◆エル=ユーナの用語とキャラクター

世界システム「世界樹の理(ユグドラシル・ロゴス)」 
 エル=ユーナに存在する絶対なる理にして万物の頂点。エル=ユーナと言う世界の創造・破壊・組み換え
世界におけるあらゆる現象・事象・可能性全てを引き起こし、操作する事が可能な世界そのものたる証。
これを手にすれば事実上、その者はエル=ユーナにおける神すらも凌駕する世界そのものとなれる。
故に世界の未来を自在に創造し、死したる魂を再び現世に呼び戻す事や
世界に存在する全ての人間を消滅させる事も可能となる。
しかし、この世界システム「世界樹の理(ユグドラシル・ロゴス)」へと完全に到達した者は未だ一人も存在しない。
唯一「世界樹の理」に限りなく近づいたのが神祖の魔王・アルトサウディウスのみである。
現在、この世界システムに干渉できるのは“この世の白”ヴァイスと“この世の影”シェイドのみと言われる。
他にも僅かな干渉やシステムの起動を起こせる者も存在するとされるが、あまりに膨大で強大すぎる世界システムの前では
そのような僅かな干渉如きは世界システムの行使と認証される事はない。
(とは言え、この世界に存在する人間からすればその“僅かな”干渉ですら大いなる脅威となる)
マクスウェルが求める最終到達目的地でもある。

干渉者
 世界システムに干渉し、起こしえぬ奇跡を起こす事を可能とした人物へ与えられる称号。
神が滅んだこのエル=ユーナに取って、この干渉者と呼ばれる人物がこの世界の神と言っても過言では無い。
かつて滅んだ魔王アルトサウディウスもこの干渉者にあたり、歴代の中で最も真理に近づいた干渉者でもあった。
現在、存在する干渉者は“この世の白”ヴァイスと“この世の影”シェイドと言われる。

“この世の白”ヴァイス

 見た目は16歳程の美少年で憂いを秘めた瞳を持ち、見るものを羨望させる美貌を持つ。
だがその内面は歪んでおり、この世の全てを憎み、世界に存在する人間全てと世界そのものの消滅を願っている。
現存する干渉者の中で最も最高位であり、神王クレイムディアの後を継ぐ神の後継者とされた存在だったが
現在、その身は白の空間と呼ばれる世界から切り離された別次元にて幽閉されている。
この世界の黒幕的存在であり、数々の陰謀をめぐらせ己の願い・世界の消滅を果たそうとする。
直接世界に干渉する事ができないため、彼は自らの代わりとして役割を果たせる己の分身と呼べる存在を集める。
それが【神の代行者(トゥアハ・デ・ダナーン)】と呼ばれる者達である。
また白の空間にあって本来ほど世界システムの干渉を行なえないが、それでもシェイドを上回る死者蘇生(死者延命)、時間逆行と最上級クラスのシ ステムを行使できる。ただし破壊に関する世界システムの干渉のみは行なえない。これは彼にその素養がなかったため。
エスペランサーリプレイ「眠りの皇帝」にて、その存在が始めて登場する。

“この世の影”シェイド

 全身を漆黒のローブで包んだ謎の人物。
古き神々の時代から存在する人物と言われ、その目的は不明。しかし世界の干渉者として世界や人々を正しい方向へと導くべく時折人前に姿を現 し、助言や手助けを行なう。その名に相応しく世界の影として決して表舞台には立たず、光を支えるための行いを続ける。「影とは光なくして存在し得 えない」と自らの存在を比喩する。また割りと幸が薄い。エスペランサーリプレイにて度々登場。好物はレトルト。

神の代行者(トゥアハ・デ・ダナーン)
 ヴァイスによって選別された彼と志を同じくし、彼の一部・駒となった人物達。その全員が世界そのものに対する脅威であり
人も魔族も関係なく全てを消滅させる歪んだ白き神の代行者達。

第一代行者“堕落の蛇”
 最初にヴァイスへと傅いた第一の代行者。現在ヴァイスとの連絡が途絶え、エル=ユーナにて独自の活動を行なっている。
人を堕落させる術に長けており、人の面のあらゆる悪性をいかんなく開花させる。
ヴァイスと深い因縁があるらしく、ヴァイス自身この“堕落の蛇”を心の底から嫌悪しているが、彼ほど世界を破滅に誘う使徒はいないとも称する。

第二代行者“亡者の誘い手”
 【狂戦士の瞳(ヴァーサーカー・アイズ)】の継承者にしてヴァイスに心酔した狂信者。本名ユーグ・ソラン。
1000年前にレギオンの扉システムを完成させたヴァイスがエル=ユーナとレギオンの扉との空間を繋げる為に
このユーグ・ソランの持つ【狂戦士の瞳(ヴァーサーカー・アイズ)】と共鳴し、レギオンの扉とエル=ユーナとの接点になるよう施しを行う。
当初はユーグ・ソランによってレギオンの扉が呼び込まれていたが、「絶斧」と「翼弓」の持ち主達によって倒され、レギオンによる世界の殲滅を果た せずに終わった。
エスペランサーリプレイ「零の騎士」にて遥か1000年前の記憶の際に登場する。

第三代行者“人形遣い”
 魔族でありながら、神の代行者の一人として選ばれた者。卓越した頭脳と幾多もの陰謀を張り巡らせるそれはまさに鬼才であり、ヴァイスの悲願成 就を忠実に遂行する駒として選ばれた。
当初は主であるヴァイスに忠誠を誓い任務を遂げていたが、その任務の際に出会った一人の男の存在に魅了され
彼の妄信的な忠臣となる。眠りの皇帝の魔王の側近「聖十騎士団」の第四騎士でもある。(ただし、これは任務のためにあえて冠した称号である)
エスペランサーリプレイ「眠りの皇帝」にて登場。

第四代行者“硝子の虚像”
 八人の代行者の中で唯一純粋な人間。しかしその内面はヴァイスと同じように世界の全てを無価値と考え、存在する価値がないと信じている。ある 一人の人物の魂を壊すためだけに活動を行なっている。

第五代行者“太陽の神帝”
 全代行者の中で最強と言われ、彼がエル=ユーナに再び再臨した際にはその時点でヴァイスの悲願・世界の崩壊は成就されるとさえ言われる。現 在のエル=ユーナに存在するあらゆる者は決してこの人物には及ばず、それは世界の過去を遡っても唯一、神祖の魔王アルトサウディウスのみが彼 と対等と言われる程である。
あまりに存在そのものの次元が世界と異なるため、ヴァイスの死者蘇生(死者延命)も通常では及びもつかない時間が掛かっており、現在も蘇生シス テムの最中である。
しかし彼が再臨した際はそれはすなわちエル=ユーナの破滅の降臨と同義である。

第六代行者“眠りの皇帝”
 これは五人の魔王の一人であり、現在の南の大陸ムーヴェリアスを支配できる当代の魔王“眠りの皇帝”その者である。
13年前に“人形遣い”による陰謀によりこの人物誕生の計画は挫かれたかに見えたが、当初のヴァイスの目的通りにこの人物の誕生は行なわれ た。この“眠りの皇帝”は三代目にあたるが、歴代の“眠りの皇帝”の中でもその力は随一であり
魔族に伝わる三極剣の一つ、触れるだけであらゆる武具を崩壊させる破壊の剣「ナイトブレイカー(闇夜の破壊者)」の現所有者でもある。シュヴァル スト・アリスに深く関わる人物。
エスペランサーリプレイ「眠りの皇帝」のラストにおいて生誕。

第七代行者“復活の焔”
 エル=ユーナにて死して魂となった所、ヴァイスにその魂を拾われる。
本来は第七の代行者としてヴァイスの命の下、活動を行なうはずの存在であったが本人は蘇生を拒否し、世界へと再臨をせずにいる。エル=ユーナ にて己が果たすべき目的があるが、ヴァイスの悲願に付き合う気はなく、未だに蘇生の意志を見せない。
復活した際には現在の代行者でも上位に入るほどの実力者と言われる。

第八代行者“滅びの帝王”
 新たに加わった新参の代行者、その正体は東のロー大陸を支配する魔王、滅びの帝王である。
彼はある事情から魔王としての能力を失い、大幅な力の減少を余儀なくされ彷徨っていた所を“この世の白”ヴァイスによって拾われ
彼の代行者となることで、その身の安全を保証され、現在まで魔王としての力を失いながらも生存出来たと言われている。
彼自身、ヴァイスに対する恩義は感じており、またヴァイスが願う世界を消滅するという目的も、この滅びの帝王が抱いているある願いを叶えるための 手段に適しており、そうした意味からも、この滅びの帝王はこの世の白の代理人、代行者として世界を破滅させる手段を秘密裏に行っている。

第九代行者“白の剣聖”
 正体不明の最後の代行者にして事実上ヴァイスの体現者。半身そのものと言われる。
この人物が完全に覚醒した際には第五代行者の目覚めを待つことなくヴァイスの望みは果たされる。
第五代行者を除けば事実上、代行者最高位の実力を秘めた人物であり、ヴァイスの計画の中枢を担う役目を持つ。


【レギオンの扉】
 “この世の白”ヴァイスが世界システムに干渉し、その中の一つ無限回帰のシステムに類似した擬似システムを作り出した物。
それこそがレギオンの扉と呼ばれる物であり、全てを喰らい破壊する為の歪んだ世界システムである。
レギオンの扉と呼ばれるシステムの中には“レギオン”と呼ばれる亡者が10億に及ぶほど存在している。それらは本来、世界で死した人の魂である はずなのだが、この歪んだシステムに取り込まれた事により“レギオン”と呼ばれるあらゆる存在を喰らいつくす亡者へと変貌してしまっている。
このレギオンと呼ばれる亡者は世界システムにより変革された、新種の生命(霊体)であり、これを破壊する為には同じく世界システムに匹敵する強 力な力、即ち【神器】の力や【魔王の呪い】などでなければ、破壊する事は敵わない。
ヴァイスはこのレギオンの扉による世界の破滅を目論み、このレギオンの扉とエル=ユーナとの接点を繋げる為に、その時代に生まれた第二代行者 ユーグ・ソランに施された【狂戦士の瞳】に共鳴し、レギオンの扉がエル=ユーナの世界へと開くようにシステムの最終調整を行なった。
この為、【狂戦士の瞳】の持ち主が生まれるたびにそれに反応しこのレギオンの扉が開くシステムともなった。
しかしこの時代、「絶斧」の持ち主であったロイと「翼弓」の持ち主でもあったアラウがこの異変に気づき、【狂戦士の瞳】を持つユーグ・ソランを葬り、 「絶斧」の無効果能力と「翼弓」の能力の一つ封魔の矢により封印が施され、レギオンの扉は機能を停止した。しかし、この機能停止も1000年の時の 流れによって弱体化し、レギオンの扉がレプリカ【狂戦士の瞳】を持つテナに反応し出した事を切欠に【狂戦士の瞳】の正統後継者・レオンの手により レギオンの扉解放が行なわれ、世界は滅亡の危機に瀕する。しかし、零の騎士セレナス、ユーア隊第八席ミスト、封魔の矢を受け継ぐ一族最後の生 き残りユージーン、翼弓の所有者の資質を持つラグナスら、時の英雄達の活躍により、今度こそ、このレギオンの扉は完全なる消滅を果たす。


剣聖

 剣聖とは世界システムの最高位であり世界の根幹を成す存在でもある。
かつて世界が魔王アルトサウディウスによって死に掛けた際に、世界はその脅威を認識した。
これにより世界は新たに魔王アルトサウディウスに匹敵する世界破滅の要因となる存在が現れた際にそれに対抗し得るように抗体となる存在をシス テムとして創り出した、これが剣聖システムである。
いわば剣聖とは世界にとっての白血球のような存在であり、世界を滅ぼす要因に対してのみ働く対抗存在である。(このため世界をたった一人で殺し 掛けた魔王アルトサウディウスと対を成す存在とも呼ばれる)
剣聖とはその時代に生きる人間の中から無造作に選ばれるわけではなく、世界が近い将来に起こりうる危険や崩壊を察知しそれに対処できるように 事前に剣聖となり得る者が生まれるのである。
そして世界を滅ぼす要因が活動を開始すると同時に剣聖もまたそのシステムの起動を開始する。システムの起動と同時に剣聖は人としての意志や 記憶・感情を一時的に無くし世界システムとの完全同調を行なう。
これにより人では決して到達できない世界システム「世界樹の理」の中枢にまで同調し、世界の持つ力を人という器でありながら限りなく発揮する事 が可能となる。これはいわば世界の意志をそのまま代行している形である。
このため剣聖と化している間、本人の意志や人格は仮死状態(眠り)についているが剣聖としての役割が終われば剣聖システムはその機能を終了さ せ、その者の人格や意志は元に戻る。
また剣聖と化している間はあくまで世界が生み出した対抗存在として世界を滅ぼす要因に対してのみ世界の力を行使するものであり、その手段や経 過で無関係な人間を巻き込んだり、世界(己)自体を傷つけることは決してない。
剣聖について正しい伝承が残っている地は少なく、中途半端な知識として残っている場所が多くあり「剣聖となった者は意志や人格を無くす」というく だりから剣聖というシステム自体が人柱的なシステムとして危険視する者がいるがそれは誤った認識であり、正しい剣聖システムには一切の害はな く、まさに世界システムの最高位に相応しい完璧なシステムである。
以上が剣聖システムの全てであるが、こうなると一つの疑問が生まれる。
それは不敗の覇王がこの剣聖システムを持つ者、すなわち剣聖の抹殺を使命としている矛盾である。
不敗の覇王は誰よりも世界を愛する人物であり、世界を守護するこの剣聖を滅ぼすのは己の抱く信念を己で否定しているようなものなのだから。

“剣聖”アーク=フェイル
 初代剣聖にして人類史上最強の英雄と言われた人物。アルトサウディウスの死後、彼は剣聖システムによりすぐにエル=ユーナの世界にて生ま れたとされる。この時、世界に認識した脅威が五人の魔王と言われる(一説には五人の魔王ではなく、その中の一人不敗の覇王に対してのみ反応 したとも言われている)
剣聖システムを宿して生まれたアークは剣聖と化さずとも英雄として十二分な素質を備え、その時代で魔族の脅威に怯える人々を多く救ったとされ る。またその時彼と共に戦い人類最古の歴史に英雄として名を馳せたのがオシリス、ヴァリス、そしてアークの“三英雄”と言われている。
やがてアークは不敗の覇王フォルクスと運命的な出会いを果たす。二人の出会いは後の悲劇からは想像できない穏やかなものであり、それまで誰と も関わりを持たなかった最強の魔王フォルクスが初めて人に心を許したほどであった。
二人は生涯の友と言えるほどの絆を築くが、やがてアークが剣聖として覚醒した瞬間
それまで親友であったはずのフォルクスはアークをその手で討ち取り人類史上最強にして最高の英雄の歴史は幕を降ろす。
何故、互いに深く結びついていたはずのフォルクスがアークを殺したのか。そしてそれ以後、フォルクスが剣聖の抹殺を己の使命と課したのか、全て は謎のままである。

“春の剣聖”ルティナス=フェイレース
 春の大陸エルフェナに生まれ育った少女。ボク口調の明るい娘であり、天真爛漫で純粋無垢な彼女の心に多くの人物が魅了され、知らず知らずの 内に好意を抱くようなそんな少女である(このためエスペランサーシリーズの中でモテモテな少女なのだが、本人には自覚は無い)。
料理の腕に関してカレーに関しては超一流だが、その他の料理はイマイチという不思議な腕の持ち主。
夢は世界一と謳われる学院・銀の学院に入学する事であり、これは父・クレイがかつて銀の学院に通っていた事が理由である。
その正体はアーク=フェイル以降初めて生まれた剣聖であり、その素質はアーク以上とも言われている。
本来、剣聖として目覚めた人物はその自我や意志を眠らせる事により剣聖システムを発揮するものであるが
このルティに限っては己の意志を眠らせる事なく、剣聖システムの力を引き出すことを可能としている(これに関しては才能以上に
精神面の強さによるものであり、膨大な世界システムを前に個我を見失わず、抱いた信念が揺るがなかったからこその結果である)
剣聖として覚醒を果たしたルティの前に不敗の覇王フォルクスが現れ、その戦いの中でルティは完全なる敗北を喫するも
不敗の覇王の心を突き動かす強さを見せ付ける。


エデン帝国
 500年前に空王エデンの生まれ変わりと称される英雄グレスト=F=レヴァントスにより建国された空中帝国。
かつてこのエデン帝国は空王エデンが座した天空の楽園であったが、空王エデンの死後、そのまま遥か空にて人々の記憶より忘れ去られていた物 がグレストによって新たに姿を現した物である。
当時、ムーヴェリアスの上空へと現れたこの空中帝国はバルト王国と同盟を結び、今では世界中に影響を及ぼす大帝国となっている。事実、エデン における騎士の精鋭は他国の騎士より遥かに優秀で勝った人物が多く
こと天術に関しては天術を生み出した空王エデンの生まれ変わりでもあるグレストの影響もあり全世界で最も研究・実績をあげている。多くの天術士 に取ってエデンはまさに到達すべき楽園の国と呼ばれる。
また現在のエデン帝国では八王(ロードオブエイト)と呼ばれるエデン最高司令官が八人存在する。
かつてエデン帝国では空帝の下、最高司令官は一人、二人と存在したが近年になって八人もの最高司令官が揃ったのは歴史上初めての事である。 更にその八人全員が過去の歴史上に存在した最高司令官の能力と互角かそれ以上の力量を持ち合わせていたのだから益々異例である。
この八王の誕生・創設には現在の八王の統治者でもある黒王座第一階位“雷統の王(ロードオブジュピター)”シュヴァルストの存在が大きく関わって いる。
いずれにせよ、現在の世界にとってエデン帝国とは魔族やそれに類する脅威と戦うためには必要不可欠な希望と言える。

エデン皇帝・グレスト=F=レヴァントス=エデン二世
 現在のエデン帝国を支配する神聖不可侵の皇帝であり、事実上人類最強の皇帝。
空王エデン以来、初めての「空」の属性を持つ人物であり、全ての天術を扱え神である空王にすら匹敵する天力を持つ。
かつて【七賢】と呼ばれる英雄のリーダーであり、死の王タナトスを葬った時代の救世主。
エデン帝国を立ち上げ現在では世界中に知れ渡る大帝国の皇帝として知られている。だが彼の姿を直接見た者はほんの僅かな人物のみであり、エ デン帝国においても八王のそれも限られた人物のみしかグレストとの謁見はできず、彼の姿を拝謁する事は叶わない。グレストいわく「未来が見え る」とのことであり、それは世界の未来だけではなく世界に住む一人一人の全ての人生、明日起こることからその人物の生涯の最後までが見えると 言う。常人であれば気が狂うほどの超越能力であるが、彼はその能力によってエデン帝国の皇帝の間より一歩たりとも動かずに世界の全てを動かし ている。
またグレストがヴォルテンブルグやシュヴァルストを通じて、時として非道な任務や殲滅戦、名も知らない人物の護衛などを突如として任務を与えるの は全て“確定されし滅亡”を変えるためと言われている。
グレストいわく、未来とはその人物が何らかの選択をするつど、新たな未来が生まれ一人につき何万、何億もの未来が存在し自分はその未来を見る ことができると言う。そしてそれは無論世界の未来にも影響するが、500年前よりあらゆる選択、あらゆる施策、あらゆる行動を起こしたが今から数年 後に起こる“確定されし滅亡”を変える事だけが出来ないと断言する。
それは今から数年後、二人の人物によりエル=ユーナ世界は滅びるというもの。その結末を500年前より変えようとしていたが未だにその確定されし 未来は変わらずにいるという。
無論、この事は彼以外は知らない最重要機密事項であり皇帝グレストの行動は全てこの“確定されし滅亡”の変革を基準に動いている。

エデン八王

 エデン八王とは黒王座と呼ばれる漆黒の制服を身に纏う四人の王と白王座と呼ばれる純白の制服を身に纏う四人の王により
構成されたエデン最高の司令官である。黒王座の四人はシュヴァルストを司令塔としてエデン帝国における内政や外交を
中心に活動を行い、また空帝グレストによる指令を何よりも優先し行なう事を第一としている。
一方の白王座は統治者は八王最強の王・破滅の王を中心とした部隊だが各々が独自の意志・行動を行う事を許されており
同じ白王座でもお互いの任務のことを知らずに行動をする事が多くある。
白王座は主にエデン帝国における問題ではなく、その他における問題、すなわち各国の情勢や魔族の襲撃それらに対し
独自に動き、対処する事を許されている。そのため白王座の王だけではなく、白王座に属する騎士達もまた精鋭を揃える事が多い。また、八王とは それぞれが人間の限界を極めた超人というだけで八人の王として認められている訳ではない、
彼ら全員エデン帝国の中枢に存在する禁忌の実によって得られる超越能力【王証(ロード・プルーフ)】を得ているからこそ王としてその存在を認められ ている。※1
だがこの禁忌の実とはその実自体が“超越的な力という毒”で出来た実であり、その毒に耐えられない者は死に至ると言うまさに究極的な王の選別 である。
また現在の八王は何人かの死亡者が出ており、その席が空席となっているが、空帝グレスト曰くそれらは八王における必要な死であり空席であると いう。すでに近い未来にその空席を埋める者が集い、歴史の最後を奏でるための八王が揃うと言われている。


黒王座第一階位“雷統の王(ロードオブジュピター)”シュヴァルスト
シュヴァルスト
王証:不明

 現在の八王の統治者であり、まとめ役を担う人物。現在の八王の創設を行った人物でもある。
見る者を圧倒させる雰囲気を持ち、常に冷静で時として冷たい印象を与えるが、自らが認めた人物や人材に対しては
人並み以上の気を配る。このため彼を密かに慕い、羨望を胸に抱く者も少なくはない。
このシュヴァルストはかつてはエデン帝国にてその名を轟かせた天術士であったが突如としてエデン帝国より姿を消し、13年前に再びエデン帝国へ と舞い戻った彼は八王の創設をエデン皇帝グレストに説いたと言う。
彼が八王を建設した理由は極めて個人的な理由であったとされる、この彼の行動により現在の八王という存在が確立されたのだからそれは立派な 偉業と呼べる。
またシュヴァルストは能力のみならず人材確保・及び人材育成について得難い才能を持ち合わせており
彼によってその才能を見い出されそれを開花させた人物達は一人の例外もなくエデン帝国における重役を担っている。※2
また彼は他の王のように表立った席隊員達を持たずに自らの影を称する特殊部隊を持つ。
そのメンバーは現在では5人と言われ(内一人は黙示録の獣との戦いで死亡)、リーダーを務める男はログエルというコードネームを与えられている。 またシュヴァルストは滅多に前線には出ることは無いが、それは彼が不治の病を背負っているためである。
急激な体力の消耗や天術の消費を行なうと発作的に血を吐き出すその病のために彼が全力で戦えるのはせいぜいが数分程度と言われる。しかしそ の数分でさえ彼に取っては十分な時間であり、事実現在の王の中で彼と数分間に渡り戦い合えるのは破滅の王のみと言われる。

白王座第二階位“生命の王(ロードオブアマステラ)”メドウ=グレイン

王証:命刀(アマステラ)
効果:自身の生命力を刃と変換するエルドラードの神器。生命力に比例して、この世で切れないものはない最強の刃となる。

 かつてこの白王座第二階位の主席席隊であったメドウ=グレインがシークレッドクラウド事件を経て
剣聖の護衛を全うしその能力・人格共に王としての素質に相応しい事を認められ現在の白王座第二階位の王となる。メドウの前任であった白王座第 二階位のスペンサー=フェルドはかつてメドウに騎士としての正義を教えた人物である彼女に取っては現在の地位の重みはかけがえのないものであ る。
単純な剣士としての腕は同じ八王の一人であるフィリア=クーへには劣るものの、神器アマステラの現所有者でもありその力を遺憾なく発揮する。追 い詰められれば追い詰められるほど生命の輝きを刃に乗せる彼女の剣は劣勢的状況を覆すものがある。
エスペランサーリプレイ「命尽き果てるまで」の主人公。

黒王座第三階位“支配の王(ロードオブエンゲージ)”アリス=アルロス
アリス=アルロス
王証:【支配の誓い(エンゲージリング)】
効果:その血は絶対服従の毒で出来ている。彼女の身を浴び、飲んだ者は彼女の放つ命令に従う。たとえそれが己の命を奪う命令であっても(アリ スが放つ命令力の強さにもよる)。

