アヴェスター教会総本山編 第6章 忠誠の在り所

◆GMシーン 〜傀儡の主〜
ディゼル達の逃亡よりしばらく――。
彼らが逃げる際に作った瓦礫の道はサクスとレストによって砕かれた。
轟音と爆音を鳴り響かせ、彼らが放った剣戟の一閃は瓦礫の欠片すら残さず消滅をさせる。

GM(レスト):「…まあ、寝床に行けねーしな」
やる気なさ気にレストはボリボリと頭をかく。

ディゼル:レストの腕はサクスがやったのかな(笑)

GM(レスト):「サクス。ライン様からの命令で取り合えず、現状は待機だってよ」
このシーンはサクスさんのシーンも含めてますから、しゃべっていいですよ(笑)

サクス:「ああ、俺は主が帰ってきただけで満足だ」

GM(レスト):「そっか。まあ、お前の部屋は以前のまま放置してあるし。場所は覚えてるよな?」

サクス:「まあ、一応仕事は果たしたわけだ。
一休みしたら久々に手合わせ願いたいところだがな、レスト」

GM(レスト):「ん〜…あ〜ぁ、まぁ、覚えてたら後でな〜」

サクス:「ふっ、お前も変わらんな…。主は少し変わってしまったようだが」
王座の間をちらりと見ると部屋に向かって歩き出します。

GM(レスト):「……そうなんだよな…」 ぽつりとレストは呟く。

レストは元々、人間だった。

類稀なる剣術に恵まれ、彼もサクス同様に自分と並び立つ存在がいない事に
退屈と虚無感を覚えていた。故にレストに取ってはその退屈な日々が自身の日常に変わっていった。
退屈な日常、目的の無い日々、目的の無い人生。
全てに目的を見い出せない男、それがレストだった。
そんな時、彼はある一人の女性と出会い、目的のない退屈な日々に変化が訪れた。

「それなら貴方の目的が見つかるまで私と一緒に来ない?
生きていればきっと貴方自身の目的が見つかるはずよ」

その女性――眠りの皇帝・ベアトリーチェに見添えられ彼は彼女の騎士となった。
当初レストにもある種の充実感はあった。
ベアトリーチェ様は仕えるに相応しい御方。
何よりも、彼女に仕えた日々は平穏ではあったが
虚無感のあった日々よりもはるかに充実していた。

「…その御方が…本当に…今更、こんな事を望むのかよ…」

それがレストがずっと抱いていた疑問だった。
つい先ほどベアトリーチェ様の姿を見ても彼の心の中では未だ納得がいっていなかった。
だからこそ、彼は自身の中に渦巻くその疑念を払う為
真実を確かめるために――自ら動いた。

彼は玉座の奥にある皇帝のみが入れる別宮へと足を踏み入れた。
そこは城の中庭のような場所な場所であり、厳かな調和が支配する空間。
その絵画のような庭園の中心にて、眠りの皇帝ベアトリーチェは静かに眠っていた。
彼女の姿を確認するや否やレストは彼女の前まで来て、静かに頭を下げ口を開く。

「…いきなり、この場所にまで入り申し訳ありません、主様。
ですが、どうしても聞きたい事があり、ここまで来ました」

『………』

レストのその発言を聞いているのか否か、ベアトリーチェは沈黙で返し
それに構わずレストは己のうちにある疑問は問いかける。

「なぜ今になってこのような大陸を混乱させる真似を致すのです…。
以前の主様ならば、このような事は絶対に考えなかったはずです。
ですから、今の主様のお考えをお聞かせできませんか?」

