アヴェスター教会総本山編 第4章 眠りの皇帝を継ぐ者

◆ミドルシーン2 〜眠りの皇帝を継ぐ者〜
アヴェスター教会の総本山・教皇の間。
そこでアヴェスター教会の現指導者でありアルジェントの実弟・ラインより宣言された真実。
それはアルジェントやディゼル達全員に対し少なからず衝撃を与える。

ディゼル:「ライン…って言ったよね。君のお母さんが王の力を持っているというのなら
なぜこの指輪を僕の母さんが持っていたんだ?教えてもらおうか」

GM(ライン):「……僕がそれを君に答えると思うのかい?」
アヴェスター教会の指導者でもあるラインはあくまでも君を見下すように吐き捨てる。

ディゼル:ひどひ(笑)

GM(ライン):「そもそも、その“王の力”を継ぐ指輪をなんで君が身に付けられるのか。
すでに答えはそこにあるはずなんだけどね。…まあ、現実を見たくないならそれでいいさ」
言ってラインは視線をディゼルからアルジェントに移す。

アルジェント:「母さんが…眠りの皇帝で…俺がその継承者だと…」

GM(ライン):「そうだよ。兄さん。僕たちの母さんの名はベアトリーチェ=セントへレン。
兄さんはその眠りの皇帝ベアトリーチェの実の息子。
そして、その血を誰よりも色濃く受け継いだ真の後継者」
だからこそ、アルジェントは地脈において第一階位でもあった『眠り』の力を
自然と扱えていた、それは君の潜在に宿る力故に。
「でもね、兄さん。そう簡単にこの大陸を支配していた『魔王』の力が継承されるわけじゃないんだ。
その指輪と継承の場所たる“約束の地”。そう、この二つだけでもまだ不十分なんだ」

アルジェント:「………」

GM(ライン):「兄さん、『魂の価値』って知っているかな?」

アルジェント:えっと、知っているの?

GM:普通は知らないと思う(笑)
「残酷なようだけど、この世界では個人の『魂』に価値というのが存在するんだよ。
例えば僕たち聖十騎士団達の魂の価値は常人の魂の数千人に値する。
そして、その僕達を統治するこの大陸の支配者たる『眠りの皇帝』においてはその魂の価値は何万…
いや、それ以上にも値するんだよ」

アルジェント:「なるほど、そういうことか。
つまりは一種の天恵であり才能。普通の人間とは一線を画す力の源」

GM(ライン):「そう。だからこそ、この世界には時として常人とはかけ離れた力を持つ異能や天才
果ては英雄と言った規格外な存在が生れ落ちる。
これはその者が生まれた時に持っていた魂の価値によって決まるんだよ。
さて、それじゃあ、ここで質問だ。兄さんに『眠りの皇帝』として力を完全に継承させるためには
『眠りの皇帝』と同質の『魂の価値』が必要になってくる。
そうでないと与えられる王の力に対し、器のみならず魂が耐え切れないからだね。
ではなぜ、今この大陸で僕達アヴェスター教会が戦乱を起こしているか、分かるかな?」

アルジェント:「足りない分の魂を、他の人間から補おうということか」

GM(ライン):「そうだよ。さすがは僕の兄さん。最初に言った通りこれは全部『儀式』なんだよ」
恍惚の笑みを浮かべてラインは言う。

アルジェント:「フェザード王国の兵たちは、民たちは、そして今までアヴェスター教会に
蹂躙された人々は、俺のために殺されたというのか!」

GM(ライン):「そうだよ。全ては兄さんのためだよ」
狂気。そう呼んでもいい程にラインのハッキリと宣言する。
「でも大陸の人間だけでは足らない部分がある。だから、兄さん達を利用して
僕は“あえて”聖十騎士団達を兄さん達にぶつけた。
そう、数千の人間を殺すよりも、数千人分の魂の価値を持った人物を生贄として捧げた方が
遥かに効率的なんだよ。聖十騎士団は“そのために存在していたんだから”」

アルジェント:「やはりか、お前は聖十騎士団の奴らの命にすら大して価値を見出していない」

GM(ライン):「違うよ。兄さん。僕はただ、兄さんの価値が大事だからあえてやっているんだよ。
そう、聖十騎士団、その十人分全ての魂が捧げられれば、眠りの皇帝と同等の魂の価値となる。
そうすれば――」

