第20章 震撼する世界

◆オープニングシーン3 〜護るべき人〜
GM:と言うわけでセレナス君の目の前ではベッドに寝かされているテナがいる。
あの戦いの後からわずか半日だが、その間にテナの具合はどんどん悪くなっている。

セレナス:「テナ……やっぱり、ダメなの?」

GM:君の隣りではレーネが必死で看病をしているが…成果はあまりない…。
その時、不意にベッドで眠っていたテナが苦しげな声を漏らす。
「……う、うう…ん。…セレにいちゃん……」
瞳をあけ、優れない顔色で君の方を見る。

セレナス:「!!テナ、具合は、どう……?」

GM(テナ):「…うん……すごくきつい…でもへいき……
…だってセレにいちゃんが…そばにいるから…えへへ…」
そう言って笑うけど彼女の表情からひどく辛そうなのがわかる。

セレナス:「テナ、すごく苦しそうだよ……お薬、飲める?」

GM(テナ):「うん…だいじょ…ぶ……テナ、ちゃんとひとりで…のめ…る…」
そう言って薬を取ろうとする手はひどく震えて、取れそうな雰囲気ではない。

セレナス:そっと手を添えて、飲ませてあげます…。

GM(テナ):「……ありがとぉ……セレにいちゃん……」
薬を飲み込んでテナは微笑んだ。
「テナ…セレにいちゃんのこと……好きだよ………」
微笑んだままそう呟き…彼女は気を失う。

セレナス:気を失ったのを確認すると、両目から涙が伝い落ちます。

GM(レーネ):「セレナス…。残念だけどこの娘、普通の方法では治療出来ないわ…」
辛そうな表情で君の姉がそう言う。
「この娘の身体に人為的に作り出された【魔王の呪い】が施されている。人為的とは言え
魔王の呪いによる負荷は肉体、魂共に焼ききれる程の激痛が今なお彼女の体を蝕んでる…。
このままだと一週間も保たないわ…」

セレナス:「ど、どうすればいいの?!姉さん!!」

GM(レーネ):「…あの敵の連中なら何とか生かしていける手段を知っているはずよ。
そうでなければ今までこうして生きてこられたわけがないから」

セレナス:「アドルさんはテナを本気で気遣っていたけれど
この状態をどうにかできるようには見えなかった……すると、もっとその先の…!」

GM(レーネ):「そうね…。四柱のリーダーを名乗るあのペレリウスか、あるいは死の王…」
そう言ってレーネは自分に刻まれた死の痣を見る。

セレナス:それを痛ましげに見ながら、「どちらにせよ、あと、一週間……」

GM(レーネ):「…セレナス」
君の名を呼びレーネは真剣な眼差しで君を見る。
「テナちゃんは私に任せて。貴方は貴方の護りたいもののために戦うのよ」

セレナス:「うん、僕は姉さんとテナを絶対に死なせはしない!
これ以上……僕のせいで、叔父さんのような事になるのだけは嫌だッ!!」

GM:君のその言葉に呼応するように傍らに存在した“絶斧(ゼロ)”がこれまでにない輝きを放つ。
その輝きは以前のそれを遥かに上回る輝き―――、
「…どうやら、その神器がお前を真の主と認めたようだな。セレナス」
とロトゥスが部屋に入ってくる。

セレナス:「おっさん!」

GM(ロトゥス):「ロトゥスだ。いい加減、殴るぞこら」 と君の発言に反応しつつも用件を伝える。
「まあいい、すでにイオスとリザベラの準備は出来ている。あいつらは下にいるぞ。
お前も奴らと行くつもりならば急ぐんだな。護るべき存在のために」

セレナス:「勿論だよ。姉さんとテナを絶対に、絶対に死なせはしない。
イオス君も、リザ姉さんも、そして、ロトゥスのおっさんもね」

GM:君のその発言にロトゥスは少し驚くが、すぐに微笑みを浮かべる。
「変わったな、お前は…いや成長したと言うべきか」
そのロトゥスの言葉にレーネもまた同意する。
「本当、セレナス立派になったよ」 言ってレーネは君の前に立つ。

セレナス:「姉さん……」

GM(レーネ):「セレナス。貴方の腰にある剣を渡してもらえる?」

セレナス:「うん、姉さん」 素直に手渡します。

GM:では、レーネはその剣を受け取り鞘から抜いて、その刃をそっと君の肩に水平に当てる。

セレナス:「?何を…」

GM(レーネ):「私、グラングーレ家正女レーネは汝、セレナス=リューネリオに
騎士・グラングーレの名を与え、その家督を継ぎ与えることを、ここに宣言します―――」
そう言い終えた後で剣を鞘に収め君へと捧げるレーネ。
「さあ、受け取りなさい。テラストの誇り高きグラングーレの騎士・セレナス=グラングーレ」

