第3章 父という名の鎖

●PC1オープニング・シーン2 〜父という名の鎖〜
GM:あれから四年――。
君はセレナスと共に学園長室でパルティアさんの前に立っていた。
「二人とも、卒業おめでとう」
そんな爽やかなパルティアさんの笑顔(笑)

イオス:「まさか卒業まで一緒になるとはな…。不覚だ…」
イオス君としては早々にぶっちぎると思ってたらしい。

セレナス:「どもありがとうございますー♪イオス君、成績じゃ敵わなかったけど、面白かったよー♪」

GM(パルティア):「本当に最後まで君達は仲良しだね〜♪」

セレナス:「いやー、照れるなあ♪」

GM(パルティア):「ま、とにかく卒業の証としてこれを受け取ってくれ」
そう言って君達に銀色の勲章をそれぞれ渡す。
「その『銀の勲章』があれば、大抵の国では君達を大いに迎えてくれるだろう。
それは君達の優秀な証そのものだからね」

セレナス:「これで姉さんと叔父さんに顔向けできるわー!ありがとうですわ、校長♪」

GM(パルティア):「いやいや、これも君の努力の末だよ。セレナス君」

イオス:セレナスに「お前の努力は認める。どんな形であれ信念が無ければ
ここに立つことなどできなかっただろうからな」とだけ言う。

セレナス:「そう言われると照れるなあ〜、まあ、一番取れなかったのは心残りだけどね♪」

イオス:「そこまで譲る気は無い」

GM(パルティア):「まぁ何にしても君達と一緒に学園生活が送れて私も楽しかったよ。
二人はこれから故郷に戻るのかい?」

セレナス:「そのつもりですわー、贈りたいものと返さなきゃいけないものがあるのでね♪」

イオス:「はい、まだ己に足りないものは沢山ありますので」

GM(パルティア):「なるほど。まあお互いの道はあれど、これまで歩んだ道は大事な想い出だよ。
この学園での経験をこれからの道に活かしてくれたまえ」

セレナス:「はぁーい☆」

GM(パルティア):「それでは。元気でな、二人とも。」とパルティアさんは笑顔を浮かべて言う。

イオス:「はい」

セレナス:「ありがとうございましたー♪」

GM:その挨拶と共にイオスとセレナスは学園を旅立ち、別れる事となった――。

そしてやがて、最悪の再会の時が訪れる事をこの時の二人は知らなかった…。

◆   ◆   ◆

GM:と言うわけでイオス君はようやく自分のあの屋敷の前まで戻ってきました!

イオス:「懐かしいな」と呟く。

GM:館の前には君の帰りを待っていた一人のメイドの姿がすでに見える。

イオス:ゆっくり歩きながら、すうっと息を吸い「ただいま」と言う。

GM:そのメイド、セクエンツィアは君の姿を見て君に笑顔を浮かべて言う。
「おかえりなさいませ!イオス様!早速お荷物、お持ちしますね!」
と言っていそいそと君の荷物を持ち出す。

イオス:「それではこれだけは取り出しておこうか」
と、荷物の中から封筒の束を取り出す。在学中にセクエンツィアから送られてきた手紙。

GM(セクエンツィア):「や…やだ、イオス様。全部、持ってたんですか」少し頬を染める。

イオス:「当然だ。大切な思い出を万に一つでも処分されてはかなわんからな」

GM(セクエンツィア):「そ、そんな…。私の手紙なんかを大事だなんて…ありがとうございます。
イオス様」 笑顔を浮かべる。

イオス:「これには随分と励まされた」こちらも、ふっと微笑む。

GM(イクフォード):「――よう!帰ったなー!イオスー!」
と今度は君の上から聞きなれた明るい男の声が。
見るとそこには樹の上で昼寝していたイクフォードの姿が。

イオス:「全く変わってないようで安心したぞ」

GM:イクフォードは樹から飛び降りて君の前まで来て言うね。
「お前も変わってないようで、オレも安心したぜ。ご主人様♪で!お土産はどこだ!」
イクフォード
フィリア:イクフォードにもイラスト用意してあったんだ…。

GM(イクフォード):「オレ、こう見えても重要キャラなんだぜ〜♪ …多分な」

イオス:「そんなものはない。旅行に行ってきたのとは違うのだぞ」
あとPCへの発言に対してメタなことを言うな。

GM(イクフォード):「ちぇー。つれないな〜。まあ、久しぶりに三人揃ったんだし!
庭でお茶しようぜ♪セクエンツィアちゃん!お菓子頼むなー♪」

イオス:ではイクフォードにだけ聞こえるように耳打ちする。
「そんなに物が欲しければこれをやろう。いつの間にか荷物に紛れていた」とリストバンドを渡す。

GM(イクフォード):「は?なにこれ?」

イオス:「学園にセレナスという女の子がいてな、その子が使っていたリストバンドだ」
これも耳打ちする。

フィリア:セレナスのパクったのか…。

セレナス:腹黒い(笑)

イオス:本当にいつの間にか荷物に紛れていた。

GM(イクフォード):「マジかよ!さすがはオレのダチだぜ!サンキュウー♪」
滅茶苦茶喜んでその場でリストバンドをする(笑)。

イオス:(変わったな…俺も…)

