◆ミドルシーン6 〜正義の定義〜
GM:テラスト王国の一室で休んでいるセレナス、そんな君の部屋の扉をノックする音が聞こえる。 「グレングーレの騎士様。貴方への訪問者が来ているのですが…。」 と、扉の向こう側からはそんな兵士の声も聞こえてくる。 セレナス:「訪問者?心当たりはないけれど、待たせているところへ案内してもらえますか?」 ピアノを手に取ると、ドアを開けます。 GM(兵士):「は、了解しました。こちらの方です」 そう言って兵士は君を大広間の客室に案内する。 そこにいたのは――ロトゥス。「よぉ、元気そうだな、セレナス」 セレナス:「……なんでよりによって……」 小さく悪態をつきます(笑) GM(ロトゥス):「…ふんっ、人がせっかく届け物をしに来たと言うのに随分だな」 セレナス:「おっさんも、よく生きてたね」 GM(ロトゥス):「簡単にくたばってたまるか。それよりもお前へ届け物だ、レーネからな」 そう言って彼は君へ手紙を差し出す。 セレナス:「……姉さんから?」 じとーっとロトゥスを見ながら手紙を受け取ると、開きます。 GM(ロトゥス):「それともう一つ、届け物だ」 そう言うや否や『ごつうううううんっ!!!』 と、君の頭に超痛いゲンコツ。 セレナス:「ひぃ痛だああああぁぁぁっ?!!!!」 GM(ロトゥス):「何故かは知らんが、今度お前に会ったらこうしてやろうと思ってな。 これで胸のうちにあった変なイライラが消えた。ふぅ、スッキリしたぞ」 イオス:夢シーンのツケが! セレナス:「こ、この…!」 頭を押さえてうずくまります(笑) GM(ロトゥス):「とりあえず、俺の役目は果たした。これで俺は帰らせてもらうぞ」 そう言って彼は剣を携え席を立つ。「セレナス。明日の戦い、まあせいぜい頑張れよ」 セレナス:「くっ、この、いけしゃあしゃあと…!おっさんこそ、気をつけるんだね!主に背後とかに!」 GM:君のその言葉にロトゥスは笑みを浮かべて返し、大広間より出て行く。 セレナス:「……姉さんのパシリかぁ……これはこれで色々不安になるなあ……」 と呟くと、手紙を手に取ります。 そうして、セレナスが開いた手紙にはテナの容態について書かれていた。 それはテナの現在の状態、治癒は不可能であり、体調は悪化の一手を辿るばかり。 そして、このままではその命が尽きるのも時間の問題かもしれないと酷ではあるが 現在の状況を正確に記した文章が書かれていた。 セレナス:「……テナ、君は僕が…僕、が……僕には、何も出来ないの……?」 GM:また文には示していなかったが、すでに君の姉・レーネに刻まれた死の痣も5日目を迎えている。 このままでは君の姉の命も…もう僅かしか保たない。 セレナス:「…死の王を、斃す。イオス君と、リザ姉さんと、共に。 それでしか、それしか僕に出来る事はない」 GM:君はレーネの手紙を手に自分の自室へと戻る。 その途中、外のガーデニングを見渡せる廊下を歩く、 廊下のすぐ隣りは月明かりに栄える夜の草花が美しい光景を彩っていた。 セレナス:「綺麗な夜だな……全ての不安も飲み込んでくれるような、 そして全ての命を飲み込むような――そんな夜だ。」 誰にもとも無く呟いたセレナスのその言葉に反応するように ざわざわと静かに草花が風に揺れる。そうして、セレナスはふと、そこに誰かが佇んでいる事に 気づいた。そう、それはセレナスが知る人物――。 セレナス:「……こんな夜更けに、誰?」 GM(アドル):「…話したい事があって来た。お前とこうやって二人きりで話すのは あの時以来だな、セレナス」 その男――アドルは君へ近づきながらそう言った。 セレナス:「わざわざ敵地のど真ん中まで来て、僕に何の用? 味方になってくれるなら大歓迎だけど、そんなことあなたはしない。 ということはつまり、……テナのこと、それでいいかな?」 GM(アドル):「鋭いな、さすがだ。」 言ってアドルはどこか意を決するように続ける。 「テナの事…そして“俺達”の事を、お前には全てを話しておきたい」 セレナス:「……うん」 強く頷きます。 