第1章 変わらない日常、変わる世界

◆グランドオープニング 〜世界終焉の誓い〜
そこは終焉と誕生の地。全ての生命の魂が帰還を果たし、同時に生誕せし場所。
その地に今、三つの魂が零れ落ちる。

ある者は、己が欲望を果たすことが出来ず。

ある者は、ただ一人との決着をつけられず。

ある者は、自身の住まうべき世界を得られず。

三者三様に、それぞれ無念の臍をかみ、故にその魂の慟哭、叫び、嘆きは“彼”を惹きつけた。

「――君達へ問おう」

それは魂となり、もはや世界の海へと消え去る瞬間
彼らに届いた救いの声にも等しかった。

「自らの理想、目的、信念。それら一切を果たせず、為せず、残せず
今まさに世界から消え去ろうとしている者達。敗北者たる君達“三人”へ問おう」

だがそれは決して慈悲深い、救い主ではなかった。
それはまるで、魂を選別し、それをむさぼり喰らう悪魔のような誘惑者の声。

「世界の不条理を呪い、それに抗い、それを打ち砕き、自らと言う“個”の証明を世界に刻みたいかい?
全てが不条理で、不完全で、生まれた瞬間に世界の全てから排除される運命を担った異端者達よ。
己の中に眠ったままの願望、その信念を果たしたいと願うのなら、その手助けをしてあげよう」

それはまさに悪魔の契約。
望みを叶える代償として彼らに課せられるのは――

「僕の手を取り、僕の一部となり、僕のための物語を奏でる駒となるなら
君たちの無念を叶えてあげよう」

隷属と支配。それは文字通り魂に至るまでの。

「さあ、それでは最後に君達へ、もう一度、問おう。
僕の手を取り、その無念を果たし世界へ反逆する決意はできたのなら、その誓いを立ててもらおう」

だが、それを代償としてでも三人答えは決まっていた。

『誓うよ』

『誓おう』

『誓いましょう』

そう、今、ここに彼らの誓いは為された。


「いいだろう、では先に君達、三人の“帰還”を祝福しよう。
そして、ようこそ、僕の一部へ【神の代行者(トゥアハ・デ・ダナーン)】へ。
君達が僕の正式な代行者に相応しい否か、それは今度の君達次第だ」

そして、声の主は三者の魂を手に、その姿をあらわにする。
純白の服を身に纏い、この世ならざる美貌と雰囲気、魂を有する人物。

それはまさに神と形容するに相応しい人物。

「僕の名は“この世の白”ヴァイス」

「――それじゃあ、物語を始めよう。
滑稽で虚しく悲劇的なる物語『悲劇的結末(デウス・エクス・マキナ)の物語』を―――」

今、ここに人知れず、世界終焉へと至る物語の序章が静かに幕を開けていた。



―――― DEATH   0/10
     REBIRTH  0/3  ――――

◆グランドオープニング終了

フェンリル:おお!ヴァイスですか。

GM:うん、ずっと出したかったんだ(笑)

ちなみにこの時、ヴァイスとは名前だけの存在であり、
その存在が明確に登場したのは眠りの皇帝の物語が始めてである。

GM:では次はいよいよ、物語の導入PLのOPに入りますがまずはPL1!ディゼルさんからいきます〜!

◆PC1オープニング1 〜変わらない日常、変わる世界〜
数年前――。
ディゼル=オウディラスはムーヴェリアスに存在する小さな一つの都市に暮らす一人の少年だった。
その都市は砂漠に囲まれたこの熱砂の大陸・ムーヴェリアスにあって
緑豊かな気候に恵まれた都市であった。そこで彼は母と二人で平凡な日常を送っていた。

GM:いつものように朝日が差し込み、君は母が眠る寝室へ朝食を持ってくるところから
物語りは始まります。

ディゼル:ほんわか〜(笑)

GM(母親):「…あ、ディゼル。おはよう。朝食を持ってきてくれたの」
扉を開けて君を出迎えたのは優しい母の笑顔。

ディゼル:「おはよう、母さん。今日の調子はどう?」
母親にわざわざ朝食をつくるなんてきっと重病にちがいなry

GM:君のその問いに対し柔らかな笑みを浮かべる母。
そう、君の推察通り、君の母親は君が生まれた時から体調が悪くほとんどをベットで過ごしている(笑)
「ふふ、大丈夫よ。今日はいつもより調子がいいから」
言って柔らかな雰囲気のまま君の持ってきた朝食を受け取る。

ディゼル:「ん、それを聞いて安心したよ。」
いつものように母親のもとへ朝食を持って行き、渡す。

GM(母親):「本当にいつもごめんなさいね。ディゼにばっかり家のことを任せちゃって…」
君の親切には心から感謝をしているが、やはり後ろめたさがあるのかちょっと暗い声でそう言う。

