アルレシオ公国編 第10章 暴君、愚昧なる者の野望

<アルレシオ公国>編
◆ミドルシーン9 〜決着、そして〜
アルレシオ公国王宮、その最深部――
“暴君”ジグードが存在する扉の前にて一つの死闘が幕を閉じた。

GM:ディゼルの放った一閃は第九騎士・フェティを切り裂き、彼女を倒した。
「――姉さん…」 “どさり…”
その呟きを残し、彼女は倒れる。

ディゼル:「………」

GM(フェティ):「……とどめを、ささないのですか……?」
床に倒れたまま、フェティは目の前にいるディゼルにそう問う。

ディゼル:「勝負はついたんだ、何も生き死にが決着の全てじゃないだろう…」

GM(フェティ):「…ふふっ…本当に、貴方は甘いですね…ディゼル…。
ですが…それが貴方の強さに繋がっているのですね…」
壁に背を寄せ、フェティは君へ微笑む。
「…私の完全な敗北です。この奥に、第七騎士“暴君”ジグードがいます…。
後は…貴方達で決着を…着けるといいでしょう…」

アゼル:「では進むとしましょうか、ディゼル」

ディゼル:「あ…はい…!」
フェティの方を見詰めていたディゼルはアゼルの声でそちらへと駆け出した。

GM(フェティ):「ディゼル…――」
不意に後ろからフェティが君の名を呼ぶ。
「…ご武運を――」 その一言を最後に君へとかける。

ディゼル:「………」
その言葉に驚いた顔を見せるが「…ありがとう」
そう、素直に彼女の言葉を受け取った。

GM(アリス):「む〜〜、おい!ディゼル!さっさといくぞ〜!」
むす〜とアリスが君の服を引っ張る(笑)

アゼル:「貴女も無理はしないほうがいいですよ」
とフェティにヒーリングポーションを投げ渡す。

GM(フェティ):「…ふっ、ありがとうございます。天剣殿」
アゼルが投げたポーションを受け取るフェティ。

アゼル:計画通り…!

GM:そして今、君達の前にはこの公国の支配者・ジグードの間への扉が広がる。
その奥から感じるは不気味な圧力。だが、ここへ来て後戻りの選択肢は無い。
ディゼル・アゼル・アリス。君達三人はその最後の間の扉を――開いた。


<アルレシオ公国>編
◆クライマックスシーン 〜暴君、愚昧なる者の野望〜
GM:アルレシオ王宮最深部。
その扉の奥には、聖十騎士団第七騎士にして“暴君”の称号を持つ男ジグードがいた。
彼は君達がこの間に入ってきたことを感じ取り、ゆっくりと君達の方へ姿を振り向き挨拶をする。
「ようこそ、お待ちしていましたよ。“天剣”アゼル殿。
そして――“騎士狩り(キリング・シュヴァリエ)”よ」
彼はそう、君達を迎え入れる。

アゼル:「卿も御機嫌麗しいようで何よりですよ“暴君”ジグード殿」

ディゼル:「キリング…シュヴァリエ…?」
一瞬自分が何と呼ばれたかを一人呟く。

GM(ジグード):「ふむ。貴方こそ、“相変わらず外面”が良いようで安心しましたよ」
とアゼルへ。

アゼル:「ほざくなよ小僧」 ニヤリと笑う。

GM(ジグード):「…まぁ、貴方との話は後にしましょう。まずはキリング・シュヴァリエ。
先程のフェティとの戦い、しかと見せてもらったよ」
彼は片手にワインを持ち、まるで友に語るように君へと話しかける。
「しかし驚いたよ、君のその力は我々聖十騎士団のそれと同等
いや我々を殺す為だけに存在する第11番目の騎士、そう言っていい力だ」
「それが指輪の力という事かな」
そう彼は興味深そうに君と君の指にある指輪を観察する。

ディゼル:「……何が言いたい」
あまり人を毛嫌いするほうじゃなかったのだが
なぜだろうか、このジグードの話す一語一語が厭に自分を刺激する…。

GM(ジグード):「なに、単刀直入にいこう。
君達の目的は私を殺し、この公国を私の支配から解放することが目的なのだろう?」
ジグードはそう君達へ目的の確認をしてくる。

