第22章 幻想

◆幻想シーン イオス〜家族〜
テラスト王立美術館。そこで行われていた裁判に姿を現したペレリウス。
彼の放った暗き光にその場にいたイオス達の意識は深い淵へと沈んで行った。
やがて――…。

「……ま……様…」

「イオス様〜!起きてください〜、朝ですよ〜!」

GM:そんな懐かしい声が君に聞こえてきた。

イオス:お、おう?

GM:目を開けるとそこは自分の部屋だった。
隣を見るとセクエンツィアがいつもの笑顔でそこにいる。

イオス:「ここは…」

GM(セクエンツィア):「珍しいですね。イオス様が寝坊をするなんて」
そう言って彼女は笑顔を浮かべて言う。

イオス:例によって例のごとく、幻だと認識していない感じ?

GM:正直、目の前の景色、セクエンツィア、それらはとても幻とは思えない。
彼女の存在は確かに今、目のまえに感じている。

イオス:「どうやら悪い夢を見ていたようだ…」

GM:「はっはっ、それにしても珍しいな〜、イオスお前がそこまでぐーすか寝てるなんてよ」
と君の部屋のドアから聞きなれた明るい声が。
「よお、頭は冴えてるか?イオス。」
そこにいたのは陽気な表情を浮かべる君の使用人イクフォードの姿だ。

イオス:「イク…フォード…」

GM(イクフォード):「おいおい、なんだよその変な生物を見る目は。
確かに俺はちょっと変かもしれねーけど、それはないぜ〜」

イオス:えっと、現実の記憶は持っててOK?

GM:OKだよ(笑)。でも現実のほうが夢の記憶のような状態だね、今は。

イオス:「よく俺の目の前にのこのこと現れられたものだな…」

GM(イクフォード):「は?え、いや、ちょ…な、なに?」

イオス:「覚悟をしておけと、言ったはずだ」

GM(イクフォード):「え、な、何のことだよ?!き、昨日の羽付きはお前の圧勝だったじゃねーかよっ!」

イオス:(どういうことだ…これは…) その場で額に手を置いて、考える。

GM(イクフォード):「んな事より、朝飯食おーぜ。レオード様もお前のこと、ずっと待ってるしよ〜」

イオス:「レオードだと?!」 あ、咄嗟に自分の刻印のあった場所を見る。

GM:そこには何も無く、いつもの変わらない二の腕があるのみ。
「そうですよ、イオス様。さ、はやく行きましょう〜!」 とセクエンツィアが君を先導してくれる。

イオス:ここが自分の部屋なら刀があるはず、刀は?

GM:刀?なにそれ?ないよ(笑)

イオス:「あ、ああ…」 とりあえず疑念を思いっきり抱えたまま行こう。

GM:そして、食堂へと来た君を迎えたのは真紅の美しい髪を持つ男。君の父・レオード。
彼は飲んでいた紅茶をかたっと置き、君を見て一言を言う。
「遅かったな、イオス。お前にしては珍しいじゃないか」
彼は優しい笑顔で君にそう言った。

イオス:うわっ、気持ち悪っ。

GM:なんて事言うんだよー!(笑) とりあえずレオードさんは立ったままの君に対して
「ほら、早くしないと朝食が冷めるぞ」 と再び声を掛ける。

イオス:「あ、ああ…」 一応席にはつこう。

GM:では、セクエンツィアとイクフォードも一緒に席を付き、朝食を取る事に。
朝食の間、君は父から友からそしてセクエンツィアから他愛の無い話をされた。
だが、それはとても心地よい時間でもあった。

イオス:レオードから他愛の無い話!気持ち悪っ!