「眠りの皇帝の継承の儀は成る」

GM:数千×10人分で数万単位で魔王クラスの魂の価値って計算ですね。
だから、眠りの皇帝の側近だけ10人近くもいるのはそういう理由です。
「でもね…それだと、僕も死なないといけなくなるじゃない」
そこでラインは大仰に手を振り、頭上の十字架に磔られた人物シアリーを指す。
「だから…僕は、僕の代わりとなる『魂の価値』を持つ者を見つけてきたんだよ」

アルジェント:「貴様ああああぁぁぁ!!それだけはさせない!
たとえ俺の弟であろうと!彼女だけは奪わせはしない!!」

GM:君の叫びを聞いて、ラインは不快そうに眉を上げる。
「兄さん…こんな小娘の…『聖魂』のどこがいいんだい…?
こんな小娘の命よりも、兄さんにはもっと大事な使命があるんだよ!!」

アルジェント:「俺は…姫様の、いや、シアリーの騎士だ!!」

GM(ライン):「…なるほどね。兄さんはこの小娘の騎士か…でもさ…だったら」
一拍置き、ラインは叫ぶ。それはこれまでにない激昂を持って
「だったら!兄さんにその騎士の夢を与えた母さんに報いのが一番じゃないの?!
18年前!こうなる原因を作った奴ら!僕達から母さんを奪った連中に復讐するのが
一番真っ先のはずだろう!そう、この世界の支配者を気取っている…エデンのやつらにッ!!」

アルジェント:「俺だって母さんを奪い、あの日々を奪った奴らは憎い!
だが!それが彼女が死んでいい理由にはならないっ!!」

GM(ライン):「…なら、ハッキリさせようか」
ラインは君達のいる前までゆっくりと歩いてくる。
「兄さん――僕たちと一緒に、アヴェスター教会を率いてくれる?
『眠りの皇帝』の座を継承してくれる?」
ラインはアルジェントの方へ手を差し伸べる。

アルジェント:「お前は…俺がここで拒否できないようにシアリーを奪ったのか…」

GM(ライン):「最初はただの『聖魂』として生贄として使うつもりだったけど
兄さんがあの小娘に執着しているのを知ったから、生かしておいたんだよ?
僕達と一緒に来てくれるなら、面倒だけどあの小娘以外の『聖魂』を
また探してあげるから、それでいいでしょう?」

アルジェント:「変わってないな、お前は…。
俺とボール遊びをしたかったから綾取りの紐を盗んだあの時と…」

GM(ライン):「あぁ…懐かしいね…。
兄さんは頑固だったから、こっちから気を惹かないとダメだったからさぁ…」

アルジェント:「シアリー、君はどうする?」
視線を上げ、シアリーをまっすぐ見て言う。

GM:遥か頭上で十字架に捕らわれたままでシアリーは言う。
「私は…アルやレスト、皆と一緒だったあの時が一番幸せだったから。
それが壊されればまた元通りになればって確かに思う…だけど、だからって、
それで誰かの幸せを壊したりしたら、ダメだよ。
だからアル!私の騎士なら…アルの中にある本当の気持ち、護りたいものを貫いて!」
自らが捧げれる生贄であろうともシアリーはそう君に伝えた。

アルジェント:悩むなぁ…キャラとしてもプレイヤーとしても…。

GM:さて、ぶっちゃけ、ここでどうするかで第二章の展開がかなり変わったりなんかします(笑)
まあ、どうするかはアルに任せますよ〜。

サクス:悪逆無道の道を行くのもキャラ的には合うかもね(笑)

GM:ここはもう、アルの決定で第二章の今後が動きますから。

ディゼル:ほほ〜(笑)

アルジェント:うーん…アルジェントならスパッと決めるんだろうけど
プレイヤーは優柔不断だからなぁ。

GM:悩んでも構いませんよ(笑) 他のPLの意見を聞くのもありかと。

アルジェント:じゃあ訊いてみよう。皆さん的にはどう?

