約束の地編 第3章 彼の帰還

◆ミドルシーン1 〜血に染まる戦場〜

『わあああああああぁぁぁぁぁ!!!』

GM:大地を揺るがす鬨の声と共に戦闘は開始されていた。
すでにフェザード王国の首都近くにはヴェルトハイム勢力の兵力達が集結し、総攻撃を行っていた。
そしてそれを読んだ上でアルジェント・サクス・ザック・アゼルは首都を前に移動を開始していた。
「アル〜!無理はしないでね!」
門の前に立つシアリー陛下は作戦開始を始めた君達の背にそう声をかける。

アルジェント:「心配無用です、シアリー様。俺たちは必ずこの大陸に輝きを取り戻します」
シアリーの方を振り返り、そう応える。
かつてフェザード城でしたように背を向けて話すのではなく、今度はちゃんと向かい合って。

GM(シアリー):「うん、気を付けて」
そして、それと入れ違いにラインもまた。
「兄さん……頼んだよ」

アルジェント:「ああ、任せておけ。お前も、兵たちのことは頼んだ」

GM(ライン):「……うん」
ラインのその言葉を受け取り、そして――最後の作戦は決行された。

アルジェント:「皆、準備はいいか?」
サクス、ザック、アゼルに言う。

GM(ザック):「ま、任せてくださいよー!オレの剣で皆真っ二にしてやるっすよー!」

サクス:「当然だ。約束は果たさせてもらう」

GM(アゼル):「私も自分に課せられた任務は果たしてみせますよ」

アルジェント:「それではこれより、『オペレーション・フォーマルハウト』を――開始する!」

GM:そして作戦は開始された。戦場を駆け、目的を目指す君達―――。
空間水を駆使しながら総本山付近に瞬時に移動し
本拠地の周囲を護る僅かな防衛兵達を撃破しながら
君達はついにかつての教会の総本山にして敵の本拠地にまで辿りついた。
そして、それと同時に君達と同行をしていたアゼルが
「さて…それでは私は陽動のためにここからは別行動を取ります」

アルジェント:「ああ、頼んだ」

GM(アゼル):「三人のご武運をお祈りしていますよ」
言ってアゼルは別方向へと向かった。しばしの後、アゼルが向かった先に
総本山の内部に残った敵が多数出撃するのが確認された。

サクス:「ふん。まあ、あいつを見過ごすわけにはいかないだろうからな」

アルジェント:「さて、ここまでは計画どおりか」

GM(ザック):「それでここからはどうするっす?
正面の入り口は今はがら空き状態みたいっすよ」

アルジェント:「もちろん突入する。ザック、わかっていると思うが
お前の役割はディゼルを救出することだ。それだけを考えて走れ」

GM(ザック):「任せて下さいっすよー!」

アルジェント:「サクス、正面を頼む」

サクス:「ああ、存分に俺を盾にすればいい。剣も術も俺の体を貫くことはできん」

GM:そして君達は総本山内部、最後の決戦場への扉をくぐった。
そこは深淵のような深い闇が広がる通路。
だが兵士の気配どころか、人の気配すらも無い――そう思った瞬間。
「来たか」

アルジェント:(やはりいるか…当然だな)

GM:その一言と共に深淵の闇から現れる一人の騎士。
それは歴戦の戦士を彷彿させる外見と威厳を兼ね備えた男。
聖十騎士団第八騎士“災いの拳(レーヴァンテイン)”ヴァルター=オデッサイス。
彼はゆっくりと歩を進め、君達の眼前で止まった。

