第4章 失われた時間

◆シーンプレイヤー・レイア 〜失われた時間〜
あれから半年。
相棒でもあり己の自身の半身でもあった人物シルヴィア=エレン。
彼女を失い、レイア=アーヴィングは空っぽになった心で虚無のような日々を過ごしていた。

レイア:眼を開けると既に昼といってもいい時間だった…。
辺りを見回すと酒瓶が何本も転がっている。
「…懐かしい夢見ちまったな……。
俺の“翼”になってくれるって言ってたのによ」

彼女を失ってからいったい何回あの時の夢をレイアは見たのだろうか。

レイア:「深酒なんかするもんじゃねぇな、見たくないものを見ちまう」

見たくない、それは嘘だ。思い出したくないだけだ。

レイア:彼女を失ってからはまさにどん底だった。
酒に溺れ、毎日別の女の所を渡り歩き,
少しばかりの小遣いを貰い、また酒に溺れる。
「ははっ…今の俺を見たら…あいつ怒るかな」
自嘲的な笑みが浮かぶ。

レイアの脳裏に彼女の笑顔が浮かんだ。
が、それも一瞬で消えていった。
レイア=アーヴィングに残ったのはただ一つ。
彼女を守ることが出来なかったという事実だけ……。

GM:さて、そんなヒモな日々を送っていた貴方へ
直属の上官・フィリア=クーへからの呼び出しがあった。

レイア:「(今更俺にどんな用があるっていうんだ?)」
しかし仮にも上司の命令だ、出頭しないわけにも行かないな。
一晩の宿を提供してくれた女にそっと別れを告げ、上官の元へ向かう。

GM:ヒモになってるよー(笑)

◆  ◆  ◆

GM:では、ろくに整えなかった姿のまま上官の部屋へ向かい
そんな君の姿を見てフィリアは一言を言う。「…ひどい姿だな」

メドウ:しかもその女のところに呼び出し命令を出せたって事は確実に現状把握してますよね。
優秀な上官だ(笑)

レイア:「酷い…ねぇ、生きてるだけマシじゃあないんですかね」
吐き捨てるかのように言う。

GM(フィリア):「…お前に任務を下す。果たしてもらうぞ。レイア」

レイア:「はっ!今更こんな腑抜けた俺に任務?そいつぁ何かの冗談ですか?」

GM(フィリア):「…今回の任務は重要な任務だ。
本来なら私が行くべきだが、私はあえてお前にこれを回す」

レイア:「そりゃありがたいこって!」相手の真意が掴めない。
「ですがね…無理ですよ。今の俺には…。
眼をつぶるとな…思い出しちまうんだよ…。あいつの最後の表情がよ…。
聞こえるんだよ最後の言葉が…。」

「 守ってくれるって言ったのに  嘘つき   」

レイア:「ってな…」自嘲するかの様に笑う。

言ってねぇ(笑)

GM(フィリア):「…守れなかった大切な存在、か」
フィリアはどこか憂いの瞳をして君を見つめる。
「私にも経験がない事は、ない」

レイア:意外なものを見るような眼でそちらを見る。

GM(フィリア):「だが生憎と私はお前ほど堕ちる事は無かったがな」
見ると彼女の瞳は真っ直ぐ君を見ている。

レイア:「――ッ!」
心を見透かされた気がした。
確かに彼女を失って半年、自分は全てから逃げ出していた。

GM(フィリア):「いつまでも逃げ回るな。
今のお前は彼女の死を悼み、自らを貶める事でその罪の意識を感じようとしているが…。
そんなものはお前の醜悪な形での自己満足に過ぎないぞ」

レイア:…そう、自分は彼女が死んだのは自分のせいだと思うことで
ただ逃げ場所を作っていただけではないのか?

思い出すのはシルヴィアの最後。
彼女は最後の瞬間、レイアへ言った。
「頑張れ」と。

レイア:何たる侮辱だ…愛した者の死を最も貶めていたのは
他でもない――自分(オレ)では無いかッ!