GM:ひどっ!(笑)

イオス:プレイヤー全然心地よくねぇ…。

GM(レオード):「そういえば、お前は今、銀の学院の夏休み期間だったな。
どうだ、学院生活が寂しくなってきたか?」
レオードはそんな気持ち悪いことを清々しい笑顔で言ってくる。

イオス:(どうなっている・・・まさか今までのことは本当にただの夢だったとでも言うつもりか…?)
「こちらの方が大切なものは多い。向こうを寂しく思うにはまだ思い出が足りないさ」
うわっ、自分の発言も気持ち悪っ。

GM(レオード):「そうか。実は今日はその銀の学院からお前の友人が遊びに来ていてな」

イオス:そんな奴はいねぇ。

GM:そう言って、レオードはセクエンツィアに目配りをする。
するとセクエンツィアが玄関の方の扉を開ける。そこから現れたのは――セレナス君(笑)
「彼、わざわざお前に会うために来てくれたんだよ」 とレオードが。

イオス:「どうしたんだ?夏休みは姉のところに帰ると言っていたんじゃなかったか?」

セレナス:「うーん…?僕にもよく分からないんだけど…、あれ?」

GM(イクフォード):「おお!可愛い女の子じゃん!」
とイクフォードはセレナスの顔が女顔の為にそんなとんでも間違いをしつつ
素早い動きでセレナスの前まで。

セレナ:「ななな!何々?!」

GM(イクフォード):「………」 しばし無言でセレナスの胸を見た後
ぺたりとセレナスの胸に手を置いて「……君、ぺったん属性?」

イオス:幻想でよかったなぁ。

セレナス:「僕は男だ――――ッ!!!」 べしーん!と叩きます(笑)

GM(イクフォード):「ごふああああああぁぁ?!!」 どさぁ……ばたん。
その光景を見ながらセクエンツィアが「くすくす、皆さん楽しそうですね〜」と。

イオス:やばい!この世界に馴染んできてしまっている!

そんな来客の訪問もあり、その日はいつにも増して賑やかなそして楽しい日となった。
そんな幸せな日常が明日も明後日も同じように続き、やがて、月日は数日が経った。

イオス:やべえ、数日経ってしまった!かなり馴染んでるぅ!

GM:君がいつものように部屋で読書をしているとレオードが入ってくる。

イオス:来るのか!怖ぇ!

GM(レオード):「イオス。今日はお前に遠くからお客さんだぞ。」
と相変わらずの笑顔を浮かべて(笑)

イオス:「客…?」

GM:レオードの後ろからひょいっと現れたのは…フローリア王女。
「お久しぶりです。イオス様」

イオス:「フローリア王女?!」 生きて…というセリフは飲み込む。

GM(レオード):「はは、では邪魔者の私はここら辺で消えるとするよ。フローリア嬢、ごゆっくり」
そう言ってレオードは退出する。

イオス:こんなアットホームパパなレオード嫌ぁ!

GM:レオードに対しては反応がひどいっすね(笑)

イオス:そりゃあ今までの印象がねぇ…。
「お、お久しぶりです。フローリア王女」 とフローリアに挨拶します。

GM(フローリア):「もぉ、王女なんて他人行儀よしてくださいよ。イオス様。
呼び捨てでいいって、いつも言ってるじゃないですか〜」 顔をぷいっと背けて。

イオス:(い、いつも…?!)
「そ、それでは…フローリア」

GM(フローリア):「うん!ありがとうございます!イオス様!」
彼女は明るくそう言う。

イオス:そんな呼び方したことねぇ!
「そ、それで今日はどのような御用向きで…?」

GM(フローリア):「えっと…遊びに来ただけじゃ…だめでしたか?」

イオス:「い、いえ!決してそのようなことは!」
テッサを前にした宗○のようだ。

GM(イクフォード):「おお〜!フローリアちゃんじゃん!久しぶり〜♪」
そう言ってイクフォードがセクエンツィアを連れて君の部屋へ入ってくる。
「あ、皆さん、お久しぶりです〜」 とフローリアはそんな二人に挨拶を。

イオス:(久しぶり?!会ったことなど無いはずだ!)

GM:君の部屋は三人の住人の来訪で一気に賑やかになる。
「?どうしたんですか、イオス様?」
とセクエンツィアは何事か考えている君を見てそう心配そうに。

イオス:「い、いや…何でもない」

GM(セクエンツィア):「最近、イオス様…変ですよ?」

イオス:「ああ、そうだな…どうかしている」

GM:現実と夢の境。君は自分の記憶と目の前の現実とに拭えない違和感を感じていた。
そんな君にイクフォードが隣に並び、一言を言う。
「なあ、イオス。このまま『こっち』に残れよ。」