GM(アドル):「…歩きながら話そう」 そう言ってアドルと君は美しい月明かり差し込むガーデニングの中を歩いていく。 夜の闇に包まれながらもそこはテラストが誇る美しき花々楽園であった。 そんな幻想的な場所を歩きながら、不意にアドルが口を開く。 「…テナが……『お姉さん』の事を、お前へ話さなかったかい?」 セレナス:「……『お姉さん』」 GM(アドル):「テナが音楽を知ったのは、お姉さんが教えてくれたからなんだよ。 俺達に対して人として接してくれたのが…そのお姉さんだけだった。 俺とテナ、他にも何十人か子供がいた。 それらは皆、親のいない孤児や人買いに売られた子供ばかりだ」 セレナス:「皆…テナやアドルさんのように?」 GM(アドル):「ああ、俺もテナも親の顔を知らない。気づいたときには俺達は皆…『施設』にいた」 セレナス:「そ、んな…………」 GM(アドル):「俺達はそこで、あいつら…連中の生きた実験材料とされた。 …人為的に『魔王の呪い(サクセサー・オブ・サタン)』を生み出す為の実験体としてな…。 そこでは…毎日、多くの仲間が…死んだ」 アドルはその頃を思い出すように語る。見ると彼の目には憎悪と哀しみ その二つの感情が強く宿っているのが見て取れる。 「人の体に『魔王の呪い(サクセサー・オブ・サタン)』などという超越的な呪いを埋め込むなんて 普通の人間が耐えられるはずが無い。だが、『連中』は決してやめなかった。 「何人も…本当に何人も…死んだ」 「そして、誰も俺たちを…実験材料のモルモット以上としては扱わなかった…。 ――『お姉さん』以外はな」 その時、アドルは僅かな笑みを浮かべた。 それは遠い昔に亡くした大切な家族を思い出すように彼は優しく語る。 「ある時、『連中』と同じ白衣を着たお姉さんが俺たちの世話をしてくれたことがあった。 彼女は俺たちを人間としての接し、色々なことを教えてくれ、そして名前もくれた。 アドル。今、俺の名前があるのも、そのお姉さんのおかげだ」 セレナス:「…その、お姉さんっていうのは、一体…?」 GM(アドル):「…多分『連中』のメンバーの一人だったんだろう。だけど、彼女だけは優しかった…。 だが、ある時からそのお姉さんは忽然と姿を消した。 テナは一番お姉さんに懐いていたから…俺に良く聞いてきたよ。だけど、俺には分かっていた。 …お姉さんは、『連中』に殺されたんだとな…」 セレナス:「そんな………」 GM(アドル):「モルモットに…そして、万一『兵器』として完成する連中に 人間らしい感情を与える必要はないと…大方…そんな理由だろう。」 そこまで話しアドルは話しを切る。やがて一拍の後に 「―――なあ、セレナス」 アドルは微笑みを浮かべて君の名前を呼ぶ。 「お前は、『正義の味方』というやつに憧れた事はあるか?」 セレナス:「ううん、僕はずっと、自分が生きてくるだけで精一杯だったから。今まで 人を助けたいなんて思えなかったし、思える立場になかった。姉さんに、ずっと守られていたから」 GM(アドル):「そうか。幸せだったんだな、お前は。」 アドルは本当に君の事を羨ましそうに、そんな瞳で見つめながら語る。 「恥を忍んで言おう。…俺は、憧れていた。 俺は『正義の味方』というやつに憧れ、それになりたいと…思っていた」 セレナス:「そんな…人とすら扱ってもらえない中で、そんな、事を…」 GM(アドル):「そんな中だから…憧れたんだ」 アドルは語る。それは今まで誰にも見せたことのない彼の本心、彼の胸にある真実の想い。 「あそこは――地獄だった。毎日繰り返される実験と薬物投与。 自分自身の肉が腐り落ちていく感覚、昨日話した友だちの死。 ――きっと誰かが、『正義の味方』がこんな自分たちを助けてくれると。 お姉さんに聞いた『正義の味方』の物語を思い出しながら毎日、そう願っていた」 セレナス:「アドルさん…アドルさんたちは、哀しすぎるよ! テナも、やっと自由になれたと思ったのに、これから幸せになれると思ったのに!」 