サクス:「…ふん、あいつは俺の獲物だ。俺もあいつも余計な手立ては望まん」

GM(ヴァルター):「………」
その言葉に同意しているのか、ヴァルターは動く気配は無く
その視線もただ目の前のサクスのみに注がれている。

アルジェント:「わかっている、これも予想のうちだ。先に行くぞ」

GM(ザック):「さ、サクス兄貴!気をつけてっすよ〜!」
ヴァルターの横を走るアルジェントとザック。
そして君達の予想通りに、それを当然のように通すヴァルター。

サクス:「ヴァルター…お前の生前に言葉は尽くしたはずだ。
後はただ…交えるのみ。お前の拳と俺の刀。どちらが勝るか、それだけだ」

GM(ヴァルター):「ああ、そうだな。もはやここまで来て言葉は不要」
言ってヴァルターも静かに構える。
それは対峙するだけで全身を拘束するような闘気の嵐が彼より解放される。
それはまさに18年前のあの頃と寸分違わないヴァルターの魂の圧力そのもの。
「18年…魂を捕らわれ、復活まで長く感じられた…。
だがそれも今、ここで全て果たされる。オレの最後の望み、お前との決着」

「存分に雌雄を決そう!サクス!!」

サクス:「ああ、今ここで果たそうヴァルター!」

ヴァルターの闘気が限界まで高まり、爆発すると同時に――
彼の拳とサクスの刃は閃光のように重なり合った。

◆   ◆   ◆

GM:通路を走るアルジェントとザック。
君達がかつての教皇の間。そこまで辿りついた時だった。
殺気。それもとんでもなく、純粋に研ぎ澄まされた殺意の塊。
それがアルジェントの魂へ直にかけられ、それと同時に風を切り、無数に飛来するナイフ群。

アルジェント:アルジェントが腕を振るうと無数の糸が舞うように流れ、全てのナイフを弾き飛ばす。

GM(シュトルム):「はははは!良かったよ〜、アルジェント〜。君のほうから来てくれてさ〜」
君がナイフをはじき返すと同時に哄笑と共に教皇の玉座の後ろから現れたのは
聖十騎士団第二騎士“白銀の狼(フローズヴィトニル)”シュトルム=ウント=ドラング

アルジェント:「やっぱりいるか。
いなかったらどんなに楽かと思ったんだが、世の中はそんなに甘くないようだな」
口元に不敵な笑みをうかべ、言う。

GM(シュトルム):「君、結構作戦考えたみたいだね、クリストファーが君を褒めてたよ〜。
まぁ私にはどうでもいいけどね〜」
言いながら彼女は両手にナイフを構え、君の眼前に降り立つ。
「アルジェント。私と君との最後の愛し合い(殺し合い)。
これ以上無いほど凄惨に鮮烈に至高の物にしたいんだぁ…。
だから、隣の雑魚は通してあげてもいいよ」

アルジェント:「話が早くて助かる。いらん駆け引きをする手間が省けた」
ザックに「行け」と目くばせする。

GM(ザック):「アルジェント様……ご武運を!っす!」
君の目配せを確認し、ザックは一目散に教皇の玉座の向こう側――
約束の地へ続く扉を目指した。

アルジェント:では走るザックに「ザック!」と声をかけ、持っている空間水を投げ渡す。

GM(ザック):「!これは」それを受け取るザック。

アルジェント:「上手く使え。使わなかったら後で返せよ」

GM(ザック):「了解っす!」そう言って改めてザックは玉座の向こうへと姿を消した。
そして、この場に君と自分以外がいなくなった事を確認したシュトルムは
ゆっくりと君の方へと近づき、その凄惨な笑みを見せる。

アルジェント:「さて、これで俺は逃げる手段が無くなった。
俺との再戦を楽しみにしていたお前への、せめてもの礼儀だ」

GM(シュトルム):「へぇ、それは嬉しいね。私の為にそこまで気遣ってくれるなんて。
それじゃあ、私も前回は見せなかった本当の力を君に見せて約束の地の向こうに送ってあげるよ」
言って、シュトルムは構える。

「さぁ…それじゃあ始めようか。アルジェント。
私と君の最高の殺し合いをさぁ!!」

アルジェント:「ああ、始めようか。言っておくが、俺も以前とは違うぞ」
そのときシュトルムは気づく。対峙して感じるアルジェントの魂が以前とはその様子が違うことに。
以前は細かく左右にぶれ、不安定だったアルジェントの魂は、今は静かに
まるで月のような静かな美しさを持っている。