『………』

「…?主様」

あまりの反応の無さに、レストは顔をあげ自らの主の姿を見る。

そして。

「――――」

息を飲み、レストは全てを理解する。

「そういう、事だったのか…」

呟き、彼は知らず腰に差した二刀へと手を伸ばす。

「全ては貴様の、陰謀か……」

すぐ背後で聞いているであろう“その男”に対して
レストは、初めて殺意を込めた感情を持って呟く。

「――まさか、貴方に見破られるとは僕も落ちぶれたものですね。
ですが、今更知っても、もう手遅れです。“僕達の計画”はすでに動いてるのですから」

「貴様あああああぁぁぁぁぁッ!!!」

“その男”が放った言葉に対し激昂を持ってレストはその輝く二刀を放った。

眠りの皇帝が安らぐ、その庭園にてかつてない爆撃と破壊音が轟いた。

GM:一方、部屋で休んでいたサクス。君のところにラインからの声が届く。
『サクス、聞こえているか』

サクス:「なんだ、ライン。何か大きな音がするようだが、エデンの連中でも来たのか?」

GM(ライン):『いいや、そうじゃないよ。ある意味、それよりも
厄介な出来事が起こった。母さんの、眠りの皇帝がいる庭園に攻撃を行われた。
しかも、その攻撃を仕掛けたのは…レストだ』

サクス:ほぉ…。

GM(ライン):『奴は僕達を裏切り、そればかり母さんを暗殺しようとしやがった…ッ!』
憎悪を込めてラインは君にその報告をする。
『サクス。君が母さんに忠誠を誓っているなら、君がするべき事は分かっているよね?』

サクス:「本当にレストが?あの面倒くさがりがそんな事をするとも思えないが…。
兎も角にも、主に危険が迫っているならする事は1つだ。」
常に腰元に置いてある刀を掴み、庭園に向けて走ります。

GM:では庭園へ向けて通路を走っている最中、君が走る通路の先から駆けてくる人物がいる。
二刀を抜き、その手に持ち駆けているレストだ。
「…サクスか。ったく、手回しがはぇーな」

サクス:「そこで止まれ、レスト!
お前が刀を抜いているという事は何かあったという事だな?」

GM(レスト):「…サクス。お前はベアトリーチェ様に
忠誠を誓っているからそこにいるんだよな」
立ち止まったレストは開口一番、逆に君に質問を投げかける。

サクス:「当然だ。主は俺にとって、全てに優先する」

GM(レスト):「…だったら、その“主様”をよく見るんだな。サクス。
その後でお前が進む道を選ぶべきだぜ」

サクス:「…何を言っている?」

GM(レスト):「悪いが今は時間がない…。いくらオレでも正面切ってお前と戦えば
長期戦は避けられない。だから、腕の一本はお前にくれてやる。
その代わりに、その道は通らせてもらうぜっ!」
初めて鬼気迫る表情を見せ、レストは二刀を構え左腕の一閃を君に振りかざす!

サクス:「レスト!お前が何を見たのかは後で確認するが
ここを通すわけにはいかん!騎士団最強を誇る“輝く者”とはいえ
正面から俺に挑む事の意味を味わえ!」

GM:レストが放った一閃。それに対応するように放ったサクスが放った変貌を遂げた強靭な一撃。
元々、技のレスト、力のサクスとして、現騎士団の中で二柱とされる二人。
その二人の正面からの力のぶつかり合いではレストはサクスの力には及ばず、
放った一撃もろとも、その腕はへし折られる!だが――
「――隙は十分に作らせてもらったぜ、サクス」

サクス:「何を考えている、レスト?!」

GM:レストは強靭な力を誇るが故に、その一撃を放った後、大きな隙を晒す
君の、サクスの弱点に気づいていた。故にその一撃を放ち
僅かな隙と肉体の硬直を狙い、レストの両刀が輝く!
その眩い光の前にサクスの視界は完全に0となる。
同時にそれは肉体の硬直と合い挟まりこれ以上ない、致命的隙を晒す。

サクス:「くっ……!」

GM:もしこの時、レストが斬りかかっていれば君は地に伏せ、その命すら危うかったかもしれない。
だが光が収まった時、君が瞳を開いた時には、すでにそこにレストの姿はなく
君の身体も五体満足に無事であった。

サクス:「………」

GM:レストの裏切り。彼は何を思い、何を君に伝えようとしたいたのか。
それはベアトリーチェ様の生存に続き、君にとっては予想だに出来なかった事の連続。

サクス:「…レストがここまでの事をした理由…。
どうやら、オレもそれを直接見て、確認する他ないみたいだな」
レストが走ってきた方向、眠りの皇帝の庭園の方へ向かい歩きます。

