◆ミドルシーン10 〜決意の朝〜
GM:長が殺されてから一日。君達は体を休めて今、朝日と一共に旅の支度を終えたところです。 「準備は整ったか?」 そう、この隠れ里のウォーレム達のリーダー・ロトゥスが君に確認を取る。 イオス:無言で刀を握る。その顔は凄く冷たい。 リザベラ:何も言わない。表情も無い。 GM(ロトゥス):「…今更だとは思うが、目的地は分かっているな?」 イオス:「まさかあの場所に戻ることがあるとはな…」 GM(ロトゥス):「確か、貴様の生まれた家だったな?」 セレナス:「イオス君の家には初めて行くなあ。出来ればこういう事情では行きたくなかったけど…」 GM(ロトゥス):「あのペレリウスが指定したからには、何か狡猾な意味があるはずだ…。 気を引き締めていくぞ」 とそれまで黙っていたレーネもまた「私も一緒に行くわ。回復なら心得があるし、 それに弟を一人で行かせるのも心配だしね」 とセレナスを見て言う。 セレナス:「姉さん……」 GM(ロトゥス):「…ふんっ。おい、屑。お前もこれまでの戦いで少しは成長が見られたが、一つだけ足り ないものがある」 セレナス:「おっさんに足りないのは毛根かな?」 GM(ロトゥス):「…殺すぞ」 しゃきんと君の首筋に剣が(笑) 「貴様に足りないもの。それは敵への非情さだ。いいか、これから先、たとえ相手が誰であれ躊躇する な。油断や隙、そして情は貴様自身の死を招く、それだけは覚えておけ」 言ってロトゥスは剣を戻す。 セレナス:「……それでも、僕は、出来る限り、人を殺したりしない」 GM(ロトゥス):「…まあ勝手にしろ。では行くぞ」 こうしてイオス達は目指すべき場所、四柱(テトラード)が待つヴァルムオンド邸へと向かった。 ◆クライマックスシーン 〜造られた呪い〜 ヴァルムオンド邸―――。イオス=ヴァルムオンドが生まれ育った場所。 そこは黒い雲に覆われ、人の気配すらも消えた不気味な屋敷となっていた。 GM(ロトゥス):「フンッ、貴様も随分と陰気なところで育ったな」 とその光景を見て、ロトゥスが一言。 イオス:「知ったことか。必要ならばこんな場所潰しても構わん」 GM(ロトゥス):「…何かあの場所に嫌な記憶でもあるのか? …いや、下らん事を行っている場合ではないな。とにかく、一刻も早く館へ―――」 と言葉を続けようとしたロトゥスの肩を一閃の光が貫く。 イオス:うお。 セレナス:「―――?!」 GM:「―――!」 完全に反応に遅れロトゥスは血が噴き出す肩を押さえ、その場に倒れる。 リザベラ:「なっ?!」 GM(イクフォード):「――よお、来たな」 そう飄々と館の扉を開き、挨拶をするのは四柱の一人・イクフォード。 「待ってたぜ、イオス。けど外野は悪いけどここまでだ」 イオス:「イクフォード…」 GM(ロトゥス):「…き、きさ……ぐッ!!」 思いのほか出血がひどい様子でロトゥスはその場から動けずに悪態をつく。 GM(イクフォード):「とりあえず、この中へ招待できるのはイオスとそっちのお子様とそちらの綺麗な金 髪のお嬢さんだけだ。ま、中で待ってるぜ」 そう軽口を叩き、イクフォードは扉の奥へ消えていく。それを見ていたロトゥスは 「イオス。先へ行け…」 と血を押さえながら呟く。 イオス:「言われなくても立ち止まる気は無い…」 ゆっくりと歩き出す。 セレナス:「姉さんは、そこの役立たずのおっさんを助けてあげて…」 GM(レーネ):「セレナス…」 レーネはセレナスを見て言う。「気をつけてね」 セレナス:「うん、姉さんも」 GM(ロトゥス):「…おい、セレナス」 イオス:お、名前で呼んだ。 