 13年前にシュヴァルストと同時期にエデン帝国にやってきた少女。この少女はエデン帝国に来た時点ですでに王証の能力をその身に宿していた (本人が言うには生まれる前からその能力は宿していたと言う)。
身体能力は他の王に劣るもののシュヴァルストより教えられた海鳴と魔獣を手なずける能力、そして何よりも彼女の血を受けた者は何であれ、彼女 の命令には逆らえない下僕と化す。それが魔族であろうとも例外なく。
性格的にはとても王とは思えない自分勝手で我侭で自己中心的で口が悪いが、根は優しい人物であり自分の部下に対しては時折気遣いの言葉を かける事もある。幼少の頃に親や友人、全てに捨てられ孤独だった時期があり、またとても大切な人物を亡くした事があり、そのため大きな孤独感と 喪失感を味わい自分と似たような境遇の人物に対し共感を覚える事がある。※3
シュヴァルストに対して大きな信頼を寄せており、彼女いわく家族の一人らしい。またこのアリスとシュヴァルストが八王の一人となった目的は同じで あり、その目的のために今も八王の一人として在位していると言われる。
彼女の席隊の部下にはエスペランサーリプレイ「命尽き果てるまで」登場の席隊第三席のアルス=ノヴァが在籍している。
種族がドリアスのために幼女と見紛う程だが実年齢は40近くとか何とか。
エスペランサーリプレイ「眠りの皇帝」編におけるメインヒロイン。このエピソードにより彼女が生まれつき王証を持っている理由やエデンの八王となっ た理由。そして彼女の大切な人物・主人公ディゼルとの関係が語られる。
また眠りの皇帝編から現在の精神年齢はほぼ成長していない様子。

白王座第四階位“静寂の王(ロードオブサイレンス)”ユーア=ノルフィアヴィス
ユーア
王証:不明

 わずか15歳という年齢でエデン八王として任命された破滅の王に続く“二人の異例”の一人。
冷静で落ち着いた雰囲気を纏う少女であり、実年齢以上のプレッシャーを持つ。
判断力に優れた人物であり、時として犠牲を厭わずに結果を求める彼女の指示はシュヴァルスト以上に冷酷なものがあり、時として自らの手で対象 を殺害する事もある。しかし彼女が行なう任務の成功達成率は八王の中でも随一であり、賛否両論である。
一部エデンの者達からは彼女の冷酷な指示と統治から「魔女」と呼んでいる。無論理由はそれだけではなく彼女が「魔女」と呼ばれる理由は彼女が 人殺し(しかも肉親殺し)だからである。
当時まだ12歳であったこの少女は自らの弟をその手で殺害している。これは噂の域を出ないものであり、真実であるか不明だが、まだ彼女が幼少期 の頃に彼女が母親と一緒にいた時にテロに巻き込まれ、彼女の母を含め数百人の死傷者が出た。だが、そんな凄惨な状況であり、母と一緒にいた ユーアのみ無傷であったとされる。彼女の周りには死が付きまとうとされ、それゆえに「魔女」と称され蔑まれている。
底の見えない人物であり、彼女が何のために八王となったのか知る者は誰もいない。
普段はこのように少女らしさが無い、冷徹な王であるが甘い物には目がなく、特にチョコレートとケーキが大好物であり、任務を終え一人部屋で休憩 している時はケーキ一箱を食べて楽しんでいると言う。口癖は「馬鹿者」。エスペランサー「希望の軌跡」編のメインヒロイン予定。

黒王座第五階位“虚偽の王(ロードオブペルソナ)”ヨハン=ヴォルテンブルグ

王証:【虚偽の記憶(ペルソナ・メモリアル)】
効果:対象の記憶を自在に書き換え、消去する事ができる。対象はこの操作された記憶を疑う事無く本物と認識する。またこの王証によって書き換 える事ができるのは記憶のみに留まらない。その対象が抱いている感情の方向性すらも変えることができる。即ち対象がAという人物に対して抱いて いた殺意をBという対象に対し向けさせる事が可能となる。ただしこれに関しては方向性を変える修正のみしか行なえない。諜報活動をメインとするヴ ォルテンブルグからすればこの王証能力の相性はまさに最高と言っても良い。

 現在、死亡。そのためこの黒王座第五階位は空席となっている。
エデン帝国における「必要悪」と称される人物。諜報活動や潜入工作、さらには暗殺と言ったエデンにおけるあらゆる裏の部分・汚れ役のほとんどを 行なう人物。このため彼が属する黒王座第五階位の部隊自体もそのような裏の活動を行なっておりエデン帝国においても第五階位の王と部隊の姿 や名を知る者は多くは無い。
またこのためヴォルテンブルグはエデン皇帝グレストより直接独自の任務を課せられる事も多くエデン八王の中でも取り分け特別な存在と言われる。 失われた地脈第二階位「闇(ハデス)」を扱える唯一の人物でもあり、その特性は「地脈を喰らう地脈」と呼ばれ、あらゆる(第二階位以下の全ての) 地脈はこの「闇(ハデス)」へと喰われ、逆にその力となる。
そのため地脈使いは決してこのヴォルテンブルグに勝つことは出来ないとされる。
彼のやり方はその全てが決して賞賛されるものではなく、人の精神や感情を利用し限りなく相手を追い詰めてから仕留める最も効率が高い方法を行 ない、更にはそれに対して何の躊躇いも苦悩も一切見せない。彼の部下であった者達は全て彼の策の駒として死亡、または彼の手により道具として 処理されている。
このため彼の本質を「悪」と認識しエデンにおける「必要悪」と言われるが。実はそれは間違いである。
彼の本当の本質は「無色」である。彼は生まれつきあらゆる感情から切り離された存在であり、己という個を持たず目的意識など一切を持ち合わせて いなかった。故にどのような美徳・悪徳に対しても決して心が動かない人物である。
この彼の本質を見抜いたのはエデン皇帝グレストのみであり、グレストはこの無色の男に「必要悪」と言う色を演じるように命じた。感情を持たないが 故に他者の感情を現象として受け止める事が出来るヴォルテンブルグは他者の考えを最も効率的に利用する事に長けていた。
グレスト曰く、感情を持たず目的意識もない、しかし他者の感情や精神を深く理解するヴォルテンブルグは
命じれば「聖人」にも「絶対悪」にもなれる希な存在と彼を評する。
エスペランサーリプレイ「春の剣聖・序章」にて登場。

白王座第六階位“双牙の王(ロードオブファング)”フラウザー=ミルへルム
フラウザー
王証:【牙風(アゼス・ラファ)】
効果:世界に集う風を一時的にフラウザーが存在する空間へと呼び寄せる。このため世界中で一時的に風が凪の状態となる。
王証発動によりフラウザーを中心とした空間は嵐のように暴風吹き寄せる空間となり、500mは越す天をも衝く四つの風の牙が降臨する。この四つの 風の牙が彼の王証であり、彼が扱う究極の牙である。
この四つの牙風は彼の手足のように自在に動き触れた者を両断する真空の刃の塊である。このためこの牙風を破壊する事は絶対に不可能であり (そもそも風なので破壊の仕様が無い)、発動者本人を倒す以外にこの風の牙を止める方法は無い。
フラウザー本人による超人的格闘術+あらゆるものを両断する4つの牙が同時に襲い掛かるため、この王証が発動したフラウザーの前ではたとえ同じ 八王でも渡り合うのは難しいところである。またこの王証の真の姿でもある、4つの牙風を一つに束ね、大地すらも両断する【牙の中の牙(ファングオ ブファング)】を必殺として放つ。フラウザーのこの王証の性質上、発動すればその地一帯は大型台風の後のように凄惨な傷跡が刻まれるため街中 や周囲に仲間がいる状態での発動を禁じられている。

 現在、死亡。そのためこの白王座第六階位は空席となっている。
彼は元々貧民街で生まれ育ったチンピラであり、大した目的もなく生きていたところをエデンより到来した一人の騎士を前に完膚なきまでに打ち倒さ れる。その騎士こそエデン最高の格闘者であり、フラウザーは彼の誘いに乗り、彼を同じ格闘者という土台で倒す事を目標にエデン帝国へと入国す る。
やがてエデンにて実力をつけ始めた彼の前に八王の長であるシュヴァルストより彼が持つ“本来の素質”について聞かされる。
このフラウザーとは生まれつき強大な風の天術因子を備えており、それはまさに数百年に一度生まれるかどうかの天術士として最高位の素養と素質 を持って、生まれていた。これを看破した彼の才能を見抜いたシュヴァルストは彼に術士としての道を志すよう話すが、フラウザーはその話をアッサリ 断り、術士としての道を拒絶し、それまで続けていた格闘者としての道を断行する。
この理由としてはかつて自分を打ち負かした男を倒す事のみを目標とするフラウザーが「あいつと同じ土台、同じ条件で越える事にしか興味が無い」 と断言する。彼はあくまでも男と対等の条件下で戦う事のみを望み、それが彼の格闘者としてのスタイルに繋がっている。※4
数年前に彼が目標とする男は【レギオンの扉】より現れた亡者(レギオン)より傷を負わされ、そのままレギオンの捕らえられ次元の彼方へと姿を消し た。この原因となったのは男がフラウザーを庇った事が原因であり、扉の向こうへと吸い込まれ男を見て「他人を庇って死ぬなんざ最低な死に方だ」と その死に様を全面否定、男が次元の向こうで生きていると信じ、彼を越えるためにもレギオンの扉の向こうへと到る方法を探すために八王となる。
結果としてレギオンの扉へと向かう手段はエデン帝国に埋もれており、それを発見強奪したフラウザーは即座にエデンより逃亡。彼を慕う多くの席隊 達も彼と同行する。
エスペランサーリプレイ「零の騎士」にて彼の生涯にわたる戦いに終止符が打たれる。
最終的に彼はかつて自分が越えようとした男の弟であるミストを庇いその命を落す。
その死に様はかつて彼が最低の死に方として否定した男の死に様そのものであり、そんな最低な死に様も悪くはないなと笑みを浮かべ眠る。

黒王座第七階位“心眼の王(ロードオブマインズアイ)”フィリア=クーへ

王証:【心眼剣】
効果:【四諦剣】の一つにして。自ら五感の内の一つ視覚を閉じる事により相手の未来の動きを読み、それに即時対応する超絶剣技を行なえる。四 諦剣の詳細については後に記載。

 かつて家族を惨殺され、その際に翼を失ったぺガススの少女。その際、彼女は現在の八王の長であるシュヴァルストに拾われ剣士としての才能を 開花される。自分と自分の家族全てを奪った真紅の剣士に復讐を誓い、その人物を殺すためにシュヴァルストの剣となり、エデンにてその名を知られ る存在となるが
やがて真紅の剣士との邂逅、そしてその旅の中で知る過去の真実と己が進むべき未来を知り、戦いの中で剣士として到達できる究極の極地『心眼 剣』を体得し、シュヴァルストより八王の一人として任命される。騎士として誇り高い気質を備え、現在のエデン帝国の多くの騎士達の模範となる剣 王。世界でも五本の指に入る剣士【五指剣】の一人。※5
シュヴァルストより部下としてではなく家族としての温もりも教わったため、自らの部下に対して厳しい面を出すが、同時に導く事を怠らない。
エスペランサーリプレイ「死の継承者」のプレイヤーキャラクターであり、その物語の最後において八王の称号を冠する。

白王座第八階位“破滅の王(ロードオブアバドーン)”
破滅の王
王証:不明

 現在の八王において事実上最強の能力者であり、ユーアと同じくわずか15にして八王の一人として任命された“二人の異例”の一人。もともと彼が 八王の一人(それも白王座を総べる王)となる事は空帝グレストより生まれる前から定められていたという。逆に言えば彼にとってそれ以外の選択肢 は最初から存在せず、生まれた瞬間から空帝より託された一つの使命に従い今も白王座の長として君臨している。しかし彼はシュヴァルストと違い、 表立った統治や干渉などは一切せず、白王座の統治者という肩書きも行使する事はほとんど無い。普段はエデン帝国にてその姿を見ることはなく独 自(しかも単独)での行動が主である。
同じ王同士ですらこの破滅の王の行動を把握している者は一切いない。ただしエデンにおける重要会議や空帝よりの召集があった際には必ずそこに は姿を現す。
彼の正体そのものが謎に包まれており、エデン帝国でも彼の正体を知る者は空帝と同じ八王の者達のみに限られている。
また争いの大陸を支配する滅びの帝王・アバドーンとある深い因縁を持ち合わせている。


神器

かつて地王エルドラードが所持していたとされる魔王アルトサウディウスを滅ぼした神剣ヴァン=ゼリアが魔王との戦いにより六つに分断され、それぞ れの武器に神剣が宿っていた力と能力が別たれた物。それが神器である。
神器こそが【魔王の呪い(サクセサーオブサタン)】に唯一対抗できる神の力が宿りし武器であり、その時代において神器に認められし者はその神器 の力を自在に使いこなせるという。また同時代に一つの神器に対し二人の所有者が現れる事も希にある。
神器にはそれぞれ司る力とそれを具現化させる“発動”が備わっている。
神器の“発動”を自在に、そして完全に引き出した時、その者は魔王に対抗できる英雄と言えるだろう。

皇鎌(ファルーア)
司る物:時空 発動:空間を斬り裂く 解放:一切不明
 六つの神器最強にして堕ちたる神器と呼ばれるもの、それがこの皇鎌である。
この皇鎌は六つの神器の中で一番神剣の能力と力を色濃く受け継ぎ、その圧倒的な能力の前では他の神器すら屈服させるものがある。皇鎌が司る 物は「時空」、すなわちこの皇鎌の刃を自在に空間を切り裂き所有者が望む場所からその刃の姿を現し対象の体を引き裂く。この皇鎌の前では回避 行動自体が意味を持たず、また回避すれば逆に致命傷を負う事態ともなる。また次元を切り裂く事によって所有者は遠く離れた場所に一瞬で移動す ることも出来、事実上、この皇鎌の所有者を捉えるのはかなりの困難と言えるだろう。
更に皇鎌の能力はこれだけでは終わらない。通常一つの神器につき一つの“発動”のみしか存在し得ないがこの皇鎌だけはその例外である。神剣 の能力を色濃く受け継いだこの皇鎌は“発動”の更にもう一つ上の段階の能力“解放”と呼ばれる力を具現化する事ができる。
この“解放”と呼ばれる力がどれほどの能力であり、どんな効果を及ぼすのかは全くの不明であるが、少なくともこれこそが皇鎌が最強たる由縁と言 われている。
またこの皇鎌が堕ちたる神器と呼ばれる理由は、この神器が魔族側の手に渡り魔族を所有者とするためである。
過去にこの皇鎌の最初の所有者でもあったタナトスは五人の魔王の一人であり、この神器の恐るべき力を存分に解放した人物でもあった。
そして二代目の所有者でもあった白き死神もまたタナトスの半身であり、魔族の筆頭でもあった。
白き死神が姿を消した後、この皇鎌の所在も不明となったが少なくとも未だ魔族達の手に渡っている事のみは判明している。

命刀(アマステラ)
司る物:生命 発動:所有者の命の輝きを代償にあらゆるものを両断する生命の刃を構成
 六つの神器の中で最も英雄と言う言葉を象徴する神器。
この神器は柄のみが存在するものだが、この神器に選ばれし所有者が手にした際、所有者の命を代償にして何人をも切り裂く生命の刃を構成する。 所有者はこの神器を扱う事によって常に生命力を消費する事になるがこの神器が誇る攻撃能力は全神器中でトップクラスと言われる。無論、所有者 がこの神器へと与える生命力に大きく比例する。
かつてこの神器の所有者がこの神器によって命果てるように、この神器は所有者を代償として多くの命を救ってきた。このため英雄の神器として多く 語り継がれているが、その一方で非業の神器とも呼び声もある。
同じ神器の一つ蒼剣とこの命刀は戦いの因縁で結ばれており、銀の太陽と呼ばれる神器の英雄達の中で命刀の持ち主ケルトと蒼剣の持ち主であっ たレオナードは互いに大陸の支配権を賭けての争いを行い、レオノス王国の王バンとその宿敵であったカイザーもまた蒼剣と命刀の互いの所有者で あり、壮絶な戦いを繰り広げた。無論命刀と蒼剣にそのような因縁の呪いがかかっているわけではなく歴史がそのように動いただけであるが、「命尽 き果てるまで」においても主人公メドウと激戦を繰り広げたシアもまた命刀、蒼剣による戦いの因縁に新たな歴史を加えている。

蒼剣(ジルナード)
司る物:重力 発動:所有者を中心とし超重力による超圧縮空間を形成
 大国の象徴と呼ばれる神器。かつてこの神器の初代持ち主であったレオナードは戦い終わって後に自らの王国を建国し、後にレオノス王国の歴史 的英雄王と呼ばれるバン王もまたこの蒼剣の所有者となり国を象徴する剣として民や騎士達に畏敬と敬服の念を与えた。
蒼剣の発動は重力場の形成であり、この空間において蒼剣の持ち主以外は身に掛かる重力の重さに普段のスピードや反射能力は殺され、ほぼ無 防備と言っていいその状態へ蒼剣の壮絶な一撃が入る事となる。
またこの蒼剣の発動は重力場の形成だけに留まらず、蒼剣による一撃に普段の数十倍の重力を乗せ一撃の破壊力で大地にクレーターを作り出し、 自らの周囲に急激な重力差の壁を作ることにより相手の剣が自分の体に届く瞬間、その動きが限りなく減速したりなど様々な重力操作を可能とす る。
またこの蒼剣と命刀は戦いの因縁で結ばれており、その因縁については命刀の欄にて記載されている通りである。
エスペランサーリプレイ「命尽き果てるまで」にてラスボスのシアがこの蒼剣の所有者として認められ、メドウと激戦を繰り広げた。

絶斧(ゼロ)
司る物:無 発動:対象が発動させたあらゆる力(神器の力、魔王の呪い問わず)を打ち消す
 六つの神器の中である意味、最も強力な発動を有する神器。それがこの絶斧。
この神器の発動は即ち無。対象が発動させた能力を全て無へと打ち消す力を持つ。この発動の前では例え同じ神器であろうと、魔王の呪いであろう と全ては無へと帰する。
ただし一度に打ち消せる能力は一つのみであり、例えば相手が複数の能力を同時に発動させたとしても打ち消せる能力は一つだけである。
エスペランサーリプレイ「死の継承者」にてセレナス=グラングーレがこの神器の所有者として認められる。

翼弓(アイオーン)
司る物:空と封印 発動:空王エデンが有した空属性の力を矢として放つ。また封印の能力を持ち合わせる
 かつて神剣が砕かれた際に六つの神器が生まれたが、その際にこの翼弓のベースとなった神器には神剣に宿っていた能力が備わらずにいた(正 確には後記にて解説する封印の能力が備わっていたが、攻撃に関する能力が皆無であった)
そこで当時、エルドラードと共闘を行なった空王エデンが己の血肉を代償とし、この神器に己の持つ空の属性と天力を与え、その際エデンの人格をベ ースとした擬似人格がこの神器に宿り今の翼弓としての形となった。
このためこの翼弓は全ての神器の中で唯一人格を有し、所有者や周りの者へ声をかける事ができる神器である。
空王エデンが誇った空の天力を矢として放つことが出来るため、この神器の所有者は空・陽・風・水・雪・雷と言った全ての天術を扱える事と同義であ る。
またこの翼弓にはもう一つの能力が備わっている、それが封印の矢の力である。
この翼弓は世界システムを凍結させる能力を持ち、この翼弓より放たれた封印の矢が目標とした世界システムに命中すれば一時的にそのシステム の封印(凍結)を施す事ができる※6
ただしこの封印の力を放つためには特殊な矢が必要であり、それが封魔の矢と呼ばれる物である。かつて空王エデンがこの封魔の作製法をロアドゥ 族と呼ばれるウォーレム族に伝えとされるが今ではそロアドゥ族は絶滅し、この封魔の矢を作成できる者や後の世のために残されたと言われる数本 の封魔の矢の所在も不明とされている。
エスペランサーリプレイ「零の騎士」にてこの翼弓の現所有者、そして封魔の矢の存在が出てくる。
歪んだ世界システムであるレギオンの扉を封印するために翼弓の所有者の幼馴染ラグナスや封魔の矢を護る一族の最後の生き残りユージーンなど のエピソードが語られる。

輝槍(セレスティー)
司る物:不明 発動:不明
 エルドラード六つの神器最弱の武器と呼ばれる物。その理由は単純な武器としての性能だけではなくこの輝槍が持つ発動にあった。通常、神器の 発動とは所有者の意志に合わせて発動を行なえるものだが、この輝槍の発動だけは所有者の意志によって発動する事ができない特殊なものであ る。ある条件が揃って始めて発動が可能となる神器だが、歴史上、この神器の発動を行なえたのは銀の乙女にして輝槍の所有者ノエルだけである。 またこの輝槍は神剣の核より生まれた神器と言われている。
アバドーンの側近の一人カインがこの輝槍の所有者であり、彼もまたこの輝槍の発動は行えないと言う。


魔族

 かつて神話の終わりにいて生まれた神祖の魔王・アルトサウディウスが死した際にその血肉・瘴気を受けた生物が
神祖の魔王が宿した「生まれながらの悪」に汚染され肉体・魂すらも変質した存在、それが魔族。
このため、魔族全てに神祖の魔王が宿した悪性が魂の底に宿っており、その願望に忠実に従う者が多い。
また受けた血肉や瘴気の量によって異能の力を授かる者もいるが、これはいわゆる神祖の魔王が扱えた世界システムが“バグ”として継承されたも のであり、その力は限定的なものだが常人に取っては脅威的な力となる。
これが魔族特有の能力の正体と言える(魔族のみが行使できる“魔術”。ペレリウスが持つ“幻夢眼”などがそれにあたる)
そしてもう一つ、全ての魔族達に共通する一つの概念というより本能が存在する。それが神祖の魔王から受け継いだ彼のある願望であり、全ての魔 族達は無意識下の底でその【本能】が渦巻いている(意志無き魔族達や魔獣などはこの本能に従い破壊という手段を行使している)

魔王
 神祖の魔王アルトサウディウスは全ての魔族が生まれる原因となったまさに魔の王であるが
アルトサウディウスの死後、彼の血肉・呪いを最も強く継承した五人の存在が当時生まれ
その者達はアルトサウディウスの後継者とも呼べる存在であり、五つの大陸をそれぞれ支配する魔の王となった。
当時初代の五人の魔王が不敗の覇王が提示したある誓いの下、互いの支配する大陸への直接干渉を禁じ
更に200年間の沈黙と呼ばれる人間や世界に対する干渉を禁じた。これを「200年の沈黙」と呼び、この時不敗の覇王が
200年の沈黙を他の四人の魔王と魔族達に誓わせなかれば三英雄の死後、世界を護る者はなく世界は荒廃していただろうと言われる。以後、五人 の魔王達は己が支配する大陸での統治を行なう事となる。
現在、1200年の時が経ち初代に存在した五人の魔王も不敗の覇王と滅びの帝王を除き世代交代を果たしている。
五人の魔王の存在は古き時代より人々に取ってこれ以上無いほどの脅威である。

(左から初代・死の王タナトス、滅びの帝王アバドーン、不敗の覇王フォルクス、初代・闇の皇子ヴォルテス、初代・眠りの皇帝ヒュプノプス)

死の王・タナトス(初代)
 世界の北に位置する銀の大陸フォブリアを 支配する魔王
この初代・死の王タナトスと呼ばれる青年は真紅の髪を持った元々はエルドラードの血肉を受けたフラグメントであった。
生まれつき強大な力と傲慢にして不遜なる性格を持っており、 魔王アルトサウディウスと神々との戦いにおいても参戦することなくただその戦いを愉 悦の感情を持って傍観していたと言われる。
アルトサウディウスの死後、アルトサウディウスより別たれた呪い【魔王の呪い(サクセサーオブサタン)】の一つを自らに呼び寄せ、その力を喰らう事 によって神聖なる地王のフラグメントでありながら堕ちたる魔の王へとなった。
これが死の王の誕生であり、タナトスが継承した魔王の呪いこそが【死の刻印(タナトス・スティグマ)】と呼ばれるもの。
彼はこの呪いの力によって自らが喰らうに相応しい存在を捜し求め、その結果、銀の太陽と呼ばれる英雄達と出会った。 彼ら5人それぞれに贄の刻 印を刻み、絶斧の持ち主であったロイを殺害し銀の乙女とまで呼ばれた英雄ノエルすらも殺し、その力を喰らった。
しかし最後の瞬間、ノエルの神器・輝槍(セレスティー)の大いなる一撃により深手を負ったタナトスは500年の休眠を余儀なくされ、自らの傷を癒すた め500年の沈黙を行う事となる。 そうして500年後、自らの大陸と「王」が不在の大陸を手中に収めようとした時、彼はその時代に生まれた異端の存 在によって再び敗れる事とる。それこそが世界の異端者・グレストと彼と共に戦った【七賢】である。※7

