第13章 贄の刻印

都市ウルトでの四柱戦が終わり、戦闘不能状態から復活したリザベラであったが生命力が1の状態であ
るため、一度シュヴァルストから渡された空間水を使い報告を兼ねた回復を行なうためにエデンへと帰還
した。

◆幕間シーン 便利な空間水
GM:ではリザベラは空間水を使い、エデンへと帰還をする。そしてその足で向かったのは
君の司令官・シュヴァルストの下。彼は入ってくるなら君の様子を見て一言。
「久しぶりだな、リザベラ。回復をしに来たのか?」

リザベラ:「えぇ。少し痛手を負ったもので」

GM (シュヴァルスト):「珍しいな。お前が深手を負うとは…」
と、そう言って君に癒しの水を差し出す。「護衛の任務はどうだ?」

リザベラ:「真紅の剣士……見つけました。魔族の頭でありませんでしたが」 水を受け取りますよ。

GM (シュヴァルスト):「……なるほど。それで、仇を目の前にしてどうだったのだ?」

リザベラ:「……歯が立ちませんでした。まだ、足りません」

GM:「…フッ。足りないだけかな?あるいはお前の心に何か迷いがあったのかもしれないぞ」

リザベラ:「迷い、ですか?……私に、迷い」

GM:そんな君を見て、「……いや、何でもない」とシュヴァルストは言葉を続ける。
「私が下したのはイオスの護衛のみ。あとの事はお前の好きにやれと最初にそう命じたとおりに動くがい
い。…さあ、もう戻って任務に就け。この世界のためにもな」

リザベラ:「……了解いたしました」

◆幕間シーン・終了
セレナス:こういう意味深なシーン好き(笑)

リザベラ:じゃあHP全快、空間水を消費、か。空間水の補充は受けたんですか?

GM:いや、受けてないよ(笑) 「…あ、渡し忘れた」 ぼそり。

リザベラ:「あ……空間水。連絡どうしよう」

イオス:こんだけシリアスなシーンやっといて最後がおちゃめか。

◆ミドルシーン8 〜贄の刻印〜
GM:あの激戦から数日――今、君達の前には断崖に囲まれた荒地が姿を現している。
「ここだ」 とロトゥスは宣言する。「この断崖に一つの洞窟がある。そこがオレ達の隠れ場所だ」

イオス:しかし激戦なのにクライマックスじゃないんだよね。あれ。凄い豪華な中ボス戦だ。

リザベラ:全くだ…。

GM:「突いて来い」(←誤字ってます) とロトゥスが君達を案内する。

セレナス:どりゃー!(斧) 冗談ですう(笑)

GM(ロトゥス):「おわっ?!あぶねー!!」 背後から突いてきた君の絶斧を咄嗟に避けるロトゥス(笑)
「屑ッ!!そっちの突くじゃねえ!!付いてこいの付くだッ!!」

イオス:やばい、ロトゥスがイクフォードっぽくなっとる…。

セレナス:「いやー、背中に虫がついてたからね〜♪」
斧を仕舞うと、姉さんの手を握ります(笑)

GM(ロトゥス):「と、とにかく、こっちに来い」 と青筋を浮かべて、改めて君達を先導(笑)
案内された先には断崖にぽっかり空いた穴がありその中を先導して行く。

イオス:じゃあセクエンツィアをお姫様抱っこしたままついていこう。

リザベラ:浮かない顔のままついていこう。

セレナス:「秘密基地?!」 目をキラキラさせます(笑)

GM:その洞窟の中を潜ると次第に人工的に作られた神殿のような内装へと変化する。
そしてこの洞窟神殿にはロトゥスと同じ褐色のウォーレム族の戦士達が数人いた。
その中央に威厳を持って座っている50代ほどの壮年のウォーレムがいる。
顔はローブで隠して、正確には分からないが恐らくはこの人物が――

イオス:オサか。

セレナス:オッサんか。

GM(ロトゥス):「長。連れてまいりました」 とロトゥスが片膝をつく。

リザベラ:オサ……いかにも。

GM(長):「…お前がイオス=ヴァルムオンドか?」

イオス:「ああ、そのとおりだ」

GM(長):「そうか。では、まずは刻印を見せてもらえんか?」

イオス:ではセクエンツィアを降ろし、コートの袖をまくって刻印を見せよう。

GM (長):「…ふふ、確かに間違いない」 と君の刻印を見て、オサは呟く。

イオス:…ふふ。が怪しいな。

GM(オサ):「お前も私と同じ、死の刻印…【贄の刻印】の持ち主だ」 そう言うと長はローブを外す。
その顔には君と同じ『死の刻印』が刻まれていた。

セレナス:ボハ(笑)

イオス:ユートゥー?!

