第8章 死の刻印

●PC1オープニング・シーン4 〜死の刻印〜
リザベラ:さっきの重要ワードだ。

GM:君がそう宣言したとき、上空よりぽっかり空いた穴から魔族達がこの都へ進行してくる。
ちなみに君は両腕の疼きが尋常じゃなく痛み、ほとんど動けないほどだ。
「―――イオス様!」そう言って駆け寄って来るのはセクエンツィアだ。

イオス:「近づくな!危険だ!」

GM:「で、でもっ!」逡巡するセクエンツィアに対して不意に始めて聞く男の声が耳に入る。
「その通りだ。そいつに近づくな、娘」
通路の奥から聞こえたその声。見るとそこから現れたのは褐色の肌をした一人の戦士。

イオス:うわ、出た。

GM:「…くっ、もう発動しかかっているか!」君の姿を見てその男は舌打ちする。
「覚醒する前に―――殺すッ!!」

イオス:げっ!

GM:男は地を蹴って君へ向かってくる。その瞳には何のためらいも無い。
だがその瞬間。褐色の戦士は後方より放たれた爆光が男の背中に命中し
男は大きく身体のバランスを崩す。
「…ぐッ!何者だッ!!」
褐色の戦士が後方を見ると、そこから現れたのは――君の友・イクフォードだった。

リザベラ:これは予想外。

GM(イクフォード):「悪いな。そいつを殺させるわけにはいかないんだ」
いつもの軽口でイクフォードが言う。

イオス:「遅いぞ…馬鹿野郎…」

GM:「…邪魔をするなら、貴様から斬る!!」言ってイクフォードへ向かっていく男。
だがそんな男の行動に慌てる様子もなくイクフォードは掌にて生み出した光を男の方へ向ける。
「おっと。悪いけどここはちょっと黙ってもらうぜ」
そう言ってイクフォードから放たれた光に包まれた瞬間、褐色の戦士の姿が消えていく!
「―――しまッ」

イオス:本当に何者だこいつ…。

GM:その言葉を最後に、褐色の戦士は姿はこの場より消えた。
「よお、イオス。どうやら、発動したみたいだな」
イクフォードはいつもと変わらず飄々と君に近づき聞いてくる。

リザベラ:なんで知ってんだよ

イオス:「その口ぶりからすると…この痣のことを知っているらしいな…」

GM(イクフォード):「ああ、そいつは《魔王の呪い(サクセサー・オブ・サタン)》の一つ。
《死の刻印(タナトス・スティグマ)》だ」

イオス:「《魔王の呪い》…。魔王の力を受け継ぐ烙印か…」

GM(イクフォード):「でよ。こんな状況でなんだけど。オレ、今からお前の使用人やめるわ〜」
とアッサリ言うイクフォード。

イオス:「…お前何を言っている」

GM(イクフォード):「なあ、イオス。お前、レオード様を超えるって言ったよな。
悪いけど、そいつは無理だぜ」

イオス:「なっ――!」

GM:「お前は自分から『弱点』を作ったんだよ。『人との繋がり』って言う弱点を」

イオス:「貴様に何がわかる!!」そのセリフは見過ごせねえ。

GM(イクフォード):「お前はオレとセクエンツィアに心を許した。
だからこそ、お前はオレ達に油断を見せた。
信じることは裏切られて傷つく事と隣りあわせなんだよ」
いつもとは違う冷たい口調でイクフォードは語る。
そしてその瞬間、君の両腕に真紅の刻印が完全に刻まれる!
“――どくん”とそんな鼓動音が君の中に響く。
「さて、と。これで完成だな、お前の<死の刻印(タナトス・スティグマ)>。
これから先、お前は罪を背負う事になる。それをどう受け止め、生きていくか。見させてもらうぜ」

イオス:「やかましい!貴様は考えたことがあるか!力を得るほど、己を高めるほど、
奴に近づくほど削られる自分自身を!自分が第二のレオードになるのではないかという恐怖を!
人との繋がりは、俺が俺である証だ!たとえこんな烙印を刻まれようとだ!!」

GM:君のその言葉に対しイクフォードは笑みを浮かべる。
見るとイクフォードの後ろにはこの城を襲っていた無数の魔族達が存在し、その頭を垂れている。
「ははっ。お前らしいセリフだな。まあ、そう思うんならその道を貫いて見せろよ。
最後にオレの本当の正体を教えておいてやるよ。
この大陸の魔族たちを統べる『四柱(テトラード)』の一人、イクフォード=ゼオルデスだ」

リザベラ:三人目!?