死の王(二代目)
 名前すら伝えられていない無名の魔王。初代・死の王タナトスの死後より数百年。再び【死の刻印】を受け継ぎ、フォブリア大陸を支配する死の王が 生まれたとされるが、その存在は魔王として君臨する事無く人の世の中で生き死したという。
本人は【死の刻印】を完全に継承し、魔王として君臨できるほどの力を持っていたにも関わらず魔王としての道を拒否した。
しかし当時、この二代目の【核】の刻印が目覚めた際、この二代目の【贄】として喰われるべき存在が異例の事態を招き、本来は【贄】であるはずの 存在がこの【核】の刻印を上回る力を持ち、二代目に代わり大陸を混沌に陥れたと伝えられる。
エスペランサーリプレイ「死を奪う者」にて主人公予定。

死の王・レオード=フォン=ヴァルムオンド(三代目)
 生まれつき完全とも言えるほどの力を持っており、死の王の証である【死の刻印】を生まれた瞬間より継承していたまさに死の王になるべくして生ま れた存在。それゆえに彼の魂を汚染する魔の狂気は尋常なものではなかった。
やがて時が流れ、息子であるイオス=ヴァルムオンドに宿った【贄】の刻印が完全に目覚めたと同時にフォブリアに存在する全ての【贄】の刻印を喰ら い世界に対して宣戦布告をする事を宣言する。それは彼が誓ったある約束を果たすための行いでもあった。
エスペランサーリプレイ「死の継承者」において登場。

眠りの皇帝・ヒュプノプス(初代)
 南の大陸にして砂と太陽に覆われた熱砂の大陸・ムーヴェリアス。その地を支配していたのは眠りの名を持つ魔王ヒュプノプス。
彼はタナトスの実の兄であり、彼もタナトス同様にエルドラードのフラグメントであった。しかし弟のタナトスと異なり、ヒュプノプスは心優しく慈悲深い、 まさに英雄の鏡とも言える神の使徒そのものだった。
エル=ユーナに存在する全ての人を愛しており、たとえその中に悪人や間違った者が存在しようとも自らの命に代えても彼らを護り、殺さず見捨てな い。それが彼が自らに課した信念であった。人を深く愛しすぎたが故に彼は世界の不条理を知る事となりそれゆえに心が壊れる結果となる。フラグメ ントとして限りなく無限の時を生きる事ができる彼は自らを慕う多くの人々に救いを求められながら、そのほとんどを救えずに終わった。それは人の中 にある絶対に変えようがない摂理――すなわち死ゆえ。
どんなに深く愛した人物も“寿命”という摂理の前には抗う事はできず、フラグメントとは言え病の全てを治せるわけもない。
目の前に存在する全てを救おうとし、その場の救済が出来たとしても結局はこの世界に存在する摂理や不条理によって救ったはず人物はあっけなく 死ぬ。混沌の時代においては英雄として存在した彼は愛する人を助けるために愛する人を殺すという矛盾すらも幾度となく背負わされた。人を愛する が故に人の悪性すら狂わされるほど見せ付けられ、自分の無力さに絶望した彼はいつしか世界の不条理そのものを憎むようになった。世界の不条 理、すなわち“変化”を。
赤子が大人へと成長し、そして老人となり死ぬ変化、善だったものが信念や歪みによって悪となる変化。
彼はいつしか世界にて起こる全ての変化を憎むようになり、この変化を創った神々や世界すらも憎むようになった。
その果てに彼はかつての仇敵でもあった魔王アルトサウディウスの力を自ら受け継ぐ決意をし 【魔王の呪い】の一つ【眠りの翼(ヒュプノプス・フェザ ー)】を継承し眠りの皇帝と化した。全ての生命に永遠の眠りを与え、その眠りの中でその者の望む幸せの世界を与える呪い。
彼は即ち不変の世界。彼はその世界によって進化も退化も、そして変化すらも無い、今存在する人間誰一人として死ぬ事がない世界の創造を望ん だ。だが、その不変なる世界は果たして幸せと呼べるのだろうか。
人を愛するが故に心が壊れた魔王は後に銀の太陽と呼ばれる英雄達によって討ち滅ぼされる。
最後の瞬間まで彼は世界の人々を愛しおり、彼を殺した愛するノエルにすら微笑みを浮かべ滅びさったとされる。

眠りの皇帝・ベアトリーチェ(二代目)
 元々はただの魔族の女性であったが、かつて初代眠りの皇帝が死した地にて命果てようとした時、“この世の白”ヴァイスに拾われ、彼との契約に より“眠りの皇帝”の称号の受け継ぎ、第二代眠りの皇帝と化した。
心優しく広いカリスマを持った女性であり、その彼女の存在に魅力され多くの部下や同士が集ったとされる。
また大人びた雰囲気と外見の割と子供っぽい部分もあり、そこも含め多くの者達から慕われた。聖十騎士団の結成者。
当初、主でもあったヴァイスに付き従い行動していたが、多くの部下を持ち、また生まれた自分の子供達を見ていくうちに次第に心境が変化し、ヴァイ スとの契約に疑問を持ち始める。後に聖十騎士団第四騎士・クリストファーの巡らした陰謀に取り込まれ、利用される事となる。
エスペランサーリプレイ「眠りの皇帝」において登場。

眠りの皇帝・???(三代目)
 “この世の白”ヴァイスが自らの片腕となる為に生み出した超越の魔王。
この三代目・眠りの皇帝はヴァイスが不敗の覇王・フォルクスに対抗するために用意した駒でもあり、その力は歴代の魔王達の中でも郡を抜くほどの 力を有して生まれたと言う。この存在を生み出す為だけに先代の魔王ベトアリーチェに様々な下準備を行わせ、降臨の儀式を執り行わせた。
事実上、不敗の覇王・フォルクスに次ぐほどの能力を持った魔王。【神の代行者(トゥアハ・デ・ダナーン)】第六代行者。
エスペランサーリプレイ「眠りの皇帝」のラストにおいて生誕。

滅びの帝王・アバドーン
 多くの歴史と戦いが渦巻く戦地・争いの大陸・ローを支配する魔王。
五人の魔王の中で1200年前より世代交代することなく今もなお王の座を冠する者。この魔王は他の魔王達と異なり、その目的や行動理念が一切不 明。彼は自らの支配する『争いの大陸』において、幾度と無く争いを呼び込み、その度にいくつもの国やその時代を滅ぼしてきたが、彼は死滅にまで 追い込む事は無く大陸や人々が疲弊したのを見計らうと戦いを放棄し、大陸の支配権をその大陸に住まう者達へ渡すという事を繰り返す。
また五人の中で最も変わり者と呼ばれるこの魔王は、滅ぼすべき対象である人間を自らの配下に置いたり同盟を結ぶ事も珍しくは無い。滅びの帝王 は自らが気に入った者に己の血肉・その能力を直接分け与え、自らの側近として迎え入れる。
このため、気に入った者が人間であろうと関係無く、滅びの帝王はその者に寵愛を注ぐ(通常、魔王の側近は純血の魔族が務め、魔王は自らの側近 を道具以下にも思わないものだがこの魔王においては例外である)
このため彼と配下の関係はを家族のようなものであり、その“絆”の強さは他の魔王とは比べ物にならない。
彼がこのように家族と言う概念に固執する理由があると言われるがその詳細は不明。
滅びの帝王が受け継いだ【魔王の呪い】は【滅びの疵(アバドーン・ペイン)】と呼ばれる力。 それは全ての【魔王の呪い】の中で最高位に位置する力 であり、彼自身よりむしろこの呪いの力に他の魔王も恐怖を覚えていると言う。
しかし現在、滅びの帝王はこの【滅びの疵】の力を失っていると言う、それだけではなく魔王としての力そのものも消失している。
その理由は彼が持っていた【滅びの疵】がある人物によって奪われたためと言われている。

闇の皇子・ヴォルテス(初代)
 西の大陸にして春の大陸の異名を持つエルフェナ大陸を支配していた魔王。
かつての初代五人の魔王の中で最も温厚派な魔王であり、フォルクス同様に自らの支配する地において争いを呼び込む事はなかった。とは言え、統 治をしなかったわけではなく、春の大陸のおける魔族で無用な争いや殺戮を繰り返す者がいれば自らその魔族に制裁を与えていた。
それゆえ春の大陸における魔族の脅威は五つの大陸の中でも最も低かった。それは全てこの闇の皇子による統制にあったからである。人の中にす らこの闇の皇子のカリスマに見惚れ、その軍門に下った者もいたと言う。
彼が受け継いだ【魔王の呪い】は一切不明とされる。
またこのヴォルテスはかつて神祖の魔王・アルトサウディウスが扱っていたとされる最強の魔器・グラディスの正統後継者でもある。グラディスの能力 はエルドラードが残した六つの神器以上の力を秘め、事実上エル=ユーナにおける最強の剣と言えるだろう。その人格と能力を同じ魔王であるフォル クスから高く評価され、個人的にフォルクスとも親しい関係であったと伝えられている。
300年ほど前に彼は大陸で出会ったある一人の女性に恋に落ち、その人物と結ばれ子を授かる。
後にその子に自らの闇の皇子としての称号を継承し、寿命を迎え静かに舞台から消えたと伝えられている。

闇の皇子・ヴァール(二代目)
 現在の春の大陸を支配する自他共に認めるロリコン魔王。
その能力は父であったヴォルテス以上とも言われるが、ヴォルテス以上に魔王としての地位に興味を示さず
アホな毎日を繰り返しては無駄な日々を過ごしている魔王。
数年ほど前にルティナスという一人の女の子に出会い、彼女に一目惚れをしたらしく男らしい嫁になれ発言で追いかけまわしたそうだが、以来ルティ からは毛嫌いされ、結婚コールをしてくるたびに煙たがられる。
しかしルティに対する愛は本物であり、彼女のピンチにはどこからともなく颯爽と登場する。
ロリコンの変態のくせに実は意外と純情派な部分を持つ。
また彼も父同様に魔器・グラディスの正統後継者でもある。戦闘時にそれを扱う事もあるが本人いわく未だに全力の解放はした事がない。受け継い だ【魔王の呪い】も父と同様のものらしいがそれも同じく不明である。

不敗の覇王・フォルクス
 中央に位置する大陸にして絶対不可侵の聖なる大陸、聖地アルアデック。
そこを統べる大いなる魔王。彼という存在を一言で現すのならば、それは“別格” 。
「神祖アルトサウディウスに最も近い王」それが彼の持つもう一つの称号である。彼の存在は他の四人の魔王と同じ王の座を冠する存在でありなが ら、その力はまさに“別格”である。仮に彼ただ一人と他の四人の王が争う事になろうとも、敗れるのは間違いなく後者の王達である。それほどまでに 彼の力 は次元が異なり、その気になれば今のこの世界を一人で殲滅する事も容易である。
彼は目的や意志が異なるが争いを巻き起こす他の魔王達と異なり1200年前の誓いより一度として自らの支配地より動くことはなく、自らの地に争い を呼び込む事もなかった。誰よりも神祖の魔王に近い実力を持ちながら魔王らしからぬ魔王故に“静寂の支配者”とも呼ばれてる。
彼が争いを好まない理由は単純であったそれは世界を愛しているからである。
これは人間を愛しているヒュプノプスと異なり、彼が愛しているのはあくまで「世界」。
このため必要以上の争いや世界を傷つける行為を極端に嫌悪している。故に世界の調和を乱す存在を認識した時、この不動の王はその異端を排除 すべく動き、確実にそれを滅ぼすと言われる。 また1200年前に世界最強の存在「剣聖」をたった一人で殺したのがこの不敗の覇王である。
その戦いにおいても不敗の覇王は顔に僅かな傷を負う程度で剣聖を圧倒的に葬ったとされ、これだけでも彼という存在がいかに
“別格”であるかが知れ渡る。この不敗の覇王フォルクスが1200年前より世代交代することなく存在する理由はただ一つ「剣聖の抹殺」である。
再び生まれる剣聖を抹殺する事が彼が自らに課した唯一の使命であり、この覇王が動く時、それは剣聖の目覚めと同時にその死を意味する。
そして、初代剣聖抹殺より1200年後、遂に世界に生れ落ちた新たなる剣聖ルティの覚醒と共に、この不敗の覇王も目覚め
新たなる剣聖ルティを抹殺するべく行動を開始する。その際にフォルクスは今ある世界の変わり様、世界に存在する人間達の変貌と堕落を目にし
また近い将来世界に産み落とされる災厄“確定されし滅亡”を認知する。これにより彼は全人類を滅ぼすという不敗の覇王の宣告を行なう。
これ以降、世界は黄昏時を迎え、無数の魔族と黙示録の獣を従え、剣聖ルティとの戦いの物語が幕を開ける。
彼が受け継いだ【魔王の呪い(サクセサーオブサタン)】は【腐敗の剣(コラプト・カリヴァー)】と呼ばれるもの。
だが彼がこれを発動させたのは歴史上、たったの一度のみである。 それこそが即ち「剣聖」との戦いの時のみ。


魔王の側近(サタン・クロウス)
 五つの大陸を支配する五人の魔王にはそれぞれその大陸において自らの側近として相応しい魔族(人物)を傍に置く事を許される。それが魔王の 側近であり、この魔王の側近として選ばれた者はその大陸において魔王に次ぐ能力と権限を与えられる。
また側近として傍に置く数はその大陸を支配する魔王次第であり、一人だけの者もいれば十人ほど側近として抱える者もいる。
(とは言え、決して量で側近の個人の能力が左右される事は無い)

四柱(テトラード)
 死の王が抱える魔王の側近(サタン・クロウス)。三代目の死の王でもあるレオードが抱えた四柱にはマクスウェルによる被験達が混じっていたが、 上級魔族にも匹敵する実力を持つその被験体達は魔王の側近としては十分過ぎるほどの素質も有していた。

“幻夢眼(ファントム・アイズ)”ペレリウス
 純血の上級魔族。四柱のリーダー。外見は12歳程の育ちの良さそうな少年だがその内面はまさに魔族に相応しい歪な精神の持ち主であり、相手 を苦しませ恐怖と絶望を与える事に何よりもの愉悦を見い出す。アドル、テナに命令を下す司令塔であり、アドルはある事情によりこのペレリウスの命 令に絶対服従を誓っている。
幻夢眼(ファントム・アイズ)と呼ばれる特殊能力を持ち、これは彼が生まれた時より授かった己の特殊能力であり、相手の精神や想像力を理由し、 幻影や幻によって精神的な苦痛やトラウマを再現させる、幻とは言えそこから生まれる苦痛は限りなく本物であり、これによりショック死といった効果 も与えられる。ただし、この能力は相手の想像力やそれまで生きてきた人生観に大きく左右されるため、想像力が皆無な相手や人生観が0な人物 (例えば生まれたばかりの赤ん坊)などには通用しない。(命尽き果てるまでの序盤においてアルスに通用しなかったのはこのためである)
エスペランサーリプレイ「死の継承者」において登場。またエスペランーリプレイ「命尽き果てるまで」では序盤でゲスト登場し登場した。

“真紅の剣(タナトス・カリヴァー)”アドル=ローベン
 漆黒の髪と漆黒の服に身を包んだ青年。剣士としては最高位の腕を持ち、それだけでも上級魔族に匹敵する実力を持つ。
彼の正体はマクスウェルによる実験の果てに生まれた第十七被験体である。その能力は真紅の剣(コラプト・カリヴァー)と呼ばれる二つの魔王の呪 いを人の手により一つとして結合させ生まれた呪いである。彼はこの能力を完全に制御下におき、能力発動後は髪が真紅の状態となり右腕より真紅 の剣を生み出す。フィリア=クーへの両親を殺害し、彼女の翼を奪った張本人である。
フィリアとの邂逅と彼女との戦いにより己の過去の過ちに対面したアドルは最終的にフィリアとの一騎打ちにより全ての清算を果たす。幼い頃より正 義の味方に憧れ、己もいつかそんな正義の味方になろうと夢見ていた(後の第十七被験体にて記載)
エスペランサーリプレイ「死の継承者」において登場。

“狂刃の謳い手”テナ
 金の瞳を持つヴァルキュリアの少女。その正体はアドルと同じ施設にて処置を施されたマクスウェル第十八被験体。
レプリカ【狂戦士の瞳(ヴァーサーカー・アイズ)】の呪いを持ち、その呪いに精神を汚染されている。
普段は己の意志をほとんどももたない人形であり、口数も全くと言っていいほどない。しかし戦闘に入るや否や常人を軽く凌駕するスピードと海鳴の 詠唱、両手に持ったナタ状の剣による斬撃戦を行なう。しかし、実はこの状態ですらプロテクトが掛けられたいわゆる制御された状態であり本来の実 力の半分ほどの力しか出せずにいる。
この制御プログラムをかけているのがペレリウスであり、彼の指示によりテナに施されたこの制御の鎖が解かれた際はレプリカ【狂戦士の瞳】は完全 覚醒し、目に入る全ての生命を絶殺させる殲滅戦闘を行なう。その戦闘能力の前では並みの英雄ですら肉片になるほどである。セレナスとの出会い をきっかけに人としての記憶と感情を取り戻し、彼の妹として新たな人生を得る。
エスペランサーリプレイ「死の継承者」において登場。
またエスペランサーリプレイ「零の騎士」では死の継承者より三年後の物語が綴られ、その中で成長したテナがセレナスと恋人の道を歩むまでのエピ ソードが語られる。またその物語にて登場するレオンという人物にファーストキスを奪われる。

“???”イクフォード=ゼオルデス
 イオス=ヴァルムオンドの使用人を務めるやや軽い感じを漂わせる男。
しかしその正体は死の王レオードに従う四柱の一人。レオードの命令により普段から贄であるイオスの様子を観察し、その刻印が刻まれるまで護りき るのが任務の一つであった。
テラスト王国での魔族襲撃以降は四柱としての姿を現し、以降イオス達の行く手を阻む敵として現れる。四柱の中でも謎の多い人物であり、死の王レ オードに対する報告のほとんどはこのイクフォードが受け持つことから両者に何らかの繋がりが見える部分もある。その正体は物語において重要な役 割を担い、主人公イオスに対してある事を伝えるための使者として再会する事になる。エスペランサーリプレイ「死の継承者」において登場。


聖十騎士団
 眠りの皇帝が率いる魔王の側近(サタン・クロウス)。眠りの皇帝ベアトリーチェによって選別され選ばれた十人の騎士。
純血の魔族も入れば人間上がりの魔族もおり、魔族と人間のハーフなどもいる。十人それぞれが一騎当千の実力を有する上に「称号能力」と呼ばれ るその称号に相応しい能力を生まれつき有して(あるいはベアトリーチェより与えられて)いる。
後にアヴェスター教団と呼ばれる組織を立ち上げ、第一騎士ラインを指導者に事実上教団のシンボルにして中枢機関となる。
中でも第二騎士・第八騎士・第十騎士の三人は聖十騎士団の中でも飛びぬけ際立った能力と実力を有し、同じ聖十騎士団からも恐れられるほどで あり、最強の三騎士の異名を取っていた。しかし、その最強の異名ゆえか三人は主であるベトアリーチェに反旗を翻し、エスペランサーリプレイ「眠り の皇帝」編が始まる18年前に死亡している。その際に三人の名は忌むべき追放の騎士とされた。

第一騎士“聖典(アヴェスター)”ライン=セントへレン
 教皇にして眠りの皇帝ベアトリーチェの息子、それがこのライン=セントへレン。ある悲願成就の為にアヴェスター教会を立ち上げ聖十騎士団を結成 する。幼い頃の火災により顔の左側にひどい火傷の跡が残る。少々我が強く融通が利かない部分があり目的のため盲目になり他が見えなくなる欠 点がある。割と激情に流されやすいタイプ。
実力自体は聖十騎士団でも並の部類だが、彼の持つ称号能力はまさに聖十騎士団のシンボルに相応しい者であり実力差を覆すほどの能力を秘め ている。エスペランサーリプレイ「眠りの皇帝」にて登場するあるキャラクターと強い因縁を持っている。
エスペランサーリプレイ「眠りの皇帝」において登場。

第二騎士“白銀の狼(フローズヴィトニル)”シュトルム=ウント=ドラング
 忌むべき追放の三騎士の一人。人を殺す事のみでしか自分の生き甲斐を感じる事ができない殺人快楽者。純血の魔族ではあったが人も魔族も関 係なく大量虐殺を行い、その果てに己の殺人技術とそれを更に効率的に上げる能力を手にし、そんな時、ある目的を背負ったベアトリーチェが自らの 陣営へと誘いをかけた。
シュトルムは初めから聖十騎士団という自分に匹敵するであろう九人の獲物(と主であるベトリーチェ)を己の欲求を満たすために殺す目的で聖十騎 士団の一人となった。そして当初の目的通り、クーデターを起こそうとした時に第八騎士ヴァルターが先に動きを見せ、それに続く感じで叛乱を起こし た。またその時の戦いで当時の第九騎士であるフェティの姉を殺害している。
このため当初の予定ではフェティと因縁があり、それによるエピソードとシュトルムとのフェティの対立が予定されていたがある悲劇によりそのエピソー ドは欠片も演出できずに終わった。
エスペランサーリプレイ「眠りの皇帝」において登場

第三騎士“創生者(ジェネシス)”???
 追放された三騎士を除けば現存する騎士団では第六騎士レストと肩を並べる最強の騎士。
並みの攻撃をたやすく弾く防御能力とあらゆる防御を粉砕する強大な攻撃力を兼ね備える。それを可能としているのが彼の称号能力であり【魔王の 呪い(サクセサーオブサタン)】の一つ【螺旋の創生(スパイラルジェネシス)】である。
この時代における当代【螺旋の創生】の持ち主である。過去、ある事情からベアトリーチェと対峙したことがあり、そのことがきっかけで彼女の忠実な 騎士となる。主のために剣を振るう彼の姿はまさに騎士として相応しいものである。
第八騎士ヴァルターとはお互いを認め合う戦友であった。
エスペランサーリプレイ「眠りの皇帝」において登場。

第四騎士“人形遣い(マリオネットマスター)”クリストファー=ベルナード
 聖十騎士団における参謀のような存在を務め、あらゆる戦術・戦略を担当する。その狡猾で先を読む彼の計画は物語において遺憾なく発揮され多く のキャラクター達を苦しめた。その正体はヴァイスによって派遣された【神の代行者(トゥアハ・デ・ダナーン)】の一人にして第三代行者である。ある目 的成就のために聖十騎士団に潜り込んだ彼だったが、そこで彼はある人物と邂逅を果たし、その人物の存在に魂を魅了される。
称号能力は指先から特殊な糸を放ち、それを対象の肉体に潜り込ませる事により神経系統や脳から信号に別の信号を送ったり、神経そのものと化 せることもできる。このため死体の人形の内部に糸を通せばそれをあたかも生きているように動かし見せることもできる恐るべき魔技。本人は自分は 戦闘向きでは無いと自負し、前線にはほとんど姿を見せず諜報活動に従事している。
エスペランサーリプレイ「眠りの皇帝」において登場。主人公ディゼルと強い因縁を持ったキャラクターであり、このキャラクターがいなければ眠りの皇 帝の物語は始まらなかったであろう。

第五騎士“神弾の射手”ネヴィル=ザラスタン
 小物というレッテルを貼られた聖十騎士団最弱の騎士。彼の称号能力・神弾の射手は放たれれば最後必ず敵に命中する技であり、たとえ回避をし たとしても背後より更なるスピードを持って対象を襲う。彼はこの能力を持って相手を追い詰める。逆に言えばそれ以外の戦闘手段を持たず基本的な 戦闘能力は高くはない。その理由は本編にて本人の口より語られる。
己が聖十騎士団の中でも最弱であることを自覚しているため、あらゆる手段を使ってでも勝ちにでようとする。
しかし騎士として最低限の誇りは持っており、彼もかつてはベアトリーチェの持つ人望に惚れて自ら配下に加わった人物であり、最後の瞬間には騎士 としての誇りを持って散る。
エスペランサーリプレイ「眠りの皇帝」において登場。