リザベラ:増えた……顔?腕、顔……部位が違うな。

GM(オサ):「…全てを話そう、イオスよ」

イオス:よくこんな物騒なものをつけて部族の長をやれるものだな…。

GM(オサ):「私とて、好きでこんなものを持っているわけではない…。
この【魔王の呪い】の一つ、【死の刻印】は他の呪いとは決定的に違うところがある。
それが同時代に同じ刻印を持った者が何人も現れるというものだ。時期は多少違えど、その発祥はある
一つの事に集約される。イオスよ。お前と私の刻印は同じ死の刻印だが『贄』と呼ばれる刻印に値する」

リザベラ:ペレ公も言ってたな、贄の刻印とか。

GM(オサ):「死の刻印には二つの種類が存在する。『贄』と―――『核』と呼ばれる刻印。
この死の刻印は…『核』の刻印を持つ者こそがオリジナルといってもいい。
ハッキリ言おう。我々『贄』の刻印を持つ者は、この『核』の刻印を持つ者へ“喰われる”宿命を背負わされ
るのだ」

イオス:「数多くの人の死を供物に、儀式の生贄にされるということか。悪趣味極まりないな」

GM(オサ):「お前が“死”ねば、お前の刻印はこの『核』の持ち主へと移動する。
その瞬間、お前のこれまでの人生・経験・能力・その全てが刻印とともに『核』へと捧げられる。
つまり、『贄』が死ぬたびに『核』の持ち主はより“完全”へとなる――」

イオス:うわ、嫌ーな想像が頭を…。

セレナス:多分同じ想像をしてる(笑)

GM(オサ):「…ここまでは分かったか?」

イオス:「ああ…」

GM(オサ):「そして、なぜ魔族達がお前の命を狙うのか…。それは即ち、魔族達の王――
『死の王(タナトス・エンペラー)』と呼ばれる者が『核』の刻印を持った人物だからだ。
全ての『贄』の刻印を喰らった時、死の王は完全なる存在となる――。そうなることは…世界の“死”と同
義だ……。故に、お前が殺されるわけにはいかないのだ」

イオス:「なるほどな。逆にこの刻印を消す方法は、『核』への下克上か…?」

GM(オサ):「…それは――――」
と、その続きを言おうとした瞬間“ドス――ッ!”と言う音が眼前で。
「―――ごふッ?!」

イオス:オサ―――?!

セレナス:ああっ!ロトゥス!

リザベラ:あ。

GM:見ると、長の身体に風穴が開き、血がとめどなく流れだし、長の体がゆっくり前のめりに倒れる。

リザベラ:何が――何が起きた?!

GM:「…それ以上はしゃべらなくてもいいよ。じいさん」 とその声は君達のすぐ傍から聞こえた!

セレナス:ペレ子!!

GM:そう、その声の持ち主――セクエンツィアはそう呟いた。

イオス:えええ―――?!

セレナス:ちょおおおお!(笑)

GM(セクエンツィア):「やれやれ、こんな穴倉に隠れていたなんてね。探すのに手間を取るわけだ」
ああ、そうだ。案内ご苦労様♪イオス様」 そうセクエンツィアの笑顔で目の前のセクエンツィアは言う。

イオス:ちょっ…!

リザベラ:イクフォードの弱さって、このことか。イクフォードの言っていたイオスの弱さ。

GM (セクエンツィア):「…今回は念入りな幻想だったからね。さすがに…気づかなかったね?」

イオス:「貴様ァ…」

GM:そう言って、セクエンツィアはペレリウスの姿へと変化する。

リザベラ:「貴様……」

GM(ペレリウス):「ははは!これで『贄』の刻印が一つ死んだねッ!!」
その宣言通り、長の顔にあった刻印が静かに消えていく。同時の長の命もまた―――。

イオス:コノヤロウ!儂の伏線を返せ!

