第6章 誓いの指輪

◆ミドルシーン2 〜誓いの指輪〜
GM:リックを弔い。ディゼル・アルジェント・サクス・アリス。
君達は全員、ダグラスの家に集まっていた。
ダグラスはソファに座り、とりあえず自分の分のコーヒーだけを用意して君達に話を始める。

アルジェント:腕を組んで壁によりかかっていよう。

GM(ダグラス):「さて…まずは何から話したらいいか」
言ってダグラスは手に持ったコーヒーをテーブルに置き、語り始める。
「とりあえず、今お前達に関係があり、私が知りえる三つの事柄から順に話すか。
ディゼル、お前がしている『誓いの指輪』と現在この大陸を影で支配しようとしている
『アヴェスター教会』、そしてそこに存在する『聖十騎士団』。この三つについて、順に説明してやろう」

サクス:お香を片手に興味ありげに眺めてますー。

GM(ダグラス):(私のお香…)「ディゼル。お前も知ってのとおり、お前がしているその指輪は
ただの指輪ではない。『誓いの指輪』と呼ばれる古の指輪だそうだ。
私も古い文献でしか見たことがないから詳しくは言えないが…
伝承によるとその指輪の加護を得た者は“ある王”の力を授かると言われている。
だが、普通の者がその指輪をはめたとしても力を授かるはずはなく
仮に授かったとしても、どこか特別な場所でなければ真の継承はできないと聞いている」
言ってダグラスは君の指にはまり、そこから脈動する力を放つ指輪を見て続ける。
「見るとお前はその指輪の加護を受けているな。まさかお前がそれの加護を受けるとは思わなかったが。
一応言っておくぞ、それ、もう外せないぞ」とあっさり。

アルジェント:それはムレる…。

サクス:「外せないのか、若い身空から哀れなことだな」くく、と笑います。

ディゼル:「ダグラスさんは…指輪のことを知ってたんですよね。
…だったら、なぜそれを僕に教えてくれなかったんですか?」
ちょ、サクス怒るぞ(笑)

GM(ダグラス):「だから、捨てろと言っただろう。まあ、捨てていいものでも無いがな。
他の理由としては面倒だったし、まさかお前が本当にその指輪の加護を受けるとは
万に一つも思っていなかったからだ」どきっぱり。

サクス:「ふはっ、まあ確かに王のような尊厳は感じられないな」

ディゼル:「でも、この指輪を奪いに『アヴェスター協会』が動くかもしれないということは
予測できてたんじゃないですか…」このぉ(笑)

GM(ダグラス):「まあ、それは確かにな。それは関しては私の落ち度だ。
いざとなれば私がお前を護るつもりだったが…。
そこの小娘の乱入でお前の居場所が分からなくて探すのに手間取ってしまってな」とアリスを指して。
「…それはそうとディゼル。お前、そこの小娘から何かされなかったか?」
と少し真面目にダグラスさんは聞いてくる。

サクス:婿にされた…?!

アルジェント:結婚詐欺にハメられた。

GM:それそれ(笑)

ディゼル:「えっ…!?いゃ、まぁ…はい」顔真っ赤で(笑)

GM(アリス):「!!こ、こらっ!ディゼル!あの事は“言うなっ”!!
それまで会話を聞いていたアリスが少し頬を赤らめて君にそう“命令”する。
すると、君は途端にあの事について“しゃべってはいけない”と何か信号のようなものがいく。

ディゼル:「い、いやぁゃ、言うつもりはなぃけども…(ゴニョゴニョ)」

GM(アリス):「ディゼル!細かいことを気にしてる暇があるなら、さっさと私の為に“紅茶を持ってこい”」
と再び“命令”。すると君は何故かアリスに紅茶を持ってこなければと思ってしまう(笑)

ディゼル:「ぅぅぅ・・」(笑)
「ほかのお二人もよければ、なにか持ってきますよ…?」場しのぎにそんなこと言う(笑)

サクス:尻にしかれるってレベルじゃない(笑)