第六騎士“輝く者”レスト=カヴァール
 もとは人間であり、ベアトリーチェに傅き彼女の洗礼を受けることにより魔族となった人物。このため彼の持つ称号能力は眠りの皇帝ベアトリーチェよ り与えられしもの。人間であった頃からあまりに卓越した二刀による剣の腕を持ち、その時代において自分と渡り合える存在が誰一人いなく、目標を 持ったり何かに必死になるという事が出来ずいつしかそういった感情を忘れた人物。
このため普段はとにかくやる気の無い言動・態度が多く、暇さえあれば昼寝をする始末。
しかし一度戦闘となればその卓越した剣技と高い称号能力を発揮し、並み居る敵を圧倒的に葬る。剣術という枠で捉えるなら間違いなく聖十騎士団 の中で最高位の技術を持ち合わせる。
エスペランサーリプレイ「眠りの皇帝」において登場。アルジェントと因縁を持つキャラクターであり、同じ騎士同士の仲であった。
物語中でのある悲劇により出番が削られた被害者第一号。

第七騎士“暴君”ジグード=ネルデファ
 純粋魔族であり壮年の姿を持った野心に溢れる人物。能力は聖十騎士団において相応しい力を持ち合わせるが、野心が強く現在の地位に納得を していない部分がある。カリスマや決断力にとんだ部分があり、そこを認められアルレシオ公国の支配を任せる。物語の中盤において彼が抱くある野 望が明かされるが。
称号能力は影を自在に操り敵を喰らうたびにその能力を無限に増幅させる恐るべき暴君の蛇。
エスペランサーリプレイ「眠りの皇帝」において登場。

第八騎士“災いの拳”ヴァルター=オデッサイス
 忌むべき追放の三騎士の一人。正に古き良き武人という言葉を体現した存在であり、主ベアトリーチェに忠誠を誓う騎士。
第三騎士とは古くからの付き合いであり、お互いを認め合う戦友であった。しかし三騎士の叛乱の際に絶対の忠誠を誓ったはずのベアトリーチェに対 し突如として謎のクーデターを起こす。その際に戦友同士であった第三騎士とお互いの力量を真にぶつけ合う一騎打ちを行なうが、それは第三者の 横合いによってヴァルターは正統な一騎打ちの決着を果たす事なく無念の死を遂げる。
そうして聖十騎士団の中でも最も忠臣と言われた彼が何故反旗を翻したのか、真相は闇の中に葬られる。
エスペランサーリプレイ「眠りの皇帝」において登場。

第九騎士“水を司る者”フェティ=モンスタル
 白い甲冑に身を包んだ女性騎士。礼節を重んじ騎士道を常に抱くその姿勢はまさに気高い騎士像そのもの。
たとえ敵であろうとも礼節を欠く事はなく、相手を尊重する。この潔癖すぎる性格からジグード辺りからは批判の声もあがる。
フェティにはかつて実の姉が存在し、その姉もフェティ同様に騎士としての品格に相応しい人物であり、憧れの人物でもあった。
しかし三騎士の叛乱により命を落とした姉の後を継ぎ、現在の第九騎士として己の責務とある望みのために剣を振るう。
称号能力は四種類の毒素を含む水(泉)を湧き出す能力。これは姉から受け継いだ能力でもある。
エスペランサーリプレイ「眠りの皇帝」において登場。主人公ディゼルとの戦いの中で彼の強さに心を打たれ、フェティが進むべき道を大きく変えさせ た。このためディゼルに対し好意を抱く。しかしアリスからは自分の下僕(ディゼル)に色目を使う水女と毛嫌いされる。聖十騎士団の一人第二騎士シ ュトルムと因縁を持っていたが、物語中のある悲劇によりそのエピソードは果たされずに終わった被害者第二号。

第十騎士“這い寄る混沌”ヴェルトハイム=ヴィンテンブルグ
 忌むべき追放の三騎士の一人にして聖十騎士団最強の騎士。純血の魔族であり、その能力・人格・全てにおいて魔王に匹敵する力を持っていた。 唯一魔王としての素養が無かった部分を指摘するなら、それは【魔王の呪い】を受け継がなかったという部分だけであり、それを除けば彼は五人の魔 王に匹敵する実力者である。
また【魔王の呪い】を受け継がなかったと言っても彼が生まれつき得た能力は魔族が有する特殊能力の枠すら完全に逸脱したものである。彼のこの 能力は世界システムの干渉に近いと言える、と言うのもそれもそのはずで彼は干渉者としての素養を持って生まれた魔族だからである。
彼が自身の能力を完全なものとした暁には眠りの皇帝であるベアトリーチェすら凌ぐ存在になると言われていた。
このあまりに他と隔絶した能力を持つが故に周りの全てから忌避され、ベアトリーチェの誘いに乗り聖十騎士団となるも同じ騎士団達からも忌避され る存在となる。※8
ディゼルに渡る前のナイトブレイカーの正統所持者でもある。
三騎士の叛乱の際、彼は眠りの皇帝ベアトリーチェより不意打ちまがいの襲撃を受け死亡する。
エスペランサーリプレイ「眠りの皇帝」にて登場。アリスとある深い因縁を持つ存在でもある。


三将騎(トライデント)
 滅びの帝王アバドーンが抱える魔王の側近(サタン・クロウス)。かつて旧三将騎と呼ばれる者達がいたが、その者達はあるいは脱退、あるいはア バドーンを裏切り一度は壊滅をしたが、再びアバドーンを慕う人物が集い新たに三人の側近が集い三将騎が誕生した。この三人の側近たちにはそれ ぞれ滅びの帝王アバドーンの血肉を直接受け、それにより自らの限界以上の力を授かり、魂の淵に眠っている能力を呼び起こさせる作用を持つ。
これによって三将騎達が得た能力を“加護能力”と呼び、彼らと主であるアバドーンとの絆の強さを現す。※9

“調服の声者(マスター・サーヴァント)”アスター

 ナハトノーブルの青年にしてアルエの実の兄。数年前に妹と共に迫害を受け、妹を逃すためあえて異教徒狩りを行なう騎士達の囮となり、そこで命 尽き果てるはずだったところを今の主・アバドーンにより救われ、以来彼に忠誠を誓う三将騎のリーダーとしてアスターという新たなる名を冠し生まれ かわる。※10
類希な槍術の腕を持ち、それだけではなく地脈の中でも高位にあたる第五階位「蝶(フェアリア)」を扱う。
またアバドーンからの加護能力によって「調服の真名」と呼ばれる相手の真名を口にする事により行動を制限させる強力な特殊能力も扱う。心技体 全てにおいて隙の無いオールラウンダーであり、どのような状況どのような戦術であれ一切の隙を見せず己の持つ力を最大限に発揮するその手腕は まさに三将騎のリーダーとして相応しい器である。
妹のアルエと生き別れるきっかけとなった異教徒狩りの影響で人間嫌いであり、基本的には他者に対し冷たい態度を取る。
しかし妹であるアルエや主であるアバドーン、また同じ三将騎のカインやミフィルには優しい面を見せる。
またカインに対しては槍術の師であり、暇さえあれば彼に槍術を教えていると言う。このためカインはアスターの事を「大将」と呼び親しんでいる。

“輝ける神槍(ブリューナク)”カイン=ジルクリッド

 屈託ない爽やかな好青年。困った人物を見過ごせない優しさを持つ。同じ三将騎であるミフィルとは恋人のような関係であり、ミフィルに人としての 人生を与えた人物でもある。普段はこのようにおおよそ魔王の側近とは思えないほどの好青年であるがメドウ=グレインという人物を認識した瞬間、 それまでと打って変わり殺意をあらわに彼女へと襲い掛かる。カインがメドウに対して殺意を持つのは過去の出来事に起因していると言う。
エルドラードの神器「輝槍(セレスティー)」の担い手でもある。しかし本人はこの神器の力をあまり使えずにいると言う。
またカインは三将騎の中で唯一アバドーンの加護を受けなかった側近だが、その理由は彼だけはその必要がないほどに才能に恵まれていたからで ある。彼はエデン皇帝グレスト以来、500年振りにこの世界に生まれた真の“天才”。
カインの真価は槍術でも神器の担い手でもなく、生まれ持った才能の高さ。天才たる由縁“天授眼”にあった。
エスペランサー「希望の軌跡」にてメインキャラクターとして登場予定。

“不可視の闇(プルート)”ミフィル=ユベール

 ライカンブリードの少女。同じ三将騎であるカインとは恋人のような関係。ミフィルにとってカインとはかけがえの無い大事な人物である。
子供の頃の記憶を持たず、過去を持たないが故にとても無垢な性格を有している。
胸に抱いたペンダントをとても大事にしているが、その詳細は不明。
アバドーンより与えられた加護能力「不可視の闇」によって闇の空間を形成し、その中に存在する対象の五感の内の一つを奪う事ができる。

“魔人”アゼザル
 旧三将騎の一人。魔人。千の高位魔族を殺しその血を啜る事により人のみでありながら魔族を超越した存在・魔人と化す。
かつてはアルレシオ公国にてその名を馳せた聖皇騎士団・副団長“天剣”アゼルという姿を持ち、聖皇騎士団を抜けて現在は公国の片隅に存在する 小さな教会の神父となる。
旧三将騎のリーダー的存在であったがある理由からアバドーンを裏切る決意をし、オゼロスを誑かし反逆を起こさせサリスが三将騎より消えるや否 や、すぐさま行動を起こす。破滅の王と共謀を果たし、アバドーンの力を削いだ後に姿を眩ます。
【魔王の呪い(サクセサーオブサタン)】の一つ【魔王の血(アヴィス・ブラッド)】の持ち主であり、無限に近い再生能力を持つ。
悦という感情を得るためだけに戦いや策謀に酔いしれる部分があり、行動自体が目的であり、目的の達成に執着していない。
エスペランサーリプレイ「眠りの皇帝」編にて聖皇騎士団・副団長“天剣”アゼルとして登場し、眠りの皇帝の側近・聖十騎士団と苛烈な戦闘を繰り広 げる。
またエスペランサーリプレイ「汝、誰が為の剣とならん」では、その正体を現し虹瞳の姫と呼ばれる魔族を覚醒させた後に姿を消す。

“魔核主”オゼロス
 旧三将騎の一人。魔核と呼ばれる特殊な魔力心臓を四つ体内に有している。このため四度殺されても魔核を代償として四度復活する能力を持つ。 また黒手と呼ばれる呪いと毒によって構成された右腕を持つ。当初はアバドーンに忠誠を誓う魔族であったが力を求めるあまり手にした魔核を四つ体 内に取り込むことにより魂が汚染され、次第に殺戮に酔いしれる殺戮者へと堕ちる。やがて主であるアバドーンにすらその矛先を向け始め、アゼザル の姦計に唆され、アバドーンに反旗を翻し彼の命を奪おうと裏切り行為を行う。この時、当時同じ三将騎の一人であったサリスの活躍によりオゼロス は倒される事となる。
エスペランサーリプレイ「魔核の所持者」にてラスボスとして登場。

“神童の御子”サリス=バーヘル
 旧三将騎の一人。元は神を祭る一族に生まれたドリアスの少年であり、彼のその一族で神卸しの御子と呼ばれる不可侵の象徴的存在であった。 このため海鳴に対する才能はずば抜けており潜在能力も並の人間とは比べ物にならなかった。
彼が御子としての役目を継ぐ日に一族のいた集落は他国の蹂躙に合い、彼の家族のほとんどが殺され略奪される。そこを当時のアバドーンに拾わ れ三将騎の一人として加わる。当初サリスは自分たちの一族を襲った国や人間達に復讐する動機で三将騎となり力を手にしたが、やがて復讐を果 たしても己の中に根付いた憎しみが消えることはなく、また自分の手も返り血で汚れた事実に未来を見るべき瞳を曇らせる。オゼロスの叛乱時に彼を 倒す事に成功するも自身も多大な深手を負い、そのまま朽ち果てるはずだったところを一人の少女・クリームと言う人物に救われる。
彼女の看病を受け、また彼女と言う屈託ない人格に心を救われ、彼女に誘われもう一度人の世で生きる決意をする。
この事をアバドーンに密かに告げたサリスは「君の進みたい道をその娘と一緒に進むといい。もし三将騎に戻りたくなったらいつでも戻ってきていいか らね」と自らの主より優しい言葉を告げられ、公にはサリスは死亡と言う事にされ、彼は愛する人物と一緒に旅に出、幸せな人生を歩む事となる。ある 意味悲劇的な終わりの多い三将騎(と言うより魔王の側近)の中で一番の勝ち組。
エスペランサーリプレイ「魔核の所持者」の主人公。ちなみに今もクリームとはラブラブな生活をしてるとか何とか。


双璧(ツヴァイ・ヴァント)
 闇の皇子が抱える二人の魔王の側近に与えられる称号。普段からあまり側近を連れないヴァールからしてみれば、ただいるだけの側近に等しく与 える命令と言っても雑用や掃除洗濯、身の回りの世話などに限られる。
本人たちも割りというそういう事を理解しているので普段の彼らは実にフリーダムな行動ばっかりしている。
しかしエスペランサー「春の剣聖」においてはそんな双璧も遂に魔王の側近としての実力と責務を果たすべく活躍を行なう。

“剛の壁”レイチェル=ウーラス

 自称闇の皇子ヴァールのフィアンセを名乗る少女。ロリコン変態の皇子に恋する人生の半分を棒に振っている少女。
人間離れした腕力の持ち主であり、片手で道を塞いでいるほどの巨岩を持ち上げるほどである。
また腕力だけではなく剣術の腕も立ち、持ち前のパワーを活かした一撃必殺型のスタイルを取る。剛の壁に相応しい強固の護りと、どんな相手でも 一撃で致命傷を与えるほどの攻撃を誇る。
自分の主・ヴァールがルティという少女の話題ばかりをするため、会った事はないものの彼女の中でルティという少女が永遠のライバルと定義されて いる。ちなみにスタイル抜群な少女であり、このため更にヴァールの守備範囲外という事で猛烈アタックをしても軽くスルーされている。数少ないヴァ ールの苦手な人物の一人。

“柔の壁”ジイ(本名:ウォルター=ゲイズナー)

 闇の皇子ヴァールが抱える双璧の一人。彼はヴァールの先代、即ち初代闇の皇子ヴォルテスに忠誠を近い、それから現代まで変わらずに
闇の皇子の側近を務めている。もとは人間であったが、ある事情を経てヴォルテスに忠誠を誓う事となり
その忠誠心と友誼による感情からヴォルテスの息子でもあるヴァールに対しても変わらぬ忠誠心を捧げている。
時折、父親を亡くしたヴァールに対して父親代わりとして接し、導くこともあったといい、ヴァールの事を「坊ちゃん」と呼び、親しんでいる。
全人類の中でも五本の指に入る剣の腕も有しており、剣術における四つの究極の極み【四諦剣】の一つ幻影四宝剣を扱える。


黙示録の獣(ネロ・アポカリプス)
 不敗の覇王が世界に存在する全人類を抹殺するために自ら選別をして選んだ五人の獣。
ある者は純血の魔族であり、ある者は人間であるが、その全員が歴代の魔王の側近の中でも飛び抜けた能力を有し
「獣」と呼ばれる伝承の存在をその身に宿している。このため彼ら全員【獣装(ネロ・フォーム)】と呼ばれる真の姿を持っており
その状態となった際は内に眠る獣を具現化し、本来の能力と力を発動させると言う。
本来不敗の覇王は魔王の側近を持つ必要もない存在であり、今日まで彼はレイド以外の側近どころか部下も置かなかった。
その彼がこの黙示録の獣を率いるという事はそれほどまでに全人類の抹殺の意志が強固なものであると窺えるが
彼がこの黙示録の獣と呼ばれる存在を集めた理由は別にあるとも言われている。

“黒獣(ケルベロス)”グラド
 不敗の覇王に従う五人の黙示録の獣(ネロ・アポカリプス)の一人。宿す獣の名は“黒獣(ケルベロス)”、冥府に存在すると言われる地獄の業火を扱 う。破壊に関してこの上ない喜びを感じており、女・子供であろうと愉悦の感情を持って虐殺をする。まさに現在の覇王が行なっている全人類抹殺遂 行を体現した獣と言える。
だがグラド自体は不敗の覇王に忠誠を誓っているわけではなく、単に己の破壊願望を叶えれる絶好の場を与えてくれるために彼の下についているに 過ぎない。事、腕力や破壊能力において彼に匹敵する魔王の側近は歴史上でも数えるほどしか存在しない。

“暗殺者殺し(アサシン・キラー)”ヴェイゼア
 ヴァイゼアとは始祖神語で深淵という意味を持つ。彼の持つ“暗殺者殺し”という称号は闇の三大称号の一つである。
黙示録の獣の一人ではあるが、彼はグラドやレイドと異なり獣の中で生粋の純粋な人間である。
元は暗殺者を殺すための暗殺者。アサシンキラーという称号を持つ闇の人間。
こと暗殺者や同じ闇の人間であれば、彼との戦いでは絶対に勝つことは出来ない。まさに暗殺者を殺すための天性の殺人者。
獣としての能力よりも彼個人としての狂気と能力が真に恐るべきものと言われる。

“呪われし子(カース・チルドレン)”フィナ
 黙示録の獣の中でもその存在自体が不気味と言われる少女。
自らの願望のために進んで殺しを行なうグラドやヴァイゼアとも異なり、レイドのようにフォルクスに忠誠を誓ったわけでもなく
ただ与えられた命令を忠実に遂行する人形のような存在。どことなく自らの命に価値を見い出していない言動すら見受けられる。
黙示録の獣の中でもとりわけ行動原理や出生などが謎に包まれた存在である。

“絶対零度の貴公子”レイド
 遥か1000年前より唯一不敗の覇王フォルクスが自らの傍に置いた、ただ一人の側近。
彼の能力は魔王の側近でありながら魔王クラスに匹敵するものであり、その気になれば他の大陸の支配を行なう事すら許されるほどである。だが彼 の心は自らの主でもあるフォルクスに忠誠を誓っており不敗の覇王も彼には心を許している部分もある。
自他共に不敗の覇王の側近中の側近とされるレイドだが、その性格も他の獣共と異なり高潔に満ち溢れた武人であり、どことなく覇王の内面と似通 った部分がある。

“無限の蛇(ウロボロス)”ガルム=ガルドー
 五人の黙示録の獣の中で最も最弱の獣と呼ばれる存在。
他の四人と比べればこのガルム=ガルドーの戦闘能力は極めて低い。
そのためか他の獣達が人類粛清を行なう中、このガルム=ガルドーのみは進んでそのような戦いには参加せずに、ほとんどを傍観・参加の拒否を行 なう。このためグラドなどからは腰抜け扱いをされ同じ獣同士からも侮蔑の感情を向けられる。
しかし戦闘の能力が他の獣より劣る分なのか、知略と計略に飛んだ彼の知識は常に先の展開やこれから起こることを全て予測して、それに対応する 動きを見せる。この知識を買われて獣の一人として覇王に認知されたと言われるが…真実はさだかではない。またガルム=ガルドーという名は彼が 名乗った通り名であり、本名はまた別にあるという。


【魔王の呪い(サクセサーオブサタン)】
かつて神祖の魔王アルトサウディウスが死した際に彼が生まれた時より持っていた歪んだ世界システムの最高位である力が十の呪いとなり、エル =ユーナの世界に刻まれその世界に生きる人を汚染する事となった。
それこそが【魔王の呪い(サクセサーオブサタン)】。この魔王の呪いを受け継いだ者は神祖の魔王アルトサウディウスの絶対悪と歪んだ魂も同時に 受け継ぎ常人であれば精神と魂を完全に汚染され意志無き殺戮者へと変じる。
また魔王の呪いに宿るのはアルトサウディウスの力の結晶であり、これを受け継ぐ事は魔王としての力を受け継ぐ事と同意でもある。このため歴史 上、世界を陥れるほどの災厄を招いた者の中にはこの魔王の呪いが刻まれている。現に五人の魔王全てがこの魔王の呪いのいずれかを継承してい る。
また現在世界に伝わる十の魔王の呪いは全て神祖の魔王アルトサウディウスより別たれたものであるため、アルトサウディウスは一人にしてこれら 全ての能力を有していた。たった一人で世界を殺しかけた由縁もここにある。
またこれら十の呪い以外にも後に人の手で作られた呪いや所有者との魂と溶け合い、その者の本質に添うように変化した魔王の呪いもあると言われ る。

【死の刻印(タナトス・スティグマ)】
特徴:体のどこかにに血のように紅い刻印が刻まれる
 この魔王の呪いを受け継いだ者は「核」と呼ばれる刻印をその身に刻む。そして同時代においてこの「核」の持ち主の為に「贄」と呼ばれる者達が数 人選抜され、その者達の体にも同じような紅い刻印が刻まれる。こちらの刻印は「贄」の刻印と呼ばれ、「贄」の刻印の持ち主が死した際に、その者 がそれまで生きてきた人生や経験・能力全てが刻印と共に「核」の持ち主へと献上される。即ち「贄」が死するたびにこの呪い(核)の持ち主は無限に 進化をしていくのである。
初代【死の刻印】の持ち主でもあったタナトスはこの呪いの力を完全に継承しており、己が喰うに値する人物に対しこの「贄」の刻印を打ち込み、その 人物を殺し能力・経験全てを吸収していったとされる。

【狂戦士の瞳(ヴァーサーカー・アイズ)】
特徴:金色の瞳を持つ
 この呪いを継承した瞬間から、その瞳に捉えるすべての攻撃・回避・動きといったものを瞬時に捉え“反射”によってそれらを上回る攻撃行動を行う。 このため瞳に映る生命を“頭で考える事なく”、身体そのものが“反射”的にそれらを捉え殺劇するためにどのような超スピードを持ってしてもそれに反 射対応をする。また持ち主の戦闘能力を限界以上まで引き出すため、例え持ち主が常人であろうとも、限界を超えたパワーやスピードを引き出す。こ の性質のため本人の意思に関係なく目に入る全ての生命が死に絶えるまで延々と“反射”で殺戮を繰り返す狂気の呪い。多くの者はこの殺戮の呪 いに魂が汚染され、ただの殺戮人形と化す。

【眠りの翼(ヒュプノプス・フェザー)】
特徴:漆黒の髪
 この呪いを継承した際、持ち主は元の髪の色に関係なく必ず髪が漆黒のような黒へと染まる。そしてこの髪こそがこの呪いそのものであり、この呪 いの発動時に漆黒の髪は翼の如く羽ばたき広がる、そこより舞い散る羽に触れた者はこの呪いの持ち主の望む永劫の眠りに捕らわれる。この眠り に捕らわれた者は一種の仮死状態となり老いる事も朽ちる事も死ぬ事もない。そして夢の内容を自在に操作する事ができる。また呪いによる眠りは 持ち主以外は絶対に解くことは不可能。
だがこの漆黒の羽根が秘める力はそれだけではない、この呪いが司るもう一つの力・真価こそが“沈静”
この羽根に触れた瞬間、対象の潜在能力、発動しようとしていた力は霧散・弱体化していき、やがては剣を握る力すら失う。
これこそがこの呪いの恐るべき能力であり、この呪いの前ではいかなる強者や英雄も皆等しく力無き脆弱な存在と成り果てる。
また髪自体が魔王の呪いそのもので出来ているため、どのような武器であれこの髪を切り裂く事は敵わず、攻撃に使用すれば死角0のあらゆる防御 を突破する恐るべき刃となる。

【滅びの疵(アバドーン・ペイン)】
特徴:体の一部に特殊な傷跡がある
 全ての魔王の呪いの中で最高位に位置する超破滅攻撃型の呪い。この呪いを発動させるには対象がある一定の創(きず)を負っている事が
条件である。この時の創とは“傷”ではなく“創”。つまり皮膚が破け出血がおき、内部の組織の断裂いわゆる開放性損傷が起きている事が
第一条件であり、最低でも目に見える程度の傷が刻まれていなければ発動条件には届かない。
この呪いの発動と同時に対象のその創を起点として対象を瞬時消滅させる力が人体に流れ込み、体全てへと到達した瞬間
対象は瞬時に消滅する。この呪いを前にすれば例え同じ魔王でもあろうとも即死・消滅は免れない。
この呪いより逃れる術は呪いの力が人体の全てを覆う前に時間回帰により、自らの体内時間を戻すか
剣聖システムによる魔王の呪いに対する超防壁(ただし、これに関しては剣聖能力の最終段階に到達している剣聖でなければ完全に防ぐ事は出来 ず、それ以前の剣聖能力であれば、せいぜい瞬時消滅を先延ばしにする程度である)などが存在する。
また、その他の防御手段としては、上記の剣聖防壁に比類する超防壁能力(これに関してはいわゆる不敗の覇王が持つ圧倒的、魂の宝石および
錬度によって生まれた不敗の鎧いわゆる、生まれつきの度外れた超防壁能力が該当する。この為、不敗の覇王は滅びの疵を受けてもその消滅を
数日前後まで引き伸ばすことが可能である)など、後は夢幻の光輝により、自らに打ち込まれた滅びの疵の無効化などである。
ただしこれは対象があくまで生物である事が前提の条件であり、無機物などに対する条件は上記とはいささか異なり、
破壊できる規模は流し込める創の大きさ、規模に比例する。またこの呪いは性能、その超絶的破滅能力ゆえにこの呪いの持ち主は例外なく
使用するたびに自らの体に亀裂を生じ、それが全身に及んだ際には己自身が消滅死に至る。世界で唯一この呪いを所有できる破滅の王ですら
この滅びの疵の使用は数発が限度であり、唯一の正統後継者である滅びの帝王アバドーンですら回数制限が存在すると言う。
また魂の宝石や錬度と言った概念があるように、ある程度の領域にいる者に対しては、その領域の者でしか太刀打ちできないように
魂の宝石や錬度などが劣った人物が、この呪いを有したとしてもそれはまさに宝の持ち腐れに過ぎない。