セレナス:「この……卑怯者がッ!!」

GM(ペレリウス):「残念だったね。本物はまだ僕たちの手の中だよ」

リザベラ:長の経験や強さはこれで死の王にか。

GM:膨大な経験値を取得♪(笑)

リザベラ:ありえねぇ……。

GM(ペレリウス):「さて…ついでだし、このままこの間の続きといこうか?」
その宣言と同時にペレリウスの背後が歪み、三人の影が現れる。

リザベラ:「ッ!」 三人の内一人を睨む。アドルいるでしょ?

GM:「………」 現れたアドルは黙ったまま、君を見つめ返す。 
うん、無論。『四柱(テトラード)』集結ですから(笑)

イオス:「やってくれるなイクフォード…」

GM(イクフォード):「悪いな、これも作戦でな…」

リザベラ:「アドル=ローベンッ! とぉさまの、仇ッ!!」 眼帯を外して捨てる。

GM(アドル):「……その通りだ。お前の父を殺したのは…オレだ!」
そう言ってアドルは剣を抜いて君の方へ駆け出す!

リザベラ:こちらも剣を抜いて迎え撃つ!

GM(ペレリウス):「さて、ついでだし。もう一人の『贄』も殺しておこうか?」
ペレはイオスをちらりと見る。

セレナス:「ペレリウス、叔父さんの敵を討たせてもらうよッ……!!」
じゃあ、そこに割り込む形で(笑)

GM(ペレリウス):では割り込んできたセレナスの姿を見て「…あれ?君、あの時、死ななかったけ?」
と、きょとんとした表情でセレナスを見る。

セレナス:「正直者には神様のご加護があるみたいだね!」

イオス:「お前は一番やってはならないことをした…覚悟はいいだろうな…」

GM(ペレリウス):「ふーん。まあ、何だか分からないけど、生き返ったのならまた殺してやるまでだよ」
ペレは鎌を構えて君達と対峙する。

セレナス:「今度は、そう上手くはいかせないッ!!」 イオスの隣に立ちます〜(笑)

GM(ペレリウス):「はん、下等生物共が。いいから消えなよッ!!」
ペレの放った一撃は真空の渦となってイオスとセレナスに向かっていく!

イオス:演出戦闘?!

GM:うん、ここは演出です(笑)

イオス:うお、じゃあ白い炎をぶつけて真空の起動をずらす。

セレナス:じゃあ、斧を構えると<絶斧>を発動しますー(笑)
「悪いけど、卑怯者の手はもう僕には届かない」

イオス:えっ?!ここで使うの?!

セレナス:演出ではいいんじゃないの?!(笑)

GM:“パキン――!”と言う硝子が砕けるような音と共にペレの放った真空破が消える。
「な、なにッ?!」 とペレ子は初めて焦りの表情を見せる。勿論いいですよ〜(笑)

セレナス:どうもですぅ〜(笑)

GM:「―――なーんちゃって」 しかし、次の瞬間にはあの凄惨な笑みを浮かべるペレ子。
気づくとセレナスのすぐ真横にテナの双刃の姿が!!

セレナス:「なッ……!?」

GM(ペレリウス):「あははは!敵は僕一人じゃないんだよ!!」

セレナス:とっさに斧の刀身で体を隠します(笑)

リザベラ:アドルとの剣劇の合間を縫ってテナに真空斬。攻撃を反らす。

GM:おーけい!ではテナによる双刀の斬撃を絶斧で受けるセレナス。そこへリザベラの真空斬の一閃が
「―――!」 それに対し一瞬反応が遅れ、テナは身体を反らし真空斬を避けるが、そのままバランスを
崩しセレナスの方へと倒れこむ。

リザベラ:「……悔しいが貴様一人を相手にするわけにはいかない様だ」 アドルに。

GM:テナの体はそのままセレナス君も押し倒すように前方の地面へと倒れこんでいく。

セレナス:「うわああッ!?ね、姉さん逃げてっ!!」

GM:倒れる両者。しかし、倒れこんだ場所が悪かった。そこは断崖に空いた深い穴の場所。
君とテナはそのまま、バランスを崩し断崖の穴の中へと落ちていく――!