ディゼル:「何言ってんだよ、僕は見ての通り元気なんだから!
そんなこと気にしないで母さんはゆっくり休んでてって」
そう母親に微笑えみながら答える

GM(母親):「ディゼル…、ありがとう」
と、そこで母親は何かを思い出したように傍にあった引き出しから
一つの手のひらサイズの箱を取り出す。

ディゼル:「ん…?これはなに?」

GM(母親):「ディゼル。もうすぐ誕生日だったわよね?
これ、少し早いけど貴方へプレゼントをするわね」そう言って君にその小さな箱を手渡す。

ディゼル:「母さん…、うん、ありがとう。大事にするよ」
そういって大事そうに両手に包み込む。中身はなんだろw

GM:箱を開くとそこには綺麗な輝きを秘めた指輪が一つあった。
「それ、私の血筋に代々伝わる、すごい逸話が込められた指輪なのよ」

ディゼル:「なおさら失くしたりしたら大変そうだ…」と軽く冗談をいう(笑)

GM(母親):「その指輪は二つでセットになっていて、もう一つ同じ指輪がこの世界のどこかにあるのよ」

ディゼル:「ん?もうひとつあるんだ?」

GM(母親):「ええ。そうよ」くすりと笑みをこぼして続ける。
「ディゼル。もしも貴方がこの先、その指輪をしていた人物に会ったら、それは貴方の『運命の人』よ。
だから絶対に逃したらだめよ?分かったわね」どこかいたずらっぽく母は微笑んだ。

ディゼル:「え?運命の人!? ちょ、ちょっと待ってよ、
僕は相手も知らないし、相手も僕のこと知らないんでしょ?
ど、どどど、どうしてそれが運命の人d○▽※――」
顔を赤らめつつ何を言ってるかわからないんだぜ!

GM(母親):「くすくすっ、どうしてもこうしても、そういう指輪なのよ、これは。
いつか、貴方にその運命が降りてきたら…分かるかもね」
どこか遠くを見つめるように君と指輪を見て母は言った。

ディゼル:まだ顔を赤らめてひとりなにか言ってたディゼだったが
母親のそのなにかしら思う母の顔を見てひとりそう呟く。
「運命、か…」

GM(母親):「とにかくその指輪はディゼにあげるから大事にしないとだめよ?」

ディゼル:「了解。運命の人とやらに会えるまで大事に持っとくよ」
軽口っぽくそう返答する(笑)
「母さん、誕生日プレゼント、ありがとね」そこは素直に感謝。

GM(母親):「ふふっ、喜んでもらえて嬉しいわ。どう致しまして。
…あれ?そう言えば、今日ってディゼ。リック君とエルムちゃんと会う約束じゃなかったの?」
と、ここで母親は思い出したように君へ聞いてくる。

ディゼル :「ぇ………だーーー!!忘れてたっ?!」

GM:それは二日前。
「ディゼル!明後日、ちゃんと門の前で集合だからな!いいな忘れるなよ〜!!」
と遠くから叫んでいるリックの姿をディゼルは幻視した。

ディゼル:「それじゃ行ってくるね、母さんっ!」
そう言いつつ指輪を小指につける
「それと、ちゃんと母さんは休んでおくこと!いいね?」

GM(母親):「分かってるわよ。ディゼルは心配性ね。ディゼルこそ気をつけるのよ」
何にしても君は慌しく準備を整えて街の門の方へ行くことに(笑)
そして、君はリックとエルムに会いに街の門の方へ走る――。

―  ノイズ が 走る ―

GM:街の門へ向う途中、街の人々はみな気さくに君に声を掛けてくるね。
「おお、今日も早いな、ディゼル」「お母さんは元気かい?」

ディゼル:「おはよ〜!」「ディレナのおばちゃんも!母さん今朝は調子良かったみたい!」
「ちょっと友達と待ち合わせしてて、急ぐね〜!」
そう一つ一つこたえつつ手を振り走りぬけて行く(笑)

GM:うん(笑)。そんな街の人々の気さくな声を受けつつ君は街の門の前まで到着する。
そこには君の友人リックと幼馴染の少女エルムの姿があった。
見ると門の向こうには一つの馬車の姿もあった。
「よお、遅いじゃないか、ディゼル。またお母さんの世話をしてたのか?」
君の姿を確認して、リックがそう聞いてくる。

ディゼル:「遅れてごめん。いやぁ…なんというか…ちょ〜っと、ほんのちょっぴり
約束のこと忘れちゃってたとか〜…」

GM(エルム):「…えぐっ…でぃぜぇる…!」
君の発言を聞き終わる前にリックの隣にいた少女・エルムは泣き顔のまま
いきなり君に抱きついてくる。

ディゼル:「ぉぉぁ!? どうしたのエルム?」素で驚いた。

GM(エルム):「ディゼル…!ディゼル…私…やっぱり嫌だよぉ…!」
と言って訳も分からず君に抱きついたまま泣きじゃくってる。
「いやさ、そいつ実は今日…この街から引っ越すんだよ」
泣きじゃくってるエルムを見かねてリックがそう事情を説明する。
「ひっく…実はその…私、今日でこの町から引越ししないといけないの…。
だ、だけど、ディゼルにはずっと言えなくて…こんな直前で打ち明けて…ごめんね…うぐぅ」
とエルムは必死に涙ながら説明する。

ディゼル:「そうだったんだ…」
そんな約束忘れてるってやべぇ…!