ディゼル:「…その通りだよ」
意図が汲めないことを悟られるとまずいような気がして、慎重にその6文字だけを返す。

GM(ジグード):「ならば先に言っておこう。私は君達と戦うつもりはない」
彼は敵である君達を前にそう断言する。
「キリング・シュヴァリエ、そして天剣よ。儂と――手を組まぬか?」
唐突に。ジグードはそう切り出した。

ディゼル:裏で論議中(笑)

GM(ジグード):「正直、儂はこんな公国なぞどうでもいいと考えている。
儂の目的はこんなちっぽけな公国の支配では無い。
いや、むしろ、儂の本当の目的は――キリング・シュヴァリエ、君と同じだ」

「我が目的は――アヴェスター教会・聖十騎士団の壊滅だ」

GM:そう彼は歪んだ笑みを浮かべ持っていたワイングラスを静かに飲み干し、床へと捨てるように話す。
「現在、我々アヴェスター教会・聖十騎士団の指導者は…
第一騎士“聖典(アヴェスター)”ライン=セントへレンという小僧だ。
…ふふふっ、実に実に下らない…餓鬼の指導者よ…」
彼は笑いを堪えるように話し始める。
「かつての我々の“主”ならまだしも…あのような、儂の半数以下も生きていないイカれた小僧が
我々の指導者とは、な。正直、あのような“格下”の小僧に従うつもりなど儂は毛頭も無い」
と、ここでジグードは一区切り置き、ディゼル、君を見る。
「そんな時、キリング・シュヴァリエ。お前と言う光明が現れてくれた。
先程のフェティとの戦いで確信したよ。そう、お前でなら…今の聖十騎士団共を殲滅できると!
今の聖十騎士団を儂とお前とで滅ぼす!そして、その後で儂らが!この大陸の支配者となる!!」

ディゼル:…やはりこいつは好きになれそうにない。
自分の感覚が悲鳴を上げ、いま聞こえるこいつの声を否定する。

ジグード:「儂はな、キリング・シュヴァリエ。他の聖十騎士団共を心の底から嫌悪しているんだよ…。
あのような連中といる苦痛、お前には分からないだろうな…」

ディゼル:「聖十騎士団を滅ぼしたいというのは、
結局アンタが今いる自分の居場所をよりよくしたいだけのための目的だろう…。
それに俺は支配者になりたいわけじゃないっ―――」 そう言い放つ。

GM(ジグード):「まあ、待て。キリング・シュヴァリエ。そう儂を毛嫌いするな。
18年前。お前が知っているかどうかは知らないが
我々聖十騎士団に存在した“三人”の騎士達が反逆行為を行った。
その戦いでかつての“主”を失い、我々は散り散りとなりその“三騎士”達も死亡した」

アゼル:「…懐かしい話ですね」
聞いた事がある。聖十騎士団最強と呼ばれた反逆の三騎士の話。

GM(ジグード):「…本当に…あれは……」
わなわなとジグードの身体が震える。それは歓喜の震え。
「あれは…最高の出来事だったよ!!我らの統治者は消え!魔人揃いの騎士団。
その中でも一際、更に化け物だった悪魔の三騎士達!!奴らもまとめて消えた!!!
ははは!あれは儂にとっては最高以外の何者でもなかった!!」

「シュトルム=ウント=ドラング!」

「ヴァルター=オデッサイス!」

「そして、ヴェルトハイム=ヴィンテンブルグ!」

GM(ジグード):「奴らが消えたときの歓喜と言ったら!ははは!!」
ジグードはそう忌々しい三騎士達の名を挙げ笑う。

GM(アリス):「…ヴェルトハイム=ヴィンテンブルグ」
ぼそりと、ディゼルの隣にいたアリスはその名を呟いた。

ディゼル:「その反逆を繰り返そうって言うのか…。
今度はその三人がやった事を自分からやろうっていうのかよ…?」

GM(ジグード):「その通り!!」
ジグードはディゼル、君のその言葉に同意する。
「キリング・シュヴァリエ!我らは手を組める存在だ!そうだろう!
お前の目的も聖十騎士団の壊滅、そして約束の地へ向かうことならば我らは協力できる!!」