【腐敗の剣(コラプト・カリヴァー)】
特徴:自らの腕より特殊な剣を生み出す
 この呪いの発動と同時に腕より特殊な剣を生み出す。これこそが触れれば終わる終幕の剣。
この剣による攻撃はたとえ僅かな傷でも致命傷となる。斬られた傷口は瞬時に腐敗し細胞に到るまで壊死が始まる。肉や骨、血の全てが腐り落ち る。ただし、この呪いによる腐敗が別の細胞に渡る前にその腐敗した部分を丸ごと切り落とすなどすれば全身の腐敗化は免れる。またこの呪いによ って創生される剣は神器にすら匹敵する強度・能力を誇り、並みの武器であれば触れた瞬間、腐り落ちる事となるだろう。

【魔王の血(アヴィス・ブラッド)】
特徴:血の色が漆黒に近い暗い赤となる
 この呪いに侵された瞬間、その血の一滴までも呪われる事となる。持ち主は腕や全身が吹き飛ぼうとも、その体に血の一滴でも残っていればそこ より失われた部分の再生を行い、死ぬ事無く復活を果たす。限りなく無限に近い再生能力を誇るこの呪いもまた最強に位置する呪いの一つである。 ただし、この呪いにより持ち主の実力自体が上昇するわけではない。更には再生の度に持ち主の精神と魂を汚染する呪いが広がり、寿命自体がこ の呪いによって吸い尽くされることとなる。
歴史上、この呪いの持ち主は全て血の再生による自滅により滅び去っている。

【夢幻の光輝(ファントム・リュミエール)】
特徴:能力の発動後、この呪いの持ち主は体に柔らかな光を纏う
 詳細不明の魔王の呪い。ある条件に対してのみしか発動しない特殊な呪いであるためおおよそ実践向きとは程遠く、十の魔王の呪いの中で最も 最弱であり、条件下によれば最強の呪いともなり得るもの。

【螺旋の創生(スパイラル・ジェネシス)】
特徴:持ち主は必ず“創生”系の何かを持つ
 遥か神話の時代より唯一途切れることなく繰り返し受け継がれ続けている魔王の呪い。それがこの【螺旋の創生(スパイラル・ジェネシス)】。その特 徴はその時代に生きるこの呪いに最も相応しい人物へとこの呪いが継承される事。つまり、同時代に一人のみにしかこの呪いは発祥せず、呪い自体 が持ち主を選ぶ。そしてこの呪いの持ち主が死ぬばまたは今別の人物へと呪いは継承され、その時代に今の持ち主よりもより相応しい持ち主が現 れればこの呪いは現在の持ち主を殺した後にその新たな持ち主へと移動する。まさに螺旋のように途切れること無くこの呪い自体が無限の進化を繰 り返している。
そしてこの呪いの最も大きな特徴が現在の持ち主の性質によってその能力自体が大きく変わる事である。
例えば初代【螺旋の創生】の持ち主は何も無い空間より自身がイメージした物体(武器)を自在に生み出すと言う【幻想の創生(ネヴァー・クリエイショ ン)】を持ち、二代目【螺旋の創生】者は自分の触れた物体を分子レベルにまで分解し、その後にエネルギー粒子へと“変換創造”し、それを自らの体 内に取り込む事により半永久的なエネルギー吸収能力【吸収の創生(ドレイン・クリエイション)】を有していた。このように現在の所有者と前の所有者 では同じ【螺旋の創生】の呪いと言ってもその能力は大きく異なるがただ一つ“創生する”というルールのみは絶対不変である。
この性質故に持ち主の意志によってこの呪いは“最強の英雄の武器”にも“最悪の魔王の能力”にもなれる善悪のバランスが不安定な呪いとされて いる。
エスペランサーリプレイ「最後の皇帝」では同時代でこの【螺旋の創生】を持つ者が二人現れ、そのため互いの【螺旋の創生】の力が不完全となり、お 互いの宿命にそうように戦いの果てによって真の継承者を勝ち取るエピソードが語られた。

【石化の腕(ゴルゴン・アルム)】
特徴:不気味な灰色を纏う腕
 全ての魔王の呪いの中で最も歪な呪いとされている。その能力もまた恐るべきものであり、この呪いの持ち主の腕に掴まれたが最後、対象は掴ま れた部分より石化が始まりやがてそれらが全身へと到った瞬間、対象の命もまた終わりを告げる。
この呪いの効果はいかなる手段を持ってしても停滞させる事は敵わない。この腕に掴まれた瞬間に石化が始まりそれを止める事が出来ない以上、こ の呪いに対する対抗手段はただ一つそれが避ける事。どんな防御も意味はなく、鎧も盾も等しく石化し、その防具を通じて相手の肉体にも石化が到 達するため、この呪いへの対処は避ける事以外何も無い。
またこの石化の腕にはもう一つの秘められた力が宿っているとされるがその詳細は不明である。

【―――――】
特徴:不明
 伝えられていない最後の呪いにして究極の呪い。その名も能力も全てが一切不明。
何故ならばこの呪いを継承した人物は神祖の魔王アルトサウディウスの死後、誰一人としていないからである。
この呪いこそが魔王アルトサウディウスの力そのものであり、全ての魔王の呪いの原点にして頂点である。


四諦剣

 剣の道を究めた者のみが到達できる究極の極地。それは人の身でありながら人の身を超越した領域へと踏み込みであり、この四諦剣へと到達し た者は一人の例外もなくエル=ユーナの歴史にその名を刻む。
とは言え、長い歴史を誇るこのエル=ユーナでもこの四諦剣の領域に到達した者は剣祖であるガイン=デュラール、フィリア=クーへ、そして闇の皇 子ヴァールの抱える魔王の側近。これら三人のみと言われる。

心眼剣
 五感を自ら遮断する事により五感で感じる世界を超越し、未来の動き世界を見る極地。
この極地の前ではすでに相手が“どのように動くか”が見えているため、剣を放った時点で確実に先手を取る。
またこの極地へと踏み込んだ者は物事の真実を見据える心眼も会得し、幻影の殺意やまやかしと言った現象に惑わされる事はなくなる。
かつて剣祖ガイン=デュラールが死の間際に視力を失い、それにより体得した極地。
また“心眼の王”フィリア=クーへもアドルとの一騎打ちの激戦の末にこの極地を体得する。

幻影死宝剣
 死を受け入れ、死に直面した者のみが到達できる剣。それは“殺意”と言う形無き刃を形として放つ死宝の極地。
この極地に対しては一般人よりもむしろ、戦いになれたつわものほど、その特性を強く受け、また抗うことすら不可能となる。
純然に研ぎ澄まされた殺意の刃をばら巻くことにより、まるで周囲無尽蔵から刃を突き立てられる幻影を相手は幻視し
その刃に貫かれれば、まるで実際に刃を突き立てられたと脳が判断を行い、無いはずの痛みの信号を流し出す。
これにより剣を扱い、死と言う現象を身近に感じ続けている者ほど、この極地の特性には抗えず、まさに天敵とも呼べる極地ともなり得る。

涅槃寂静剣
 一切の我欲をなくし、ただ一つの真理のみを追い求め続け、それを見い出した者のみが手にすることが出来る楽園の剣。
この極地による特性とはただ一つ、一撃の極み。
ただの一振りにより全てを決する究極の極地。ゆえにたとえ来ると分かっていてもその一撃を避ける事は不可能であり、防御もまた無意味。
たとえ、どのような英雄、戦士であろうとも、これが放たれた時点で勝負は決する。まさに全霊全身一撃必殺の究極系。
だが、それは使用者自身にも言える事であり、この極地により一撃が万一外れれば、それは全てを出し切り使い切った使用者の敗北を現す。

識剣
 全てが謎に包まれた未だ到達不可能な最後の極地。その詳細は一切不明であるが、一説には死に瀕し、死と同化した者のみが
この極地へと到れると言われる。(正確にはこの極地そのものとなるとも言われる)
いずれにしてもエル=ユーナの長い歴史において、この極地へと到った者は皆無である為、その特性も存在も全てが不明のままである。


マクスウェル

 神話の時代の終わりよりエル=ユーナの世界にて結成された謎の組織。
その目的は世界システム「世界樹の理(ユグドラシル・ロゴス)」への到達とされ、そのためにこの世界に存在するあらゆる力・呪い・システム、それら を再現しようと暗躍を続ける。
当初このマクスウェルを設立した創始者が存在したが現在ではその創設者は行方不明となり第0被験体の暴走によりマクスウェル本部は壊滅し、現 在は複数に別れ独自に研究や目的への到達を行なっている。※11
それぞれの研究や成果は「蛇の記録」と呼ばれる場所にて記録、提出を行なっており
各マクスウェルが何らかの進展を上げれば、それは他のマクスウェルの進展へと繋がる。
また直接的にこのマクスウェルと繋がりを持たない組織でも知らずにマクスウェルの計画・研究の末端を担う組織は世界中に無数にあるとされ、中に は一つの国そのものが関わっている事もあるとされる。
またこのマクスウェルによって生み出された二十二の被験体※12と呼ばれる人物達が存在する。彼らは個人の能力差にもよるが、世界システムへの 到達を目的としてそこへ到るための手段と力を施された者達故その能力と力は魔族のそれを凌駕し、ある者は五大魔王にすら匹敵する能力を持つ者 もいると言う。

第0被験体
 コードネーム「魔王の妹(シスターリリス)」。かつて神祖の魔王アルトサウディウスが拾ったただ一人の少女であり、唯一彼が傍においた少女と言 われている。魔王の死後、その肉と血と瘴気、呪いを一斉に浴び、肉体から魂に至るまで全てが汚染された。
しかし、それでもなお彼女は死ぬ事なく自らに向かった複数の魔王の呪いを受胎し、これら全ての呪いを完全に己の一部とするまで仮死状態となる 手段を取った。※13
そこを当時マクスウェルの創設者に拾われ、この第0被験体に施された複数の魔王の呪いを研究する事によって現在のマクスウェルの基盤で出来た と言われる。
数百年間、仮死状態の眠りにあったこの第0被験体であったが当時研究が進み、複数のレプリカの魔王の呪いを生み出すまでに至ったマクスウェル の研究者達がより魔王の呪いに関する研究を進めようと、この第0被験体を無理矢理半覚醒状態とさせた。
それによりこの第0被験体の暴走によって当時のマクスウェル本部は崩壊、第0被験体は再び仮死の眠りについた。
生き残ったマクスウェルメンバー達は彼女を次元牢獄と呼ばれる、擬似空間に閉じ込め二度とエル=ユーナで目覚める事がないように封印を施した。 しかし、当時のメンバーでも理解していた事だが、このような処置はただの気休めでしかなく、彼女が自分の中に宿った全ての魔王の呪いを継承し覚 醒を果たした暁には次元牢獄の門は砕かれ、彼女はエル=ユーナへ降臨を果たすであろう。そして、それはこの世界において、神祖の魔王アルトサ ウディウス以来の脅威の再臨であり、また彼女の目覚めによって更なる脅威が目覚めるであろう事をマクスウェル創始者は書き残した。

第一被験体
 コードネーム「始まりの魔王」。詳細不明。魔王に匹敵する能力・実力を得て生まれた始まりの被験体。

第二被験体
 コードネーム「囁きを聞く者」。世界システムに干渉する能力を持った被験体であったが、とある理由からマクスウェル本部の最下層に幽閉。ある人 物より二ナという名を授けられる。現在のエル=ユーナに大きな影響を与えた存在でもある。

第四被験体
 コードネーム「覇者の御影」。詳細不明。

第九被験体
 コードネーム「不死の騎士」。魔王の呪いの一つ【魔王の血(アヴィス・ブラッド)】のレプリカを体内に埋め込まれ、また同時にエデンにて存在する禁 忌の実の能力を試作的に同時に投与され、このため肉体は人の限界を完全に凌駕しその代償として魂を失い、ただ強大な能力のみを有する意志無 き化け物と化す。
レプリカ【魔王の血】の能力により、どのような致命傷を受けようともすぐに再生を果たしレプリカ王証の力を行使して対象が倒れるまで無限に戦い続 ける。ただしこの異なる強大な二つの能力のため、肉体に掛かる負担が激しく、力を行使すればするほど、肉体自体が崩壊し、放っておけば勝手に 肉体が滅び自滅する欠点を持ち合わせる。
当初、本能のままに暴れ狂いマクスウェル本部にて多大な被害を出したため最下層の牢獄にて封印されていたが
第十被験体がマクスウェル脱走の際に、この第九被験体の封印を解除してこの化け物を連れて逃げ出す。
意志無き人形のはずだが、何故かこの第九被験体は第十被験体の命令のみは聞こえるらしく、彼の命令であればどのような事でも忠実に実行す る。かつてこの第九被験体が人間であった頃、同じくまだ人間で第十被験体と何らかの関係があったのではと囁かれている。後に第十被験体・ユベ リウスと共に【七賢】の一人として数えられ、それ以降はユベリウスが抱えるアノルファ騎士団の一人、第九殲滅騎士ベルセルスとして首都ユトにあ る聖王城の地下深くにて任務以外の際は眠りについている。

第十被験体
 コードネーム「不明」。マクスウェル史上初の己の意志で世界システムへの到達が可能な者であり史上最悪の反逆者。
限定された干渉のみだが世界システムへの到達が可能な人為干渉者。
もともとこの第十被験体はマクスウェルメンバーの一人であり、自らを被験体として己の研究成果を体現した。
本来はマクスウェルの重役となり、大きく歴史を動かすはずだったが、突如としてマクスウェルを裏切り己に関する資料全てを隠滅、またこの時、当時 20歳であり後に空帝として君臨するグレストと出会い、彼と共に死の王タナトスを倒した【七賢】の一人となる。現在はセファナード教国の不動の教皇 ユベリウスとして君臨を果たし、アノルファ騎士団を率いマクスウェルの殲滅を続けている。

第十二被験体
 コードネーム「IF」。エル=ユーナに存在する伝説的な魔女であり世界有数のフラグメントにして【七賢】の一人“嵐の魔女”イフの能力をそのまま再 現するべく、彼女のデータを元に人工的に生み出された存在。
しかし結果として生まれたこの第十二被験体にはイフと同じ嵐の属性は授からず、風の属性のみが備わる。
データの回収を行なった後に冷却保存されるも、彼女を収めたカプセルとその研究所の場所は崩壊し、その存在は死亡とされる。が、奇跡的に彼女 を収めたカプセルは無傷であり、現在目覚めた彼女は人の世の中で自分の大切な人と寄り添い暮らしている。戦闘時は風の天術を刃に乗せ戦う天 術剣士としてのスタイルで戦う。
エスペランサーリプレイ「意志ある者への標」にてプレイヤーキャラクターとして登場。

第十三被験体
 コードネーム「バルバルス」。史上最大の失敗作であり、ネタキャラ。
何度殺されても自力で復活を果たす巨人。口から山をも吹き飛ばすレーザーを発射。この能力だけを見れば、被験体の一人としては相応しいかもし れないが、とにかく情緒不安定で訳の分からない事を言いつつ、強者を求めて徘徊するひたすら迷惑な奴。目下ライバルとして認知しているのがカル ージと世界征服男爵である。※14
エスペランサーリプレイ「意志ある者への標」にてその存在が生まれ、その後、色んなリプレイにてネタキャラとして登場。
登場フレーズは「その時――空が、啼いた――」

第十六被験体
 コードネーム「不明」。かつての第0被験体を再現するべく生まれた存在。詳細不明。

第十七被験体
 コードネーム「真紅の剣」。アドル=ローベンという名を名乗り、死の王が抱える魔王の側近「四柱(テトラード)」の一人。
二つの魔王の呪いをその身に取り入れ一つの呪いとして己の身に収めた極めて希な完成体。魔王の呪いに対して自我を奪われる事なく、己の力と して完全に制御を行なう。しかし、その強力な自我によりマクスウェルによって施されていた制御の鎖すら打ち砕き、己とテナ、またこの時施設に複数 いた自分と同じ子供を助けるべく施設メンバー達の惨殺を行なう。
幼い頃から施設にて実験による絶望的環境で育ち、それゆえに自分たちを救ってくれる正義の味方という存在に憧れ、その存在になろうとし自分達 を弄んだ研究員(悪)達を惨殺しテナや施設の子供達を救うがその行為の中で子供を庇って死んだ親の姿と自分の放った剣によって翼を失った少女 (フィリア)の姿を見て、己の行為が正義の名を冠しただけのただの殺戮と知り絶望する。だがそんな血塗れの正義でもただ一人護れたテナだけは生 かすべく、ペレリウスの誘いに乗り四柱として彼の命の下、正義とは程遠い殺戮を繰り返す。だが幾多の殺戮を繰り返そうとも、彼本来の心優しい性 格と正義の味方に憧れる心のみは失われる事無く、最後の瞬間には彼が望んだ“正義の味方としての死に様”という答えを得る。
エスペランサーリプレイ「死の継承者」にて登場。

第十八被験体
 コードネーム「狂刃の謳い手」。魔王の呪いの一つ【狂戦士の瞳(ヴァーサーカー・アイズ)】のレプリカを施された少女。レプリカとは言え数ある魔王 の呪いの中でも特に破壊と殺戮に特化したこの呪いに汚染され精神年齢が幼少の頃にストップし【人為・狂戦士の瞳】の際は一切の自我を失い、瞳 に入る生命を全て反射で絶殺を行なう。施設にいたお姉さんにテナと言う名を与えられ、同じ施設にいた第十七被験体・アドル=ローベンと共に施設 より抜け出し彼によって護られ続ける。また施設での投与無しに生存できないよう施されたため、それに類する処置を四柱のリーダー・ペレリウスより 行なわれていた。
死の王が抱える魔王の側近「四柱(テトラード)」の一人。後にセレナスという少年と出会い、呪われた彼女の運命に希望の光と灯される事となる。エ スペランサーリプレイ「死の継承者」にて登場。
またセレナスとテナのその後の話にあたるエスペランサーリプレイ「零の騎士」では成長したセレナスとテナお互いが恋人として結ばれるまでの話し が綴られる。その話しの中で彼女の持つ【狂戦士の瞳】のオリジナルを持つ人物・レオンも登場する。

第十九被験体
 コードネーム「地獄の三黒獣」。詳細不明。歴代で始めて獣システムの導入に成功した被検体と言われている。
これにより、二十番以降の被検体シリーズにも獣システムが投入されていった。

第二十被験体
 コードネーム「深淵の狂鰐」。詳細不明。殺人そのものが生へと繋がっている殺戮者。

第二十一被験体
 コードネーム「不明」。数年前にある事件によって死亡が確認された被験体。
極めて完成体に近い被験体であったが、マクスウェルに対し強い復讐を抱く危険因子でもあった。

第二十二被験体
 コードネーム「王の体現者」。マクスウェルによる今までの研究・データ・成果全てをつぎ込み完成された歴代全被験体の能力・データを受け継いだ 真なる“完成体”の被験体。エスペランサー「希望の軌跡」にて登場予定。


セファナード教国

 セファナード教国とは銀の大陸フォブリアに存在する大国の一つであり、エデン帝国についで事実上第二の軍事力を持つ国でもある。過去、幾度と 無くこの教国に魔族の侵攻が行なわれたが、一度としてこの教国が陥落した事はなく、逆に多くの魔族の屍骸を土台にこの教国の権威さが積み上 がったとも言われる。
セファナード教国の発祥は800年ほど前より存在されているが、現在のような強固な大国となったきっかけはエデン帝国の建国と同じ500年前であ り、その時に教皇として任命され今尚不動の教皇として君臨しているユベリウスの手腕によるものだろう。
彼は教皇の座に就くや否や周囲の国をその傘下に置き、領土拡大と同時に自らアノルファ騎士団と呼ばれる精鋭を集めた十三騎士団を作り上げる。 この圧倒的カリスマと他者の非難をものともしないユベリウス教皇とアノルファ騎士団の恐るべき能力によって現在のセファナード教国が完成したと言 われている。
またこのセファナード教国が信仰する神は地王エルドラードでも海王ノアでもなく、最初にこのエル=ユーナの世界に降り立った神、神王クレイムディ アを崇める教国である。

不動の教皇ユベリウス
 【七賢】の一人にしてマクスウェル第十被験体。500年の時を生きる異能者。
あまり人前に出ない人物でもあり、よっぽどのイベントや気まぐれを起こさない限りは素顔を晒す事は無い。
決断力に優れ、国を率いる器を持つが、その一方で強引で不遜な部分がある人物でもあり、気に入らないことがあれば部下に間接的な八つ当たりを 行う。
グレストとは気の合う関係らしいが人の下に付くのが大嫌いな性格なため、エデン建国のさいに参謀とならならかとグレストに持ち込まれたが蹴っ た。

アノルファ騎士団
 500年前に教皇ユベリウスによって創設されたセファナード最強の十三騎士団。500年間、アノルファの象徴であり第一栄光騎士の座は空白のまま だが、それでもこのアノルファ騎士団に集った者達はまさに戦場の状況を覆すほどの能力を持ち、魔族を狩るために選ばれた処刑人と言っても過言 ではない。
またこの十三人という数はかつて至高の神々に伝わる伝承に出てくる十三神徒よりあやかっていると言う。

第一栄光騎士・空席
 アノルファ(栄光)騎士団の象徴にして結成より未だこの席を埋める者が存在した永久空席の座。
しかし現在ユベリウスによって、ようやくこの第一栄光騎士に相応しい人物が選ばれ、現在その者がこの席を継ぐための最終調整を行なっているとの 噂がある。この第一栄光騎士が埋まった暁には500年間、未だ揃った事の無い十三の騎士が揃い、このアノルファ騎士団が完全なものとなると言わ れている。
またこの第一栄光騎士の権限の一つとして教皇に継ぐ発言、影響力を持ち全騎士団に命令を下す事が可能であり、次期教皇の第一候補とも言われ ている。

第二管理騎士・ミハエル=ザトークリフ
 現在のアノルファ騎士団の実質的な纏め役。全騎士の行動管理を把握し、教皇からの任務を他のアノルファ騎士へ伝え、極秘裏な任務を遂行する こともある。また教皇の日々のスケジュール調整もこの騎士が行なっており、三食の食事&モーニングコールなどもこなし、寝る暇もなく専属の執事 のように24時間働きながら、顔色の一つも変えぬず優雅な姿勢を崩さないある意味、つわものな人物。
本人いわく自分は騎士よりも執事になりたかったという事で、普段の態度も騎士と言うよりも紳士な執事というイメージが強い。
また彼自身は聖都ユトにて教皇の下、職務をこなし、他の騎士の行動管理を行い、指示を出すのが主な日課である為、直接前線にて戦闘を行う機会 はほとんどないが、その実力は現在のアノルファ騎士団でもトップクラスと言われる。

第三守護騎士・ジャック=グリフィン
 語尾に「〜っす」と付けるどうにもへたれ属性が離れない青年。本人曰く、この口調は敬語のつもりらしい。
見た目や性格の軽さに反し上級階級の生まれ。第四高潔騎士アンナに一目惚れしたらしくしつこいくらいにアプローチするがなかなか進展が無い。 彼が現在のアノルファ騎士団の第三守護騎士になった経緯には多少の事情が含まれている。
彼は幼い頃、とある事がきっかけで屋敷の地下にて封印されていた【魔王の呪い】の一つ【狂戦士の瞳】に侵され、その狂気の呪いに駆られるまま 家族を惨殺し殺戮者と成り果てたところを前任の第三守護騎士によって救われ「無限の結晶(インフィニティクリスタル)」により【魔王の呪い】を解除さ れる。以来、彼は罪の償いと、自分を救ってくれた第三守護騎士のような人物になろうと、アノルファ騎士団の第三守護騎士を目指すこととなる。
当初、訓練や修行をかさね第三守護騎士として就任したジャックであったが、彼が抱える心の弱さを指摘され、自身の騎士としてのあり方に悩む。
また、この第三守護騎士の任務とは、教国とそこに住む人々の守護であり、外敵からの襲来に対し即座に対応し
迎撃指揮を執る事を許された一番槍の騎士である。このため防衛線砦の司令長官も兼任する。
世界に一つしか存在しない星の民が残した最高技術による特殊自在変換武器・オールディヴァインを扱う。
所有者の意志に反応し、剣・盾・槍・斧・弓・鎌と様々な武器へと変化する。