GM(シュトルム):「――へぇ、何があったか知らないけど、それが本当の君かぁ。
ふふっ、いいね…そそるよぉ…ふふっ、たまんないなぁ…。
そんな君を…血塗れに出来るのかと思うとねぇ!!」

そして、両者の死闘も切って落とされた―――。

◆    ◆    ◆

「…はぁ…はぁ…これが約束の地への、扉――」

最深部。約束の地へと向かう扉の前にザックは辿りついた。

多くの騎士達。ジョシュア、アゼル。
そして最後まで共に来たサクス、アルジェントを背に彼はここまで辿りついた。

GM(ザック):「この奥に…倒すべき最後の敵が…」

ディゼル:ザック完全に主人公(笑)

GM(クリストファー):「なんだ…誰が来るかと思ったら…雑魚ですか」
失望。落胆。心底がっかり。
そんな全ての感情をこめ、クリストファーは門の前に立ち、呟いた。

ディゼル:や、やめろ…!

「ディゼルが来ると思って楽しみにしていたのに…拍子抜けですよ」

「黙れっすよ!お前を倒してディゼルさんをお前の呪縛から解くっすよ!」

GM:と、もうすでにいいポジションを得てか調子に乗り出すザック(一同笑)。

アルジェント:はっはっは、何せこっちは決戦前にアイテムを渡す
NPCのような役までやってやったんだからな。

そのザックをクリストファーは哀れみの瞳で見下す。

「やれやれ…これ以上、雑魚の活躍にシーンを使うのも勿体無いですから
さっさと終わらせましょう」

アルジェント:メタな。

言ってクリストファーの指先から糸が放たれる。
それは死の糸。触れれば神経を麻痺させる魔の糸。

だが――

“ひゅん――!”

一閃。ザックの放った剣はクリストファーから放たれた糸を全て断ち切る。

ディゼル:逆接きたーー!

GM(クリストファー):「――なに」

ディゼル:ザック「残念だったっすね、あんたが思ってるほど、俺は甘くないっすよ!」

GM:ザック!(笑)

アルジェント:乗っ取るなよ。

ディゼル:(笑)

GM(クリストファー):「なるほど…ただの雑魚ではありませんでしたか」
思わぬ相手からの反撃に対して先程までとやや態度を改めるクリストファー。
「オレは星十騎士団第五騎士のザック=イルスパーナ!
クリストファーお前を倒して!その先のヴェルトハイムも倒す!」
その宣言と共に地を駆けるザック。
そして、それに呼応するように再び糸を放つクリストファー。
その糸の数は先程放った数の数倍にあたる常人には回避不可能の魔の糸。
だが、その瞬間、ザックの剣に宿ったのは光の息吹。
「うおおおおぉぉぉぉぉ!!!エスペランサー(希望を切り拓く一閃)ぁぁぁぁぁぁ!!!!」(一同笑)

ディゼル:やばい!ザック主人公すぎる!(笑)

GM(クリストファー):「―――ばか、な?!」
“どずんッ!!!”
ザックが纏った光の剣はクリストファーの糸を全て断ち切り、彼の胸へと深々に刺さる。

アルジェント:本人ド真面目なのに場がなごむぜ!