GM(ダグラス):「…ふむ、そこの小娘、お前、なにか特殊な力を持っているのか?」
とダグラスさんも一連のアリスとディゼルのやり取りでそれに気づく。
「後で言おうかとも思ったけど、今のうちに教えておくぞ、ディゼル。
もうお前は“私のもの”だからなっ!だから私の命令には逆らえないぞ!絶対に遵守しろよ!」
とすこし威張りながら(笑)

サクス:「ほほう、威勢のいい小娘だな。『誓いの指輪』はこの娘にこそふさわしかったんじゃないか?」

ディゼル:「僕はものじゃないよ〜(笑)」
と言いつつ”命令”が効いてるので会話のほうに顔を向けつつ紅茶を注ぎに退室。体が勝手に動くぜ。

GM:まぁ、種明かしするとこれがアリスの持つ能力ですね。
「“あの時”私がお前に血を飲ませただろう?私は相手に自分の血を含ませることによって
絶対命令を可能とさせる【支配の誓い(エンゲージリング)】という能力を持っているんだぞ♪
どうだ、すごいだろう!」と胸を張りながら。

アルジェント:未来にはそんな能力無かったよなぁ…。気になるところだ。

GM:いや、あるよ。単に条件が少し面倒なの。血を飲ませないといけないから(笑)

サクス:なるほど(笑)

アルジェント:なるほど、アルスはその必要性が無いってだけか。

GM:まぁ、未来ではアリスのこの能力も強化されて条件が血をかけるだけとかになってるかもね。

ディゼル:もう条件は”つば”でよくない?(笑)

GM:とりあえず、そんな感じで話しを進めるね(笑)
「おいディゼル。私にはコーヒーおかわりな」とダグラス。

ディゼル:言うと思った(笑)

GM:もうパシリだぜ(笑)。でディゼル君が親切にも全員分の飲み物を渡したところで
話が再び再開される。
「さっき、そこの眼鏡が言ってた通りこの指輪はアヴェスター教会が狙っている。
だから私は連中から逃げながらもう一つの指輪を持っているお前を探していたんだ」
とアリスはディゼルに見る。
「ディゼル。お前がその指輪の真の力を継承し、王の力を発現できれば
アヴェスター教会なんて連中を倒すのは造作もない事ぞ」

ディゼル:「…う〜ん」わかったようなわからないような顔をする。
「ひとつ聞いてもいいかな?」

GM(アリス):「な、なんだ?」

ディゼル:「確かに僕は指輪を持っていたけど、それはただ単にアリス“君が来た時に持っていたのが
僕”なだけで本当は他に真の継承者がいるかもしれない。そういったことはないのかな?
ほら、サクスさんが言ってるように僕に王の力とか言われても…イメージに合わないというか…」
自嘲気味に言う(笑)

GM(アリス):「お、お前はそこの眼鏡の話を聞いてなかったのか!
その指輪は誰でも力を貸すわけじゃない!
なのにお前は指輪の力を確かに継承できてる!それにもうすでに指輪の誓いは済んで、
お前の指輪が外れることはないんだぞ!す、少しは自信を持てよ!
お前は私が見つけた私のものなんだから…!」

サクス:「『誓いの指輪』が認めた以上それはお前のものだ、ディゼル。
もっと相応しい者が現われた時にそれがどうなるかは分からないがな」

ディゼル:「それはそうだけど…。でもそれは結果論のような…。
まぁ、細かいこと気にしないほうがいいかな。それから僕はものじゃないってば〜」
アリス、もしかしたらキス損してたかもしれないとものすごく言いたい。

GM(アリス):(そ、そんな事ないよ!そうじゃないって…し、信じてるもんっ)
「…じ、じゃあ、私がお前のことを一人前の王にしてやるよ。それなら安心だろう」

サクス:「ふはっ、それを決めるのはその指輪じゃないのか?
認められている間はその責務を果たすべきだ」

ディゼル:「ん、ありがとう、サクスさん。自分なりの努力をしてみるよ」
さっきからアリスのセリフがエロすぎて興奮がとまらん(笑)