ぽろぽろと頬を涙が伝います。アドルさんとテナの境遇と、自分自身の幸せな境遇、情けなさに。 GM:アドルはそんな涙を流し、叫ぶ君の頭へそっと手を置く。 「ありがとう、セレナス。そんなお前だから…テナを託せる」 セレナス:「アドルさんは、僕なんかより、こんな僕なんかより、正義の味方になれるよ! なんで、なんで“そっち側”にいるの?なんで、なんで僕たちが殺しあわなきゃいけないの! 救いを求めているのは、幸せを求めているのは同じなのに!!」 GM(アドル):「…そうだな。どうして、俺が…“こちら側”に来たのか……。 それはあの日の『運命』だったんだよ…」 言ってアドルは語る。それは“あの日”、アドルとそしてフィリアにとっての運命の日。 その日に起こった出来事の真実の記憶。 「俺は…あの施設で必死に誰かが助けてくれるのを願った。 だが、分かったんだよ。現実のこの世界ではそんな都合のいい奇跡は決して起きない。 だから、俺は俺自身で『正義の味方』になろうと決意した」 「あの日――実験の最終段階が行われた。 俺の中に人為的に作られた『魔王の呪い』が埋め込まれた」 「俺はそれを―――制御した」 「初めての成功作だと、『連中』は喜んだ。 だが俺は…俺自身の中に組み込まれた『連中』の制御プログラム。その鎖も、断ち切った。 脳から直接血が出るような感触。体全てが引き裂かれるかのような激痛。 だが、俺はようやく連中が敷いた『鎖』から解放されることが出来た」 「そして俺は―――『連中』を皆殺しにした」 「テナを、皆を救う『正義の味方』になる。俺たちを縛り苦しめた『悪』を殺す。そう思って、やった…」 「そして、施設の奥で俺は『連中』の最高責任者を見つけた…。あいつを殺せば、全て終わる。 そう思って奴へ向かった。だがその時、あいつは誰かの名前を叫けび後ろを振り向いた。 俺は逃げるつもりだと思い、即座に距離を詰め―――斬った」 「その時に気づいた…」 アドルは震えるように言葉を続ける。 「そいつは、後ろにいた自分の娘を庇ったのだと。俺の剣はそいつを殺し、娘の翼をも…奪った……」 セレナス:「そんな!それでも、アドルさんは、悪くない!」 GM(アドル):「…その時、俺は改めて自分の姿を見た。 その腕からは異形の、人成らざる剣を生やし返り血に塗れ真紅に彩られた姿。 テナや皆の為と言って、オレはそんな血塗れの姿で涙と笑みを浮かべていた。 周りには俺が無残に斬った者達が斃れていた。そうだ…彼らにも、大切な人や家族がいたんだ…!」 アドルは涙を堪え言う。「俺が…やった事は……」 セレナス:「正義の味方では、ない……?」 GM(アドル):「連中が俺達へやってきた事と…何も変わらない。ただの…“殺戮”だ。 その時に、俺の抱いた『正義の味方』の夢は崩れたんだよ。 “誰かを傷つけずに誰かを守る”それが『正義の味方』だと俺は信じた。 だが、俺がやったのは誰かを傷つけて誰かを守ると理由を付けて それ以外の他者を犠牲にして殺すという偽りの正義…」 セレナス:アドルさん…。 GM(アドル):「俺は…テナや残った子供達を連れて『施設』を後にした。 だけど、それすらも俺の行動が間違いだったと教えてくれたよ。 俺達、実権体に施された処理は不完全だった。彼らは皆、『施設』でしか生きていけなかった…。 俺とテナを残して…皆、すぐに死んだ…。リックもレフィアもルースもマオも…皆……」 セレナス:「そんな!」 GM(アドル):「だけど、そんな死に掛けたテナと俺を拾った人物がいた。 それが――ペレリウスだった」 セレナス:「え……―――」 GM(アドル):「あいつは俺達に施されたのが『魔王の呪い』だと気づいたのだろう。 それをあいつは利用しようとしたんだろうな…。だけど、たとえ利用であろうともあいつのおかげで 俺もテナも生き残れた。あの施設で受けていた処置もペレリウスが魔力を使いテナへと与え 命を延命してくれた。例え、相手が魔族であろうとも俺は奴らに命の恩を受けた。 