セレナス:「姉さん………いや、グラングーレ家正女レーネ=グラングーレ嬢。
僕は今この時を持って家名をリューネリオからセレナス=グラングーレと成し
今後はグラングーレの家督を継ぎ、グラングーレ家の存続、繁栄、そして、騎士として
テラスト国全ての民草の平穏を守る為命を賭す事をここに、誓います……―――」

GM:それを聞いたレーネは満面の笑みを浮かべる。
「うん、任せたわよ。セレナス―――」
そうして、君の手をぎゅっと握り締めてくれる。

セレナス:「姉さんっ……」
抱きつきたい衝動をしかし堪えて、両手に想いを託し、しっかりと握り締めます―――

GM:そう、もう今の君は子供だった君とはもう違う。
君はもう立派な「男」なのだから。

「行ってらっしゃい。セレナス」

姉の言葉を背負い、セレナス=グラングーレは神器“絶斧”を背負い歩を進める。

「行ってきます、姉さん。グラングーレの騎士として、誇りを持った闘争と、慈悲を、全ての敵味方に」


◆GMシーン 〜絶望を纏う幻惑の少年〜
北の大陸フォブリア。
そこはすでに魔族達の蹂躙と破壊を受ける黄昏の大陸として染まりつつあった。
その大陸の最果て、北の北の果て―――そこに死の王が支配する白く荘厳なる城があった。

城の最深部にて死の王の前に跪くのは、大陸の魔族達を統治する三人の人物『四柱』。

「それで、レオード様。あの『餌』は始末には誰を向かわせますか?」

愉快そうに銀の髪の持ち主の少年、四柱のリーダー・ペレリウスは目の前の王に問う。

「あいつらがここに来るのを本気で期待しているわけではないのでしょう?
だったら、せいぜいあいつらの苦しみもがく絶望の表情を見物して――」

「まずは貴様が行け。ペレリウス」

目の前で愉快そうに弁舌を綴るペレリウスを遮り、死の王は眼前の少年に勅命を下した。

「…僕が?」

「そうだ。そして、そこで貴様の“役割”を果たせ」

「………」

レオードのその言葉に何かを悟ったのかペレリウスは口を紡ぐ。

「……ふ、ふふふ…っ」

しかし、やがてそれは笑い声へと変わり、この空間全体に木霊する。

「あはははははははッ!!
いいよ、それじゃあ遠慮なく僕が行かせてもらうよ」

立ち上りペレリウスは静かにその身に虚ろなる闇を纏いて始める。
やがて次第にその輪郭がぼやけ、彼の姿は消え始める。

「全ての希望が死に絶え、絶望の幻惑に死んでいくあいつらの姿を
愉しませてもらいに…ねっ」

その顔に歪んだ邪悪な笑みを浮かべ
ペレリウスはイオス・リザベラ・セレナス三人を葬るべく出陣を開始する。

◆ミドルシーン1 〜震撼する世界〜
GM:すでにヴァルムオンド邸のあった場所を旅立って三日ほど、君達は北を目指している。
途中、何度も魔族達の襲撃を受けましたが、もはやそんなもので君達の歩みを阻む事は出来ない。

リザベラ:所詮はペレか?ってあと4日?!

GM:そんな風に君たちが歩いているとテラスト王国の領土に差し迫った。

イオス:って、テラスト王国の領土ってやばくないか…?

リザベラ:ヤバいよね。

GM:ここをもう少し歩けばテラスト王国の首都が見える距離に近づくだろう。
だがそんな君達の眼前に見慣れた――だがある種、これまでとは少し異なる光景が現れる。
それは数匹の魔族の姿だったのだが。その魔族に追われている一人の女性の姿がある。

セレナス:テラスト王国を蹂躙する魔物は容赦せん!