この後、他のPLの意見を聞くものの中々意見がうまく纏まらず
眠りの皇帝継承→じゃあ、指輪必要→ディゼル涙目ルート
ラインの提案取り下げ→この場でライン含む騎士団と最終決戦→でもシアリー様やばくない?的な
流れが延々と続き、アルジェントのPLが悩む事かーなり…。

アルジェント:よし、選んだ。

GM:おお!(笑)

アルジェント:「ライン、シアリーの拘束を外してくれ…」

GM(ライン):「…いくら兄さんの頼みでも、ただでは外せないよ。
先に兄さんの答えを、聞かせてよ」

アルジェント:「あんなところにずっと磔にされて、
死をつきつけられている彼女をこれ以上見ることはできない。
眠りの皇帝の座を継げというのなら継いでやる」

GM(ライン):「――分かったよ、兄さん」
君のその答えを聞きラインは、恍惚の笑みを浮かべる。
そして、ラインが軽く腕を上げた瞬間に『ばぢいぃぃぃん』と
シアリーの拘束は全て解け、彼女はラインの魔力によりゆっくりと地上に降りる。

アルジェント:駆け寄って抱きとめるぞ。

GM(ライン):「歓迎するよ、僕の兄さん、そして新たなるアヴェスター教会の教皇
アルジェント=セントへレン」
シアリーを抱きかかえた君を見て、ラインはそう宣言する。

アルジェント:「シアリー…」
あ、シアリーはどんな様子?

GM(シアリー):「アル…どうして…私なんかの…ために…」
少し困惑しているけれど、自分が無事になった事に対しては少しなからず安堵はしている様子。

アルジェント:えっと、悲しそうな顔とかはしてる?

GM:それはやっぱり、少しはね。

アルジェント:アルジェントの選択に対し、自分が助かったことは安堵しているけど
本当はこんなこと選んでほしくなかったとかそんな感じ?

GM:そうだね。シアリーとしては、やっぱりアルジェントが背負うさだめの重さや悲しさを思えば
選んで欲しくはなかったと思っているようだね。

アルジェント:OK
「あなたを死なせたくなかった、あなたを悲しませたくなかった。だから俺は…」

「嘘をついた!!」

アルジェント:空間水を使用!シーン退場!
シアリー様とともにこの場から消えるぜ!

GM:………え?

GMを含めて全PLの思考や時が止まった瞬間であった。

GM:(……え、シーン退場…?あ、あれ、予定ここで苦渋の決断をしたアルジェントと…
ラインの裏に潜んでいたあの人物の陰謀暴露や、降臨とかが…あ、あれ…?)

まさにGMの用意していたシナリオが崩れ去った瞬間であった。

GM:(←至極落ち着き払い、動揺を悟られないように演じる)
…では、消え去った君とシアリーを見てラインは小さくため息を出す。
「やれやれ…兄さんにも困ったものだね」

ディゼル:俺ら置いてけぼりっすよ、サクスさん(笑)

GM:では、ラインはゆっくりと君達の方を振り返る。そして、傍らにいるクリストファーに一言聞く。
「…クリストファー、仕込みは出来てるんだよね?」
「無論」と静かに人形遣いは頷く。
「なら、兄さんの件は後回しにしよう。まずは――君を殺してから指輪を奪うとしようか。
ディゼル君」

アルジェント:ごめんねー、シアリー様助けるだけでいっぱいいっぱいやねん。

ディゼル:「くっ…」
ラインから出される威圧感に押されるよ(笑)

GM(ライン):「それと、君もそろそろ本来の地位に戻っていいよ。サクス…いや」

「聖十騎士団・第三騎士“創生者(ジェネシス)”のサクス=一刀」

アルジェント:だよねぇ。

GM:その宣言と同時に、サクスの身に纏っていた服が――漆黒の服へと変化していく。

ディゼル:完全孤立+クリストファーにいじられてる環境きたぁ!!(笑)
「な…んだって…?! サクスさん!!」
嘘だ、と言わんばかりにサクスの方を見るよ。

サクス:「ああ、全く面倒な事をさせてくれる。
兎も角にも俺は任務を果たした。それでいいのか?」
ディゼルには目もくれず、ラインに話しかけます。

GM:ディゼルが見た先、そこにいたのは――聖十騎士団の服を身に纏った、眠りの皇帝直属の騎士。
サクス=一刀であった。

ディゼル:ひでぇ、今日はガン無視じゃねぇか(笑)