GM(クリストファー):「こんな…馬鹿な……貴方のような…雑魚に…エキストラに…」
息絶えていくクリストファーに対してザックは決めの台詞を吐く。
「教えてやるっすよ。そうやって相手を過小評価したのがお前の敗因っす。
さらばっす―――人形遣い」

ディゼル:このままクリストファー死んで、ディゼルも死んでザックが主人公だ(←おい)

GM:ゆっくりと剣を引き抜くザック。――だが次の瞬間。
「―――!か、体が……」
自らの体が動かない事に気づいたザック。
そして、それに気づくと同時に背後より聞こえる声。

「動かないでしょう?糸を通させてもらいました」

ザックの背後より現れたのは五体無傷の“クリストファー”の姿。

「ば、馬鹿なっす!じゃあ、オレが倒したのは…!」

言ってザックは足元を見る。
そう、そこに落ちていたのは“人形”のクリストファー。

「僕の人形を倒したのは褒めましょう。ザックさん。
ですが、貴方の活躍はここまでです」

「………へ」

そのクリストファーの台詞に己の敗北を悟り、自棄となったのか
口元に笑みを浮かべるザック。

「さぁ、自分の剣で死んでください。ザックさん」

そして、クリストファーがそう宣言すると同時に
ザックの剣が動き、そして―――。


◆GMシーン 〜贖罪〜
そこは激地。剣と天術と血が入り乱れる戦地。

新生フェザード王国の首都間近の場所でヴェルトハイム勢力の大軍勢による
大攻勢をシアリー女王と星十騎士団の精鋭、その軍隊により阻んでいた。

「シアリー陛下!ここは危険です、お下がりを!」

自ら戦場にて陣頭指揮を行うシアリーに対し
ジョシュアはそう進言を行う。

「ううん、ここで女王たる私が退けば全軍の士気に関わるよ。
それよりもジョシュアさんは東から現れた敵の伏兵の迎撃に行って!
ここは私達とダグラスさん、ライン君で支えるから!」

前線にあって目の前の状況ではなく全体を見通す瞳。
シアリー女王に宿る“王”としての資質を確信したジョシュアは
彼女の判断を是とし、それに従う。

「心得ました。ですが、我が部隊の三割は残しておきます。
陛下が斃れれば全軍の指揮が麻痺する可能性がありますので」

「うん、分かった。気を付けてね。ジョシュアさん」

東部へ向かうジョシュア。
それを確認したシアリーは戦局に変化が訪れているのを感じた。
それまで統一された敵軍の攻勢に混乱が出始め、各個の攻撃ラグが大きく出ている。
恐らくアルジェント達が本拠地へと辿りつき
それに気づいたクリストファーの動揺が全軍に伝わったのだろう。

「敵は全軍が一人であり、その統一力はどの軍よりも勝るけど
その一人が乱れれば全軍が乱れ瓦解のチャンスとなる――。
アルジェントの言う通りだね」

敵軍に現れたその隙を、一国を背負う女王は見逃しはしなかった。

「全軍!攻勢!敵がひるんでいる今こそ押し返すチャンスだよ!
防衛隊も一時攻撃に参加!」

それはまさに逆転の一手。
防戦であったシアリー軍が窮鼠の如く敵を蹴散らし始める。
戦局のバランスが覆ると思われたその瞬間―――

「!シアリー様!危ない!」

シアリー陛下に迫ったそれに気づいた一人の兵士がそう声をあげる。
それは流れ矢。
誰を狙ったわけではなく、恐らくただ的もなくただ撃っただけの矢。
だがそれは悪運にもシアリーが指揮するその場所、シアリーの胸へと軌道を落としていた。

「―――!」

“どすっ!!”

血が掛かる感触をシアリーは受けた。
自分の目の前で自分を庇ったその人物の名をシアリーは小さく呟いた。

「…ライン…君」

アルジェント:うおっ?!

ディゼル:うほ。

「ぐッ――!」

胸に突き刺さったそれを抜き取るライン。
だが傷は思いのほか深いのか、肩膝をつくライン。

「ライン君!どうして…!」

自らを庇ったラインに駆け寄るシアリー。
そんな彼女に対してラインはただ落ち着き払ったまま答える。

「贖罪…だよ」

「…え?」

「そそのかされていたとは言え…僕は君を生贄に捧げようとしていた…。
その罪への贖罪…なのかもしれないね…」

ラインのそんな言葉にシアリーは思わず、声を荒げようとする。

「そんなの…!」

「分かっているよ。君が恨んでいない事…。
けれども“彼”を呼び戻すためにも…こうするしか無いから…」

「…“彼”?」

思いもよらない言葉にシアリーは確認するように呟く。

「…約束の地へと向かい、その次元の果てへと飛ばされた彼を連れ戻すには
こちらからそこへの門を開くしか無い…。
けれどもこの世界において約束の地へと向かう為の門は
総本山にあったあの扉だけ……残るは――」