リザベラ:ちょ。

セレナス:「うわあああああぁぁっぁ――――」

GM(テナ):「――――!」 テナも声も無いまま落ちて行った…。

イオス:分断されたぞオイ。

GM:セレナスとテナ。二人が断崖の奥深くに落ちて行ったのを見ていたアドルは目の前のリザベラから
離れる。「――テナ!テナッ!!」

リザベラ:「――ッ貴様!」

GM(アドル):「…ペレリウス様!この場での役目は果たしました!どうかお引き!」とペレリウスにそう近
づき宣言する。「…はん。君、あのぶっ壊れの事がよっぽど大事みたいだけど。丁度いい機会なんじゃな
いの?あの役立たずを見限るさ〜」 そんなペレリウスの発言にアドルはただ黙り込む。
「まあ、いいや」 と気分を切り替え、ペレリウスは君達の方へ振り向く。
「確かに、ここでは決戦にはちょっと似つかわしくないね」
すると、ペレリウスは子供のような愉快な笑顔を浮かべて続ける。
「そうだっ!最高の場所があったよ!!イオス君、君に取ってのね」

イオス:うわ、嫌な予感。

GM(ペレリウス):「ヴァルムオンド邸とか、どうかなぁ?」

リザベラ:何故またそんなところに……。

イオス:「貴様、何を考えている…」

GM(ペレリウス):「そこで、君を待つことにするよ。勿論、君の大事な人もそこに連れてきて、ね」

イオス:「今度こそ、セクエンツィアを返してもらうぞ」

GM(ペレリウス):「いいよ。ただし、できればの話しだけどね。
最高だね。君はそこで本当の“完全”なる絶望を知ることになるよ―――」
その一言を最後にペレリウスは姿を消した。イクフォードもまたイオスを見つめ。
「まさか、あの屋敷に戻る事になるとはな。まあ、待っているぜ。お前にあの館へ来る勇気があるならな」

イオス:「貴様こそ、首を洗って待っていろ」

GM(イクフォード):「…そうしておくよ」 そう言ってイクフォードもまた姿を消す。
「………」 そして最後に残った、アドルもまたリザベラの方へ振り返り。「決着は、この次だ」

リザベラ:「……殺す。必ずだ」

GM(アドル):「……そうしろ。お前の仇を、討つがいいさ」

リザベラ:「一つだけ、聞きたい事がある」

GM(アドル):「……何だ?」

リザベラ:「私を殺さなかったのは、何故だ。私は何故、生き延びた?
14年前のあの時……何故、生き残った?」

GM(アドル):「…オレはお前を狙って斬ったのではない。オレはお前の父を狙って、斬った。
そこにたまたまお前がいた、それだけだ…」

リザベラ:「……フィリアだ」

GM(アドル):「………お前の……名か?」

リザベラ:「フィリア=クーヘ。お前が殺したとぉさまの娘。……お前を殺す女の名だ。覚えておけ」

GM(アドル):「………フィリア。」 そうゆっくり確かに唇で噛み、その名を呟く。
「覚えておこう。最後のその瞬間まで」 そう言ってアドルもまた姿を消す――。

セレナス:ぶっこわれ放置かぁ(笑)

GM(ロトゥス):「…何と言う事だ!長!!申し訳ありませんッ!!」
とロトゥスは長の死体に必死で謝っている。

イオス:ゆっくりとその場を去るように歩き出す。

リザベラ:「……」 無言でイオスに付いていく。セレナスどうしよう。

セレナス:「ああー………―――」ってそんなに深かったら死ぬわ(笑)

GM(レーネ):「どこに行くの?」 と歩き出す君にレーネが。

イオス:「決まっている。俺の希望を、取り返しにだ」

GM(レーネ):「そう…だったら、なおのこと今日は一日やんだ方がいいわよ。
そんな疲労した状態で行っても死ぬだけよ。
それにどうせ行くなら、私の弟も一緒に連れて行って欲しいしね」

イオス:「やかましい…俺は…セクエンツィアを…」

そう言葉を続けようとした瞬間、イオスは意識を失い、倒れる。
ここまでの旅の道中による体力の消費と先程の戦闘でのダメージ。
更には大切な人物を護れなかった事への罪に意識に彼の肉体がついて来れずに限界を迎える。

「無理し過ぎよ…」

倒れそうになったイオスの体をそう言って抱きとめるレーネ。

イオスは想う。意識を失う最後の瞬間まで。
瞼の奥にあのセクエンツィアの姿を思い出しながら―――


 
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