そしてテナの為に、俺はペレリウスの命の下…多くの人間を斬った。 いい人間、優しい人間、高潔な人間、たくさんいた…。だけど俺はそいつらを全員斬り、殺した…」 気づくとアドルは涙を流していた。 「セレナス、お前の叔父…サルード=グラングーレの事、すまなかった…。 彼は俺が戦った中で最も気高く強く立派な騎士だった」 セレナス:「ううん、それがアドルさんの正義なのなら、結果としては、仕方ないんだ…」 GM(アドル):「違うよ…俺のは『正義』なんかじゃないよ…。テナの為と偽る…殺戮だ…」 そこで、アドルは不意に夜空を見上げる。 「――不思議だな、お前は。人の心を裸にする。俺は初めてこの事を他人に言ったよ」 セレナス:「アドルさん…」 GM(アドル):「セレナス」 アドルは君へとその真紅の瞳を向ける。 「テナは――大丈夫だ。必ず助かるよ」 セレナス:「―――!!」 GM:その一言を言い終え、アドルは静かに君に向け宣言する。 「明日の戦い、俺は『四柱(テトラード)』の一人として全力で戦う。 セレナス。お前もお前の全力でぶつけて来い。今日のことは忘れてな」 セレナス:「アドルさん……共に、救いあらん事を」 GM(アドル):「グレングーレ伝統の戦いへの誓いか…ありがとう」 そう言って、彼は君へ後ろを向ける、そして―― 「さっきの話…、フィリアには――話さないでくれ。話す必要もないからな」 そう言い残し、彼は夜の闇の中へと消えていった。 ◆幕間シーン 〜夜想曲〜 GM:では、最後のシーンプレイヤーフィリアさん。 貴方は現在、テラスト王国から提供された宮殿の一室にて、明日の戦いへ向けて その身体を休めています。そんな時、ふと部屋の外から物音がする。 フィリア:まぁ、ドアを開けようか。 GM:では、ドアを開くと夜のガーデ二ングから廊下へと戻っているセレナスの姿が。 ちなみにセレナスは先ほどのイベント直後ですね(笑)。 アドルと別れて自分の部屋へ戻る最中という感じです。 フィリア:「セレナス…? こんな時間に」 セレナス:「リザ姉さん…」 GM:夜の闇の中、セレナスと会うフィリア。気のせいか、セレナスの表情は暗い。 フィリア:「どうした? 何かあったのか?」 セレナス:「…なんでもないよ?少し月を見ていただけ」 フィリア:「月を見て悲しむのか。詩渡りの名に恥じん男だな」 セレナス:「月には、哀愁があるからね〜♪そういった機微を感じ取らないと、詩は詠えないんだ」 フィリア:「哀愁か。私は、優しく感じる」 セレナス:「リザ姉さんは、そう感じるんだね。それも素敵な捉え方だと思う」 フィリア:「暗い夜道を優しく照らしてくれる。迷った時、道を照らしてくれる。優しいお方だ。 セレナス。お前も道に迷ったなら、月や太陽を探すといい。お前を照らす、優しい人をな」 セレナス:「僕は良い子だから、夜中に出歩いたりしないよ〜♪」 しれっと(笑) フィリア:「そうだな。できれば…闇の中など歩かないほうがいい。とても、寂しく寒いからな」 セレナス:「…正直意外だなあ、リザ姉さんも寂しくなったりするんだね、なんだか、安心しちゃった」 フィリア:「私は…孤独だったからな。……自分でそう思っていただけだが、な」 セレナス:「…一人だと、寂しい?」 フィリア:「お前はどうだ?」 セレナス:「僕は、恵まれていたから。空を見上げていても、地には優しく見守ってくれる人がいる。 だから地から足を離して、飛んでいこうと考えなかったのかもしれないね♪」 フィリア:「…やはり、お前はそうやって笑っているほうがいい」 セレナス:「ふふ、僕こそ、リザ姉さんの笑顔を見たいな♪」 フィリア:「それは……忘れてしまったよ」 セレナス:「そっか…。もう一度思い出せるよ、きっと。この戦いの中で、それが見つけられるといいね」 フィリア:「いや、時間は幾らでもある。次第に思い出せばいい。そしたら、一緒に笑い合おう?」 セレナス:「そうだね、失ったものも、きっと取り戻せる。命を除いては、だけれど」 フィリア:「命だけではないさ。