第14章 無垢なる少女

◆ミドルシーン9 〜無垢なる少女〜
GM:一方断崖の穴に落ちてしばらく―――セレナス、君は目を覚ました。

セレナス:「痛……あ、あの子と、ピアノっ……」

GM:見るとそこは地下の洞窟。そして自分はそこの地下湖に浮いている事に気がつく。
見ると、近くの岩場にあの少女が下半身を湖につけたまま、気を失っている。

セレナス:「地底、湖………?だ、大丈夫かな……う、あらゆる、意味で……」
そぉ〜っと泳ぎながら近づきます(笑)

GM:「………」 気を失っているだけで少女は息をしている(笑)
ちなみに地底湖から上がれば奥に結構広い、洞窟とかあるよ。

セレナス:お互いの武器はどうなってますか〜?(笑)

GM:双方、無事です(笑) 取りあげてもいいけど?(笑)

セレナス:岩場で少女を抱えると、岸辺までゆっくりゆっくり泳いでいきます〜。
時々ちらりちらりと様子を見ながら(笑)

GM:では岸辺まで辿り着き、湖から上がる君とテナ。

セレナス:そーっと武器を取り上げてから、話しかけます(笑)

GM(テナ):「………ん、んんっ」 その時、不意にテナの瞳が開く。

セレナス:「だ、大丈夫…?!」 びっくりさせても怖いのでおそるおそる話しかけます〜(笑)

GM:まずセレナスは彼女の瞳を見た瞬間に少し驚いた。さっきまでは金色に輝いていた瞳が美しい銀の
瞳となって君を見ていた。
「……おにいちゃん?だれ〜?」 可愛らしい声でそう聞いてくる。

セレナス:「へ、へえぇッ?!!」 驚いて飛びのきます〜(笑)

GM(テナ):「…?ここ、どこ〜?」 キョトンと(笑)
明らかにさっきまでとまるで雰囲気が違う。
それだけじゃなく、今の彼女は外見年齢よりもはるかに幼い感じだ。

セレナス:あたふたしつつ、「え、あ、その、そうだ!僕は君のお兄ちゃんだよ!だから安心して!」
よく分からない弁明をします〜(笑)

GM(テナ):「…そうなの!うん、テナ、あんしんした!」
にっこりと微笑む。さっきまでの状況では考えられない表情で。

セレナス:「う、うん、テナ、もう大丈夫だよ!」 こっちもとりあえずにっこりしておきます〜(笑)

GM(テナ):「おにいちゃん、なまえは?」 と君に近づいてくる。

セレナス:「あ、えーとね、僕はセレナス。長いからセレにいちゃんでいいよ!」

GM(テナ):「せれ…?うん、セレにいちゃん!」
そこでテナは自分のベルトに下げてある楽器。以前、セレナスから貰ったフルートに目が止まる。
「あれ?テナ、このがっきいつのまにもってたの〜?」
と言ってテナはベルトにあったフルートを手に取る。

セレナス:「あ、そ、それはおにいちゃんがテナにあげたんだよ!テナは吹けるの?」

GM(テナ):「そうだったの!ありがとう!セレにいちゃん!
うん!テナはがっきがとくい!おねえちゃんにもよくほめられたの!」
そう言って楽器を吹き出し、優しい音楽を奏でるテナ。
しかし、しばらくすると「う〜」と困った顔で演奏を止めるテナ。
「セレにいちゃん…。テナ、おなかがすいちゃった…。ごはんない〜?」

セレナス:「あ、あのね、テナ、僕たちは上からおっこちてきて、それで……って、あ、ああ!」
と、ポットから乾パン(?)を取り出します〜(笑)

GM(テナ):「わ〜い!ぱんだ!ありがとう〜!」 そう言ってもしゃもしゃ食べ始める(笑)

セレナス:「それにしてもテナはフルートが上手だね〜!」

GM(テナ):「うん!おねえちゃんがおしえてくれたの!いろんなおんがくのこと!
アドルおにいちゃんもテナのおんがくをよくほめてくれたの〜!」

セレナス:「あ、アド……それはよかったねー!」

GM:そうして君達は冷えた身体を温めるべく、地下深いこの場所で焚き火をおこし、暖を取る事に。

セレナス:「テナ、体が暖かくなったら、僕たちこれから上に戻る方法を探さなきゃいけないんだ」

GM(テナ):「そ〜なの?」 キョトントした顔で
「テナはセレにいちゃんがいれば、どこでもいいよ〜」

セレナス:「うん、そこには優しいおにいさんやおねえさんもいるからね、一緒に行こう!」
嫌なおっさんもいるけどね(笑)

GM:そんな君の言葉にテナは君へ抱きつく。がばっと!(笑)
「セレにいちゃんもすごくやさしいよ〜!」

セレナス:「うわっ?!と、もー、テナはー!」 なでなでします(笑)

GM (テナ):「えへへ〜。テナ、すごくうれしい〜!」

セレナス:よしよししながら、ふと自分がレーネにしてたことと重なって苦笑します(笑)