GM(アリス):「それで、話の続きだが。さっきそこの眼鏡が真の継承をする場所は分からないとい言って
いたけど、私はその場所を知っている」
と真剣な瞳でディゼルを見る。
「それが約束の地と呼ばれる場所だ。そこで再び指輪の誓いをすればお前は真の力を継承できる」

ディゼル:「――約束の地…か」

GM:それを聞いて、ダグラスは少し驚いた顔をする。その直後、納得したような表情もまた浮かべる。
「なるほど、あそこか、だからアヴェスター教会が…。これで全て繋がったな。
なら丁度いい、誓いの指輪に関する話はここまでにして
次は『アヴェスター教会』についてお前達に話そう」

アルジェント:それを聞いてずっと黙っていたアルジェントがぴくりと反応する。

GM(ダグラス):「アヴェスター教会は今から大体10年くらい前か、そのくらいに設立した教団だ。」
連中はエデンからの解放を謳い、この大陸のありとあらゆる国を吸収、併合、滅亡させ
今では大陸の半分を覆うほど強大な勢力になっている。
理由は不明だが、連中がエデンに対し何らかの“強い恨み”を持っているのは確かだろう」

アルジェント:『あらゆる国』の部分でギリッ…と歯を食いしばる。

GM(ダグラス):「だが、このアヴェスター教会、その総本山がある場所は誰も知らない。
この10年間、奴らの本拠地は依然として不明のままだ。
ただ、その総本山があるとされる場所の地名のみは私の独自の調査で掴んだ。
それが―――約束の地と呼ばれる場所だ」

サクス:「……興味深い話だ」

GM(ダグラス):「奴らは指輪の力を狙っている。
だからこそ、指輪の力を継承できる場所を本拠地としたのだろう」
とここで、ダグラスは一区切り置き、改めて口を開く。
「そして、最後の情報『聖十騎士団』についても話しておくぞ。
聖十騎士団はアヴェスター教会の騎士にして十人の最高幹部の事を指している。
…いや正確には聖“十”騎士団というのはおかしいな。
今の連中の数は“七人”しか存在しないはずだから」

ディゼル:というと…?

GM(ダグラス):「私も聞いた話なのだが、聖十騎士団とは元々ある一人の“主”に
仕えていた騎士団だったらしい。まあ、騎士というの主君に仕える存在だからな。
だが18年前にその十人の中の“三人”が反旗を翻し
その三人は他の七人とその“主”によって抹殺された。その時に残りの七人もバラバラになったらしいが
18年かけて再び集結をして以前の“聖十騎士団”としての名を名乗りアヴェスター教会の最高幹部として
君臨している」

アルジェント:「レスト、ネヴィル、そしてあの女…。不明なのは4人か…」

GM(ダグラス):「今、確実に言える事は…
この七人ならば総本山・約束の地の場所を知っているだろう。
だから、もしお前たちがアヴェスター教会を滅ぼし、約束の地を目指したいならば答えは一つだけだ。
この七人の中から約束の地の在り処を聞き出し、そこに行くしかない。
つまりは聖十騎士団との激突は避けられん」

サクス:「…面倒な事だな」

アルジェント:「元から一人残らず潰すつもりだ。何も変わらない」

GM(ダグラス):「ああ、それから騎士団のほとんどはどこにいるかも分からないような奴らばかりだ。
探すとしても苦労す事は確実だろう」とそこでダグラスは一拍置き宣言する。
「“一人”を除いては、な」

ディゼル:「誰かと面識でもあるんですか…?」

GM(ダグラス):「直接はない。だが聖十騎士団の中で一人だけ
その存在といる場所がハッキリと判明している奴がいる。
それが第七騎士“暴君(ザッハーク)”ジグード=ネルデファだ」
その名を言った直後、ダグラスは机に地図を開く。
「私達がいるのがこの都市トルギスだ。ここから一週間ほど西に向かい国境を越えれば
アルレシオ公国と呼ばれる国に入る。現在、このアルレシオ公国はアヴェスター教会の傘下にある。
そして公国を統べる公爵が少し前に病に倒れ、現在この国を実質的に支配している男がいる。
そいつが聖十騎士団の第七騎士・ジグードだ」