GM(エルム):「…うん…ごめんね…ディゼ…いきなりで…こんな事……ぐすっ」
言って涙を拭いたエルムは君を見て言う。
「あ、あのね…もう行かなくちゃいけないんだけど…その…もしよかったら街の少し外まで…
ディゼル、私の事…見送ってくれない…かな」
涙をうるうる溜めて懇願してくる(笑)

ディゼル:そんな顔されたら断れるわけないだろぅ!(笑)
「うん…、わかった。とりあえずゆっくり歩きながらでも話そう?」
そう、エルザを落ち着かせるように言う

GM(エルム):「あ、ありがとぉ!ディゼ!…ディゼって優しいから…私…ごにょごにょ……」
まだ少し涙目だけど頬を少し赤らめて喜んだように君の手を引いてくれる。
「オレは無視かよ」とか突っ込みを入れつつもリックもついて来る(笑)

ディゼル:自分を引くその手に引っ張られるようについてくよ〜。リック涙目(笑)

そうしてディゼルはエルムと並びながら歩き、引越し荷物が積んである馬車も
彼らの歩の歩みに合わせるようにゆっくり歩き出し、三人は街の門を出て色々と話しをする。
幼い頃から三人一緒に遊んでいた事、いつか三人で街の外に出て、大きな都市に行こうと約束した事。
些細な約束事から何まで、色々と語り、気づくと街から大分離れた場所まで出てしまった。
見ると目の前には、この大陸特有の砂の大地、砂漠が広がっていた。

GM(エルム):「…あ、もう完全に街の外まで来ちゃったね…」
少し寂しそうにエルムは君を見て微笑む。
「…それじゃあ、もう見送りはここまででいいから。ありがとうね、ディゼル」

ディゼル:「うん、エルザ。向こうに行っても、元気で」
そう軽く微笑み返す。

GM(エルム):「…うん!またいつか、必ず会おうね!
それと――わがまま聞いてくれて、ありがとう、ディゼル!」

ディゼル:「うん、僕もリックも、大きくなったらエルザに会いにそっちにいくよ。
――っとと」エルザが抱きついてきた勢いでちょっとよろける(笑)

GM(エルム):「うん!私待ってるからね!それじゃあ、またいつかね!ディゼル!」

ディゼル:「うん、またいつか!」…リックは?(笑)

GM:そうディゼルの名前だけを言って馬車に乗ってエルムは砂漠の奥へと消えていく。
「あの女、オレの事は最後まで無視かよ…」とリックが忌々しげに(笑)

ディゼル:「ははは…」乾いた笑みでリックを見る(笑)。

GM(リック):「まあ何にして戻ろうぜ、ディゼル。あんまりここに長居しても熱いだけだしな」

ディゼル:「うん、そうだね…」

GM(リック):「しっかしお前、最後まで鈍感だな。気づかなかったのか?エルムの気持ちに」
帰り道の道中、不意にリックがそう言ってくる。

ディゼル:「え?エルムの?」

GM(リック):「ああ、あいつはお前が……あれ?」
不意、リックの足が止まり、その視線は君のはるか先――街の方を見て呆然としている。
「―――お、おい…ディゼル……あ、あれ……?」
その声は心なしか、震えていた。

ディゼル:「急にどうしたん―――」
リックのほうに顔を向けたあとにリックが一点を見つめて凍っていた。
その意味は、自分が − そっち − を見て分かった。

GM:リックの視線の先、自分達のいるべき故郷、そこへ視線を向ける。
そこは―――

「街が――――…燃え…てる……――」

紅蓮の炎。
ディゼル達がいる遠くの場所からでも十分に分かった。
かつて、これほどまでの炎の色を見たことがなかった。
その炎はディゼルの街を、故郷を――全てを焼いていた。

ディゼル:「…母さん!?」
頭に一番大事な人の姿が真っ先に思い浮かぶ。無事なのか、町のみんなは―――?
そんな風に頭の中が気持ち悪いくらい、ごちゃごちゃして思考がうまくまとまらない。

GM:地を駆け、街へ戻る君。
だが、街の正門へ着いたとき、君の中にあった感情はある一色の色に塗りつぶされる。
それは即ち――絶望。
街は完全に炎に飲まれ全てが焼け燃え盛っていた。
その揺らめく炎の中にはさっきまで君と言葉を交わしていた人の成れの果てが見えた。

―  ノイズ が 走る ―

◆PC1オープニング1終了


 
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