GM(テナ):「テナ…ずっとつめたくてこわいところにいたから、セレにいちゃんのそばにいてうれしい…」

セレナス:「つめたくてこわいところ?」 ペレ子の顔が頭をよぎりつつ
「うん、もう大丈夫だよ、セレにいちゃんがテナをしっかり守ってあげる…」

GM(テナ):「すごく…こわいばしょ……みんな、みんなしんでいったの…」見るとテナは肩を震わせてい
た。「ころされて、ころして、そうしないと…いきていけなかったの……」

セレナス:「テナ……」しっかりと抱きしめると、あのピアノを取り出します。
「そっか……大丈夫だよ、ね……」ゆっくりとピアノを奏でます。

「私の神聖な叡智の宝を世界に与えましょう。 財産でも黄金でもなく、神々の栄華でもなく、城や屋敷で
もなく、権力者の栄耀でもなく、曖昧な契約のまやかしでもなく、虚飾にまみれた道徳が強いる苛烈な掟で
もなく、喜びの時も、悲しみの時も、至福をもたらすもの、ただ愛のみを私は残していきましょう」

GM:新しい歌詞がキタ?!!(笑)

セレナス:どうせなので使っちゃいます(笑)

GM:では、その歌声に安心して、テナは目を瞑る…。
「やさしいうた……」 しかし、その瞬間テナは胸を押さえて急に苦しみ出す。

セレナス:「て、テナ?!!」

GM(テナ):「――ご、ごほっ!がはっ!!あ、ああああぁぁ!!!」
見ると顔色がかなり青ざめ、口から血を吐き出している。
「こ…ころさないと…ころさないと…ころ…ッ!!」

セレナス:「え、て、テナ、だ、う、うわああぁぁ!!!」 背中を軽くゆすることしか出来ません(笑)

GM:「落ち着け、少年」 と君の背後から一人の男の声が。

セレナス:「―――?!」

GM:後ろを振り向くとそこにはあのアドルの姿が――。
「……効力が切れたようだ。放っておけばテナは死ぬ」

セレナス:「お、おっさ、う、ううー! アドルさん!もう、もうなんでもいいからテナを助けてあげて!!」

GM(アドル):「…ああ、そのつもりだ。テナを返しえもらえるか?」

セレナス:すぐにテナを渡します。
「叔父さんのことは今はいいから!今は、一人の女の子の命を!助けて、あげて……!!」

GM:ではアドルの腕の中でテナはそっと呟く。「…セレ…ナス……お兄ちゃ…」と。
「…お前の名か?」とアドルが聞く。

セレナス:「……うん。セレナス=リューネリオ。僕の名前だ」 そう、淡々と返します。

GM(アドル):「そう、か。…感謝する」 深々とアドルを礼をする。

セレナス:「アドルさん、テナをよろしくね。何故だか分からないけど、アドルさん、貴方だけは悪い人じゃ
ない気がする」

GM(アドル):「…フッ、悪い人間もいい人間もいないよ。どちらもその人間の一つの面にしか過ぎない」
何か深い憂いを込めた瞳を持ってアドルはそう呟く。
「…何にしても礼を言う。お前は、この子をテナを『人間』として扱ってくれたんだな」

セレナス:「どう見ても、『人間』じゃないか。中身がどうでも、身分がどうでも、外見がどうでも、人であれ
ば助けるのは当然だ。特に、こんないい子は」

GM(アドル):「……オレとテナは同じ生まれだ」

セレナス:「……テナが言ってたよ、お兄ちゃんだ、って」

GM(アドル):「オレ達が育ったそこでは、誰もオレ達を人間とは扱ってはくれなかった。そこではオレ達
は皆、ただの使い捨ての道具だった…」

セレナス:「人間が、……使い捨ての、道具……」

GM:君の反応を見たアドルは少し顔を伏せ「…いや、すまない。忘れてくれ」と呟く。
「テナの事、本当に感謝する。―――それでは」

セレナス:「人間、一生懸命生きていれば、きっといつか、いいことがあるから……!」
叔父さんの事を思い浮かべつつそう答えます。

GM(アドル):「…ありがとう、セレナス。その先の通路を行けば上に繋がっている。無事にあいつらと合
流するんだな」 そう言ってテナを抱えたままアドルは姿を消した。

セレナス:「ありがとう、アドルさん。テナ。次に会う時は仲良く音楽でも奏でられるといいね―――」

こうして、テナという少女との再びの邂逅を行い。アドルと言う青年の優しさを目の当たりにしたセレナス
はアドルの助言に従い、上に上がる通路を見つけ、無事にイオス達のいる場所まで合流を果たす。