アルジェント:「最悪国一つを相手にしなければならんということか…」

GM(ダグラス):「奴なら居場所は判明しているし、国一つを任せられる立場ならば、
約束の地の事も知っているだろう」

サクス:「なるほどな、確かにこう表立って行動している以上は逃げも隠れもすまい」

GM(ダグラス):「そう言う事だな」アルジェント、サクスの言葉にダグラスも頷く。
「この地図はお前たちに渡しておこう」と、そういって大陸の地図をディゼルに渡す。

ディゼル:受け取るね(笑)

GM(ダグラス):「最後にもう一つ、聖十騎士団について注意しておくぞ。
“第三騎士”と“第六騎士”には気をつけろ。18年前に死んだ三騎士。
これを除けば、現在の騎士団で最強はこの二人のはずだ」

アルジェント:「第六騎士…レストか…」

GM(ダグラス):「第六騎士はお前のほうがよく知っているか」
とアルジェントを見る。

アルジェント:「ああ、戦ったこともある」

GM(ダグラス):「なに…?それでどうだった…と聞くのもおかしな話しか、その様子だと…」

アルジェント:「正直戦闘と呼べるものではなかった。
だが、俺にはそれから数カ月、奴を倒すためだけに磨き上げた力がある。次は…潰す」

サクス:「まずは怪我を治してから、だな。その有様では有事に際して戦えないのは明白だ」

GM(ダグラス):「フッ、それは頼もしいな。それでお前達の目的がアヴェスター教会を潰すことや
総本山を目指すなら利害は一致だろう。なら、今後もお前達四人で行動した方が得策だろう」

アルジェント:「それが、お前が求めるこの情報の対価か?」

GM(ダグラス):「フッ、そうだな。出来ればお前達二人にそこのディゼルの事を頼みたい。
これは私の本心だ」
その時のダグラスはいつもの冷静で冷徹な雰囲気とは違った優しい雰囲気を纏わせていた。

ディゼル:「ダグラスさん…」

アルジェント:「そうか。ならば引き受けよう、得たものには対価を支払わねばならない」

GM(ダグラス):「律儀な奴だな。まあ、そういう考え方も悪くはないな。
とりあえず今日は私の家でゆっくりしてそれから―――」
そうダグラスが続けようとした瞬間、それはこの家に向かって放たれた爆音によって制止された。
『どごおおおおおおおおおおおんっ!!!』
耳鳴りを伴う程の強大な爆音と共に家が大きく揺れる。

アルジェント:バンッ!と外に飛び出すぞ。

サクス:「…やれやれ。おちおちティータイムも楽しませてもらえないのか、この国は」
つい、っとカップの液体を飲み下します。

GM:外を出ると、そこにはこの街に配備されていたアヴェスター教会の騎士団達が集まっている。
見るとそれに追従する形で信者達も各々手に武器やあるいや天術を持って、この家を包囲している。
「出てきましたね、偉大なるアヴェスター教会に逆らう異端者共め」
狂信者。そう呼んでもいい連中がそこにはいた。

アルジェント:「逆らう?違うな。俺はアヴェスター協会を、”殲滅するつもりだ”」

ディゼル:「もう自分たちの居場所が協会側に知られるなんてね…」
外に出て、敵の姿を確認してそう言いますが、焦りは隠せません。

GM(信者):「殲滅だと…!この咎人が!偉大なる神の使徒たる我ら教会に逆らう気か!!」

サクス:「…ああ、ご苦労な事だ。だがま、その信仰心は褒めてやってもいい」

アルジェント:「俺は奴らが奪ったものの対価を必ず支払わせる。
それに神が立ちはだかるというのならば、神を潰すまでだ」

GM(騎士):「異教徒共がっ!残らずここで殲滅してくれるっ!
聖戦の戦士たる我らの力を見せてやろうっ!!」そう言って各々武器を構える狂信者達。
だが、その狂信者と君達との間に入る男がいた。それはダグラス。
「…行け。ここは私が引き受ける」

