ら魔族へと変貌した魔人。
本来は敵であるはずの彼がこの物語において、どう行動するのであろうか…。


 
戻る