今、サクス=一刀も、その胸に浮かんだ僅かな疑問の答えを知るために
通路の奥、主が座す眠りの皇帝の間へと向かう――。


◆ミドルシーン5 〜進むべき道〜
アルジェントの選択により、予定していたシナリオと少し異なる展開が行われつつあるが
GMは何とか急遽予定していたアルジェント&シアリーのイベントを立て直すべく
シアリーにある行動を移させようとしていた。

GM:そこはムーヴェリアス大陸に存在する小さな町の一角。
宿屋の一階にある食堂にてアルジェントとシアリーはいた。。
シアリーは宿で休んでおり体調がすっかり元に戻ったのだろう。
現在は朝食を取り終わり、これからどうしようか悩んでいる。

アルジェント:今、俺はシアリーに嘘をついている。
アヴェスター教会の目をかいくぐり、この町に隠れているという嘘だ。
本当は見つかっているどころではない。あいつはいつでもシアリーを殺せる。
そんな現実を彼女に伝えるなど、できはしない。

GM(シアリー):「…う〜ん、決めたよ。アル。私はこのままアルレシオ公国の方に行くわ」
君のそんな様子に気づいた様子はなくシアリーは不意にそんな決意を口にする。

アルジェント:「アルレシオ公国ですか?」

GM(シアリー):「うん。私の母方がアルレシオ公国の生まれなの。
今、アヴェスター教会に対抗できるところって言ったら
あそこかエデンくらいって言われてるからさ。私はもう国の女王じゃないけど
あそこでなら受け入れてもらえるし、教会と戦うために何かできると思うから」
そう言ってシアリーはもう一言付け足す。
「アル、貴方も私と一緒にアルレシオ公国に行ってこの大陸のために教会と戦いましょう」

アルジェント:「もちろんです。あの国は現在戦力は万全とは言い難いですが
少し前に私たちがアヴェスター教会から解放したばかりですから
内部に敵の手が及んでいる危険性はありません」

GM(シアリー):「あ、うん。そうみたいだね。この街でも噂は聞いたけど
公国を解放した英雄はアルだったんだね。やっぱりアルはすごいね」
言ってシアリーはアルを賞賛する言葉を発し、最後に確認を取る。
「それじゃあ、出発は明日にしようと思うけど、アルの方の準備はいいの?」

アルジェント:「はい、問題ありません。
途中で私とともに公国を解放した者たちの情報を探してみましょう。
アヴェスター教会総本山のあの場にいた二人です。おそらく彼らも生きているとみていい」

GM(シアリー):「うん、そうだね。それがいいね。
仲間は一人でも多くいたほうが頼もしいもんね。
それにレストともまた一緒にいたいし、そのためにもまずは教会を打倒しないとね」
あの頃を思い出してかシアリーはそう微笑みながら言う。

アルジェント:(レストと一緒に…それはもう…叶いはしない…)
そう思い、呟くように言う。
「…シアリー様、私の選択はあれでよかったのでしょうか。
あの場で私が教皇を継いでいれば、束の間であれ三人でいることはできた…」

GM:(こ、こいつ…今更、何言ってやがるんだ…)
「う〜ん、どうだろう。私にはよく分からないなぁ〜。
そうなってみないと分からない結果はあるし。…ただこれだけは言えると思う。
自分がやった行動の結果にはそれに伴う責任をしないと、だよ。
私は結果として生き残ったんだから、この命で少しでも亡くなった国のためにも
この大陸のためにも何かを為す。だから、これから公国に行って
少しでもやれることをやろうと思ったんだ」

アルジェント:「そう…ですね。今できる限りのことをしましょう。
少しでも多くの人が幸せになれるように」
(俺はまた嘘をついた。俺の未来に…そんなものはない)

GM(シアリー):「それじゃあ、私は今のうちに旅の支度を整えておくから。
アルはゆっくり休んでていいからね」
そう言ってシアリーは雑貨屋へと向かう。

アルジェント:「そんな、お伴します。どこでアヴェスター教会が
見ているかわかりませんから」 と追いかけるぞ。

GM(シアリー):「大丈夫だよ〜。私もそんなに何度も捕まらないよ」
そうシアリーは笑いながら返す。

アルジェント:(シアリーが…笑っている)
俺があのときラインに嘘をつき、あの場から逃げたのはこのためだ。
アヴェスター教会にいたら見れなかっただろう、こんな安らぎの時間は得られなかっただろう。
たとえ三人でいても、彼女は笑えはしなかっただろう。
きっと…俺の選択はこれでよかった。この笑顔を見れた今だけは、そう思っていたい。