GM(セクエンツィア):「くすくす…それでは、私はお茶のご用意をしますね」
笑いながらセクエンツィアがそう言う。
「おおー!頼むぜー!セクエンツィアちゃん♪」とイクフォードは上機嫌で返す(笑)。

イオス:あ、そういえば手紙のやりとりしてたからセクエンツィアはセレナスが男だって知ってるなぁ。

GM:イクフォード以外知っていると言うこの事実(笑)
まあ、何にしても久しぶりに帰った君は温かい歓迎を受けた。

イオス:それは安らぐだろうなぁ。

GM:うん。だけど、その温かな日々はすぐに打ち破られる事になる。
君の帰還から一週間後、君の父レオードが館に帰ってきた。
どうもここ最近、どこかへ出張していたらしい。

イオス:ほう。奴も変わってないな。

GM:で、君の部屋へイクフォードが入ってくる。
「おーい。イオス。レオ―ド様がお前を呼んでるぜー」

フィリア:何事…。

イオス:「……おい、今何と言った…」

GM(イクフォード):「レオード様がお前を呼んでるって言った♪」ウインクを一つ。
あの人もとうとうお前の事を認めって事だろ、これはよ!」

イオス:「そんな馬鹿な…」
本当に信じられないという顔をする。

GM(イクフォード):「はっはっはっ!オレもびびったよ〜!
さすがは銀の学院を主席で卒業しただけはあるぜ!ほらっ、さっさと行けよ」

イオス:「あ、ああ…」
まだ信じられないという顔をしているが、とりあえず部屋へ向かおう。

GM:では扉の前で君のノックに対し「…入れ」というレオードの声。
扉を開けた先には君の父・レオードがいつもの冷たい雰囲気のまま立っていた。

イオス:「どういう風の吹き回しだ…」

GM(レオード):「…一週間後、テラスト王国へ行け」

イオス:「テラスト王国へ…?何故だ」

GM(レオード):「テラスト王国国王・ジルナウスU世の娘、第三王女フローリアと
貴様の婚礼が行なわれる」 いつもの冷たい口調のまま、ハッキリとそう告げた。

フィリア:でた。政略結婚!

GM(レオード):「テラストとの血縁が出来れば、私のこれからの動きもやりやすくなる」

イオス:「石ころから道具へ格上げか…? ふざけるな!!」

GM(レオード):「話しは以上だ」 君のその発言に反応する事なくそう言って背を向ける。

イオス:「断る!」 こちらも背を向けて部屋を去る。

GM(レオード):「断わる?」 その言葉に不意に反応するレオード。
「誰が貴様に選択肢を与えた。私は『命令』をしたんだよ。
貴様に拒否権などは無い。行ってもらうぞ」

イオス:「選択肢が無ければ切り開くのみだ。
そうでもなければ貴様を超えるなど考えもしなかっただろうさ」

GM(レオード):「…まさか、これほどの出来損ないだったとはな」
そう言うや否やレオードの姿が掻き消え気づいた時、君はレオードに喉を持たれ中空に浮いていた。

イオス:「がッ?!」

GM(レオード):「超えるだと?貴様の戯言に付き合っている暇は生憎私には無い。
そこまで言うのなら選択肢をやろう。ここで死ぬか。テラストへ行くか。選べ」

イオス:「お前の道具であることを…選ぶ気は…無い…」

GM(レオード):「……セクエンツィアと言ったか。あのメイド。
道具である事を拒否するのは自由だ。だが、貴様がそうする事で別の人間が苦しむ事になるな」

イオス:「貴様ァ…!」

GM:レオードは掴んでいた手を離し、見下すように君へもう一度宣告する
「一週間後、テラストへ行け。用はそれだけだ」
それだけを言い終え君に背を向け、扉を閉める――。

イオス:血が滲むほど拳を握り、噛み切った唇からも血が流れる。

GM(イクフォード):「……イオス」気づくと君の後ろには沈痛な表情のイクフォードの姿が。
「…セクエンツィアちゃんには何て言う…?」

イオス:「何も言うな…。何も…させない…。たとえレオードであろうとも…セクエンツィアには…」

GM(レオード):「…そっか。…とりあえず、今日はもう休めよ」 そう言って彼は君を気遣う。

イオス:「ああ…こんな顔は誰にも見せられそうにない…」
憎悪の顔を伏せ、イクフォードに背を向けて歩く。

GM:ではそう言って部屋の前まで来るとそこには偶然にもセクエンツィアの姿が。
「あ!イオス様!いま、丁度イオス様のお部屋の片付けが終わりましたよ〜!」
そう明るく君へ話しかける。

イオス:「ああ、そうか。ありがとう…」
顔を伏せたまま、その横を通り過ぎようとする。

GM(セクエンツィア):「…あ、あの。どうかしたんですか?」
と心配そうに君の顔を覗き込もうとする。

イオス:それを手で制し「なんでもない…気にするな」

GM(セクエンツィア):「……そう…ですか」
君の雰囲気の異変に気づいてか、そう一言言ってしばらくの沈黙の後
「―それじゃあ、私は他の部屋の掃除に行きますね!」
と無理に明るい笑顔を浮かべて君の傍から去っていく。