ディゼル:「ダグラスさん?!」

GM(ダグラス):「お前たちは一国も早くアルレシオ公国を目指す理由があるんだろう。
ならばここで余計な時間を食うな」

サクス:「ほう?お前一人でここを食い止めるというのか、これは驚いた」

GM(ダグラス):「ふんっ、私をただの学者ニートだと思うなよ。褐色」

アルジェント:「…この程度の雑魚、大した相手ではない」

GM(ダグラス):「アルジェントと言ったか。確かに敵一人一人の戦力は大したこと無いが
この街に配置されている狂信者の数は相当だぞ。
それら全てをいちいち相手にしていたらキリがなかろう。
それにお前は先ほどの聖十騎士団との戦いで負傷しているだろう。
ここは私に任せてさっさと行け。家の地下から街の外れに出れる隠し通路がある。そこから先に行け」

アルジェント:「そうか…」
そう言うと前を向いたまま家の屋根に向かって無数の糸を飛ばす。
するとそこに潜んでいた狂信者の伏兵が眠ってばたばたと落ちてくる。
「対価だ。残りは後で払おう」

サクス:「子を護る父か。……死ぬなよ?」

GM(ダグラス):「ふっ、無論。それとアルレシオ公国についたらクロードという男を捜せ。
奴ならお前達の力になってくれるはずだ」そう確信に満ちた声をダグラスは言う。

ディゼル:「…わかりました、ダグラスさん。……気をつけて」
そうとしか言えない自分の弱さに悲しみを覚えつつ通路へ…。

GM(ダグラス):では立ち去ろうとしたディゼルに向かい背中越しにダグラスが
「…ディゼル、その、何だ…お前と過ごしたのは三年くらいで…あまり家族らしい話とかはしなかったが
…。私にとっては…存外、悪くない日々だったぞ…」と、どこか照れるように。

ディゼル:立ち止まって振り返る。
「…えぇ、僕もです」そう微笑み返した。

アルジェント:一応殿はつとめよう。糸の届く限りはダグラスを援護しながら隠し通路へ向かう。

GM:そしてディゼル・アルジェントが家の中へ入っていくのを見て
ダグラスは最後サクスに声をかける。「おい、褐色」

サクス:「なんだ?」背中に弓とか当たりつつ平然と返します。

GM(ダグラス):「お前がどういう考えを持っているかは知らないが…。
ディゼルを傷つけるような事をすれば私がお前を許さないぞ。それだけは覚えておけ」

ディゼル:うひ(笑)

サクス:「ふはっ、俺は自分の守りたい物を守るだけだ」

GM(ダグラス):「…ふんっ、見た目通りの男だな。だが腕は立つと見た。二人の事は任せるぞ」

サクス:「俺の仕事は予約制となっていてな、今約束は確かに取り付けた」

GM:ダグラスのその言葉を受け、君もまた家の隠し通路へと向かった。
そうして、この場にはダグラスのみが残り、君たちはこの街を後にした。

◆  ◆  ◆
「さて、と…」

三人が行ったのを確認してダグラスは改めて正面を向き直る。
そこにはすでに何百という騎士・狂信者達が構えていた。

「愚か者が。たった一人でこの数に勝てるとでも?」

「…ふむっ」

しばらく指を口元にあて、考えることしばしダグラスはハッキリと言い放つ。

「三分だな。それ以上はかけてられん」

その言葉に一瞬あっけに取られた全ての騎士達はすぐにその表情を怒りと殺意に変える。

「我らを相手に三分だと?ふざけるなよおおおおおおっ!!!」

そう叫び駆け出す騎士達。だが次の瞬間。

“どごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおんっ!!!!”