GM(ライン):「うん。とりあえず当初の任務“兄さんを無事にここまで連れてくる”事は
達成したし、ご苦労様。それで立て続けで悪いんけど、また新しい任務を続行してくれるかな」

サクス:「後は指輪だが――まあ分かっていると思うが余計な物が着いてきてな」
ちらりとディゼルを見やります。それは“人間”に向けた、冷たい視線。

ディゼル:「そんな…嘘だろ…?」
今まで仲間だと思っていた人の裏切り、絶望的状況に動揺を隠せない。

GM(ライン):「まあ、この場には聖十騎士団の精鋭…“四人”がいるしね」
第一騎士・ライン
第三騎士・サクス
第四騎士・クリストファー
第六騎士・レスト
それはあまりに無常な状況だった。君は今やたった一人、対して敵は――“四人”。

アルジェント:聖十騎士団の現最強(あはははさん除く)が二人もいるしなぁ。

サクス:「無論。ああ全く、清々した。
昔の服に身を包むのも懐かしかったが、同時に色々と思うところもあってな」
あはははさんって(笑)(←シュトルムの事です)

GM:RPGでいう負けイベントきたよ(笑)

ディゼル:無理ゲとも言う(笑)

GM(ライン):「さて、それじゃあ、僕達も今度の予定が詰まっているし。
手っ取り早くお願いするね、サクス、それにレストにクリストファーも」

ディゼル:サクスなら設定HPさえなければそこそこ戦えるか?!
A.あなたの命中値的に無理です。

GM:命中よりも攻撃だな。キャラシートみたら、ありえん防御持ってるよ、サクス(笑)

ディゼル:げー(笑)

アルジェント:攻撃通らんだろうな。そして相討ちで返される。

GM:アリスは君の傍で君の服をぎゅっと握っている。
その顔は君以上に不安と絶望の表情を見せている。
「…ディゼル……」

ディゼル:「くっ…」
僕が怯えてどうする…!例えたった一人になっても、僕が、僕が戦ってアリスを護らないと!

GM:さて、ではそろそろ無理ゲーを開幕するとしましょうか。

ディゼル:お願いします(笑)

アルジェント:マジ戦闘?!

レスト「――殺せ」

GM:その宣言と同時に、君を囲むように聖十騎士団の三人が刃を抜いた!

ディゼル:レストが命令するのか(笑)
てっきりラインかと(笑)

GM:盛大にミスった(爆笑)レストをラインにしておいて(笑)

アルジェント:すっごいだるそうな「殺せ」が聞こえた気がした。

サクス:多分さり気なく命令しておいて本人は寝るんだよ(笑)

GM:マジでそんな感じ(笑)
レスト「あーぁ、マジだるー…ってかこれ、オレいらねぇだろう」
とりあえず、改めてセットアップ&行動値!あ、サクスも勿論、振ってね♪

ディゼル:こちらは39です〜。

GM:ではこちらの騎士団の行動値はラインは31!レストは57!
クリストファーは41です!

ディゼル:ちょ〜(笑)レスト早すぎる(笑)

サクス:サクスも殺す気満々きた(笑)
10・4・10・2で行動値42(笑)

ディゼル:何て野郎だ(笑)

GM:レストはソニック《パーフェクトアイズ》発動!攻撃は[絶対命中]となります!(笑)

サクス:レスト、名に恥じないな(笑)

GM:ではレストから!レストは両手の二刀を構え、瞬時に君の眼前に移動!そして――
「悪いな…個人的恨みはないけど…まぁ、諦めてくれ」
その宣言と同時に絶対命中の二撃!一発目は59!防御で!

ディゼル:46です〜(笑)

サクス:結構硬いね〜(笑)

GM:13ダメですね(笑) では二撃目いきますね、攻撃64点!