GM(ロトゥス):「オレの言った事を……忘れるなよ」 そう、君の名前を初めて呼びロトゥスは言った。 セレナス:「………、………うん。」 リザベラ:「ロトゥス。セレナスの姉。私達に何かあったらエデンのシュヴァルスト様を訪ねろ」 紙切れをレーネに渡すよ。紹介状みたいなモノってことで。活用させる気はないけど。 GM:ではレーネはそれを確かに受け取る。 「それじゃあ、頑張るんだよ。男の子!」 そのレーネの声を聞き、君達はヴァルムオンド邸へと入る。 セレナス:「うん、頑張るよ姉さん!!……と、ロ、トゥス、さん―――」 GM(ロトゥス):「……ふんっ」 そっぽを向いて君のその言葉には片手だけを上げて答える。 GM:ヴァルムオンド邸、内部。 そこはイオスの知っている光景そのままだったが、人の気配の欠片すらも存在しない不気味な場所だ。 リザベラ:……え? 使用人が一人もいないの? GM:うん。一っ子一人いないよ。 『どうだよ、久しぶりの家は?』と何処からとも無くイクフォードの声がその場に木霊する。 イオス:「感慨の湧くような思い出は持ち合わせていない」 GM(イクフォード):『…本当にそうか?』 イオス:「くどい」 GM(イクフォード):『ま、いいや。イオス、お前の大切なセクエンツィアちゃんはこの館のどこかに居る ぜ。って言ってもこの館は広いからな〜。ははっ…と言う事でヒントだけ言っとくぜ。 セクエンツィアちゃんを取り返したかったら…お前が自分自身に呪いをかける原因となった場所…。 そこへ行きな。そこが“当たり”の部屋だ』 一拍置き、確認するように君へ問う『どこだか、分かるよな?』 イオス:「やかましい」 そう言って歩くスピードを上げる。 GM(イクフォード):『ま、せいぜい頑張れよ〜』 と軽い口調のまま、イクフォードの声は聞こえなくなった。さて。それでは何処へ向かう?イオス君。 イオス:そりゃあレオードの部屋だろう。そこ以外ありえん。 GM:おーけー!ではレオードの部屋の前。 荘厳なる扉が目の前にある。しかし、その先には人の気配は感じらず不気味な気配だけが漂っている。 イオス:ノックする必要も無い。遠慮無く開ける。 GM:扉を開いた先には……一人の少女が、レオードの部屋の中央に立っていた。 イオス:「セクエンツィア…」 GM:ぶっぶー!(笑) イオス:ハズレかい! GM:「………」 部屋の中央で糸の切れた人形のように何の反応も無く立っている少女はテナ。 いや、部屋の選択は当たりですよ(笑)。ただセクエンツィアではないだけです(笑)。 イオス:キャラセリフで馬鹿なこと口走っちまったじゃねーか…。編集で切っといて。 GM:分かりました〜(笑) さて、とりあえず部屋の中央には以前君達と戦った、あのテナと言う少女がそこに居るがその雰囲気は 以前までとはまた違うものだった。 イオス:このままじゃ「違ったか…」と言って扉を閉めてしまいそうだ。 リザベラ:イオスの前に立とう。 GM:そして、そんなテナの後ろから一人の少年の声が聞こえる。 「やあ、待っていたよ。イオス君」 リザベラ:ペレ子? GM:イエス。テナの背後から現れるペレリウス。 「ようこそ。一発で部屋を当てるなんてさすがだね〜」 イオス:振り返りざまに斬ろうとする。 GM:では、その瞬間斬ったはずのペレリウスが残像となり消える。 「ははは!ひっどいな〜、いきなり〜」 見ると君のすぐ真横にペレリウスは移動していた。 「まあ、待ちなよ。君達の相手は僕じゃないよ。