第四高潔騎士・アンナ=クルセイル
 この第四高潔騎士は無数に存在する騎士団の中より高潔さと騎士としての品格・技量に相応しい者達が選抜され、その者達による第四高潔騎士 への資格試験を行い、教皇からの合格の声が掛けられ第四高潔騎士として任命される。
歴代の第四高潔騎士の6割以上が平民出身の者であり、現在の第四騎士を務めるアンナ=クルセイルもまた平民出身者である。物静かで大人しい 印象を与える少女だが、事武芸に関しては超一流の技術を誇る。また少々男性が苦手な部分があり、ジャックからのアプローチには少し動揺してい る。

第五信仰騎士
 教皇の側近騎士を務める人物。普段、教皇と同じように人前に姿を見せないためどのような人物かは明かされていない。

第六忠義騎士
 教皇の側近騎士を務める人物。普段、教皇と同じように人前に姿を見せないためどのような人物かは明かされていない。

第七断罪騎士
 アノルフォ騎士団の中で特別権限を持ち、各国を自由に巡り己が采配により世界の敵となる人物の断罪を許された二人の騎士の内の一人。世界 で五本の指に入る剣士【五指剣】の一人。

第八執行騎士
 アノルフォ騎士団の中で特別権限を持ち、各国を自由に巡り己が采配によりその行いが悪であり裁くべき対象とみなした際、その人物に対する処 置の執行を許された二人の騎士の内の一人。闇の世界に生きる人物と伝えられる。

第九殲滅騎士・ベルセルス
 セファナード教国の首都ユトに存在する聖王城の地下深くにて普段は機能を停止し、眠りについている騎士。
しかし一度教皇の命が下れば恐るべき戦闘能力により対象を抹殺する殲滅騎士。またいかなる傷を負おうと決して倒れることはなく相手を倒すまで 何度でも向かう。アノルフォ騎士団の中でも特に殺戮能力に特化した騎士。
その正体はマクスウェルの第九被験体。不死の騎士にして【七賢】の一人。

第十加護騎士・クーア=フェルール
 アノルファ騎士団の中で医療や治癒専門を行なう看護騎士。アノルファ騎士団の中でも随一の海鳴による回復力を持つ。
聖地の守護者における重要キャラクターの一人。

第十一外交騎士・ルーカム=ジェルトマン
 諸国を巡る謎の行商人・ルーカム。しかしてそれは彼が世を忍ぶために趣味でやっていることであり、その彼の正体こそ各国の状勢を独自に調査 し、教皇の命令があれば他国との交渉や国際問題などの外交交渉を担当する第十一外交騎士・ルーカムである。卓越した頭脳と弁舌により様々な 国との外交を成功させた影の功労者でもある。
また外交専門の騎士とは言えアノルファ騎士団の一人であるため、剣を持たせれば並みの騎士では相手にならないほどの剣術を披露する。
TRPGエスペランサーにおいてスキル<ルーカムの笛>で呼べばどこにでも現れる便利キャラ。

第十二調停騎士・ティアナ=フィルローズ
 アノルファ騎士団の一人ではあるがそのほとんどを他国にて過ごす騎士。あらゆる戦争や紛争における調停役として国同士の争いを終わらせ、ま たセファナード教国からの特使としての役のほとんどをこの騎士が背負う。
公平に飛んだ人格者であり、騎士としての腕も備わり他国の大使の護衛としても大いにその実力を披露し、そのため多くの国から彼女への調停役の 依頼を任務される。セファナード教国と他国との信頼を最も強く握る騎士でもあり、彼女の存在が他国の平和を長く存続させた事は疑いようのないこと である。

第十三異端騎士
 数年前より行方不明となっている騎士。アノルファ騎士団の中でも特に異質な能力を有した人物であり、その実力が未だ明かされていない人物。


英雄

 エル=ユーナには様々な歴史的英雄が多数存在する。彼ら一人一人がその時代の救世主であり一つの歴史を築いた人物であり、今ある世界の 架け橋となった人物達である。
彼らの事を多くの人々は希望を切り拓く者(エスペランサー)と呼び、今尚多くの伝承として彼らの生き様を記録している。
ここではそんなエル=ユーナに存在した多くの英雄たちの中でも特に偉業を成し遂げた人物達の紹介をしていきましょう。

【三英雄】
 エル=ユーナの歴史において最古のそして最強の英雄と呼ばれる者達。
剣聖アーク=フェイルを初め、神話の終わりから人類の歴史の始まりにかけて、魔王の死後その影響で混沌とした世界に一筋の希望と平和を作り出 した英雄たち。

“剣聖”アーク=フェイル
 上記の“剣聖”アーク=フェイルにて記載。

“空の申し子”オシリス=M=サムナー
 アーク=フェイルと共に災厄の時代にて希望を切り拓いた英雄の一人。空王エデンの息子と呼ばれ、空王の力や素質をそのまま引き継いだとされ る人物。しかし実際のところ、このオシリスという人物についての記録が少なく謎が多い。
アークと共に活躍した英雄であったが、アークの死後突如としてその姿が歴史から消える。
それ以後、彼に関する記録は全く無く、魔族に殺されたともオシリスという人物自体が架空の存在では無いかと言われている。

“神器の英雄”ヴァリス=マグナム
 災厄の時代を切り裂いた三英雄の一人にして歴史上、最も神器に選ばれた人物。
文献によれば彼はたった一人で「命刀」「蒼剣」「絶斧」「輝槍」を使いこなしたと言われる。※15
状況に応じて使い分ける神器を選び、四つの神器の力と鍛えぬいた己の技量により多くの魔族を倒したとされる。
また眠りの皇帝に堕ちる前のエルドラードのフラグメントであったヒュプノプスより小さい頃から剣技を教わり、親子のように仲の良い関係であったとさ れる※16。アークと共に混沌の時代にて多くの魔族と対峙し、活躍していくも、その戦いの中で彼は命を落す事となり、その際に四つの神器は彼を最 後に看取ったウォーレム族の少女へと託される。

“紫の賢者”レイヤ=リムライト
 まだ神話の時代が終わりを告げ、混沌の時代から人の時代の黎明期にかけて存在したと言われる伝説的な人物。
現在、世界に伝わる天術という力の基礎と基盤を人々に伝えた存在。彼個人に関して書かれた記録は少ない。
彼はいかなる組織にも属さず他人からの強制も受けなかった。各地に残る伝承の中には必ずこの紫の賢者が存在が確認されている。しかも驚くべき 事にそれぞれの伝説が記された時期を統合すると彼はわずか数年の間に世界の端から端まで巡った事になる。それも一定のルートではなく完全に ランダムな形での移動である。しかも彼が活動していた時間は300年以上にも及びここまで来ると彼の実在を疑いたくなるが、全ての伝説にレイヤ= リムライトの名が記されている以上、実在を信じないわけにはいかない。このため、彼は歴史の黎明に存在した多くの英雄との邂逅を得ている、アー ク=フェイル、オシリス=M=サムナー、ヴァリス=マグナム三英雄はもちろん、剣祖と呼ばれるガイン=デュラールにアリアス=ロッドロウ、ローティ ス=アルプレア、彼らと出会い、その目的の協力や進むべき道を示したともされる。※17
またこのように神出鬼没な彼の存在は登場と同じく唐突に歴史からその姿を消している。神学者の中にはレイヤ=リムライトの紫の髪や神話に描か れた空王エデンとの類似点が高く「紫の賢者=空王エデン」との仮説を唱える者もいるが、現在でも未だその正体や出生が解明されていない謎の人 物である。

“剣祖”ガイン=デュラール
 人類最古の剣王にして、歴史上最高の剣士と言われる人物。彼自身は一切の特殊な能力や(神器の所有者や地脈、天術の)素質を持たない人物 であり、彼が持っていたのはただ一つ、鍛えあげた己自身の腕、すなわち剣技のみであった。
彼は多くの魔族をその剣で屠り、それだけではなく多くの武人や剣客達を薙ぎ払い、その時代における最強の剣士の称号を手にしていた。また彼の 腕に惚れこみ、その弟子となる者や教えを乞う者も多く存在し、現在までに伝えられている流派の多くがこの剣祖の影響を受けた者、あるいはその弟 子であった者がルーツとなり、このため後の歴史家より“剣祖”という称号を与えられる。
60近くとなった際、彼は視力を失いそれまで常に戦場で戦い続けた彼が、山中深くへ身を隠す事となる。
だがそれは剣士としての己を捨てたわけではなく、死期を悟った彼が視力を失ってなお剣の道を求め修行を重ねるための行為であった。そうして数年 の歳月の後に彼は【四諦剣】の一つ心眼剣の極地へと遂にその足を踏み入れる。
この後、僅か一年にも満たない寿命であったが、最後の瞬間まで剣を握り剣の道を歩いたガインはまさに剣祖の最後に相応しい死をこの時代の人間 のみならず、後の歴史へと刻み込んだ。史実によると結構な酒豪であったと伝えられている。

“悠久鳥”アリアス=ロッドロウ
 ぺガススの少年にして後に世界史にもその名を刻んだ探求者の祖にして探求王の異名を持つ英雄。
200年の沈黙の時代にて世界を巡り、五つの大陸とスギラナ島やカルデック島を発見した人物。この時代、五つの大陸はまだお互いの存在を認知し ていない時期でもあり、このアリアスの探求の旅によってそれぞれの大陸の正確な場所が発覚し、この後大陸同士を結ぶ切欠を作った。また世界で 始めて正確な世界地図を作った人物であり、それら全て彼が自らの足で向かい、自らの瞳で見たものをそのまま書き映した代物である。現在の時代 で製作されている世界地図と見比べても見劣りしないほど正確な世界地図であり、当時の常識を大きく変える物であったと伝えられる。
彼に憧れ、多くのものが彼のような探求者になろうと志を持ち、これにより探求者という職業が生まれ、自分を慕う者や初心者探求者を補佐・サポート するために彼が立ち上げたのが現在の探求者ギルドの原形であったと伝えられる。
彼の最後はギルド建設の途中で事故にあった少年を庇い、その傷が原因で彼は自らの最後の夢を載せたギルドの設立を見ることなくこの世を去っ た。

“悠久鈴”ローティス=アルプレア
 悠久鳥アリアスの生涯の恋人であった人物。イルフェーナであり彼女は紫の賢者レイヤ=リムライトの弟子であったと伝えられ、当時では考えられ ないほどの天力と天術を備えていたと言われる。アリアスとこのローティスの出会いは喜劇として語られるほど面白い出会いであったと言われる。ア リアスと共に世界の全てを巡った人物であり、アリアスをずっと傍で支え彼女がいなければアリアスは途中で野垂れ死んでいただろと言われている。 二人は結婚こそしなかったものの、互いを結ぶ絆や愛情は誰よりも深くただ共にいるだけで何よりお互いの心が満たされていたと当時の人々は二人 の様子を語り伝える。
アリアスが不慮の事故により死した際、彼の意志を継ぎ探求者ギルドを立ち上げた人物であり、探求者達の母と呼ばれるようになる。この後、ローテ ィスは初代探求者ギルドの総取り締まり役を務め、また生涯独身を貫いたという。
彼女の二つ名にあたる“悠久鈴”は悠久鳥の恋人でありツインテールを結ぶ二つの大きな鈴から来ている。


【銀の太陽】
 200年の沈黙が終了し、世界が再び魔族の脅威に侵され、中でも南の大陸にてその脅威を振るった眠りの皇帝・ヒュプノプスを打ち倒すべく六人の 英雄が集い、一つのチームとして絆を繋いだ。これが歴史上有名な英雄チーム【銀の太陽】であり、全員が神器の担い手であったというまさに時代の 英雄達であった。
彼らが結成されたのは最後のメンバーであるノエルとケルトが他の四人とフォブリアにある雪山の頂にて出会い。チームとしての名を決めようとした時 に太陽が昇り、その光景を見たロイが「銀の太陽」と提示し、これが全員の一致により決定をした。

“銀の乙女”ノエル=テリッサ
 銀の大陸フォブリア出身の少女。もとは平民の少女であり、両親と幸せに暮らしていた際に魔族の襲来を受け家族の死をきっかけに彼女は武器を 取り戦う決意をする。この時、幼馴染でもあったケルトも彼女と共に戦う誓いを立て二人は共にフォブリアに存在する多くの魔族達を倒していった。こ の後にムーヴェリアスより渡って来たアラウとロイに出会い、アラウより輝槍の神器を託されムーヴェリアスを永劫不変なる眠りの世界へと閉じさせよ うとしていた魔王・ヒュプノプスを打ち倒す。※18
この後、故郷に帰り恋人でもあったサファランと幸せな人生を歩もうとした瞬間、タナトスの裏切りに合い彼女は自らの命を犠牲としてタナトスを迎撃 し、自らもまたサファランの腕の中で眠る。幸せを目前とした彼女の死に様に多くの人が涙し、彼女を題材として悲哀の歌や創作物が後の歴史にて 数多く出ることとなる。

“紅蓮王”ロイ=アーデルハイド
 熱砂の大陸ムーヴェリアス出身の英雄にしてイングラス王国の若き国王でもあった人物。最初にアラウに神器を託され、その担い手となった人物。 絶斧の所有者であり、当時ムーヴェリアス大陸を永劫不変の眠りの世界へと変えようとしていたヒュプノプスを打ち倒そうと試みるも自分とアラウのみ では不可能であると悟り、アラウの進言に従いフォブリア大陸にて残る神器の所有者を探す旅に出る。
その旅の中で【神の代行者(トゥアハ・デ・ダナーン)】の一人にしてレギオンの扉を開こうとした第二代行者ユーグ・ソランを倒しレギオンの扉をアラウ と共に封じる。その後、レオナード、タナトス、ケルト、そしてノエルと出会い、彼らと共に【銀の太陽】を結成、実質的六人のリーダー的存在となる。
この後、ムーヴェリアスへと帰還したロイはノエル達の力を借り、遂にヒュプノプスを打ち破り自らの王国の危機を救済する。
しかしこの後、タナトスの裏切りに合いロイはアラウを庇い、その命を落す。最後の彼が残した絶斧はアラウが後のレギオンの扉の脅威に備えるため にかつて、レギオンの扉を封じた地(後にテラスト王国が建国する場所)にて封印する事となる。
若く指導力に満ちた人物であり、男前な容姿をしていたため、当時の女性たちから多くの人気を得ていたが、それに反し内面はとても純情な少年の ような心の持ち主であり特に恋愛事に関してはかなりの奥手であったと言われる。
アラウと出会い、彼女に恋をし告白をするまで3年近くもかかっており、これは出会ってからヒュプノプスを倒すまでの時間でもあった。またプロポーズ の際には彼女の好物であった蜂蜜を樽いっぱいに抱えて贈ったとされ、このエピソードは現在でも有名な逸話として語り継がれている。

“金色の猛虎”レオナード=ロンバルト
 銀の大陸フォブリア出身の英雄であり、当時大陸で最も栄華を誇ったトロア帝国の第三皇子であった。※19 当時魔族の襲撃により第一皇子と第 二皇子が殺害され、父王も病で倒れ混乱を極めていた時にムーヴェリアスから渡って来たアラウとロイに蒼剣を託され、その所持者となり自身の力と 神器の象徴を持って帝国の分裂を防ぎ、後に第6代皇帝となる。
しかし、このレオナードは戦場においては比べる者もない英雄であったが、内政においては愚帝として伝えられていた。
政治に関する取締りや管理はずさんであり、また散財癖もあったレオナードはヒュプノプスとタナトスとの激戦を生き残り己の英雄としての存在に絶対 の自信を持っていたため自身の政治政策を顧みる事もなく、その統治は暴君と呼べるものへと変わっていった。これにあきれ果てた側近や民はレイク ス地方をその政治手腕と安定した統治を行なうもう一人の英雄ケルトの方に心が向かい、首都にいた多くの者がケルトが治める都市ノインキルスへ と移り去ったと行ったとされる。
しだいに自身の領土の一角にて自国を上回る勢力が結成されるのではと疑心が生まれ始めたレオナードの耳にケルトが帝国への転覆を密かに企て ているという噂が入る。※20
これによりレオナードはケルトの暗殺を謀るも失敗し、それを口実としてケルトは軍を動かし暴君レオナードを討伐する正式な口実を手にして、やがて フォブリア大陸は蒼剣の所有者である帝国の皇帝レオナードと、命刀の所有者でもあるケルトによる戦いにより大きく二分される事となる。結果、この 戦争においてレオナードが敗北を喫し、トロア帝国の時代は幕を降ろし、ケルトによるロータルランド公国が新たに建国される事となる。

“知略の奸雄 ”ケルト=フランド=ディオニアシス
 銀の大陸フォブリア出身にしてトロア帝国に属する領地レイクス地方を治める公爵。またノエルはこのケルトが治める都市ノインキルスの出身者であ り、二人は幼馴染のような関係であった。(ノエルに取ってケルトは兄のような存在だっと言われる)
ケルトはノエルに対して恋心を抱いていたが、そのノエルがサファランと結ばれたのを知った時、彼はノエルに気持ちを打ち明ける事無く身を引いたと される。ノエルと共に戦いを誓った彼の本当の動機はノエルを護るためだったとも伝えられている。
後にアラウより託された命刀の所有者となる。知略に優れ、戦術や戦略のみならず歴代の名君とも並び立つほどの政治手腕を持ち、彼自身もまた一 地方の領主としては終わらない野望を持っていた。
タナトスの奇襲を受け、利き腕の左手が破壊され、以後は右手で刀の扱いを含め日常上生活を右手で代用するようになる。
ノエルの死がきっかけとなり、手段を問わない冷酷な人物になったと言われ、その姦計を持ってレオナードを陥れ、トロア帝国を滅ぼし新たにロータル ランド公国を建国し、その初代公爵となる。彼の政治や統治はその最後まで乱れる事無く安定した統治者としては歴史に名を残す名君であったと伝 えられる。

“褐色の封印者”アラウ=スー
 南の大陸ムーヴェリアスに存在する今は絶滅したロアドゥ族のウォーレムの少女。かつて“神器の英雄”ヴァリスより四つの神器を託された少女の 子孫であり、空王エデンから託された翼弓の所有者として選ばれた人物。
200年の沈黙を破り、再び活動を開始した魔族と眠りの皇帝を打ち倒すべく、一族に託された四つの神器に選ばれた所有者を探す旅に出る。そうして 最初に出会ったのがロイであり、後に彼からのプロポーズを受けて婚約相手となる。
【銀の太陽】達に神器を託した神託の巫女であり、ウォーレム達に取っては伝説的な存在。
ヒュプノプスを倒した後、タナトスの裏切りに合い、重傷を負うもロイのおかげにより生き残る事ができた。
その後、絶斧を封印し自らの神器でもあった翼弓を己の部族であるロアドゥ族の集落に託しその姿は歴史上の表舞台より消える。
彼女がロイから蜂蜜をもらいプロポーズを受けた日を今日では「アラウデー」と呼び親しみ、この日は男性が好きな女性に蜂蜜を贈るというイベントが 行なわれるようになる。

“反逆王”タナトス
 銀の大陸フォブリアを支配する魔王にして死の王。しかしその正体は隠しタナトスは神器・皇鎌の持ち主として【銀の太陽】の一人となる。その理由 は自らが喰らうべき存在を求めていた彼がこの【銀の太陽】と呼ばれる英雄たちに出会い、彼らが真に自分が喰らうに相応しい存在か見極めるため である。また、彼らを利用してヒュプノプスを抹殺した後に王が不在となったムーヴェリアスを支配する目論見も立てていた。ヒュプノプスがノエル達の 手によって倒され、タナトスは【銀の太陽】の全員を喰らうに値すると判断するや否や全員に贄の刻印を与え、ロイを始め【銀の太陽】全員へとその牙 を向ける。
そして銀の乙女ノエルの命をその手で奪うも、彼女が放った最後の一撃を受け、それ以後500年に渡る休眠を余儀なくされない手傷を負うこととなる。

“詩渡りの祖”サファラン=ノースベリー
 銀の大陸フォブリア出身の吟遊詩人にして詩渡りの祖と呼ばれる人物。この時代、まだノア帝国時代の名残があり、世界に伝わる音楽は一色音に 支配されていた。フルートによる演奏はフルートのみ、ピアノによる演奏はピアノのみ、歌声は歌声のみ。
このような常識に捕らわれた時代にあってサファランはそれぞれの音を混じり合わせ演奏すると言う現在の音楽のルーツとなった画期的音楽を生み 出す。当時の人々の多くはサファランのこの演奏に驚き、そしてまた多くの賞賛を与えた。
そんなおり、立ち寄った街で出会った一人の少女・ノエルと恋に落ちる。サファランはノエルに多くの音楽を教えるが、やがてノエルの両親が魔族達の 襲撃によって命を落とし、ノエルが戦いに身を投じると共にサファランもノエルと共に戦う決意をし、それまで攻撃性能の低かった海鳴に新たに攻撃能 力を持つ<波紋(ハヌマーン)>シリーズを作り出す。文献によればサファランはノエルと共に旅を続けるも【銀の太陽】が結成し、戦いが熾烈になり南 の大陸へと移る頃、ノエルはサファランにフォブリアに残って欲しいと伝える。これは自分たちがいない間、フォブリアの人々を護って欲しいと同時に自 分に取って大切な人物でもあるサファランをこれ以上苛烈な戦いに巻き込まないためのノエルなりの優しさであった。
そんなノエルの心を理解していたサファランは大陸に残り、彼女が帰る場所を護る事となる。そうしてヒュプノプスを打ち倒したノエルと再会を果たすサ ファランであったが、その直後にノエルはタナトスの裏切りに合い、命を落す。
この後、サファランは恋人であったノエルを想い彼女の生涯を語った悲哀の歌を後世へと捧げ、後の人生の全てを<波紋>シリーズを初めとする攻撃 能力を持つ海鳴音の製作に費やした。彼が生み出した詩渡り(サファラン)というクラスに存在する多くの海鳴にはもう二度と自分と同じ想いをする者 を減るようにという願いが込められていた。


【七賢】
今から500年ほど前に北の大陸にて再び復活を遂げた死の王タナトスを打ち破り、その時代における魔族達の脅威を滅ぼしたとされる七人の英雄。 グレストを始め、新しい歴史や国にを作り上げた者達が存在する。

“隻眼の王者”グレスト=F=レヴァントス
 500年前に生まれた世界の異端にして真なる“天才”。生まれながらに「空」の属性を持ち、世界に残された全ての天術を僅か15で体得し、更には 新たなる天術や空の術を生み出したと言われる。バサルトとは幼い頃からの親友同士。ロアドゥ一族全てが滅ぼされ復讐を誓う友に協力する形で魔 族との戦いに身を投じる。天術のみならず武術に優れ、あらゆる分野において天才的素質を見せる。タナトスを打ち倒すも、やがて真実を知り復讐心 と宿した魔王の呪いに侵され世界の敵となろうとしていたバサルトを彼の懇願によってその手で殺める。この時の戦いにより左目を失う。
その後、エデン帝国を立ち上げ現在でも世界最強の人類と呼ばれし空王。
当時は結構な皮肉屋であり、人をからかうのが趣味のような部分を持ち合わせ、このためイフからは「性根が腐りきっている」と評価される。

“アルフェスの聖女”アイシス=ミレルド=パルネック
 美しいイルフェーナの聖女。現在、銀の学院の学院長を務めるパルティアの母親にしてミレスの叔母にあたる女性。
当時、アルフェスにおいて聖女と呼ばれるほど陽天術・海鳴の技術に優れた英雄。
魔族を討伐するために旅を続けるグレスト達と出会い、その際にひょんなことからグレストに恋心を抱き彼と共に同行し、やがて七賢の一人と称される ようになる。