ディゼル:(’ω’*)サクスにキリング・シュヴァリエ使って死のう…。

サクス:グホ(笑)

GM:道ずれ、笑った(笑)

ディゼル:10、10、1、6の悪運で防御62でダメージ2点。

GM:おお!すげえ!(笑)
「…へぇ…驚いたな、技を乗せるべきだったかな?」
君が自分の二撃を防いだのを見て、少し興味を持ったようにレストは呟く。

サクス:ディゼルはきっとアリスの指輪の力でガードさせられてる(笑)

ディゼル:「この状況…切り返して見せるさ…」
無理に強気で行くぜぇ!(笑)

GM(アリス):「…ディゼル…頑張れ!」
君の隣でアリスだけ唯一君を応援していた。
では、やる気のサクスさん(笑)

サクス:どうしようかな〜(笑)

GM:あ、ここであれですよサクスさん!『称号』解放!

ディゼル:マジかよ(笑)

GM:もうバラしちゃっていいですし(笑)

サクス:えええぇぇ、普通にブッ殺しちゃう(笑)

アルジェント:ここでサクスの称号使うのはストーリー的にもいいよねぇ。

サクス:それじゃあ、容赦なくいくから耐えて(笑)

ディゼル:任せろ(笑)

サクス:「さて、ディゼル。お前とはしばらく行動を共にしたが、実に素直な好青年だった。
だが、悪いがお前が“こちら側”の住人でない以上、仕方のないことだ」
そう言い放つと、刀を抜きます。薄ぼんやりと燃える、赤銅色を纏った刀。
「銘刀“皇”、お前の命を地に突き伏せる」
マイナーで一応エンゲージ、メジャーで攻撃(笑)
命中が4・10・4・9で58!避ければタダで済むよー!(笑)

サクス:命中ね(笑)

ディゼル:うん、それ無理。

サクス:3・1・9でフォーチュン、攻撃が84点だよ!(笑)

ディゼル:………。高くね?

アルジェント:サクスはそんなもんだよ。

ディゼル:出目15で残りHP8。

GM:うおおおぉぉ、死ぬ(笑)

ディゼル:レベルアップの時の振り上げや、鎧を変えたおかげで生き残れた(笑)
「ぐあああああああああぁッ!!」
サクスの一撃をまともに剣で受け止め、その力に押さえつけられる。

サクス:「今更隠す事もないだろう、俺の生まれ持った能力…いや、呪いを見せてやる」
そう言うとぼこり、と全身のシルエットが歪み、細身だった体が形を変えていきます。
背中からは禍々しい蝙蝠の翼が生え、そして――地面を掴まえる、四本の足。
「《変貌の創生(キマイラ・ジェネシス)》。これが俺が生まれ持った呪い。
人間とも他の生物とも一線を画した要因。悪いが俺の膂力は人間の持つべきものではない。
地にその身を横たえろ」

GM:そう、魔王の呪いの一つ《螺旋の創生(スパイラル・ジェネシス)》
サクスがそれによって得た呪いは――《変貌の創生(キマイラ・クリエイション)》。

《螺旋の創生(スパイラル・ジェネシス)》
遥か古の時代より唯一途切れることなく繰り返し続けられし魔王の呪い。
それがこの《螺旋の創生(スパイラル・ジェネシス)》。
その特徴はその時代に生きるこの呪いに最も相応しい人物へ継承される。
つまり、同時代に一人のみにしかこの呪いは発祥しない。
そして、この呪いの持ち主が死ぬか、または今の持ち主よりも更に相応しい人物が生まれた瞬間
この呪いは現在の持ち主を殺した後に新たな持ち主へと移動する。
まさに螺旋のように途切れること無く、全ての《魔王の呪い(サクセサーオブサタン)》の中で
無限の進化を繰り返す呪いともいえる。また、この呪いの更なる特徴は
現在の持ち主の性質によりその能力が大きく変わる事である。
つまり現在の所有者と前の所有者では同じ《螺旋の創生》の呪いと言っても
その能力は大きく異なる。ただ一つ“創生”するというルールのみは不変である。

《変貌の創生(キマイラ・クリエイション)》
貴方は自分自身の身体を貴方が望む通りに新たに組み換える事が出来る。
例えば、右腕をダイヤモンドの硬度と同じ鉱物へ変化させたり
左腕を並みの剣とは比べ物にならない業物の剣へと変化させたり
またその背より第三の腕や翼と言ったものを新たに創生するという異形を為すことも可能である。
このように自身という器を最強の武器・防具へと変貌させる呪いである。

ディゼル:キマイラかぁ(笑)

アルジェント:完全獣化だと?!