GM:さすがはグラングーレの騎士!(笑)

リザベラ:女性……。さっきペレが出てきたからPL的にはとっても疑心暗鬼。

イオス:同じく。

GM:だろーね(笑)

セレナス:Σ

リザベラ:でもPC的には助けるだろう。カバーリングのためにセレナスに同行しよう。

GM(魔族):「けーへへへっ!ここでオレ様たちに会ったのが運の尽きよ!娘!
身包みはいだあとで××して××して〇〇してやるよー!きょへへへへっ!!」
ちなみにセクエンツィアさんはその光景を見て、おろおろしている。

イオス:ここは率先して助けてください、グラングーレの騎士。

セレナス:「まぁてまてまてー!北に魔物がいると聞けば飛んでいって返り討ち
南にいると聞けば飛んで行って返り討ち
私の目の白いうちは婦女暴行なんぞ許しはしぃーねぇー!」

GM(魔族):「んっ?!な、なんだ!てめーは!!……ってなんだガキかよ」
突如現れた君の姿を見て、しかし魔族は興味なさ気に手を振る。
「ほら、坊主。良い子はうちに帰りな。しっし!」

セレナス:「そこな魔物ー!テラスト王国騎士、セレナス=グラングーレだ!
この国で悪行なんて許さないぞ!!」 ちっちゃくてもすごいんだよっ!

GM(魔族):「な、なにっ?!お、お前騎士か?!」

リザベラ:とりあえず演出?だったら一閃。

セレナス:「分かったらそこのおねーさんを置いてとっとと国に帰って親孝行でもしなさい!
このごくつぶし!」

GM(魔族):「ちぃ!だったら容赦しねえぞー!きえええええッ!!」
と言ってセレナスへ飛び込もうとしたところをフィリアの一閃で真っ二つ(笑)

リザベラ:「大丈夫か、セレナ」

GM(魔族B):「お、親分!こ、このやろう―――ッ!!」 と残りが一斉に(笑)

リザベラ:魔族たちがセレナスに攻撃するならカバーリング。自分に攻撃するなら不動。

GM:魔族ともの攻撃をあっさり防ぐフィリア。かきーん(笑)
「な、なにいいぃ?!!お、オレたち、暗黒の牙の攻撃がッ!!」

イオス:「面倒な…焼き祓え!」 密集したところに白炎を撃ち込む。

GM(魔族共):「うぎゃー!もうだめだー!!」どかーん。

なんやかんやで魔族達の撃退に成功したPC達のもとへ
先程、魔族達に追われていた女性が近づいてくる。

GM(女性):「すまない、助かった。礼を言う」
とその女性は礼儀正しい雰囲気でそう一言を言う。

イオス:無視してさっさと歩きだすぞ。

GM:女性は金の髪をしたショートヘアーであり、顔立ちはかなり綺麗な部類に入る。
ちなみにイオス君はこの女性になにか見覚えがある気がする。気のせいかもしれないが。
「…お前達、これからテラスト王国へ行くのか?」
と女性は歩き出そうとする君達にそう問い掛けてくる。

イオス:むしろ何で来てしまったんだ!

GM:ここを抜けないとレオードが待つ最果ての北にいけないから(笑)。言わば通り道です。

リザベラ:「通り道でな。目的地はその向こうだ」 と言っておこう。

GM(女性):「そうか、ならば私も同行を頼みたい。私はテラストへは向かう途中だった。
お前達は通り道でテラストの首都近くまで行くだろうから、そこまで同行させてもらえないだろうか。
無論迷惑をかけるつもりはない」 と礼儀正しい姿勢で君達にそう頼む。

セレナス:「テラストの騎士としては、女の人一人置いていくわけにはいかないけれど…」
女の人が一人でも出歩ける国づくり大事、すごく大事。

GM(女性):「ふふ、小さいけど君は確かにあのグラングーレの騎士なだけはあるね」
と女性はセレナスを見て笑顔を浮かべる。

リザベラ:「……知り合いか?」

GM(女性):「グラングーレの名くらいは知っているよ。テラスト最高の騎士の名だからね。
…それで同行の件はいいかな?」

イオス:何か見覚えのある点についてここで思い出しておかなければいけない気がしてきた…。

リザベラ:見覚え……うーん。

セレナス:「イオス君とリザ姉さんがいいなら、僕は連れて行かなきゃいけない」

リザベラ:「好きにしろ」 セレナスに背を向けるよ。見るのは北の方角。

GM(女性):「…そちらにいる御方はいいかな」 そう女性はイオスを見る。

イオス:「構わん」

GM(レセリア):「感謝する。私はレセリアだ。短い期間だがよろしく頼む」
とレセリアと名乗った女性は簡潔に紹介をして君たちと同行をすることに。

イオス:まあ、ペレ子の変装だったらもっと直接的な相手に化けてるよね。

GM:そして、レセリアはちらりとイオスの顔を見てつぶやく。

「イオス…ヴァルムオンド……。」

◆   ◆   ◆

イオス:後ろから斬られそうだ。

セレナス:ひどく嫌なコメントで切れたー?!(笑)

GM:さてさて吉と出るか凶と出るか(笑)

イオス:とりあえずそのお嬢さんを近づけるな。


 
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