GM(イクフォード):「じゃあな、イオス。今回はお前の刻印が刻まれたのを確認できれば
オレの任務は終了だ。けど次に会った時は敵同士、だぜ」

イオス:「いいだろう…」

GM:その瞬間、君の両腕の刻印から“ぶしゃあああああッ――”と
異形の形をした無数の紅い刃が生える。それは全長100m以上へと変貌し、無数に枝別れて行く。

イオス:げえっ!ボスキャラみたいになっちったい!
「がああっ!」

GM(イクフォード):「おっと…巻き添えを食わないうちに消えるわ。じゃあな、イオス」
そう言ってイクフォードは姿を消す。
「イオスさ―――」とそれと入れ違いのように君の隣りにいたフローリアが。

イオス:「逃げろッ!!」

それはイオスが本能的に感じた自らの力への恐怖。それに対する警告だった。
だがそれを行なうにはあまりにフローリアとの距離は近く。
あまりに己から生まれた力は強大過ぎ、そして…。

“どすっ――”

GM:その瞬間、君は肉を切り裂く感触を腕の刻印から感じた。:
「―――え」
見ると君の腕から生えた真紅の刃がフローリアの身体を貫いていた。

イオス:「フローリア王女ッ!!」

GM:そして間髪入れずに“ぐしゃああぁ!!”と続けて生えた真紅の刃が
フローリアの身体を無数に刻み殺していく。
いや、フローリアだけでなく君の腕から生えるそれは周りの、
この城にいるの全ての生きている者へ襲い掛かる。

イオス:えっと、何か行動できる…?

GM:ううん。無理だよー(笑)

イオス:ぎゃーす!

GM:「ぎゅああああああぁぁ!!な、なんだこ―――」
“どすぐしゃげきどすどしゃ―――”
君の意思とは無関係にその刃は城中にいる全ての人間を惨殺する。

イオス:やばい、やばいって!

GM:やがて、君の刻印が眩い紅い輝きを放ち――!

そしてその瞬間、王城は―――この世から消滅した。

イオス:いきなり規模がでかい!

GM:そして、次に目を覚ました時。君は瓦礫の山に立っていた。
辺りは血と肉片と死体の海と化している。見ると君の足元には幼い子供の死体まであった。

イオス:「そんな…何だ…これは…」腕は…?

GM:腕は元に戻っている。そして先ほどまであったざわめきも治まっている。
ただし、しっかりと刻印は刻まれているが。

イオス:「そうだ、セクエンツィアは?!」

GM:ぱっと見はいないね〜(笑)
そうやって声を上げると君を囲むように生き残った兵士達が出てくる。ざざッ!と。
「…き、貴様…!よ、よくも…よくも俺達の国を!友を!息子をぉぉッ!!」

イオス:「俺に近づくな!早く逃げろ!
俺を恨んでもいい!憎んでもいい!早く逃げて生きろ!またいつ発動するかわからない!」

GM:「……イオス=ヴァルムオンド」
と、君の背後から現れるのはこの国の王・ジルナウスU世。
その手にはフローリアの服の破片を握り締めている。

リザベラ:あ、王様死んでなかったんだ

イオス:「陛下、早く逃げてください…」

GM:「…先ほど、お前はそれがいつ発動するか分からないと言ったな。
ならば、それが発動する前に貴様を殺せばいいことだ」とハッキリと宣言する。
「イオス=ヴァルムオンド!!貴様を処刑するッ!!」
そのかけ声と共に君の周りにいた兵士達が君へ向かっていく―――!