言ってラインは自らの胸に手を置き、答える。

「扉を開く資格を持つ者が、その器を放棄し魂を解放した際
約束の地へ行く為の人工的な扉を開く事が出来る…。
そうすれば、その瞬間に開いた人工的な扉をくぐり彼がこちらの世界へ帰還する事が出来る。
…最も、この方法を取るには、文字通り扉を開く資格を持つ者が死ぬ以外に手は無い…。
考えられる限りの最後の手段だったけど、使う機会があってよかったよ…」

「ライン君……」

そのラインの台詞を聞き終え、シアリーは彼が抱いた決意の重さを知り
ただ彼の手を握り、その覚悟を見届けるしかなかった。

「シアリーさん。兄さんに伝えておいてくれ――」

言ってラインは己の兄が愛した人物に、最後の台詞を繋いだ。

「約束は果たせなかったけど、昔みたいに一緒に居られて楽しかったって」

その最後の言葉と共に、ラインは自らの魂を解放し
約束の地の果てに存在するディゼルがいる場所と、この場所とを繋げたのだった――。


◆ミドルシーン2 〜彼の帰還〜
GM(ヴァイス):「門が開くよ」
そのヴァイスの言葉と同時にディゼルの背後に空間を裂いて門のようなものが構成された。

ディゼル:「この向こうにみんながいるんだね――」誰に問うでもなく言う

GM(ヴァイス):「ああ、だけど、その前に彼に感謝するといいよ。
彼が自分の命を犠牲にしなければその門は生まれなかった」
そうヴァイスが指す場所。
そこには現れた門の前に立つ様に、幽体となっているラインの姿があった。
しかし、その体は徐々にこの世界、魂を司る約束の地の中へと消えていっている。

ディゼル:「――ライン?!な、なんで君が――待って、こっちに!」
そうやってラインの方に駆け出そうとするが…。

GM:君の手も身体も彼の身体をすり抜けていく。
そんな君にラインはこれまで見せたことのない優しい表情を向ける。
『…ディゼル、良かった無事だったんだね…。
それさえ確認できれば、もう僕も想い残すことは無い―――』
言ってラインは君の方へと振り返る。
『ディゼル。君にも色々すまなかった……。
こんな僕だけど君に託したい…母さんの意志と僕の意志を……』

ディゼル:ラインの意志…そして僕らの母さんの意志…。

GM(ライン):『君に、託すよ―――僕の最後の魂の欠片も…。
この約束の地の中心に居るヴェルトハイムに吸収される前に――』
そう言ってラインはそっと君の方へと手を伸ばす――。

ディゼル:その手が同じくディゼルの手に触れる…。

GM:二人の手が重なり合った瞬間、彼の最後の魂の欠片が君の中へと注がれていく。
やがて、温かな光の感触と共にラインは君の中へと消えていった。
だが、君の中に残ったラインの意志と彼の魂の力は
君の魂の奥底に眠っていた“眠りの皇帝の力”を呼び起こした。
そう、それは紛れも無い君に宿った最後の――力。

<帝眠> タイミング:メジャー 対象:単体 射程:視界 消費精神:貴方の最大精神力
貴方が行う攻撃判定の際に貴方の攻撃値を3倍にして判定を行う事。
この特技を使用するためには貴方は自身の最大精神力を支払う事。
この精神が払わなければこの特技は発動しない。
ただし、この攻撃では対象の生命力を1までしか追い込めない。
この技では決して人は殺せない。一シナリオ一回使用。
この特技は<潜在神域>の効果で回数は増えない。

アルジェント:うおっ!帝眠そっちか!