このぶっ壊れが君達三人の相手をしてくれるよ」 とテナの傍に行き、その肩に手を置いて宣言する。 イオス:「セクエンツィアを返せ」 GM(ペレリウス):「…昔さ〜」 不意にペレリウスが語りだす。 「バカがいたんだよね。【魔王の呪い(サクセサー・オブ・サタン)】を人の手で造り出そうとした、バカがさ …。イオス君。君のその【死の刻印(タナトス・スティグマ)】。最初に発動したとき、すごかったろう?」 君の両腕に今も刻まれている紅い刻印に視線を送り、ペレリウスは聞く。 「どうだった?一瞬で何千人も殺した気分は〜」 イオス:「反吐が出る」 GM(ペレリウス):「まあ、とにかく。一つの【魔王の呪い(サクセサー・オブ・サタン)】でそれほどの強大な 力を秘めているんだ。それを人為的に生み出し制御できれば…それはまさにこの世で敵うものは存在し ない最強の力、兵器になるよね。だから〜それをやろうとしたバカな人間共がいたんだよ」 リザベラ:……まさか。 GM(ペレリウス):「不思議に思わなかった。なんでこんな魔族でもない小娘が僕達、魔族の頂点『四柱 (テトラード)』の一人なのか?こいつはそのバカ共によって実験を繰り返し、人為的な【魔王の呪い(サクセ サー・オブ・サタン)】を埋め込まれたモルモットさ。人為的に作り出された失敗作とはいえ…その力はオリ ジナルの【魔王の呪い(サクセサー・オブ・サタン)】に近い力を秘めている。 そう、君の持っているあの時の【死の刻印】ほどの力を、ね」 そこまで言ってペレリウスは静かにテナから離れる。 「――さて。それじゃあパーティーを始めようか。殺戮のパーティーを、ね」 “ぱちんっ”とペレリウスが指を鳴らした瞬間、テナの瞳が開く。 リザベラ:眼帯を外して剣を抜こう。 イオス:「知ったことか。邪魔になるなら潰すだけだ」 刀は…既に抜いているな。 セレナス:「ふざけるなッ……!テナがどれだけ苦しんでいるか、テナは、幸せに生きなくちゃいけなかっ たんだ…!!」 GM:刹那、目覚めたテナは信じられない程のスピードで自分の隣りにいたペレリウス向けてその双刃を 振るう! セレナス:Σ エエエエエ―――!!! GM(ペレリウス):「おっと。あぶない」 そう辛うじて姿を消したペレリウス。 しかし、テナの放った攻撃はペレリウスの居た空間だけでなくその先の壁、更には天井までも一瞬で粉々 に崩壊させ、吹き飛ばす!“どごおおおぉぉぉんッ!!” リザベラ:「……これは」 なんつう破壊力だよ。 GM(ペレリウス):『はははは!そいつに施された【魔王の呪い(サクセサー・オブ・サタン)】は 【狂戦士の瞳(ヴァーサーカー・アイズ)】と呼ばれる物さ!』 虚空からペレリウスの高笑いの声が聞こえる。 『数ある【魔王の呪い(サクセサー・オブ・サタン)】でも最も凶暴で歴史上最も多くの命を屠ってきた最凶の 呪い、さ。その特徴は生ある者をその息が止まるまで絶殺させる殺戮のみが刻まれたもの。 そのぶっ壊れに施していた制御処置は既に外していてね。さあ、そいつに勝てたら君のセクエンツィアを 返してあげよう』 リザベラ:信用できん。 GM(ペレリウス):『ただし…勝てれば、ね?』 イオス:さて、戦闘か。まさかクライマックスがこいつ単体だとは思わなかった…。 GM:そして、君達の前には【人為・狂戦士の瞳(レプリカ・ヴァーサーカー・アイズ)】を完全発動したテナが 襲い掛かってくる。その金色の瞳には理性の欠片も無い。 『さあ…存分に舞い踊れ『四柱(テトラード)』が一人、狂刃の謳い手・テナ!』 ペレリウスのその宣言と同時にヴァルムオンド邸における死闘の幕が今、上がった。 |