●PC2シーン 〜刻印者との邂逅〜
GM:「かかれ――ッ!!」国王のかけ声と共にイオスへ襲い掛かる無数の兵士達。

イオス:で、そのまま何も無ければ《光の衣》使って飛んで逃げるけど。

GM:しかしその場に現れるのは金髪の白き戦乙女。

リザベラ:イオスに襲い掛かろうとした兵士たちの内、一人にを殴り飛ばす。

GM:「ぐおっ!!」どごっとその男は倒れる。

リザベラ:「ナハトノーブル……お前がイオス=ヴァルムオンドか?」

イオス:「そうだ」

GM:「貴様っ、何者だ!」とジルナウスU世が突如現れた君へ問う。

フィリア:歩いてイオスに近づきなら「シュバルストの剣、と言ったほうが早いか?」陛下に言う

GM(国王):「…っ!エデンが何故、その男を庇う…!」

リザベラ:「主に護衛を命じられただけだ。
イオス=ヴァルムオンドに害をなすつもりなら、一国の王であろうと殺す」

GM(国王):「そいつが何をしたのか、貴様は分かっているのか!!」

リザベラ:「この男が何かしたのか?」

GM(国王):「…見よッ!!この惨劇を!!これは全てその男がやった事だ!!」
周りの瓦礫とそこに渦巻く死体を国王指し叫ぶ。

リザベラ:「そうか」

GM(国王):「…それでも庇うと…言うのか」

イオス:「お前がどんな事情でここにいるのかは知らん。
だが、俺のことは放っておけ。お前まで被害をくらうぞ」

リザベラ:「主の命は『イオス=ヴァルムオンド。彼をその命の限り守り通せ。例え、奴がどのような人物
でどのような人物から狙われても、だ。』…一言一句、正確に伝えたぞ?」

GM(国王):「…よかろう。ならば貴様もわが国の――『敵』だ!!」

リザベラ:「構わん」

GM:国王がそう宣告すると同時に君達を取り囲んでいた兵士達の一角が突然倒れ出す。
「うわああああぁぁ!!」という悲鳴と共に。見るとそこにはあの褐色の戦士の姿があった。

イオス:「また殺しに来たのか、ウォーレムの戦士」

GM(褐色の男):「いや、もはや状況が変わった。
お前を殺させるわけにはいかなくなった。イオス」

リザベラ:「敵ではないのか」

GM(褐色の男):「こっちへ来い。他の道は生き残った兵士達がいる」

イオス:「どうやらついていくしかないらしいな。今、この刻印の手がかりはお前だけだ」

リザベラ:「護衛対象。なんと呼べばいい?」イオスに聞くよ

イオス:「好きに呼べ、別に何でも構わん。お前の意思で決めていい」

GM(褐色の男):「早くしろッ!ぐずぐずするな!!」と褐色の戦士の怒声が聞こえる。

イオス:ではそう言うと褐色の戦士の方へ走っていく。

リザベラ:「……」何も言わず追う。

GM:「くっ!待て!!」と後ろから王の声。

リザベラ:《真空斬》。王に攻撃(笑)。

イオス:斬るな。

GM:斬るな。本当に犯罪者になるぞ(笑)

リザベラ:敵と宣言したんだ。足止め程度をして置こうかと。

イオス:ほっときゃいいだろうが。どうせ追いつけはせん。

GM:ではとりあえず、君の真空斬により瓦礫が舞い上がり君達を見失う王。
その時、王の後方の瓦礫ががらりと起き上がる。
そこから現れたのはなんとセレナス君!(笑) と言うわけで出番です。

イオス:逃げ遅れた!

セレナス:「ぅー……なんですかー?」

GM(国王):「…貴様は確か、騎士団長の息子のセレナスと言ったか。」
王はセレナス君の方へ向き直る。「丁度良い。騎士へ任命されたお前への初命令をやろう」

セレナス:「王様、ご無事なのはいいのですが、こゆ時はまず自分の身を守らんと
城がなくても国は成り立つけど、王様がいなかったら国になりませんよ?」

GM(国王):「私のことは今はいい。そんな事よりもさきほどの大逆人・イオスと
シュヴァルストの剣、そして褐色の戦士の討伐をお前に命ずる!!」

セレナス:「…それは騎士団長の命令よりも、自分の親の仇よりも優先すべき命令ですか?」

GM(国王):「当然だ。奴のような危険な存在は世界へ災いを招く。
それを消すのは何にも勝る最重要命令であろう」

セレナス:「…少なくとも、褐色の戦士は了解しましたわ」
と、年齢不相応にぎらついた視線を向けます。

GM:では、場面が変わって町の外。
そこでは褐色の戦士につれられるイオスとリザベラ二人の姿が。
そして、褐色の戦士が案内したそこには数人の仲間の姿もあった。
「…とりあえずは一刻も早くこのテラスト王国から離れるぞ」
そう褐色の戦士は君達へ告げる。