ディゼル:「それでなんだ…あんたはその先人3人のお仲間にでも入れてもらうつもりか?」
棘をもった言葉でいう。

GM(ジグード):「何を言っているんだ?あの忌々しい三騎士は儂と違い策もなく
ただ暴れ周り結果として自滅していった愚昧な騎士共だ。
連中と同じ地獄へ行くのは“儂以外の騎士共”だよ。
キリング・シュヴァリエ!お前の力は我ら騎士団を滅ぼすための称号だ!
それがあれば儂らで現存する騎士団を滅ぼすことなど容易よ!」

第七騎士のジグード=ネルデファ。
最初に、君と彼があった時に君が感じた“違和感”の正体に…ディゼルは気づいた。
そう、こいつは――“騎士”ではない

ディゼル:おぉ…?

GM:この男にはもはや騎士としての誇りはなく
ただ我欲・醜い野心のみが行動原理の全てと化していた。
騎士とは誇りある存在。主へと掲げた剣に忠誠を誓う存在。
あの…ネヴィルにすらあった騎士の誇り。
だが、この男には――その欠片すらも無い。
ただの俗物。それがこの男の本質だ。それをディゼルは理解する。

ディゼル:ネヴィル“にすら”…ひどい扱いじゃ(笑)

アゼル:俺はネヴィル好きだよ(笑)

GM(ジグード):「約束の地・アヴェスター教会の総本山はここより遥か南
ニーブルレイ山脈を越えた先に存在する!
さあ、キリング・シュヴァリエよ!儂と共にアヴェスター教会を滅ぼ――」
そう、ジグードは君達の方へ手を伸ばす――。

アゼル:「…くくく」
堪えられないと言った様に笑い出す。
「くく…はははははははは!下らない…実に下らない!!」

GM(ジグード):「…何がおかしい?天剣」

アゼル:「貴方の滑稽さがですよ、暴君」

GM(ジグード):「…なんだと?」
不快そうにジグードは顔を歪める。

アゼル:「結局貴方は彼の力を借りねば聖十騎士団を相手にすら出来ない
臆病者だという事じゃないですか。こんな子供の背に隠れて“暴君”?
冗談も過ぎると悪趣味ですよ。底が見えましたね、ジグード=ネルデファ」

GM(ジグード):「挑発のつもりか?天剣。儂は負けない戦はしない。そういう男だ」

アゼル:「所詮貴様は俗物。ただの我欲の固まりに過ぎん」

GM(ジグード):「そうかね?これはお前にとってもいい話ではないのか?
お前に対し存分に殺しの場を提供できるんだぞ」

アゼル:「見縊るなよ…小僧。」
瞬間アゼルの体から放たれた殺気が場を満たす。

GM(ジグード):「………」 その殺気に押されてかジグードは一瞬、その口を閉じる。

アゼル:「私の剣は我が主に捧げた物だ。貴様のような男の為に振るえる程、安くは無い」

ジグード:「なるほど。どうやら儂はお前という存在を見誤っていたか。そこまで偽善的存在とはな」

アゼル:「貴様のような獅子を真似る狐には理解出来ないだろうな。
所詮お前はその程度の器だという事だよ、ジグード坊や」 ニコリと微笑む。

GM:では、そのアゼルの台詞が終わるのと同時にこの場に二人の戦士が“合流”を果たす――。
即ち、アルジェントとサクス。

アルジェント:あ、じゃあ演出出していい?