“石の英雄”バサルト=レキリアム
 グレストの親友にして今は絶滅したロアドゥ族の生き残り。ロアドゥ族の族長の息子にして将来を有望された人物。しかし家族や恋人を含め、一族 全員が魔族によって滅ぼされ復讐を誓う。だがやがて自分達の一族を滅ぼしたのが、エルドラードの血を最も色濃く受けついだロアドゥ一族を恐れた 他のウォーレム族や人間達であったという真実を知り、人間を憎むようになる。
【魔王の呪い】の一つ【石化の腕】の継承者であり、生まれつき左腕に奇妙な痣などがあった。一族が滅ぼされた事が原因で彼の中に宿る【魔王の 呪い】が覚醒を始める。グレストとの旅の中で広がる自身の押さえ切れない憎しみと力に苦悩するも、親友の存在によってそれを制御し続けるが、一 族崩壊の真実を知り人間に対する憎悪を抑えきれなくなり、完全に覚醒を果たした【石化の腕】に飲み込まれ殺戮者へと堕ちる。しかし、最後に残っ た良心により親友でもあるグレストに殺される事を望み、その果てに彼は自ら親友の手により討たれると言う道を選ぶ。これは伝えられなかった物語 であり、バサルト=レキリアムは最後まで英雄として戦い、散ったと後世の歴史に伝えられる。

“聖王”ユベリウス=ルーツ=パートローム
 マクスウェル第十被験体にして後のセファナード教国の教皇。七賢の一人。
ベルセルスと共にマクスウェルより逃亡している際にグレスト達と知り合い、彼らに興味を抱き共に行動するようになる。
割と傲慢で不遜な態度は昔からの性分らしく、グレストと似た者同士ゆえか気が合った。またその一方でイフとの関係は悪く、お互いに二度と会いた くない、と言い合っている。

“不死の騎士”ベルセルス
 マクスウェル第九被験体にして七賢の一人。
ユベリウスと共に行動を同じくする不死の騎士。ユベリウス以外の者の命令を聞くことはなく、当初は不気味がられた。
またグレストによるとこの当時はベルセルスにはまだ元の人格の魂が残っていたらしく、自分の意志で行動する部分も見られたと語る。単独で死の 王タナトスと渡り合いタナトスにすら「化け物」と称されるほどのつわもの。

“緑天統”ラシュム=ジラックス
 イフと同じく、この時代エデン最後のフラグメントと言われる人物。医術に関する知識や技術を高く持ち、グレスト達と出会うまでは医師をやってい た。しかし大陸の魔族達の侵攻や死の王の脅威に怯える人々を見て、彼らのために戦う決意をする。
結構、学者的な肌な面も持っており、かつて神話の時代に失われた空王エデンが座していた浮遊帝国に対し、深い興味を見せる。
後にグレストと共にエデン帝国の発見と再建を行った人物でもあり、その地に眠る禁忌の実の存在を知る数少ない人物。
当初はグレストと共にエデン帝国の建国に力を貸し、重役な任も与えられるが、しばらく経った後、自身の力が必要なくなったと悟るや否や本来の医 師としての職業に戻り、現在も世界的に知られる名医として存在する。実はイフに惚れていたらしいが当のイフは今でもそれに気づいていない。

“嵐の魔女”イフ
 エデンの血肉を受け継ぐ最後のフラグメントと呼ばれる少女。この時、イフは見た目通りの13歳ほどの少女であり、彼女の両親もまたエデンのフラグ メントであったが長い年月を生き続け、イフを産み落とした後、ほどなく亡くなる。
この時代、まだ天術に関する知識を独自で研究し、様々な事に熱心に興味を持っていたグレストは空王エデンと同じ空属性を持つ天才グレストに出 会い、その存在に惹かれて共に行動をする。
後に七賢の一人と言われ、彼らとの旅の中で様々な経験を積む、現在の嵐の魔女としての実力を身に付けたと言われる。
本人は七賢であった頃は自分の黒歴史と称し※21、ほとんどの歴史書においても自分の存在があいまいに書れるように色々工作をしたとか何とか。


【ロー大陸の英雄】
 別名争いの大陸と呼ばれる世界最大の大陸・ロー。この大陸には他の歴史よりも長く大きい戦いの歴史が刻まれていた。
それは人として魔族と戦った英雄記であり、大陸の統治を賭けて争う人と人の戦記であったり、様々である。
ここではそんな争いの大陸において、歴史に名を残すほどの偉業・活躍を行なった英雄達を一部紹介をしよう。

“征服帝”ルードヴィッヒ一世
 かつて800程昔にロー大陸を支配していた強国バッズダード大国を連合を率いて打ち倒した海から渡って来た英雄。
大国を滅ぼした後にその地に残ったルードヴィッヒは自分を慕う者達と共にシルバーベル帝国を建国。当初は己が領土のみの支配を行なっていた が、大国が倒れた事により次の大陸の支配権を賭けてロー大陸に存在する各国が争う戦国時代へと変わっていき、この時代の流れに乗ったルード ヴィッヒは自ら陣頭に立ち、大陸統一と言う野望を掲げロー大陸に存在する各国を飲み込んで行く。それは正に戦争の天才に相応しい常勝振りを見 せつけ“征服帝”の異名をも付けられる。
最終的に彼は東の王者オウリ率いるグレイスラ・フォレスト連合と大陸を二分するほどに至り、オウリとの最終決戦において痛み分けで引き上げるも、 あと一歩と言うところまで大陸統治を行なう。その野望達成を目前にして病に倒れ※22彼の死と同時にシルバーベル帝国は後継者でもあるヨハンに よって内側から乗っ取られ、偉大なる征服帝と彼によって建国された一代限りの帝国の歴史は幕を降ろす。ルードヴィッヒは戦争の腕のみならず政治 や統治に関しても得難い才能を持ち合わせ、征服者ではあったが歴史上希に見る名君であったと言われる。また常勝を誇るルードヴィッヒが生涯最 後まで勝てなかった相手こそ“ルーマの英雄”ジークフリートであり、彼が無念の死を遂げた時、誰よりもその死を惜しんだと言われる。

“ルーマの英雄”ジークフリート
 ルーマ王国の第一王位継承者であり、歴史上唯一征服帝を完膚なきまでに敗北させた天才的戦術家にして英雄。それがこのジークフリートであ る。当時ルーマ王国の領土や兵はルードヴィッヒ率いるシルバーベル帝国の半分にも満たなかったが、王国から全指揮権を委ねられたジークフリート がルーマへと侵攻するルードヴィッヒの軍勢を山脈の狭い断崖での挟撃作戦を展開し、ルードヴィッヒの軍勢に多大な被害を与え撤退させる事に成 功する。※23
これ以後、ルーマへと再侵攻するルードヴィッヒの軍勢を数度に渡り退き、後にルードヴッヒはジークフリートこそが己が越えるべき宿敵と称する。こう して自国のみならず他国にもその武勇が知れ渡ったジークフリートだったが、ある時父王の命令によりエストネアと呼ばれる小国の姫・シャムロックと 婚約する事になる。シャムロックとの婚約は突然のものであったらがジークフリートは彼女の心優しい性格に惹かれ、シャムロックもまたジークフリート を心から愛したとされる。しかし、この結婚の裏に隠された真実は父王による大陸制覇と言う野望であった。エストネアにはある隠された遺産が存在 すると言われ、ルーマの国王はその遺産の力と己の息子の才能を持ってしてロー大陸の支配を行なおうと目論んでいた。
しかしその事に気づいたジークフリートはエストネアよりルーマ王国の首都へと帰還せず、父王からの要求に対して拒み続ける。
これに激怒した父王はジークフリートとエストネアを討つべく兵を上げる。ジークフリートと共にエストネアに渡った兵は僅かであり、エストネア本国に戦 力となる兵が少ない事を知っていた父王は己でもジークフリートを討てると確信したためである。
しかし会戦直前にして父王は病により急死。これを知ったジークフリートはルーマ王国を奪還するべく即座に軍を進める。
この時、家臣達の要求によりジークフリートの弟でもあり、第二王位継承者でもあったエリックが王位を継ぐ事となる。※24
結果、ジークフリートは弟エリックが仕掛けた多重陣形の前にあと一歩で本陣というところまで来て斃れる事となる。
こうしてルーマの英雄は非業の死を遂げたとされるが、彼は死によってエストネアとそこにある遺産の存在を守り抜き、それ以後、誰の手にも触れら れることなくエストネアに存在した遺産は歴史の闇へと消える。

“遠征王”シーザー
 当時、バッズダード大国を倒すためルードヴィッヒと共に戦いぬいた連合軍の一人。グレイスラ王国の第一王位継承者であり、時期国王たる人物。 バッズダード大国滅亡後、彼はルードヴィッヒより異国、即ち他の大陸の話しを聞きそれに大いに興味をそそられた彼は自分に従う者達を連れて世界 を見るための旅に出る決意をする。自分が変えるまで王座は空けて置いてくれと父に伝えた彼はその足で船に乗り継ぎ、他の大陸を目指し遠征の 旅に出る。
こうしてスギラナ島を始め、ムーヴェリアス、フォブリア、エルフェナと様々な大陸を旅し、遠征王の異名で呼ばれる彼はエルフェナにて馬鳥族と呼ば れる部族との争いにより、領地を奪われつつあったヤマト族※25へ助力する事となる。
このシーザーの助力のおかげでヤマト族は自らの領地を護り一族の危機を回避する事となる。シーザーに救われたヤマト族は恩義に厚い一族であり シーザーの助力に対し、自分たち一族が生涯彼に仕えると誓いを立てる。
この後、シーザーはヤマト族の族長の娘と恋に落ち、彼女との間に二人の子供を授かる。
様々な大陸を遠征したシーザーが最も長く留まったのがこの地であったが、やがてシーザーの下に一つの訃報が届けられる。
それが本国において国王、シーザーの父が崩御したという知らせ。シーザーは即座に兵を集結させ、本国に戻る準備を整える。
こうして本国へと戻ったシーザーを待っていたのは家臣達による裏切りによる暗殺。
ヤマトの地にて娶った自分の妻と息子達にすぐに戻ると約束を果たすも、結局それは果たされずに終わる。

“東の王者”オウリ=シリン
 現在のグレイスラ帝国でもその名が伝えられし英雄王。遠征王でもあるシーザーの息子であり、ヤマト族の血を受け継ぐ少年。シーザーとヤマト族 の族長の娘との間に生まれた双子の兄弟の内、兄にあたる人物。オウリは自分の父がロー大陸に存在するグレイスラ王国と呼ばれる国の王である ことを知り、尊敬する父と自分たちの故郷にあたるグレイスラが家臣達の欲望によって穢されている事知った彼は父の跡を継ぎ王国を解放するために ロー大陸にあるグレイスラを目指す事となる。この時、彼の弟ユーリカは勿論、全てのヤマト族達がオウリと共にグレイスラへ向かう決意をする。※26
オウリと共に付き従ったヤマト族達によりグレイスラ王国は奸臣達の手より解放され、オウリは正式なグレイスラの王となる。
この時、オウリはロー大陸を己の野望のために征服を行なうルードヴィッヒの行為を聞き、彼の征服がグレイスラの間近まで迫っており、強い正義感 を持つ少年王は彼の暴挙を止める決意を行い、それに対する挑戦としてグレイスラ王国をグレイスラ帝国へと呼び名を変え、ルードヴィッヒと同じ皇帝 の称号を持って彼に対する挑戦とした。この当時オウリは若干16歳である。
その後、オウリは弟ユーリカの宣言に従いフォレスト連合国と同盟を結びシルバーベル帝国との戦に赴く。
その戦いの中でオウリとルードヴィッヒは互いに邂逅を果たし、ルードヴィッヒはオウリにかつて自分が越えられなかったジークフリートの面影を見て、 オウリこそが自分がロー大陸を制覇するために倒さなければならない最後の敵として認める。
オウリもまたルードヴィッヒの剣や戦術の腕を認め、互いを己のライバルと認め合う関係を築く。
この後、幾度となく戦場にて剣を交えた両者が遂に大陸を二分する最後の戦へと向かう。互いの領土の境界にて今まさに最後の戦いが幕を上げよう としたその時、オウリの下に一つの訃報が届けられる。それはエルフェナより共に渡って来た母がグレイスラの王城にて病に倒れ死の寸前であるとい う知らせ。
オウリは弟・ユーリカの進言もあり、最後の母を看取るべく僅かな兵を連れて城へと馬を走らせる。
しかしその途中で、オウリの行動を知ったレクイエの領主・ロレンスの計らいによりオウリは首都の眼前に位置する宿にて夜襲を受け無念の死を遂げ る。これを知った弟・ユーリカはこの事実が敵・味方の両軍に知られれば自分たちが敗北すると悟り、ユーリカはオウリの衣装を身に纏い陣頭に立ち 戦いの開始を行なった。※27
こうしてユーリカの機転により戦いは両軍の痛み分けに終わり、帰国したユーリカは兄と母二人の葬儀を執り行い、オウリの死はロー大陸全土に知 れ渡った。わずか19歳という若さでオウリはその名を伝説へと刻んだ。
また余談だがオウリと言う人物の生き様や当時の文献や風聞によりかなりの美少年であったとされ、そのため国民的人気も高い彼は多くの吟遊詩 人達の詩テーマとされ、彼を主役とする舞台劇なども数多く見られる。※28

“最後の勝利者”ヨハン=オットー=オルレイザー
 かつてルードヴィッヒが侵攻した際に彼の帝国に徹底抗戦を行ない、その結果滅ぼされ取り込まれた小国・アルフェス王国の生き残り王子。当時ま だ10歳であったヨハンであるがアルフェス国王の血を受け継いだ人物でもあり、ルードヴィッヒの家臣達は後のことを考え始末するべきとルードヴィッ ヒに進言するが、ルードヴィッヒはその提案を取り下げ、このヨハンを自らの養子として遇する。※29 これ以後、ヨハンはルードヴィッヒの隣りにてその 覇道を誰よりも間近で見ることとなり、彼の生き様や人柄に惚れこむ事となる。後に側近として十分な能力を身に付けたヨハンはルードヴィッヒの後継 者と呼ばれる存在となり、ルードヴィッヒの死後、彼を後継者と募る者が多く集まりルードヴィッヒの息子達と後継者の座をかけて対立を行う事とな る。この時、ヨハンの他にもう一人ルードヴィッヒの後継者候補と呼ばれたのがシグルヴィアと呼ばれる人物であり、彼とヨハンはかつて戦場を共に駆 け回った戦友同士であった。
しかし最終的にヨハンはシグルヴィアを自らの手で討ち取り帝国の継承権を正式に勝ち取る。
この後、ヨハンはかつて自らの故郷であり、シルバーベル帝国に滅ぼされたアルフェス王国を興すこと事となり、シルバーベル帝国の領土をそのまま 土台としてアルフェスはロー大陸最大の国として再誕する。このため首都もかつてのアルフェス王国首都マフィテルへと首都移動している。結果とし てあの時のルードヴィッヒの家臣達の進言通り、ヨハンによってシルバーベル帝国の歴史は潰える。しかし彼は「シルバーベル帝国は恨んでいたが、 ルードヴィッヒ様は恨めなかった」と語り、偉大なる征服帝を生涯最後まで尊敬し続けたと言われる。


エスペランサーリプレイの物語

最後の皇帝編
 エルレザ暦902年にて起った物語。魔王の呪い【螺旋の創生】を持つ者が同時代に二人発生する事から起きた悲劇の物語。
自国を救うためあえて覇道を歩む最後の皇帝と、仇を討つための力を欲し【螺旋の創生】の後継者となった二人の宿命の対決。

“幻想の創生者”ローウェル=ロッソ
 【螺旋の創生】の持ち主にして主人公。かつて家族を殺した男(腕に傷のある人物)を探し旅をしており、強い力を求める余り【螺旋の創生】の後継 者として選ばれる。しかし受け継いだ呪いは不完全なものであり、もう一人の後継者クラシスと戦うべき運命を悟り、クリオド帝国の存亡を掛けた死闘 の末に彼を打ち倒し、【螺旋の創生】の正統後継者となる。戦いの中で己の生き様と国を思うクラシスの心に動かされた彼はやがて歴代【螺旋の創 生】の持ち主の中で始めて二つの創生(クラシスの【螺旋の創生】能力)を行なえる人物となり、【螺旋の創生】から解放された後も唯一その呪いの特 性により殺されなかった英雄。また彼が受け継いだ【螺旋の創生】は初代と同じ【幻想の創生】。

“神秘の使い手”ダルト=モリス
 三つの神秘全てを使いこなし、高い才能の持ち主と評される人物。エデン皇帝グレストから直接、エデンへの勧誘をされた異例な人物。しかし、最 後の皇帝編における物語の中で空帝のやり方が気に入らずに最後にはその話しを蹴ってこの世界にある星の民の遺産を全て破壊する決意をする。

“最後の皇帝”クラシス=ディー=クレイヴレース
クラシス
 【螺旋の創生】に選ばれたもう一人の人物。クリオド帝国の王位継承者であり、彼を快く思わない皇帝(実の父)によって処刑されようとした瞬間に 【螺旋の創生】の後継者となる。その力を持って父王を殺害した彼は腐敗し、滅亡しかかっていた自国を救うために行動を起こす。
しかし彼が皇位を継いだ時にはすでに国の寿命は尽きており、滅びの運命を変えることはできなかった。それでも星の民の遺産を手にしてその力を 持ってクリオド帝国に侵攻してくるエデンへと立ち向かうも、それら全て空帝グレストの思い描いた未来の通りであった。
最後の瞬間、ローウェルとの死闘に己の最後の存在価値を見い出し、滅び行く故国の中で紅蓮の炎に包まれ彼は散る。
クラシスが受け継いだ【螺旋の創生】は【無限の創造】、この世界に存在する人の手によって作られた武具を想いのままに無数に作り上げる。ただし これは“この世界において存在する武器”に限られており【幻想の創生】のように想像上の武器は作り出すことはできない。

“姫騎士”リト=ノーべ=クレイヴレース
リト
 最後の皇帝編のヒロイン。クラシスの妹であり、王女。しかし勝気で男勝りな少女であり、クーデターを起こした兄を憎みローウェル達の力を借りて 兄の打倒を決意する。最後の瞬間、兄が抱いていた国を想う気持ちに気づき、最後に兄を看取る。現在はローウェルと共に同行をしている。


眠りの皇帝編
 エルレザ暦911年にて起った物語。南の大陸ムーヴェリアスの半分以上を支配していたアヴェスター教会とその最高指導者でもある聖十騎士団達 と戦う宿命を背負った者達、ディゼル・アルジェント・サクス・アリス四人の物語。二代目眠りの皇帝の崩御と三代目眠りの皇帝の誕生が行なわれ、こ れ以後のエル=ユーナの世界に大きな影響を与えた物語。

“騎士狩り(キリング・シュヴァリエ)”ディゼル=オウディラス
ディゼル
 眠りの皇帝編の主人公。かつて故郷を謎の火災で失う。それ以後、都市トルギスにてパン屋のバイトをしつつ、ダグラスというニートの家で平穏な 日々を送っていた。ところがある時、母親の形見である指輪と同じ指輪をした少女アリスと出会い、彼の運命は大きく変わり始める。
やがて聖十騎士団を狩りつく為の刃、“騎士狩り(キリング・シュヴァリエ)”の称号を得て、世界に未曾有の危機を呼び込む存在と対峙する事となる。 三極剣の一つ、ナイトブレイカーの所持者。

“眠りの使い手”アルジェント
 地脈第一階位「眠り」の力を扱う亡きフェザード王国最後の騎士。レストとは同じ騎士仲間であった。王国が聖十騎士団の手によって滅ぼされた際 に女王シアリーを攫われ彼女を取り戻すための旅を行い、その道中でディゼル達と出会い“等価交換”という自身のルールに従い行動を共にする。

“剣客”サクス=一刀
 剣の腕が立つ傭兵。ある目的を背負いディゼルやアルジェント達と行動を共にする。武人らしい気概を持ち、己と対等に渡り合える強者を前にすると 普段では見せない笑みを浮かべて戦いに挑む。おもにディゼルやアリスをからかう役。

“支配の少女”アリス

 ディゼルと同じ指輪をした謎の少女。ディゼルと出会うや否や彼をある場所に連れて行くことを第一に行動を行なう。また出会い頭、速攻ディゼルの 唇を奪って(血を飲ませて)奴隷にしたヒロイン。ディゼルいわく「小さい幼女の子」。

“ニート”ダグラス=フォン=シュヴァルスト

 故郷を失い孤児となったディゼルを拾い、育ててきた彼にとっての父親代わりな存在。様々な事に対して深い知識を持ち合わせ、それだけでなくディ ゼルの危機に対し、それまで見せたことのない強大な天力を放ち、彼の窮地を救う。容姿端麗、頭脳明晰、冷静沈着と非の打ち所のない人物だが、 全く働く気がなく、ニートである。


意志ある者への標編
 エルレザ暦917年にて“王国”と呼ばれる場所で起った物語。人器計画と呼ばれる“究極の人類”を生み出す計画にて生まれた「被検体WP-003」 がイクスと呼ばれる男と出会い、その後様々な人物と出会い、共に戦い合う中で己の存在と“王国”に施された螺旋の運命を解き放つまでに至る人 が生きるという意味を標す物語。

“意志ある者への標”セス=ノルト
イオス
 “王国”の人器計画にて生まれた失敗作「被検体WP-003」。能力に見切りをつけられ廃棄される寸前、生きると言う意志に従い研究所より脱走。そ の後、イクスという人物と出会い、その中で人が生きると言う意味と過去を想い出にすることで未来に進める強い意志を己で見い出す。
物語の最後にて《夢幻の創生(ファントメア)》の持ち主により“王国”の歴史が無限に繰り返されている事実を知り、その運命を変革できる唯一の能 力“真・人器能力”を覚醒させて遂に過去に捕らわれた世界を未来の道へと進ませた。本来は失敗作であったはずの彼が“真・人器能力”を発動出来 たのは特別な素養や能力でもなく、未来を切り開く意志の強さ、“人が持つ強さ”故であったろう。

“四天の覇者”イヴリス=ゲオルディウス
 “王国最強”と謳われる天術使い。その実力はエル=ユーナでも有数のトップクラスの能力を誇る天術使い。「陽」「雪」「水」の三つの属性を持った 異才の人物。しかし彼は本来四つの属性すなわち「陽」「雪」「水」「風」を持った歴史上でも最多属性の持ち主であった。普段は強力すぎる己の属性 力を抑えるため「風」の属性は指輪へと封じている。イクス=ノルトの親友でもあり、彼を一騎打ちで倒した人物。

“風の座”IF
 マクスウェルの第十二被験体。目覚めた瞬間よりルーザという少女と出会い、彼女と過ごす日々に自分がイフという人物のコピーだけではないと悟 り、王国からの使者ロクゴウとの戦闘で自分の存在理由を見い出す。

“標を導く者”イクス=ノルト
 “王国”にてその名を轟かせた最高位の天術使いであり人器計画の基盤を作り出した王国中枢を支えた人物。
しかしやがて人器計画の過ちに気づき研究所より脱走した「被検体WP-003」を拾い彼を連れて王国より逃亡する。
後にセスに己の意志と生きた証をその胸に託し、セスを逃すためにイヴリスとの一騎打ちの果てに死亡する。しかし物語最後において“この世の影” シェイドによる死者蘇生(延命)術により再び世界に黄泉還り、セス達の前に現れて王国に掛けられた《夢幻の創生(ファントメア)》の呪いとそれを打 ち砕く手段を伝える。
また黎明を告げる者編ではまだ王国に所属して人器計画についての研究を行なっていたイクスの姿が見られた。


聖地の守護者編
 エルレザ暦919年にて起った物語。聖地アルアデックに渡った三人の英雄たちが知る世界システムの根幹とエル=ユーナの未来の物語。
人知れず“偽りの変革者”を打ち倒した知られざる英雄たちの伝承歌。

“聖地の守護者”フォウル=テンペスター
 聖地の守護者編の主人公。探求心に溢れる若者であり、その正体は神王クレイムディアが残した最後のフラグメントにして聖地の守護者。世界シ ステムに干渉できる人物(ただしこれは本人が覚醒しなければ得られない)。クーアと共に辿りついた聖地にて己の真の役目と不敗の覇王の内にあ る真実を知る。
マクスウェルによって生み出された第三被験体にして最強の能力者“偽りの変革者”の存在を知り、世界システムの崩壊をジラフ、クーアと共に防い だ英雄。最上級システム時間逆行と空間回帰を行使できる。これを使えたのは最後の戦闘のみであり、現在は“偽りの変革者”との戦いで全ての干 渉力を使い果たし、干渉者としての力は失っている。また物語の最後において第四被験体との会話を交わし、その目的を知る。

“戦神の狼”ジラフタン=レオパルドウルフ
ジラフ
 ライカンスロープの青年にして伝説的傭兵家であり、探求者。クーアの故郷を探すと言う些細な目的をきっかけにクーア、フォウルと共に旅をする。
鍛えぬいた動体視力と反射神経、さらには無数の戦場で積んだ“経験”を武器にあらゆる強敵を粉砕。
聖地に辿りついた際、フォウルが干渉者として覚醒を果たす際の間、一人で“偽りの変革者”と戦い自力で世界システムの牢獄から抜け出すと言う 荒業を披露する。(本人曰く気合い) 現在も探求者としての旅を続けており一攫千金が己の野望らしい。