GM:時の針はゆっくりと刻む。すでにこの時、二人の運命は刻まれていた。
そして、このつかの間の平穏は運命の扉が開く1日前であった。


◆ミドルシーン6 〜忠誠の在り処〜
――それは18年前、あの忌まわしい叛乱が起こる数日前だった。

GM:ある時、君の主ベアトリーチェは君に言った。
「ねえ、サクス。貴方は忠誠の在り方ってどんなものだと思う?」
不意にそんな事を彼女は君に聞いてきた。

サクス:「そうだな、時には命をかけて守る、そういったものだろう」

GM(ベアトリーチェ):「うん、そうだね。そうやって誰かのために
命や大事なものをかける。それが忠誠だよね」

サクス:「主に害を為すものを狩る、そういったこともあるな」

GM(ベアトリーチェ):「あはは、そーだね」
それを聞いてベアトリーチェは笑いながら空を見た。

サクス:「…空を見て、どうするのだ?空には主に危害を為すものも、また有議なものもない」

GM(ベアトリーチェ):「ねぇ、サクス。貴方は今の私に忠誠を誓ったよね。
それは今の私が貴方が認めた存在であり、それほどの意味をかけられる存在だからって事だよね。
でも、私もいつまでも貴方が忠誠を誓った私であるとは保証は出来ない…。
ねぇ、サクス。もしも私がそんな貴方の知っている私と違う時が来たら
今の“貴方が忠誠を誓った私の言葉を思い出して”」

「時として過った主を正す行為が真の忠誠に繋がる事もある、って」

サクス:「…?主よ、お前は何を――」

GM(ベアトリーチェ):「ふふ、気にしないで。それじゃあ帰りましょうか」
そう言って立ち上がるベアトリーチェは最後に君へ小さく言葉を言った。
「…ヴァルターも私への忠誠からきっと彼の忠誠の道を歩む。
だからこの先、何があっても彼を恨まないでね――」
そう最後に君へ呟き、ベアトリーチェは自らの城へと戻っていった。

サクス:「主よ、俺には分からん、お前の言葉の意味するところが……」

GM:今、思えばこの瞬間、ベアトリーチェは予期していたのかもしれない。
ヴァルター=オデッサイスを含む三騎士達が反旗を翻す事――。

――そして、それから18年後。
サクスは再び集結した聖十騎士団の一員として、眠りの皇帝ベアトリーチェに仕えていた。

GM:つい先刻、第六騎士レストが裏切り、君はその原因を探るべく
教皇の間へと赴くが…そこにはベアトリーチェの姿は無く
いるのは第一騎士ラインと第四騎士クリストファーのみだった。
「…サクス。どうして君がここに来ているんだい?
そんな暇があるなら、レストの奴を追ったらどうだい」
と、この場へ現れた君に対してラインはそう開口一番言う。

サクス:「…どういうことだ、お前たち」

GM(クリストファー):「おや、一体何のことですか?サクスさん」
ラインの横に控えるクリストファーは静かに君の疑問に対し疑問で返す。
「貴方が何に対して疑問を抱いているのかは分かりませんけど
現状の説明をさせてもらえるなら、レストが裏切りもうじき彼はディゼル達と共に
ここに来るでしょう。なら主のためにもその迎撃の準備をするのがいいのでは?」

サクス:「俺には主を裏切ったあいつの気持ちは理解ができん…。
だが、あいつが自分から動く事など滅多にない。だからこそ理解ができん。
あいつが自分から動くような出来事があったと、そういうことだろう?
“輝く者”が、わざわざこの俺と正面からぶつかってまで出て行った、
その理由を俺は問いたださねばならん」