セレナス:「ただいま―――」

GM:君が上がってきた時、その目の前ではレーネに介抱されるイオスとそれを見ているリザベラ、ロトゥ
スの姿があった。

リザベラ:「無事だったか」

GM(ロトゥス):「無事だったか、屑。」

セレナス:「うん、心配かけてごめんなさい、僕はこの通り…」
僕の姉さんを!…じゃなくて、「イオス君、大丈夫ッ!!」

イオス:意識がありません。

リザベラ:「疲れて寝ているだけだ。……程度は酷いがな」

GM(レーネ):「しばらく休めば大丈夫と思うんだけど…」 とそこでいつもと少し様子の違うセレナスに気
づいたレーネは君へ声を掛ける。「なにか色々、あったみたいね。セレナス」

セレナス:「うん、色々、あったけど、今が大丈夫なら、それでいいよね、姉さん。」

GM:「そうね、答えはセレナスの中にあるんだから」 とそんなレーネの言葉が終わるや否や
「屑。お前も休んでおけ、明日はあの四柱との決戦だ」 とぶっきらぼうにロトゥスが。

リザベラ:「あいつを……アドルを殺せる……」

セレナス:「決着は、つかなかったんだね。今度は僕も戦うから。一人前の、騎士として」

GM:レーネはそんな決意を固める君を見て笑みを浮かべる。
「セレナス。貴方も見つけつつあるのね。『戦う意味』を――。うん、それでこそ男の子だよ!」

セレナス:「うん、姉さん、僕、人を、姉さんを、守り通せる男になってみせる……!」

それは少年の近いにも誓い宣言だった―――。

しかしこの中でただ一人、ロトゥスだけは明日起こりうる絶望に予感を働かせていた。
そしてそれを予言するかのような言葉もまた…。

「明日…四柱(テトラード)だけではなく……死の王も自らも…動き出すかもしれないな」


◆GMシーン 〜完全への序曲〜
北の果ての果て。魔族達が存在する荘厳なる白き城。
その最深部の部屋の一つに三人の四柱(テトラード)がいた。

一人は四柱のリーダー・ペレリウス。もう一人はその彼の傍にいるアドル=ローベン。
そして最後の一人でもある、テナは部屋の中央にて焦点の合わない瞳で人形のようにイスに座っている。
そんなテナをあきれた顔で見ていたペレリウスは言う。

「前々から使えないぶっ壊れだったけどこれはもう、本格的に使えないんじゃないの〜?」

そう言い終え、ペレリウスは何かを思いつき、凄惨な笑みを浮かべアドルの方へ顔を向けて告げる。

「そうだ!どうせ使い物にならないなら…“制御処置”を取って派出に壊れてもらおうか?」

「―――!!」

それを耳にしてアドルの表情が変わり、目の前のリーダーへと迫る。

「お、お待ちください、ペレリウス様ッ!それだけは…!テナだけは…ッ!!」

懇願するアドルをよそにペレリウスはただいつもの倣岸な態度を取る。

「…君さー、僕への“恩義”を忘れたわけじゃないよね?」

「…そ、それは……」

「本当なら死んでいた君達を生かしたのはこの僕なんだよ。
このぶっ壊れだって、ここまで生かされたんだから十分幸せだろう」

そう言って、ペレリウスはテナの傍まで近づき、その頬を撫でながら続ける。

「元々こいつは“そうなるよう”にされたんだ。なら、その本来の姿を解放させてやるのが。
こいつのためにも僕達の役にも立つってものだよ。だから反論は許さないよ。アドル」

「…………」

そのペレリウスの言葉に対し、アドルはただ静かに拳を握るのみだった。

「分かればいいんだよ。さて、それともう一つ用意しておかないとね♪」

明るい口調のままペレリウスは奥にあった扉を開ける。
そこには一人の少女がベットの上で眠り、静かに瞳を閉じていた。

「イオス=ヴァルムオンド。君への『最高のプレゼント』の用意を…ね」

少女―――セクエンツィアの額に手を置きぺレリウスは呟いた。

◆    ◆    ◆

同時刻―――。最深部・王の間にて。

真紅の髪をなびかせる一人の王は四柱の一人・イクフォード=ゼオルデスよりの報告を聞いていた。

「―――そうか、ヴァルムオンド邸か。ペレリウスめ、勝手な真似を」

真紅の髪の王の反応に対し、イクフォードはいつもと変わらない口調のまま続ける。

「ええ、それでどうしますか?オレは一応、ペレリウス達に付いて行きますが」

イクフォードのその言葉に対し、しばしの沈黙が続いた後…真紅の髪の王は宣言する。

「―――私も行こう」

「…貴方が」

いつもの口調のまま、だが重みを含めイクフォードは目の前の男に確認をする。

「ああ。そろそろ、会ってもよい頃だろう。それに―――」

一拍を置き、王は振り返る。その冷徹な眼差しを美しき容貌をイクフォードへと向け

「“真実”の“一欠けら”を教えるよい機会だ。イオス=ヴァルムオンド」

そう『贄』の名前を呟き『核』の刻印の持ち主―――『死の王(タナトス・エンペラー)』は動き出す。
この瞬間、世界崩壊への序曲は静かに奏でられ始めた。


 
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