イオス:それにばっ!とそっちを見る。

GM(イクフォード):「お前はさ…『夢』の記憶を引っ張ってんだよ。
けどな『あっち』じゃ、お前に何がある?父の愛もなく俺もセクエンツィアもフローリアもいない」

イオス:「お前がそれを知っているということは、向こうがただの夢ってことは無いということ。
それだけわかっただけでも前進だ」

GM(イクフォード):「ははっ、確かにそうだけどよー。向こうに行ったって何もねーだろ。
『こっち』に残る方が、お前の幸せだぜ?」

イオス:「幸せ…?俺の幸せが何かもわからずによく言う…」
だんだん向こうのイオスが戻ってきたぞぉ。

GM(イクフォード):「…やめとけ。ここにはお前を縛る『呪い』も何もないんだぜ」

イオス:「だからだ!呪いが無ければ俺が存在する理由も無い!
呪いこそがイオス=ヴァルムオンドであり、呪いを断ち切った瞬間に
俺はイオス=ヴァルムオンドを取り戻すことができる!
たとえそれが一瞬であり、すぐに存在する理由を失うとしてもだ!」

GM:気づくと―――君の手にはあの刀が戻っていた。
「…イオス様?」 とセクエンツィアが不思議そうな表情で君の名を呼び。
「どうしたんですか?イオス様」 とフローリアが心配そうな表情で君の名を呼び。
「………」 イクフォードはただ無言のまま君を見ている。

イオス:「もうやめろ、失ったものは二度と戻りはしない!」

GM(イクフォード):「…そうだな。今のお前がするべきは取り戻すことではなく思い出すことだな。
だったら、どうすればいいか…分かるよな?」
そう言ってイクフォードは自分達と君を見る。

イオス:「『こっち』のお前は随分とお人よしだな…気持ち悪いぞイクフォード。
レオードほどではないがな」 ふっと口元に笑みを浮かべる。

GM(イクフォード):「なーに言ってんだよ。オレはどこでも一緒だろ♪」
彼も口元に笑みを浮かべる。

イオス:「フローリア王女、この宝石をくれたお礼を言いたかった。ありがとう…」
刀にはまった宝石を見せる。

GM(フローリア):「…いいえ。イオス様がそれを大事に持っていたそれだけで私は十分ですよ」
彼女はその宝石を見て微笑む。

イオス:「そしてセクエンツィア。この世界でも、君だけは何も変わらなかった…」

GM(セクエンツィア):「…イオス様」 彼女は君を見て一言を。
「ありがとうございます」

イオス:「もしかしたら君は…いや、やめよう。本当の君に、言えるときがあるかもしれない…。
これこそ一番現実味が無いがな…」

己の見た夢への決別。イオスはその決意を確かな言葉として、その刀を手にし―――。

「まあ、そこそこ楽しかったさ。次はレオード抜きにしてくれ」

その刀に白炎を灯す。

「さよなら」

刀を、この世界に向けて、振るう。

“―――ぱきん”

瞬間。世界が割れる音を、立てた。
そして、同時に全ては――砕け散った。

GM:今、君の眼前には黒よりも深い虚ろな深淵のみが広がっている。
『へえ〜。自分から夢を斬るなんて、君って本当に馬鹿だね〜』
と、その虚ろな空間に響く声。

イオス:「馬鹿は承知の上だ。でなければレオードを倒そうなどとは思わん」

GM:『はははは!確かにねぇ!だけど……カーテンコールは、まだだよ』
そう言い終るや否や君の眼前にレオードの姿が。
それは、まさにあの時の『死の王』の雰囲気そのもの。

イオス:「さっきの気持ち悪いレオードも相当悪趣味だが、これもなかなかだな…」

GM:そのレオードは君を見下しながら言葉を放つ。
「イオス。言ったはずだぞ。『餌』の貴様に私を倒すなど、絶対に不可能だと」
その発言と同時に君の腕の刻印が“ずきりっ!”と鋭い痛みを放つ。

イオス:「ぐっ!」 この痛み、懐かスィー。

GM:痛みは君の刻印を紅く、紅く、紅く、染め上げていく。
やがて、君の腕からその死の刻印は鋭い生きた刃のようなものとなる。
“ぶしゃあああああああぁぁぁッ!!!”
いつかのように押さえられない無尽蔵の力が君の体中を駆け巡る。