イオス:「わかった」

セレナス:ギギギ

GM:(褐色の男):「……む。殺気。誰だ!」と褐色の戦士。
と褐色の男が向けた先から現れるのは大きな斧を持った一人の少年。

リザベラ:眼帯取るよ。

セレナス:「…グラングーレという名に覚えはありませんでしょか?」
斧を背負ったまま一同に問いかけます。

イオス:「しばらく見ない間に変わったな。
お前はそんな斧を振り回すような奴じゃなかったはずだ、セレナス」

リザベラ:「テラスト王国の騎士団団長。そのファミリーネームがグラングーレ、だったか?」

GM:「…貴様、あの時の屑か」褐色の戦士が反応する。

セレナス:「…おお?僕はさっぱり顔覚えとらんのに、感謝感謝ですわ。
……姉さんを何処にやったか、その命を秤に掛けた上で教えてほしいんですわ。
イオス君も、こんな形で再会するなんて思ってもみなかったわ……。
人間、年は取りたくないなあ。誰ぞの命がどうこうという話も尽きないし、ホント敵わんわ」

リザベラ:「護衛対象。知り合いか?」

イオス:「学院時代の同期だ」

リザベラ:「そうか」

GM(褐色の男):「…まさか、貴様がエルドラード様の神器を受け継ぐとはな」
褐色の戦士はセレナスが手に持つ斧を見つめ、そう呟く。

セレナス:「おっさん、アンタに話してほしい事は姉さんの居所だけなんだけどねぇ。
僕にとっちゃこの斧が神だとかなんだとか、どうでもいいんですわー」

GM(褐色の男):「…ふんっ。知りたければあの時と同じようにして見せろ」
褐色の戦士が前に出る。

セレナス:「もうおっさんも年やろし、あまり動かなくてええんのんに…」

GM(褐色の男):「訂正するぞ。オレはおっさんではない」

イオス:「おい、今はここから離れることが先だろう」
と褐色の戦士に言う。

GM(褐色の男):「…すまないが奴とは個人的な因縁がある。少し剣を交えさせてもらう」
そう言って褐色の戦士があの時のように君のほうへ向かってくる!

セレナス:斧を振り下ろさずに、真正面に突っ込んでいきます。

GM(褐色の男):「屑が!正面からオレに勝つつもりか!」剣を一閃。

セレナス:「僕はテラスト王国騎士団団長サルード=グラングーレが嫡子
セレナス=リューネリオだ!!」鍔迫り合いの要領で斧を振り下ろします。

GM(褐色の男):「――ッ!!」
その反応に少し遅れ、斧の衝撃に後ろに吹き飛ぶ褐色の戦士。だが、それで彼も終わらない。
「――なめるなよ!屑が!<紅蓮(サラマンダー)>!!」とあの時の紅蓮の炎を放つ!
しかし、その瞬間、君の持つ斧<絶斧(ゼロ)>が輝く。

セレナス:「?!!」

GM:<絶斧(ゼロ)>は褐色の戦士の放った<紅蓮(サラマンダー)>を
打ち消し無(ゼロ)へと変えた。

リザベラ:だからゼロ、か。

GM(褐色の男):「――しまった!それが<絶斧(ゼロ)>の“発動”かッ!!」

セレナス:「…はっ!なんか知らんけど便利な武器だね!
今まで散々熱さに耐える特訓してきったっていうのに!」

GM(褐色の男):「――いつまでも調子に乗るな!」
そう言って駆け出そうとする褐色の戦士に対して女性の声が響く。

「もうそこまでで十分よ!ロトゥス!」

この場に響き渡った女性の凛とした声にセレナスは聞き覚えがあった。

イオス:おお、もしかして。

セレナス:「……え?」

GM:見ると後ろにいた黒いフードに身を包んだ一人がそのフードを取る。

そこに現れたのは――かつてセレナスが奪われたはずの大事な女性。姉・レーネだった。


 
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