GM(フィリア):「……少しは目は覚めたか」
再び、君の瞳を見てフィリアは言う。

レイア:「言葉も…ありませんね…。」

GM(フィリア):「では任務の内容を話していいな」

レイア:ただ黙って次の言葉を待つ。ただその心中では先ほどの言葉が渦巻いている。

GM(フィリア):「つい先日、ウェルファス=ワールグースがこのエデンに対し謀反を起こした」

レイア:「あいつが…?」

GM(フィリア):「お前の任務は二つ。
ウェルファス=ワールグースの抹殺と奴が起こそうとしている計画の全てを破壊しろ」

レイア:「ウェルファスが…謀反…」

GM(フィリア):「別に驚く事はないだろう。私は最初から奴が気に入らなかったしな」
少し不愉快そうにフィリアは鼻を鳴らす。
「…それに奴がお前の大切な人…シルヴィアを殺す原因を作ったのだろう?
私があえてこの任務をお前に渡した真意、それはこの任務の中で悟るんだな」

レイア:そう、これで彼女の敵を討つ大義名分が出来た。
だが、彼女はそんな気持ちで戦うことを喜ぶだろうか…?

GM(フィリア):「大切な人物を殺した者への…敵討ち。それが本当に正しいか。
「まあ、お前自身の『答え』を見つけろ。
――かつての私と同じようにな。」
最後に聞こえないような小さな声で君の上官はそう呟いた。

レイア:――いや、仇を討ったとしても彼女は、きっと喜ばない。
「『答え』なんて最初から出てますよ」
ゆっくりと顔を上げ、応える。
「あいつが自分の敵討ちで俺が戦うのを喜ぶわけないですから」

GM(フィリア):「…やはり、お前は私よりも遥かに出来た人間だな」

レイア:「俺は…あいつが愛したこの国を守るため、
俺があいつと過ごしたかけがえの無い思い出が詰まったこの国を守るため…戦います」
そう、しっかりとフィリアの眼を見据え応えた。

GM(フィリア):「ならばこの任務、お前に託そう。その『答え』を最後まで貫けよ」

レイア:「当然ですよ、今まで散々あいつに格好悪いところ見せちまいましたからね。
不肖レイア・アーヴィング、謹んでこの任務に付かせて頂きます」

GM:そう決意を胸に君は任務を受けた。

レイア:心は決まった、行くべき道も定まった、ならば征くのみ。

だがその瞬間、この扉を開き緊張した顔の兵士が現れる。
「…報告致します!フィリア=クーへ様!」
そう兵士は目の前のいる上官フィリアへと声を出す。

GM(フィリア):「…何事だ」
とそう問うフィリアへ兵士は報告を行なう。
「このエデンへ、ウェルファスが作り出したと思われる『禁忌の子(サクリード・チルドレン)』の
一人が侵入いたしました!」

レイア:「おい、刀はあるか?」兵士に問う。

GM(兵士):「は、はい。予備でよろしければこちらに」

レイア:「二本貸せ、俺が征く」

GM(兵士):「は、はい。し、しかし相手はあの危険な戦闘用人工生命体ですよ?」

レイア:「なぁに、俺の復帰戦には丁度いい相手だ。」二本の刀を腰に差し部屋を出る。

GM(フィリア):では、そんな君の姿を見てフィリアは君に確認を行なう。
「レイア…頼めるのか?」

レイア:部屋を出る直前振り向き応える

「俺を誰だと思ってるんだ?楽勝」

不適に笑い二刀を携えたレイアはその場から消えた。

GM(フィリア):「…では、任せたぞ。レイア=アーヴィング」

フィリア=クーへのそんな声をレイアへと掛けられた。
そこには自らの部下に対する確かな信頼の情が込められていた。


◆シーンプレイヤー・アルス 〜灰色の少女〜
アルス:前回師匠の予定していたシナリオと大きく外れたことやらかしたと不安でしょうがない。

分かっててやったんかい。

GM:いや、そんなことはないですよ(笑)
とりあえずレオノス王国から帰還した君は体中を縄で縛られて
アリスの部屋の隅に放置されている。

アルス:「ああ、縛られるのもこれはこれで…」

GM(アリス):「お前、少しは反省しろ」 ばしばしと長い棒で君を叩くアリス。

アルス:「あっあうっ、反省はしていますよ。完璧やられましたね、
邪魔が入らないとは思っていませんでしたがさすがにあれは予想外でした。
国家間戦争を回避するので精一杯でしたよ」

GM:とそんなやり取りをメドウ君。君は先ほど、この部屋へ入ってから見ている(笑)

アルス:「さっきからそこの人、他人の秘め事を見物するのは趣味がよろしくありませんよ」

メドウ:「え、あ…う…すみません。
アリス様の補佐に今日付けで命じられた、メドウ=グレインです。よろしく…」

GM(アリス):「…ん。そう言えば、挨拶してなかったな」
と改めてアリスが君のほうを振り向いて。
「私の補佐と言う事はお前も私のゆー事には絶対服従しろよ。」
とそんな無茶な事を。