イオス:「これまた懐かしいのが…出てきたな…」

GM:『はっはっはっはっ!どうだい?懐かしいだろう。
その力を再び、ここで発動すれば、君以外の者はあの時のように死ぬ。
さあ今度こそ、このテラストを滅ぼすがいいさ。君の仲間も一緒に…ね』
ペレリウスのその言葉に反応するように君の両腕の刻印から抑えられない力が動く。

イオス:「…焼き祓え!」 白炎を生み出し、生きた刃を包んで焼くぞ。

GM:『ああ、そんな事をしても無駄だよ』
君のその行動に対しペレリウスは愉快そうに笑う。
その言葉通りに生きた刃はびくともしない。君の中に溢れる痛みと力のみが広がる。

イオス:(駄目か…ならば…!)
刀を握り、目の前のレオードに斬りかかる。

GM(レオード):「言ったはずだ。お前では私は倒せない」
そう言って目の前のレオードは霧となり消える。

イオス:「くっ…!」

GM:そして君の中で刻印の力が限界を迎る―――。
だがその時、一人の人物の影が君の眼前に現れた。


◆幻想シーン フィリア〜そこにある夢〜
GM:気がつくとフィリア、君はベットの中にいた。
見覚えのある遠い昔の景色。そんな部屋で君は眠っていた。

フィリア:――ここは「どこだ……」

GM:ベットが起き上がり見た君の体は…7歳の少女だった。
「おや、起きたのかい。フィリア」

フィリア:「……だれ?」

GM:優しい声の持ち主。それは死んだはずの君の実の父だ。

フィリア:「とぉさま」 私の背中に、なんかある?

GM:めちゃくちゃあるよ(笑)
「やあ、おはよう。フィリア」

フィリア:「……おはよう、とうさま」 微笑んで父に抱きつこう。
「ねぇ、とうさま……」

GM:父は優しく君を抱きとめる。「ん、なんだい?フィリア」

フィリア:「へんなゆめを見ていたの」

GM(とうさま):「おお、そうなのかい。どんな夢だったんだい?」

フィリア:「ながい、とってもいやなゆめ」

GM(とうさま):「大丈夫だよ。フィリア、ここにはもうそんな物はないよ」

フィリア:「とうさま……」 父の胸に顔をうずめよう。
「だいすき」

GM(とうさま):君のその言葉に笑顔を浮かべる父。
「ほら、今日は遊びに行く約束だったろう。早速、行こう。フィリア」

フィリア:「うん!」

GM:優しい父に連れられ君は外へ出ることに。
そこは光差す綺麗な森。少し奥へ行った先には綺麗な湖がある。
そこで美味しい料理を食べ、湖の魚と戯れ、小鳥達も君へと懐いてくる。

フィリア:「わぁー」 目をキラキラさせて喜ぼう。

GM(とうさま):「最近はあまり遊んでやれなかったからね。今日は存分に遊んできていいんだよ」
そう父は笑う。

フィリア:「ほんと!」

GM(とうさま):「ああ、もちろんだよ。」

フィリア:「わーい!」 その辺を駆け回ろう。

GM:君は湖の美しさを堪能し、森の中へと入る。
少し森の中を歩いた先に綺麗な赤い色の果物がなっていた。とってもおいしそう。

フィリア:ジャンプして取ろうとしよう。でも、届かないな。羽をパタパタさせても、飛べない。
「あれ? あれ?」

GM:するとこつんと君の頭に果物は落ちてくる。

フィリア:「あいたっ」 落ちそうになった果物はキャッチしとく。

GM:真っ赤に熟したとても美味しそうな果物。

フィリア:「わぁー」 思わずかぶりつこう。

GM:君はそれをもぐもぐと食べる。けっこういける。
しかし、それを食べ終わった時にある事に気づく。

フィリア:「?」

GM:君の手が先ほどの果実の汁のせいだろうか。真っ赤に染まっていた。

フィリア:「あー」

GM:それはどこかで見た、真っ赤な紅の色。

フィリア:「あ。あ、……うぁ」

GM(とうさま):「…どうしたんだい、フィリア?」
と後ろから心配そうな父の声が聞こえた。

フィリア:「とうさまぁ」

GM(とうさま):「なにか、怖いことでもあったのかい?」

フィリア:「あー」 紅に染まった手を見せよう。
「よごれちゃった……」

GM(とうさま):「はは、仕方が無いなー。フィリアは」
そう君へ笑いかける父。だが、その時君は不意に気づいた。
父の向こうに知らない男の人が一人立っている事に。
どこかで見たような…しかし、それでも知らないような男の人が。