GM:それは、“己”という個を自在に創生変換する力。
ゆえにサクスの人間離れした力は道理である。
すでにその腕はダイヤモンド並の硬さへと変貌すら遂げている。

サクス:「見ての通り、俺の身体は普通でなくてな、ディゼル。
目の前の俺に驚くのも無理はないが、後ろにも気を配ったらどうだ?」
見ると、サクスの腰の後ろ辺りから地面に伸びる細長い稜線。
その影は弧を描いて――ディゼルに届く!
「俺の身に巣食う輪廻の蛇だ、受けてみろ」

<第三の腕> タイミング:本文 対象:自身 射程:− 消費精神:−
貴方の行動が終了した際に発動可能。貴方は即座に再び行動を起こすことが可能である。
この時、貴方が行う命中・攻撃判定で貴方は+1D10のボーナスを得る。
ただし、その代償として貴方は即座に生命力を3D10分(ジャッジとして扱いません)消費する。

GM:あ、まさかのトドメきた(笑)

ディゼル:その言葉で咄嗟に後ろを振り返るディゼルだったが
その”蛇”といわれるものを目でとらえられるわけもなく―――
というか二回攻撃かよ!(笑)

サクス:二回目の攻撃!命中は10・1・8・9・2で61点。
ディゼルの直上から、赤褐色の蛇が襲います!

ディゼル:42で当たった(笑)

サクス:10・3・2・5・6で87点!

ディゼル:攻撃してきたのは紛れもなく黒い影――自分の目では
捉えることのできなかった攻撃が、ディゼルを貫く。
普通に戦闘不能です(笑)。

GM:ではディゼル。君はサクスのまさに壮絶なる一撃を二度に渡り受け…その場に倒れる。
どさり…と、音を立てて倒れる君にアリスがしがみつく。
「おい!ディゼル!しっかりしろ!ディゼルッ!」

ディゼル:そのアリスの言葉もむなしく、ディゼルにはもう声を聞くことすらままならない。

サクス:「…後は指輪を回収すればいいのか?」無情にサクスが言い放ちます。
ディゼルを襲った蛇がアリスの近くでカラカラと鳴く(笑)

GM:では、そんなディゼルに止めをさすべく、無常にも第一騎士・ラインが君の前まで来る。
「うん。ご苦労様、サクス。後は僕がやるよ」

ディゼル:く、くるなー(^ω^)まつだぁ、ナニをシテイル!

GM:ラインがそう言った瞬間、彼の身体からかつてない圧力が放たれる。
「光栄に思うといいよ。この世の最後にこの僕の――
聖十騎士団を統括する第一騎士の『称号』をその身に受ける事を」

「さようなら。ディゼル――」

サクス:(……さら“だ”ば、ディゼル――)

ディゼル:だばー(笑)

GM:そして、ラインから力が解放される―――瞬間。
ディゼルの身体に一枚の黒い羽が舞い落ちた。

“ぱりぃぃぃぃぃん”

GM:それはディゼルの身体に触れた瞬間、君の傷ついた身体を完全に癒した。
先ほど、サクスによって受けた一撃・風穴が完全に塞がる程に。
「ッ!そんな、これは……ど、どうして!」
その光景を対してラインは明らかな動揺を浮かべ、彼を含めた全ての聖十騎士は
ばっとある一点を見る。

そう、そこは教皇の玉座。
先ほどまでラインが座っていたその場所に今、一人の女性が座っていた。

GM(ライン):「……あ…ぁ……」
その女性を見て、ラインは静かに頭を垂れる。
『ライン…。今、ディゼルを殺しては…いけないわ』
その一言に対して、ラインは素直に頷く。

ディゼル:傷が癒え、目をゆっくりと明けたディゼルは
聖十騎士が目を奪われた存在に視線を向ける…。
(あれは…誰だ…?)

GM(ライン):「……はい、貴方が言うのなら…何でも従います……」

「母さん――」

そして、ディゼルは見た。
ラインが言った“母さん”という人物。
それは―――君の母親だった。


アルジェント:うおお!マジか?!

ディゼル:視界がぼやけて見えなかった王座に座る女性の姿がようやく
はっきりとこの、自分の眼に映し出される――。
「か、母さん…?」

そう、全ては―――繋がっていた。


 
戻る