GM:そうだよぉ(笑)。これは当初から決まっていました〜。

ラインの魂を受け継ぎ、門をくぐるディゼル――。
その背後でヴァイスの最後の声が聞こえた。

「――ディゼル。君がどう足掻こうとも結末は変わらないよ。
この物語の悲劇的結末は、ね。ただ、そこへ行き着くまでの物語は君のものだ」

「好きに物語を奏でるといいよ―――」

ディゼル:「好きに物語を…か…」

そうして、君は―――帰還した。

◆    ◆    ◆

GM(シアリー):「…ディゼル君!帰ってきてくれたんだ…!」
そこは戦場。君はシアリーの眼前にて今、帰還を果たした。
そして恐らくその場所でラインは死んだのであろう。

ディゼル:「うん…ただいま…。それと遅くなってごめん」

GM(ダグラス):「ああ、随分と遅かったな、ディゼル」
見ると、そこにはダグラスさんの姿も。

ディゼル:ダグラスさん!

GM(ダグラス):「…だが心配はしたぞ。お前の無事な姿を見て安心した。

ディゼル:「心配してくれて、ありがとうございます」軽くダグラスに微笑む

GM(ダグラス):「…ディゼル。このままあのアリスの下に
そして、最後の決戦に向かうんだろう?」

ディゼル:「えぇ…。もう終わらせる必要があります、この悲劇を――」
そう言って見据える先はひとつ。

GM(ダグラス):「ならば――これを使え」
君が見据える場所。総本山のある場所を見てダグラスは懐から一つの瓶を出す。
「これは特殊な空間水でな。“ある空間水”に反応してその場所まで導いてくれる。
お前の為に全員が舞台を用意してくれた。お前もあとはただ全力を出していけ」

ディゼル:「…いってきます!」
ダグラスさんから空間水を受け取るよ!(笑)

GM(ダグラス):「…ディゼル。最後にこんなことを言うのもあれだが、お前に伝える事がある。
実は私には兄がいたんだ。私に天術の基礎や戦い方、人生を導いてくれた尊敬できる唯一の人だ」

ディゼル:(実はお前の父さんフラg…微妙に違った)

GM(ダグラス):「その人は18年前までエデンの最高司令官の職についていたが
ある時、傷ついた一人の女性と出会い、彼女と結ばれエデンを辞職した。
後に兄とその女性との間に子供が生まれたと聞いた。
その子の名は――ディゼル、そう兄が私に教えてくれた」
どこか昔を懐かしむようにダグラスは語る。

ディゼル:「僕の父さんが…?」

GM(ダグラス):「…3年前に私がお前を拾ったのは偶然ではない。
お前は私の兄の息子…。お前の故郷が消失したと聞いた時に
私は真っ先にお前を引き取りに向かった。最初は兄の代わりが出来ればと思ったが
今ではお前は私に取っても実の息子のようなものだ」
一拍の後にダグラスは呟く。
「…ニートな叔父ですまなかったな。ディゼル」

ディゼル:「ダグラスさん…メタな発言ですよ…」

GM(ダグラス):「うるさいな…もういいから行ってこい。
もしもお前が無事に帰ってきたら、また一緒にあの家に戻ろう」

ディゼル:「それに、そんなことないです、僕にとってもダグラスさんはかけがえのない…」
それ以上は照れ臭く口籠る。
「――はい、無事に戻ってこれたら、またあの家で」

GM(ダグラス):「ああ―――待っている」

ディゼル:そして空間水を地面に……叩きつけていいのかしら(笑)

GM:どうぞどうぞ(笑)

ディゼル:もうこれ以上、返す言葉がうまく言えない。
ダグラスさんのその言葉に何も答えられずに空間水を叩き付けた。えーい。

――“ばしゃん”
空間水の中の水が弾けると共にディゼルは最後の決戦場へと向かった。


 
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