壊れたものは元には戻らない、…形があるものはな。 いや、形あるものだけではないか。失った信頼は取り戻しにくいし、過ぎた時間も戻らない。 それでも、取り戻したいと思うのは私のエゴか?」 優しい月を眺めながら、セレナスに問うように語り掛けるよ。 セレナス:「ううん、素晴らしいと思うよ。折れた翼も、欠けた心もきっと、取り返せる。 精一杯、生きていれば。……その、リザ姉さんは、父さんを、取り返したいの? 元には戻らないものであっても」 フィリア:「顔も、声も、何もかも、忘れた。親不孝だな、私は。 それだけじゃない、今まで育ててくれた人を父と呼んだ。呼べるようになった」 セレナス:「それは、きっとお父さんも嬉しかったんじゃないかな」 叔父さんの事を思い出してそう答えます。 フィリア:「7歳の時に死んだ父も、それから育ててくれた父も、どちらも大切だ。 取り返すつもりはない。私にはすでに父がいる。 ただな、一つだけ覚えていることがある。セレナス。私の種族が分かるか?」 セレナス:「それは…?」 フィリア:「翼を持ち、大空を駆け巡る――ペガススだ」 セレナス:「!でも、リザ姉さんの背中には、翼が……」 フィリア:「七つの時にな……引き裂かれた。父がな、奇麗だねと、言ってくれたんだ。 その言葉だけは唯一覚えている。もう、どんな翼だったのか覚えていないがな。 大きかったのか、色はどんなだったか、どうやって飛ぶかも」 セレナス:「リザ姉さん…」 フィリア:「セレナス。さっき、お前は折れた翼は取り戻せると言ったな? では、奪われた翼はどうすればいい?」 セレナス:「壊れた、失ったものは元には戻らない。形があるものは…?」 フィリア:「そうだ。諦めるしかないんだ。翼も、命も、何もかも。それでも諦めないなら、憎むしかない」 セレナス:「憎んで、そして、その代替物でも、取り返したいと思う?仇討ちという名の、方法で」 フィリア:「代替物でしかない。決して満たされない。それでも、取り返したい。 そうやって復讐者というのは生まれる。テラストでも見ただろう? 復讐をやめるには、やはり別の代替物を得るしかない。仇などではなく、満たされる代替物を」 セレナス:「その通りだね、さすがリザ姉さん。それを聞いて安心したよ。 復讐は復讐しか生まないんだ。誰かがどこかで、違ったものに変えるしかない。」 フィリア:「私は、変えられなかった」 セレナス:「復讐を、続けるの?」 フィリア:「なぁ、セレナス。『正義の味方』を信じるか?」 セレナス:「僕は信じる。事実として、歴史として正義の味方になれなくとも その人がそれを目指して生きた、その証だけは人の心に根差して、きっと、ずっとずっと生き続ける」 フィリア:「人は何故、正義のために戦うことができる。最善を尽くす、というやつだ。 その決意こそが、正義の味方だと私は思う。セレナス、私はこの戦いで『正義の味方』になろうと思う」 セレナス:「…リザ姉さん!」 フィリア:「翼の代わりは諦めた。父はシュヴァルスト様だ。 復讐の必要はない。正義とは理念で、正義の味方は行動だ。 セレナス、共に『正義の味方』になってくれるよな?」 微笑もう。セレナスに見せた事の無かった笑顔を、見せよう。 セレナス:「そうだね、リザ姉さん。精一杯戦って、精一杯生きよう」 セレナスもとびきりの笑顔で返します(笑) その時のフィリアの笑顔はセレナスが初めて出会った時には想像し得なかったもの。 そして、この時のフィリアとセレナスの誓いは二人の中で生涯変わらないものとなった。 フィリア:うむ。 GM:名シーンだった!(笑) フィリア:前のシーンを踏襲してみた。 セレナス: ※瀬田様(セレナスのプレイヤー)のお絵かきイラスト フィリア:ちょ(笑) GM:セレナス――――!!!!(笑) セレナス:僕…この戦いが終わったら姉さんとテナの二人と結婚するんだ…(笑) フィリア:ちょ(笑) GM:それでは全員、生命力・精神力を全回復させてくださいませ(笑) そしていよいよ決戦のシーンと行きましょう〜! |