フィリア:「……だれ?」

GM(男):「……満足か。リザベラ」
その男は君を見て、そう一言を言う。

フィリア:「おじちゃん、だれ?」 首を傾げようか。

GM(男):「お前が知っていた者。だが、忘れた者。そんな記憶の断片の存在」

フィリア:「……?」 近くの父にしがみつこう。

GM(男):「…リザベラ。それがお前が選んだ答えなら私はもう何も言わない」

フィリア:「ッ! わ、わたし」

GM(男):「だが、それは本当にお前自身が選び決断した答えか?」

フィリア:「私は」 一拍置き「私は、……誰?」

GM:男はその瞳で君をじっと見ている。

フィリア:「……フィリア……リザ、ベラ?」

GM(男):「…それを選ぶのはお前だ。
夢のままの幸せなお前か。現実を知りそれを受け入れるお前か」

フィリア:「……」 父から離れよう。

GM(とうさま):「…フィリア?」

フィリア:そして、父――シュヴァルストの目を真っ直ぐ見よう。
「私は、フィリア。あなたの、娘です」

GM(シュヴァルスト):「…そうか」 彼はふっと笑みを浮かべる。

フィリア:「……羽の色は忘れました」

そう、彼女の背にあった羽は彼女の想像が生み出した幻想。そこに色はなかった。

フィリア:「父の顔も忘れました」

そう、彼女の後ろに立っている父。だが彼の顔には何もなかった。無面の表情の父。

フィリア:「覚えているのは、きれいだね、と言ってくれた声だけ」

ただ、父の声だけが彼女に届いていた。それは彼女が唯一覚えていた父の記憶。

フィリア:「でも……貴方……お父様のことは、覚えています」
手を差し出そう。

だけど、目の前にいるこの人(シュヴァルスト)だけは―――。

フィリア:手を、握る。ここまで育ててくれた人がくれた、剣を。

GM(シュヴァルスト):「――ああ、私の娘よ」
君の手には彼から託された剣が握られていた。
そう、その姿も7歳の姿から、本らのフィリアとしてのあの姿へと戻っていた。

フィリア:「ありがとうございます。お父様……私は、戦えます」
眼帯はしていない。必要ないから。両目で、父の姿を見る。

GM(父):「…よい父を持ったな。フィリア」
後ろから顔の無い父が君へそう言葉をかける。

フィリア:「えぇ。私は、良き父を二人も持てて、幸せです」
振り向かずに、目を閉じて。

GM(父):「フィリアよ。私は…お前に対しては確かに『良い父』だったかもしれない…。
だが、人はそれだけの面をもっているわけではない…」

フィリア:「それでも、貴方は私のたった一人の父でした。感謝しています」

GM(父):「…ありがとう」 君のその言葉を受け父は深い感情を込めそう一言を漏らす。
「だが、最後に言わせてくれ。―――すまなかった。全ては、私の、過ちだ」
そう言って、彼は言葉を終わらせる。

フィリア:「構いません。二人目の良き父に会えた。……これが、運命と言うのでしょう」

GM(シュヴァルスト):「フィリアよ」
目の前のシュヴァルストは君を見て一言を言う。「――行け、お前の道を」

フィリア:「はい」 しっかりと両目で父を見て、力強く返事をした。
「夢を見るのは、これでお終い。私は、現実の世界を歩きます」

鞘から剣を抜いき、彼女は自らが生んだまやかしの世界を――斬る。

「私は、私の道を!」

“――ぱきんっ――”

“がしゃああああああぁぁぁんッ!!!”

その一閃に呼応し、世界は砕ける。

目の前に広がったのは光の道。

そう、彼女が望んだ現実への道。

フィリア:羽はいらない。夢は十分見た。

思い出と、父から貰った剣を携えて。

その道を―――駆け出そう。


◆   ◆   ◆

GM:爽やかだったっ!(笑)

フィリア:最初、こんな爽やかなキャラになるとは。


 
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