メドウ:な、なんなんだこの子…スペンサーさんと違って…なんていうか…その…うわぁ…。
「は、はい、勿論です。よろしくお願いいたします」

アルス:「一応知っている間柄ですが改めてこんにちは。
アリスちゃんとただならぬ関係のアルス=ノヴァです」

メドウ:「こんにちはー…」と返して、目の前の光景を再び確認。
アルスさんにアリス様、こんな趣味があったんだぁ…とぼそっと呟く

GM(アリス):「…てい」とアリスはメドウへ持っていたウサ人形を投げる。

メドウ:ではウサ人形の首をあえて掴むようにキャッチ。
「…プレゼントですか?どうも」

GM:と言った瞬間、ウサ人形の口が大きく開いてそこにはグロテスクな牙の数々がー。
そしてそいつはそのまま君を食べようとしてきちゃうぞー♪

メドウ:「!!」かなり驚愕。
予想外の事態に一瞬慌て、直後アルスに人形を無言で投擲。

GM:がぶり。

レイア:Σ

メドウ:Σ

アルス:「ああ、アリスちゃんの愛が痛い」

GM:アルスはウサ人形に噛まれちゃいました♪
と、噛ませたところでアリスはそれを回収。
「…これは私の大切なものだから。あげないぞ」
とメドウの方へ。

メドウ:今までで一番恐ろしいものを見たかのように戦慄してます。
「愛…これを愛と認識しろっていうんですか…あんまりだ…この配属先はあんまりだ…」
とぶつぶつ。

レイア:苦労人(笑)

GM(アリス):「そんな事よりもお前達に任務だ。私のゆー事聞け」

メドウ:任務、という耳慣れた言葉にほっとしつつ耳を傾ける。「はっ、了解です」

アルス:「蒼剣(ジルナード)の奪還ですか?
もちろんあれをエデン側が取り戻してレオノス王国へ返せば
国交の回復はそう難しくもありません。というかそうなるようにしました。ぬかりありません」

GM(アリス):「それは任務以前の当たり前の事だ。
できなかったら、お前はウサ人形の餌だからな」とアルスへ(笑)

アルス:「食べられるならアリスちゃんに食べられたいですね。じっくりと」

GM:それをシカトしたままアリスは続ける。
「任務は二つ。先日このエデンへ謀反を起こしたウェルファスの抹殺と奴の計画を潰す事」

メドウ:ウェルファス、という名前を聞いて表情を少しゆがませる。
復讐の為でなく、などと大層な事を言いはしたが、やはりあいつだけは許せない。
それにしても、アリス様……。
まっさつ、なんて難しい言葉を知っていた事に驚愕!いいこでちゅねー!(笑)

GM(アリス):「し、知ってるもんっ!ば、バカにするなー!!」

メドウ:不味い、感情を読まれたか、とばつの悪そうな顔をしてから、「了解です」と答えよう。

アルス:「そうですよ!アリスちゃんは物知りなんですよ!
あんなことやこんなことまで濃く深く知っているんですよ!」

GM(アリス):「…とにかく。お前達にこの任務をまかせたからな。
あと、フィリアの方からも一人協力者が来るからそいつと一緒にやるように」

メドウ:フィリアの方、と聞いて少し思い当たることが。
もし彼だとすれば、非情に頼りになる。
だが彼は半年前の事で今はズタボロの状況だったはず。期待するのは不味い、か
「はい。命令を遂行する為、尽力させていただきます」

GM(アリス):「うん。任せたぞ。それと肝心のウェルファスの居場所や計画とかは
よく知らないから、それらはお前達で調べろよ。」

メドウ:「了解しました」

アルス:「さてメドウさん。
ちょっとアリスちゃんと二人で話したいので席を外していただけますか?」

メドウ:Σ

GM(アリス):「私は話すことなんかないぞー」
とウサ人形を盾にして(笑)

アルス:「あはは、別にいかがわしい話をするわけじゃありませんよ」

メドウ:情報が少なすぎる…まずは色々あたってみよう。
そう思いつつ、「失礼しました」、と言われるがままに部屋を出ます(笑)

GM:では、とりあえずメドウが部屋を出たのを確認した後で
アリスが君に何の話しなのか聞いてくる。

アルス:「さて、アリスちゃん。心配させてしまってごめんなさい」
それまでとはうってかわってシリアスな口調でぺこりと謝る。

GM(アリス):「…心配なんかしてないぞ」

アルス:「嘘ばっかり。私が血まみれで帰ってきたとき、
アリスちゃんは表には出さなくても凄く怯えた顔をしていましたよ」

GM(アリス):「誰だって血塗れで帰ってくれば怯えるぞ」

アルス:「あはは、それは確かにそうですね」
そして一拍おき、今度は慈しむように「大丈夫ですよ、アリスちゃん。
私は、どこにも行きません。決してあなたを一人ぼっちにはしません」