イオス:「ああ…」
こちらも部屋に入ろう。

GM:さて。では、ここで一つ聞いておこう。
次のシーンでは遠慮なくテラストのシーンになるわけだが。
本当にこのまま何も告げずにいくのかい?
あと一週間あるから、作りたいシーンや、やりたい事とかあったら言ってくれていいよ〜。

イオス:いやぁ、実はレオードがイオスに無関心なのをいい事にセクエンツィアも
イクフォードもこっそり連れて行こうかと。

GM:なるほど。一緒に行くと言う事ですか(笑)。

セレナス:レオ様館に一人ぼっち(笑)

GM:まあ、この館は使用人とか無駄にいるから(笑)
ではとりあえず、あれから5日後ほどのシーンでも。君の部屋にイクフォードが入ってくる。
「よー。テラストへ行く準備は進んでるかー?」

イオス:「今度ばかりはそんなに軽い口を叩いてはいられんぞ」

GM(イクフォード):「だなー。でもよ、吉報があるぜー」

イオス:「吉報?」

GM(イクフォード):「オレもお前の専属使用人としてテラスト行きが決定したぜぃ♪」

フィリア:お前かよ。

GM(イクフォード):「オレだぜ♪」

フィリア:てかNPCがプレイヤー発g…あーやめとこ。

イオス:「そうか、毛布は一枚で済みそうだな。随分と動きやすくもなる」

GM(イクフォード):「おいおい、そりゃねーぜ!イオスー」

イオス:「…?何を勘違いしているんだ。俺のための毛布でもお前のための毛布でもない」

GM(イクフォード):「へ?じゃあ誰のだ?」

イオス:「わからんのならわからんままでいい。
出発前日はテラストへ行く準備を手伝ってくれ、徹夜になるかもしれん」

GM(イクフォード):「何だか分からんが、分かったよ。オレに任せとけー!」

◆   ◆   ◆

GM:と、そんなこんなで出発前日のシーン。
「おーい、イオス。こっちは準備できたぜー」 とイクフォードが部屋に入ってくる。

イオス:えっと、いきなり夜でOK?

GM:うん、任せる。どうぞ(笑)

イオス:「では裏庭に用意してある馬車で待っていてくれ」

GM(イクフォード):「うん、ああ。了解〜♪」
そう言ってイクフォードは窓から飛び出していく。

イオス:「さあ、ここからが正念場だ…」
と、毛布を持って呟く。セクエンツィアの部屋へ行くぞ。

GM:ではセクエンツィアの部屋の前。

イオス:事前に部屋の鍵を開けておくように言っておいたことでいい?

GM:いいよー♪

イオス:では音をたてないようにゆっくりと扉を開き
「俺だ」 と小声で言う。

GM(セクエンツィア):「イオス様…。一体どうしたんですか?」
すこし戸惑いながらセクエンツィアが君を迎える。

セレナス:キャー///

GM:これでまた一つ回想シーンが埋まる(笑)。

イオス:すぐに扉を閉め。「説明は後だ。一緒に来てくれ」
とセクエンツィアを毛布でくるみながら言う。

GM(セクエンツィア):「…は、はい」 セクエンツィアは毛布を握り締め、素直に君に従う。

イオス:では部屋の窓を開け、セクエンツィアを抱えて飛び降りる。
翼を広げてふわりと着地するぞ。

GM(セクエンツィア):「イオス様…かっこいいです」 と誉め言葉を(笑)
で、馬車のところまで移動するでいいのかな?

イオス:「嬉しい言葉も後だ。時間をかけるわけにはいかない」
うん、馬車のところまで移動する。

GM:ではそこには馬車の前にいるイクフォードの姿も。

イオス:「急ぐぞ、イクフォード」

GM(イクフォード):「おいおい、セクエンツィアちゃんまでテラストに連れていく気かよ〜」

イオス:「あの日、レオードの部屋の前で唇を噛み切ったときからこのときのために行動してきた。
そういうことだ」

GM(イクフォード):「全く大したやつだぜ。お前は」
そう言ってイクフォード、そして君とセクエンツィアは馬車へ乗り込む。

イオス:「行くぞ、陽が昇る前に」

GM(セクエンツィア):「…イオス様。私なんかが一緒にテラストへ行って…いいんですか?」
とセクエンツィアが。

イオス:「恥ずかしいことに、君を連れていくこと以外は何も考えてない。さて、これからどうしたものか」
ふっと微笑む。

GM(セクエンツィア):「…ありがとうございます。イオス様」 そう言って君にそっと寄り添う。
とそんな君達の横から「あーあー、二人ともお熱いね〜」 とイクフォードのちゃちゃが(笑)

イオス:「やかましい」

GM:何にしてもこの日、三人を乗せた馬車は旅立った。
その後、三人の運命が大きく変わることをこの時はまだ誰も知らなかった―――。

イオス:ふう、計画成功…。緊張しっぱなしだった。


 
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