GM(ライン):「…サクス、お前…。僕達の命令よりも奴の行動を重視するつもりか?」
怒りをまじえラインは君へそう返す。

サクス:「俺は主に従っているのであって、お前などに従っている覚えはない。
私利私欲で動く人間とそうでないもの、その程度は俺の鼻がかぎわけるつもりだ」

GM(ライン):「ッ、貴様――!」
怒りに顔を歪ませ、ラインが君へ向かおうとしたその瞬間
この場に慈愛に満ちた静止の声が響く。

『…待ちなさい、ライン。サクスもあまりラインを挑発しないで…』

GM:その声が響くと同時に玉座の奥にあった扉が開き
そこより眠りの皇帝ベアトリーチェが現れる。

サクス:「主…俺はお前に尋ねたいことがある。
お前は本当に、俺の、主か…?」

GM(ベアトリーチェ):『…ふふっ、どういう意味なのかしら、サクス…』
質問の意味がよく分からないという風にベアトリーチェは笑う。
『…私が貴方の主で無ければ何なのかしら…』
そう言うベアトリーチェはこの場に控えていたラインに対してある命を下す。
『…ライン。貴方は奥で“約束の地”への扉を開く準備をしていなさい。
もうじきディゼルが来るからお迎えをしないと…』
その言葉を受け、ラインは一瞬驚愕と懇願の表情を浮かべる。
「か、母さん。本当にあんな奴に眠りの皇帝の継承を…?
ど、どうして兄さんや僕じゃなくてあいつに…ッ」
そのラインの問いに対し、ベアトリーチェはただ慈愛の笑みを浮かべたまま答える。

『ライン。我侭を言わないで早くしなさい、ね…』

GM:ベアトリーチェのその言葉を聞き、ラインは少し俯くが
やがて理解したように奥の扉へと向かう。
「…母さんが、そう言うのなら―――」
そう言ってラインはこの場より消え、奥の眠りの皇帝のみが行く事を許された庭園の先
“約束の地の扉”と呼ばれる場所へ向かった。
そして、残ったベアトリーチェはサクスに宣言する。
『…それでサクス。貴方にはここでディゼルを迎えて欲しいの、お願いできるかしら…』

サクス:「…何を始めるつもりだ」

GM(ベアトリーチェ):『何をって…決まってるじゃない。
ディゼルに眠りの皇帝になってもらうの。けれども、そのためにはここで
今いる聖十騎士団全員の命を捧げてもらわないといけないの。あ、勿論サクス、貴方も含めてね…』
そう彼女はいつもと変わらぬ微笑みを浮べたまま言った。
それは事実上、死ねと宣告しているものだった。

サクス:「…主、お前は変わってしまったのだな…。
以前までのお前なら、自分の願いのために人の命をどうこうしようとすることなどなかった。
今のお前は、俺が尊愛した人の上に立つべき人間ではない」

GM(ベアトリーチェ):『…サクス、何を言っているの…私は貴方の主・ベアトリーチェよ』
そう言うベアトリーチェだったが、君は正面から彼女の瞳を見て確信した。

そう、気づいたのだ。レストが裏切った理由の真実に。
目の前の虚構の全てに。

サクス:「…ああ、外見や血肉はそうかもしれない。
だがやはり違うな、魂が。ベアトリーチェの清い魂はここにはない」

GM(ベアトリーチェ):『………』
君のその発言に対してベアトリーチェはただ沈黙を持って返す。
そして、君はかつて忠誠を誓った主のある言葉を思い出す。
今、自分が何を為すべきなのかを――。
君はその忠義を誓った剣を今、ベアトリーチェへと向け、抜いていた。

サクス:「…主、ベアトリーチェよ。お前はもう、確かにこの世にいない。
悪いがその姿をこれ以上見るのはしのびない」

「さらだば主よ、俺の敬愛した唯一の主」

GM:待て(笑) さら“だ”ばってわざとだな(笑)

サクス:(笑)

GM(ベアトリーチェ):『…そう、残念ね。サクス――。
なら貴方は私の手で殺してあげるわ。さよ“ら”な、私が最も信頼した騎士サクス』

アルジェント:あなたも乗らなくていい…。

その一言と共に主従の剣は抜かれた――。


 
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