神雷。

まさにそう呼ぶに相応しい、神の雷がダグラスのかざした指先の一つより放たれた。
あろうことかそのたったの一撃だけで、前を包んでいた騎士団の数のその半数が減っていた。

「なっ?!こ、こ、こんな…馬鹿なっ?!」

予想外の出来事に驚愕を隠せない騎士団と狂信者達。
だが、そんな彼らの動揺をよそにダグラスはいつもの冷淡なの口調のまま告げる。

「三分も必要ないな。一分だ、それで片をつける」

そう言ってダグラスはかけていた眼鏡を静かに下ろす。
その鋭い碧瞳に射抜かれ騎士団達は一瞬恐怖を覚えるが、再び剣を構える。

「異端者!死すべしっ!!!」

騎士団達の叫び。そして轟く雷鳴。やがて無数の轟音と光のみがその場を支配した――。

◆  ◆  ◆

アルジェント:あれ…ダグラスってもしかして…。

GM:一方。君達、三人はダグラスの家の地下にあった通路を辿り無事に街の外れに出た。
そこは街から離れすでに離れた場所であり近くには街道が存在している。
もしかしたらダグラスはこういう事態を予測して、これを作っていたのかもしれない。
「とりあえず、これでひとまずは安心だな」
隠し通路から出て、街道を確認したアリスはそう君達へそう言う。

サクス:「どうやらそうらしい。あの学者、相当頭がキレる様だ。死なすには、惜しい」

ディゼル:「でも教会の人が家に着たってことは顔や名前も知っているってことだから
まだ慎重にしたほうがいいかもね」

GM(アリス):「そうだな。だが、何にしても進むべき場所は決まっている。
いくぞ、ディゼル。目的地はアルレシオ公国だ」君の瞳を覗きながらアリスは言う。

ディゼル:「…うん、行こう」
微かな憂いを帯びた目で町を見返し、それからアリスに目を向けいう。

アルジェント:「急いだ方がいい。ジグードは既に俺たちのことを知ってアルレシオ公国で先手を打ってき
ているかもしれない」

GM(アリス):「そ、それもそうだな!それじゃあ、急ぐぞ!ディゼル!」
駆け出すアリス。それに遅れて少し慌てて追い出すディゼル。
アルジェントもサクスも遅れて旅立つ。

サクス:「若者を見るのは清々しいな、ダグラスも同じ気持ちだったのかもしれん」


◆エンディングシーン 〜三人の旅の始まり〜
GM(アリス):「そう言えば、お前達の名前聞いてなかったな」
不意に道中でアリスはアルジェントとサクスにそう言う。

アルジェント:「アルジェントだ」

サクス:「サクス。しがない剣客だ」

GM(アリス):「そうか。私はアリスだ。アリス=アルロス。
おい、ディゼル。お前も挨拶だけはしろよ」どげしとちょっと蹴り(笑)

ディゼル:(笑)「えっと、ディゼルです、ディゼル=オウディラス…」

サクス:「くくっ、『誓いの指輪』に選ばれたのがこんな優男とはな。世の中何が起こるか分からんものだ」

GM(アリス):「お、おい、サクス!私のものを馬鹿にするなよっ!」

サクス:「おやおやこれは失礼した、お嬢さん」

ディゼル:「争い事とは無縁でしたから…」そう軽く笑って言う。

アルジェント:「こいつがいる限り聖十騎士団は羽虫のように寄ってくる。
俺にとっては都合がいい」

GM(アリス):「ディゼル。少しはしゃきっとしろ。そうでないとあのダグラスという奴が
お前を信じて先に行かせたのが意味が無くなるぞ。それにお前には私がいるぞ。さあ、行くぞ!」

ディゼル:「う、うん」
…僕は会って間もない非力な自分のことをこんなにも信じてくれる人のために
力が欲しいと、この時、思い始めたんだ。

GM:君のその想い。それを君の中にある何かを変える小さなけれど確かなきっかけ。
やがて旅を続ける、君たち三人の前には国境が見えはじめる。
その先にあるのはアルレシオ公国。

そこに待ち受ける運命を君達はまだ知らない。

そう、これが物語の序幕であり、四人の出会いと旅の始まり。

そして物語はここから大きく動き出す事になる。

やがて訪れるデウス・エクス・マキナの終わりを
この時は誰も知らずに、ただ蒼穹澄む青空を見ていた――。

◆エンディングシーン終了


 
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