“変革者の欠片”クーア=フェルール
 故郷を捜し求め、旅をするイルフェーナ。フォウル、ジラフと共に旅する中で遂に己の故郷・聖地へとたどり着く。
その聖地にて己が不完全な変革者システムを宿した変革者候補である事を知り、“偽りの変革者”にその体を乗っ取られる。
フォウル、ジラフ二人による叫びと自身の中にある希望を信じる想いにより“偽りの変革者”をその内の中で完全に滅ぼす。
“偽りの変革者”によって世界システムが崩壊しつつある時に己のなかに僅かに残った変革者システムを利用してシステムの修復を行なう。これ以 後、彼もフォウル同様に干渉者としての全ての力を失う。現在はセファナード教国の第十加護騎士として多くの人々の治療に勤しむ。

“偽りの変革者”
 世界システムの最高位の一つでもある“変革者”を再現するべく剣聖アーク=フェイルの死体を元に創り出された歴代で最も強力な能力を持つマク スウェル第三被験体。しかしそのあまりの意志と能力の強さゆえに肉体が耐え切れずすぐに崩壊。以後は死亡と評され歴史の闇に葬られるが魂とな ってなお、その意志は失われず己自身で己の死者蘇生(延命)を行なえた。自分の肉体として相応しい存在を聖地にて待っておりクーアという器を手 に遂に完成体として生まれる。
変革というとルールに従った世界システムへの干渉・同調を行い。そのルールに関する変革であればあらゆる現象をも引き起こす。世界システムの 最高位の一つ言われる。五つの魔王すら凌駕する能力を用いて自身の望む世界を創り上げようと行動を起こす。


魔核の所持者編
 エルレザ暦921年にて起った物語。旧三将騎でもあるオゼロスの裏切りに始まり、彼を抹殺するために行動を行なったサリスと彼が出会う少女クリ ームとの物語。

“神童の御子”サリス=バーヘル
 旧三将騎の一人。アバドーン命によりオゼロスの抹殺を行なうが、その旅の途中でクリームと言う少女に出会い、オゼロスとの戦い後、死に掛けた 自分の命を彼女に救われる事となる。

“格闘娘”ハリト=モリス
 やったらテンションの高い格闘娘。かつてオゼロスに傷を負わせたことのある因縁の深い人物であり、再びオゼロスが行動を起こしたと知り奴を倒す ためにサリス、クリームと共に行動を同じくする。ダルト=モリスの妹。

“雲の使い手”クリーム=シルフィルド
 地脈「雲」を生み出した人物でもあり、剣技の才に満ちた女性だが、のんびりとしたかーなり天然な性格。後にサリスの命を救い、彼の生涯の伴侶 となる。


死の継承者編
 エルレザ暦923年にて起った物語。フォブリアを支配する死の王とそれを打ち倒した三人の英雄の物語。

“死の継承者”イオス=ヴァルムオンド
 死の継承者編の主人公。贄の刻印を刻まれた死の王レオードの餌として選ばれた存在。自分の出生や生い立ちに呪いを感じ、父を越える事に己 の全てをつぎ込む。死の王レオードと四柱との戦いの中でセクエンツィアや仲間の助けにより希望と言う道を見い出し、死の運命を克服した英雄。

“シュヴァルストの剣”リザベラ=ヴェストローネ
 別名シュヴァルストの剣を冠するエデン随一の剣の使い手。幼い頃に両親を殺されその仇を討つために力を求めシュヴァルストの剣となる。
やがてシュヴァルストの命によりイオスの護衛を行い、その中で己の仇と向き合う事となる。

“零の騎士”セレナス=グラングーレ
 もとはただの貧乏貴族のお子ちゃまだったがテラスト王国最高の騎士グラングーレ家の養子となりその運命が大きく変わる。
神器・絶斧の継承者となり、テラスト王国の危機を救い、イオス達と共に時代の希望を切り開いた英雄騎士。
またテナとの出会いもここで果たされる。


命尽き果てるまで編
 エルレザ暦924年にて起った物語。エデン最悪のクーデターと同時に命刀・蒼剣による因縁の戦いの物語。

“命刀の担い手”メドウ=グレイン
 命尽き果てるまで編の主人公。強い正義心の持ち主であり、かつて自分の命を救ってくれた人物に憧れ、彼のようになるためにエデン帝国の騎士 となる。やがてウェルファス=ワールグースが企んだ計画によりその憧れの人物スペンサーを失い、それをきっかけとして命刀の所持者となる。
シアとは師ウェルファスの下で戦い続けた戦友同士。お互いに不思議な因縁を感じた仲であり、やがて両者の因縁は物語の最後においてクライマッ クスを迎える。

“双閃の翼”レイア=アーヴィング
 エデン帝国に所属する騎士の一人。本来なら上級席隊クラスの能力を持つ人物であったが、あえて上に立つような真似はせず相棒のシルヴィアと 任務をこなし続ける。物語の序盤にて自らの半身(翼)と言っていい存在であったシルヴィアを失うも、彼女から残された想いを胸に自らの本当の実力 を発揮して物語に挑む。サクリードチルドレンの一人・リウを戦いの中でお互いに深い絆を築く。

“愛の狩人”アルス=ノヴァ
 アリスに拾われ、そのまま彼女の隊の騎士となった少女。その正体はウェルファスによって作られた二番目のサクリードチルドレンにしてエデンを内 部から破壊するために送った駒。物語中盤においてウェルファスの意志により体の支配を奪われ、大切な存在であったアリスをも傷つける。
しかし最後の瞬間にはウェルファスの支配を断ち切り、彼の野望を阻止した人物の一人となる。

“蒼き担い手”シア
 命尽き果てるまで編における、重要人物。メドウと共に戦い続けた戦友であり、ある意味この物語を語る上で外せないもう一人の主人公。
その正体はウェルファスによって創られた最初のサクリードチルドレン。そのため、彼の寿命は他のシリーズよりも短く、不完全であり、この物語の時 点においてすでに命尽き果てる状態であった。
しかし最後の瞬間において、自分の生まれた意味や存在の理由を見つけ出し、それを今という瞬間に刻み付けるために蒼剣の継承者となり、メドウ との熾烈な戦いを繰り広げる。


蒼い世界の回し方編
 エルレザ暦924年にてレオノス王国を中心にて起った物語。命尽き果てるまでにて蒼剣が無事にレオノス王国にて返還されてより一月後、新たに 蒼剣に纏わる物語が奏でられる事となる。現在リプレイにて進行中。


零の騎士編
 エルレザ暦925年。エデン帝国にて白王座第六階位“双牙の王”フラウザーによる裏切りを発祥として後に世界を滅亡に追いやるレギオンの扉の降 臨とエル=ユーナの歴史に零の騎士として伝えられるセレナス=グラングーレの物語。

“零の騎士”セレナス=グラングーレ
セレナス
 零の騎士編の主人公、15歳。テナと共に旅をする英雄騎士。テラスト王国にて発祥したレギオンの扉を喰い止めるために翼弓と封魔の矢を持って レギオンの扉を封印する決意をする。やがて物語の中で出会った少年レオンこそがレギオンの扉を開く元凶と知り、最終的に10億のレギオンと同化 したレオンを絶斧に乗せた聖歌にて打ち倒す。最後の瞬間、レオンよりテナを護ると言う約束を誓い、ラグナスと共にレギオンの扉を完全に破壊する。 この後、テナとのラブラブ物語が始まるがそれはまた別の話し。

“ユーア隊第八席”ミスト=ディアス
 かつてエデンにて存在した最強の格闘者を兄に持つ人物。その兄こそがフラウザーが生涯かけて追い求めた彼の目標であった。
数年前に兄が死んだとフラウザーに聞かされ(この時、フラウザーはあえて自分が仇のような描写を行った)以後フラウザーを倒すために拳の腕を磨 き憧れのユーア隊に入る。エデンに対して反旗を翻したフラウザーを討つべく任務を遂行し、その途中でセレナスをはじめ多くの人物と出会い、最終 的にレギオンの扉の向こうにて最終決戦を行っていた際に、自分を庇って死んだフラウザーに対し、彼が誰よりも自分や自分の兄の事を想っていたと 理解し、自身もまた兄やフラウザーの意志に報いる為に格闘者としての道を貫く覚悟をする。また本編中、嫌がるセレナスの腕を無理矢理上げさせて テナと一緒にレギオンの扉を一度封印した張本人。

“封魔の矢の守護者”ユージーン=ムジョウ
 かつて封魔の矢を護る一族として育ったが、その集落がリリアンと金色の瞳を持つ男(レオン)の手により奪われ、妹と自分の命を失う。しかしその 直後オルランドと言う人物によってサクリード・チルドレンとして処置を行い命を拾う事となる。以後はオルランドを師として彼と共に魔族討伐を行う旅を 続ける。物語の途中でレギオンの扉を使い、人類に対し多大な犠牲を払うが、その結果として魔族を滅ぼし人類の未来を護ろうとするオルランドとの 決別を行い師でもあった彼と刃を交える事となる。
最後に選んだ道は違ったが、師が世界と人類を救いたいと願った心に偽りは無いことを知ったユージーンは、オルランドの意志を継ぎこの世界に存在 する魔族を打ち倒し、人々が平和で安心して暮らせる世界を築く事を誓う。物語のエンディングにおいて魔族の襲撃により、一人だけ生き残った少年 を拾うという、かつての自分とオルランドを重ねるような描写がなされた。
また彼がいなければフラウザー戦でPCは全滅していただろうともっぱらの評判。

“翼弓の加護を受ける者”ルーン=ラグナス
 翼弓の現所有者であるルゥ=ラナの幼馴染。彼もまたルゥやロトゥス達と共にレギオンの扉を封印する旅に出る。実は彼もまた翼弓の担い手たる 素質を持つ(とは言ってもルゥとは比べるまでもない程度であり、引き出せて10%程である)。物語終盤、傷ついたルゥの代理として翼弓を持ち、レギ オンの扉を破壊する決意をする。そして見事、セレナスと共に1000年に渡る世界システムの歪みに終止符を打った。
また、何故かボスに止めを刺すという美味しいところを二回ほど持っていった人物。

“フラウザー隊第一席”レオン
レオン
 零の騎士編のラスボス。本来はフラウザーの片腕でもあり第一席でもある少年。その正体は魔王の呪い【狂戦士の瞳】の正統後継者。
幼い頃にその呪いのせいで両親から迫害を受けており実の妹でもあるテナ(セレナスの妹テナと同じ名前)をこの世の何よりも大事にしており、妹の テナだけは護ると誓うも、自身の呪い【狂戦士の瞳】の暴走により両親だけではなく、妹すらもその手で殺害し、自分を含めた全てに絶望する。
物語の中で出会ったセレナスとテナに自分が歩けなかった未来の姿を重ね、二人に執着するようになる。
物語の中盤で開かれた10億のレギオンの喰われるも、その強靭な意志により逆に10億のレギオンを喰らい尽くし全てのレギオンと同化し、その統治 下に置く、世界を滅ぼそうと行動を起こすも、セレナス達との壮絶な戦いの末、その命を落とし、最後の瞬間「自分は妹を護れなかったけれど、君は妹 (テナ)を護りずっと傍にいてあげてくれ」と遺言を残し、10億のレギオンと共に消滅する。

“フラウザー隊第二席”リリアン
リリアン
 レオンに心酔する少女。魔族と人間との間に生まれたハーフであり、その為、幼い頃から虐待を受け過酷な環境下で生きてきた、自分と同じ境遇を 持つレオンに拾われ、以後彼の為に生きる事を決意する。魔族の血が流れている為に彼ら特有の力“魔術”を扱い、その類稀なる戦闘能力により、 八王の中でも戦闘部隊に特化したフラウザー隊の第二席にまで出世する。ユージーンの故郷を滅ぼした張本人であり、妹を殺害した仇。
最後の瞬間まで彼女は世界を滅ぼそうとするレオンに付き従い、彼の為に命を落とすも、そこに一片の迷いも悔いもなかった。


春の剣聖・序章(プレリュード)編
 ある日、ルティナス=フェイレースが自身の中にて生まれた異変を切欠に始まる物語の序幕。それは彼女の中にある剣聖システムの目覚めであ り、同時にヴァイスが施した破壊の剣聖システムの覚醒でもあった。自身の中に生まれた剣聖とは異なる異変に気づいたルティとルフォード、その仲 間達。彼らはルティの中にある剣聖の正体を探るべく、その元凶となっている存在を探す旅を始める。その旅の際にティートと呼ばれる謎の少年との 邂逅を果たし、滅びの帝王が抱える三将騎と戦いや、ルティを剣聖として目覚めさせる為に派遣されたエデン帝国の八王の一人“虚偽の王”ヴォルテ ンブルグとの戦いを行う。激しい戦いと旅の末、剣聖として覚醒を徐々に果たしたルティは、自分の中にある剣聖システムを歪ませている元凶、“この 世の白”ヴァイスと対峙する。ヴァイスとの邂逅の際、ルティは正しい剣聖システムの継承を果たし、その後、目覚めた不敗の覇王との戦いを経て、黄 昏の時代の幕開けを直に体験する事となる。


春の剣聖・プリマヴェーラ編
 エルレザ暦925年。春の剣聖として目覚めたルティと彼女を抹殺するため目覚め、そして全人類を抹殺するという意志を掲げ、黄昏の宣告を為した 不敗の覇王フォルクスとの世界を賭けた死闘の物語。その旅の中でルティは多くの人たちの運命と世界の知られざる事実を突きつけられる事とな る。だが、その果てに彼女は自分と同じ希望を抱いた人物との邂逅を果たし、黄昏の未来を切り開く希望を生み出す。


汝、誰が為の剣とならん編
 エルレザ暦926年。アルレシオ公国にて自身を取り巻く全てから逃げてきたトラニアが教会に住む神父アゼルと少女(サリエ)と出会うことより始ま る、遠くない未来「虹瞳の姫」という魔族によって大陸が滅ぶという運命を越える物語。

“紫紅の翼”トラニア=フォーフォックス
 汝、誰が為の剣とならん編の主人公。国によって人為的に能力を上げさせられた天術使いであり、虹瞳の姫に対抗するために生み出された「対抗 存在」。未来よりやってきたトラニアより虹瞳の姫による災厄とそれを防ぐための手段を聞かされ、運命を切り開く道を選択する。

“聖皇騎士”オード=カージェス
 アルレシオ公国にて存在する最高騎士位に冠せられる称号“聖皇騎士”の少女。やや腹の黒い小娘だったが後半ではただの萌えっ子になった。槍 術の才に冴え渡るのがそれを凌駕する海鳴術を切り札とする。

“亡国の騎士”グイード=カージェス
 元は亡国の騎士であり、ただ生き延びるために落ち延びた騎士崩れ。トラニアと出会い、彼と少女サリエを護る事に自身の騎士としての最後の誇り を見い出す。オードの兄貴。必殺技は「通常攻撃」。


希望の軌跡編
 エルレザ暦929年。エル=ユーナにおける一つの時代の終わり、エスペランサー無印最後の物語。
“確定されし滅亡”に挑む世界最後の希望を背負った者達の終焉の物語。制作未定。

アスカ=ジン
アスカ
 希望の軌跡編の主人公。ヤマト出身の少年。女性に見紛う程の美少年だが、少し口が悪い部分がある。しかし根はいい奴であり仲間想い。
一つの時代の終わりを告げるに相応しい主人公としての器の持ち主。



脚注

※1 これはフィリアとメドウのみは除外である。フィリアは人の身で王証に匹敵する剣祖の極地・心眼剣を手にしたために王として認められている。またメドウもエルドラードの神器アマステラの現所有者であるために王として認められる。

※2 これは同じ黒王座の一人でもある“支配の王”アリス=アルロスもそうである。
アリスは13年前にシュヴァルストと共にこのエデン帝国へと入り、それ以後彼と共に行動を共にしシュヴァルストの下で持って生まれた能力を高め、 彼と同じ八王の一人となるに到った。

※3 このため、一人で何の記憶もなく孤独な少女(アリスから見たら)のアルスを拾ったとされる。

※4 本来、フラウザーには格闘者としての才能はなく、彼が拳一つで王となるまで昇りあがる事が出来たのは全て彼自身により意地と努力によるものだった。もしもフラウザーが天術士としての道を歩んでいれば、その術士としての才能はエデン皇帝グレストにすら匹敵するものとなり、現在の八 王の長はフラウザーとなり歴史は変わっていたであろう。

※5 この【五指剣】に入る者達は“心眼王”フィリア、双璧の一人、アノルファ騎士団・第七断罪騎士、サファラン=フェイレース(ルティの兄)、そして最後の一人が剣帝と呼ばれる存在である。

※6 とは言え、全ての世界システムに対しこの封印が有効なわけではなく高位の世界システム(例えば剣聖などと言ったもの)に対してはこの封印(凍結)能力は届く事はない。

※7 この時、グレストによって死の王は倒されたとあるが、実はそうではなく彼は傷ついた身体を再び癒すために
最果ての北の地へと逃げ遂せていた。しかし、この時、自身の半身でもある白き死神の謀反により死の王はその命を落とす事となる。
この時、なぜ白き死神がこのような行動に出たのか。そして、その後、この白き死神がどうなったのかは一切不明である。

※8 ベアトリーチェがヴェルトハイムを自らの陣営に招いた理由の一つが彼の巨大すぎる存在にあった。己の支配する大陸において彼ほどの脅威を野放しにするのは危険であり、己の監視下に置くことが目的でもあった。しかし、ヴェルトハイムの巨大すぎる力は日に日に強くなり、彼の存在がや がて世界に大きな害を招くであろう事を予測したベアトリーチェは苦渋の決断の結果、彼を自らの手で抹殺する決意をする。

※9 これはアバドーンの血肉を受けることにより、その者が本来持っている魂の宝石をその価値へと引き上げる研磨としての役割も成し、それにより、その者が本来授かるはずだった能力を開花させる加護である。

※10 この時、アスターはナハトノーブルの誓いの儀でもある吸血の誓いをアバドーンへと行い、生涯彼にお仕えすることを誓う。

※11 この時、マクスウェルの創設者によって作られた技術と知識、そしてそれまで培われた研究の全てが失われる事なり、その後の被験体への能力などに強く影響している。1〜10までの初期シリーズの性能が11以降の被験体よりも能力が高いのはその為である。とは言え、現在では当時失 われた技術や知識などの修復はほぼ完了している。

※12 この二十二というのはあくまで成功例に近い二十二人の被験体達の数である。マクスウェルの被験体へと与えられる処置はあまりに人としての肉体や精神を破壊超越するために魂に異常をきたすもの、肉体が損失し破棄された者も多数いる。こういった失敗作は二十二の被験体には数 えられず、単に失敗作として処理される。それを考慮すれば実際には何百、何千という者達がこのマクスウェルによって世界の闇へと放り投げられて いる。

※13 正確には彼女は死ねないと言ったほうがいい。彼女は【魔王の血】の呪いも継承しおり、それだけはなく複数の呪いが乱雑に組みあがり、それにより細胞が死してはまた復元する反作用を行なうようになったからである。マクスウェルの研究によれば彼女に宿った魔王の呪いは少なくとも5つ である事が確認されている。

※14 このライバルである世界征服男爵とカルージもほぼネタキャラであり両者共、正確にはまだエスペランサーの世界で確認されていない。

※15 四つの神器を使いこなしたと言っても四つそれぞれの所有者であったという事であり、輝槍の発動は一度として行なった事はない。

※16 この当時すでにヒュプノプスの魂は救済と犠牲の狭間で疲弊しており、ヴァリス=マグナムの死によってヒュプノプスの心に更なる大きな傷が与えられ、彼の死によってヒュプノプスが眠りの皇帝となる決意をしたとも伝えられている。

※17 オシリスに天術を教えたのもこの紫の賢者であり、ガインとは酒仲間にしてケンカ友達、アリアスには冒険者としての心構えや他の大陸の魅力を教え、ローティスに至っては彼の弟子であったとされている。

※18 ヒュプノプスはこの時、戦場で出会ったノエルの信条・心の強さにかつて失ったヴァリス=マグナムを重ね、以後彼女に対して強い執着を見せるようになる。

※19 このトロア帝国とは滅亡したノア帝国の文化と影響を最も色濃く受け継いだ帝国でもあり、それゆえにフォブリアにおいて最大の勢力を誇っていた。またケルトの支配するレイクス地方もこのトロア帝国領の一部であった。

※20 実はこれはケルトによる巧みな情報操作であり、あえてレオナードの耳に自分が帝国の転覆を狙っているかのように伝え、それに怯えたレオナードが自分に悪意ある行動を起こす事を望み、その結果、ケルトは当初に望んだとおりレオナードへ征伐の口実を手にする事となる。

※21 と言うのもこの当時のイフは能力はともかく実年齢13歳の少女(幼女)であり、日常生活や普段の行動では結構子供っぽい部分も多く、しかも旅の中で始めて見るものが多く、グレストやユベリウスによって教えられた冗談を本気で真に受けたりなどしていた。こういう事もあってイフはグレス トやユベリウスに対して当時の恨みを忘れずに今も根に持っている。

※22 このルードヴィッヒの死因は実は現在でもはっきりと解明されておらず、病というのは最も有力な説に過ぎず、一説には暗殺されたとも事故に巻き込まれたなど様々な説が流れる。

※23 この時の戦いでルードヴィッヒは大国との戦いや建国時から共に戦い続けた側近であり戦友でもあったファーレイトを失っている。この時、ファーレイトの殿がなければルードヴィッヒは死んでいただろうと言われているが。同時にルードヴィッヒに取って何よりもの損失であり、このジークフリート との戦いを「ルードヴィッヒの大敗」と記した。

※24 このジークフリートの弟でもあるエリックは昔から体が病弱であり、幼い頃からずっと兄に護られ、そんな兄を尊敬していた。体が弱い分、兄ジークの戦略や戦術を間近で見ていた彼は兄に匹敵するほどの戦略や戦術家であった。この時、反逆者として国に攻め込んで来ていたジークフリート を迎え撃つために家臣達によって王座へ就かされたエリックは尊敬する兄と戦わなければならない運命に何時間も涙を流したと言う。
また兄ジークフリートの死後、正式にルーマの王となり新体制を起こし他に類を見ないほどの政治手腕を見せるが…そのあまりに勤勉すぎる働きによ って即位僅か半年という短さで心臓麻痺(一説には過労死)によってこの世を去る。後にこの地を訪れはルードヴィッヒは二人の墓前に花を添えたと 言う。

※25 もともとヤマト族は春の大陸を起源とする一族であり、現在彼らがグレイスラ出身の部族や戦士であるとされるのはこの時のシーザーの助力に対して彼ら一族が生涯に渡って忠誠を誓ったためである。詳しくはオウリ=シリンにて記載。

※26 これはかつてシーザーによってヤマト族が救われた恩義を返すときであり、オウリは多くのヤマト族達に「故郷を捨てていいのか?」と聞くがこの時の彼らの答えが「いいえ、故郷に帰るのです」と答えたのは歴史書においても有名な逸話である。

※27 もともとユーリカはオウリほど武術が優れてはいない人物であり、陣頭に立ったのもこれが初めとされる。しかし敵軍のみならず味方軍もユーリカをオウリと疑わず信じ、その結果、この戦いでの勝敗は互いの痛み分けになる。これを後に知ったルードヴィッヒはそれまで眼中になかったユーリ カに対しオウリの死を悼む文章と共に強い賛辞を送ったとされる。

※28 しかしこの一方でルードヴィッヒが悪役と言う立ち居地に置かれる物語も多く、創作劇とは言え歴史家達からは多少の非難も浴びる結果となる。現在ではルードヴィッヒの人柄が正確に伝えられ、逆に彼を主役をする物語や史実に近い立ち居地の(つまりは単なる悪役ではない)ものも増え てきている。

※29 何故、ルードヴィッヒがヨハンを養子にしたのか。それはヨハンという名に大きな影響があった。数年ほど前にルードヴィッヒは最愛の妻であったエリシアとの間に男の赤子授かるはずだったが、その子は流産で亡くなりその際に、妻エリシアもまた亡くなっている。そしてその赤子に付けようと エリシアと共に考えていた名がヨハンであり、恐らく生まれる事無く死んだ我が子と同じ名前を持つ少年に自らの子の影を重ねたからであろうと言わ れる。またルードヴィッヒは多くの女性と関係を持ち、子も多く持ったとされるが、正式な妻として娶ったのはエリシアだけであり、それもまた一つの要 因であろうと言われる。


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