GM:どうぞ(笑)

アルジェント:じゃあ、大口開けたジグードの口の中に“何か”が飛んでくる。
あ、すぐに吐き出していいよ。特別な効果も何も無いし。

GM(ジグード):「――ぐっ……っつ!」
ジグードは口の中に入ったそれを床へと吐き出す。

アルジェント:吐き出されたそれはパンの屑だ。最初にこの公国へ来たときに老人からもらった。
「お前の国のパンだ。美味いだろう?」
そして通路の奥から歩いてくるアルジェント。

ディゼル:あの時の(笑)

アルジェント:はっはっは、ずっとこれを狙っていたのだよ。

GM(ジグード):「貴様ぁ…ネヴィルの小物が…しくじったかッ、あの使えないが小物がッ」
そう忌々しげにアルジェントを睨むジグード。

アルジェント:「だから言っただろう?離れていろと。
お前がこんなに近くにいるから、こんなに早くに喉笛を噛み千切りに来れてしまった」

GM(ジグード):「…フンッ、まあいい。貴様如き、儂一人でも十分よ」

アルジェント:「貴様“ら”だな」 さあ登場してくれサクス。

サクス:「ほう?すると俺は“匹”とでもいう訳か?」
ゆっくりと靴音を踏み鳴らし、コツコツと歩いて出てきます。

GM(ジグード):「…サクスっ」
忌々しげに君の姿を見てジグードは吐き捨てるように言う。

サクス:「ふはっ、俺を五体満足で放っておいたのはまずかったんじゃないのか?
尤も、手足の一二本程度なくなろうと、どうという事もないがな」

GM(ジグード):「…まあ、いい。貴様らの存在などどうでもいい。
儂にとって価値があるのはお前だ。“キリング・シュヴァリエ”ディゼル」
そう言いジグードは再びディゼルを見据える。
「返答を聞かせてもらおう。儂と組むか!」

サクス:「ほほう……随分とご執心な事だ。少年愛も程度が過ぎるとおぞましいだけだな」
くつくつと笑ってます(笑)

ディゼル:「あなたは俺がなんで剣をとったか知っていますか?」
無事なアルジェント、サクス二人の姿を見て落ち着きを取り戻した声でそう言う。

GM(ジグード):「はぁ?そんなもの、儂が知るわけがないだろう」

ディゼル:「わからないのになんで俺とあなたの目的が一緒だと言ってたんですか」
悪戯っぽく軽くいう。
「それに俺の目的は別に聖十騎士団の抹殺じゃあない――。
自分に守れる人を守りたいだけだ――あんたと一緒にしないでくれ、ジグード」
そう言ってジグードの申し出に対する否定の言葉をなげかけた。

GM(ジグード):「………」 君のその返答を聞きしばしの沈黙の後
「…そうか」 と彼は静かに君のその返答を受け取る。
そして、それと同時だった。
彼の足元にある“影”がおぞましい動きを始めたのは。
「ならば、お前たちは儂の目的の邪魔にしかならないようだな。
実に残念だが…儂がこの大陸を支配するためにも、障害は消させてもらう」
ジグードの足元の“影”。それは生き物のように数メートル近くに起き上がる。

アルジェント:「結局お前は最初から最後まで詰めが甘いんだ。
だから最初から最後まで思い通りになどならない」アルのグローブから糸が伸び、周囲を渦巻く。
「そろそろわかっただろう?身の程というものが」

「下がれ大根。この舞台に上がるにはお前は少々役者不足だ」

GM(ジグード):「くく…どこまでも大口を叩きおって…。
ならば見せてやろう!“暴君”と呼ばれる儂の真の力をッ!!
貴様らはもはや!儂の邪魔だあああああぁぁぁ!!!
彼のその叫びに呼応するように彼の影が禍々しい力を放つ起き上がる!

アゼル:「自分の思い通りにならなければ駄々をこねる。まるで子供ですね」
静かに剣を抜き、厳かに宣言する。「謳え、“天剣”」

GM:そして、ジグードの禍々しい力に少し後ずさりするアリスは
ぎゅっとディゼルの服のすそを握って君へ言う。
「ディゼル…“勝てよ”」
それは彼女から君への小さな約束。

ディゼル:「うん…信じてて」 その約束、叶えよう。自らの手で。


そして今、アルレシオ公国における最後の死闘が幕を開けた!


アルジェント:そういえば人形使いがいないな…。どこ行ったんだあいつ…。

GM:おお、いいところに気づきましたね。まぁ今はそれは秘密(笑)


 
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