GM(アリス):「…ん。だったら約束しろよ。私を一人にしてどっかに行くなよ…」

アルス:「はい、私はあのとき誓いました。
『盟約は永遠に、心はあなたに、力はここに』
もし、どうしても寂しくて、怖くて、苦しくなったら、そう心の中で呟いてください。
私は、そこにいます」

GM(アリス):「ん。分かった」

アルス:「だから、もうあんな怯えた顔はしないでくださいね。約束です」

GM(アリス):「だから怯えてない。…まぁ、約束はしておく」

アリスとアルスの誓いの約束―――。:
やがてそれはある一つの悲劇の幕開けであった事を
この時の二人は知らなかった…。

アルス:「それで、一つお願いがあるのですが」

GM(アリス):「…ん、なんだ?」

アルス:「そろそろ縄ほどいてください」

◆   ◆   ◆

アルス:よし、やりたかった事は全てやった。

GM:おい(笑) タイトルに嘘ついたじゃねーかよ。
灰色の少女出せなかったし!!(笑)

メドウ:出てくるのかと思って身構えてたのに!(笑)

アルス:そういうときは編集でいじるんだ!

メドウ:タイトルの方を、ですね。「紋章の誓い」なんてどうでしょう

アルス:「小さな約束」とかでもいいですね。

結局面倒だったのでいじりませんでした(笑)

GM:では、次のシーン行きますねー(笑)


◆シーンプレイヤー・シア 〜存在の価値〜
一同:Σ

レイア:シア?!(笑)

メドウ:プレイヤー?!(笑)

アルス:こいつぁ意外だぜ!

メドウ:びっくりした。本格的にびっくりした(笑)

GM:実はシアは重要キャラなので(笑)

薄暗い廃屋の中、彼は手元の剣を握りながら
先日の戦いの事を思い出していた。

「……メドウ」

シアはかつての戦友であり、共に剣を学び
そして敵として合い間見えた者の名を呟く。

「こんな所にいたか。シア」

そんなシアへ不意にかけられる声。
顔を向けるまでも無くその人物が誰であるかはシアには分かっていた。

「…何のご用で?ウェルファス」

自らの創造主に対して、いつもの感情の無い言葉を向ける。

「お前に新たな任務だ。セフェレスの森の奥にある遺跡へリウと共へ向かえ。」

ウェルファスのその言葉を聞き終え、シアは剣を腰へと差し立ち上がり
彼に自身の疑問をぶつける。

「なぜ、俺とリウだけだ。トゥナはどうした?」

そのシアの言葉へウェルファスはつまらなそうに答えを返す。

「ああ、あいつか。あいつならもういないよ」

「…いない、とは?」

再び疑問を創造主へと返すシア。

「そんな事を一々お前が知る必要は無いんだよ。失敗作が」

その冷徹な返答を最後にシアはこれ以上の追求を止めた。
自分には存在の価値も、感情も、己自身の果たしたい信念も理想も無い。
ただ、目の前の創造主のいいなりになる人形。
それに疑問を持つことも反抗する事もなかった。そう、今までは…。

「…セフェレスの森にある神殿だな」

シアは己の中に僅かに生まれた『それ』を感じながらも
創造主・ウェルファスの命を受ける。
歩き始めたシアはウェルファスの部屋の奥にあった
『ある物』に不意に目が止まった。

それは美しい蒼い刀身の強大な剣。
つい先日、奴が奪ったものだと言うのをシアは思い出した。
そのままの足でその部屋を離れようとした瞬間。

『―――どくん』

「―――?」

シアは己の心臓が高鳴るのを感じた。

「………。」

自身の中に生まれた初めての現象に戸惑い、その場に立ち止まるシア。
やがて、考えるのをやめたシアはその場から離れ、目的の場所へと向かう。
蒼剣はただ静かにその場に佇んでいた―――。

◆シーンプレイヤー・シア終了

メドウ:おおー。

レイア:シア格好いいな(笑)

GM:ありがとうです(笑)。では、PCシーンに戻しましょうー。

メドウ:蒼剣をブンブン振り回して高らかに笑いながら
「これがお前のアマテラスへの答えだー!」とか言いつつ
突撃してくる様が容易に想像できていやだ(笑)

GM:どうなるかは秘密ですぅ(笑)


 
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