第17章 降臨する死の王

◆エンディングシーン 〜降臨する死の王〜
GM:では激しい死闘の末に君達はテナを倒した。
レオードの部屋だった場所は天井も壁も完全に崩れ、ただの瓦礫の山となっている。
そんな瓦礫の中心にテナが倒れている。

イオス:2・3回死ぬかと思った…。
「おい、見ているんだろう。さっさとセクエンツィアを返せ…」
セクエンツィア返せよペレ公。

GM(テナ):「…………ぁ」 と倒れたテナが力無く呟く。

セレナス:「テナ!テナ!!」

GM(テナ):「……あ、れ? セレにいちゃん…だぁ…」
彼女は血塗れの身体を起こそうとするがそれは叶わず、その銀の瞳で君を見る。

リザベラ:「セレナス。彼女をこのまま生かすつもりか?」

セレナス:「…テナは、人を殺してきたんじゃない。殺させられてきたんだ。もう、充分苦しんできたはずだ
よ……」

GM(テナ):「………なん…だろう?…すごく…いたいよ……セレにいちゃん……」
弱々しくテナはそう言う。

セレナス:軽く微笑みます。「テナ、大丈夫だよ、セレにいちゃんがここにいるよ?ね、これから一緒にア
ドルさんのところへ行こう……?」

GM(テナ):「…うん。…セレにいちゃんとアドルおにいちゃんがいるなら…テナ、もう安心……。
これからは…ずっと一緒に―――」 そう言ってテナは君の手を握ったまま気を失う

セレナス:「テナ……」
息をしているのを確認すると、そっと抱きしめます。あまり身長差ないから語弊はあっても。

GM:身長さはそんなにないから大丈夫(笑)

リザベラ:「いずれ、目覚める。その時に正気でいる保証はない」
てか彼女の魔王の呪い、解呪する方法あるんか?

セレナス:「それでも、微笑んでくれている間はテナだから……」

GM:『はっはっはっ。さすがだね、一応は誉めておくよ、君達のこと』と空からそんな少年の声が響く。
と君達の前にペレリウスが現れる。それだけではなく残りの四柱、アドル・イクフォードの姿もペレリウスの
背後にて同時に現れる。

セレナス:「この…………」 精一杯のまなざしを向けます。

イオス:「セクエンツィアを…返せ」

リザベラ:テナとセレナスの前に立つよ。ペレから隠すように。

GM(ペレリウス):「いいよ。返してあげるよ。セクエンツィアをね」
あっさりとペレは宣言。そして、ペレリウスの前に空間転移させら現れる一人の少女。
それは間違いなく―――セクエンツィア。
「………あ」 とセクエンツィア君達の姿を見ると怯えたような声をあげる。

リザベラ:誰かが化けてるのとかいうオチは今回はないよな…?

セレナス:それはないでしょ(笑)

GM:セクエンツィアはおびえた様子で君達を見ている。
まぁ、そうやって疑心暗鬼させるのもペレの作戦でもあるからね(笑)

イオス:「セクエンツィア…」

GM(セクエンツィア):「………あ、あの……」

イオス:「どうした…?」

次の瞬間、セクエンツィアは信じられない一言をイオスへ向け放つ。

「貴方―――誰ですか?」

リザベラ:……えーっと。アレか。記憶喪失。

イオス:「何を言って…」

GM(ペレリウス):「はっはっはっ!言ったろう“セクエンツィア”は返すって!」
愉快そうにペレリウスが語る。
「ただし、どんな状態で返すかは言ってなかったよね〜?
彼女の中にある君への記憶。その全てを消させてもらったよ♪」 満面笑顔でペレリウスが言う。

イオス:「そういうことか…。ただで返ってくるとは思わなかったが…やってくれる…」

リザベラ:「悪趣味な」

GM(ペレリウス):「どう?『最高のプレゼント』だろ」
一方、セクエンツィアは怒りに震える君を見て恐れの表情を出し、一歩下がる。
「………こ、怖い」 と君を見てそう言う。

イオス:「…だろうな。自分でもひどい顔をしていると思うよ…」

GM(ペレリウス):「さて、感動の再会はそこまでだよ。ここからは完全なる絶望の幕上げだ」
そう宣告すると同時に空が暗雲に包まれていく。

リザベラ:「アドルッ!貴様は何故そのような下衆に協力する?貴様は……そうまでして、私を苦しめた
いのか?父を殺し、翼を千切り、悪趣味な芝居を見せて!」

GM(アドル):「…………」 その問には何も答えず、ただ静かに君と、テナを見ている。
「は、自分の父親がなにをしていたのか理解していない小娘に偉そうな口は聞いて欲しくないね〜」
と不意にペレリウスが君に向けて侮蔑の感情を込めてそう言う。

リザベラ:「……とぉさまが、何をしていたというのだ」

GM(ペレリウス):「さあね。そんな事より、周りを見たほうがいいと思うよ。」
空を包む暗雲、それは雲ではなく―――無数の魔族の軍勢。
それはかつてテラスト王国を襲ったあの大量の魔族、数万の軍勢が空と地上から君達を囲んでいた。

リザベラ:「雑兵どもをかき集めて……何をする気だ?それとも、この程度で絶望だと?」

GM:その君の言葉に反応する事無く、ただ静かにペレリウスは宣言する。
「さて、では―――ひれ伏せ」
その宣言と同時にペレリウス、アドル、イクフォード。そして全ての魔族達がその場で膝をつきひれ伏す。

瞬間。イオス達はこれまで感じた事の無い異常なプレッシャーをその身に受ける!
気づけば、その肩膝は地に足をつき、ひれ伏す形となっていた―――。

「我らが―――『王』の降臨だ」

ペレリウスの宣告と同時に、その場に空間を引き裂き、異常な“死気”を放つ真紅の髪の男が現れる。
長く美しい真紅の髪。背に生える二つの黒き翼。凍えるような氷の瞳を持つ男。
その男に―――イオスは見覚えがあった。

イオス:おおっと、やっぱりか!?

リザベラ:やはり…この館に人がいないからまさかとは思っていたけど

GM:そう、君の生涯をかけて超えるべき存在、父―――レオード=フォン=ヴァルムオンド。
レオード
リザベラ:親父かっけぇ!超かっけぇ!

セレナス:ここまで赤が似合うキャラも珍しいー!(笑)

GM:「………」 レオードはイオスを一瞥する。そう、いつもの石ころを見るような侮蔑の目で。
ありがとうございますぅ(笑)

イオス:「……クックックックック…」 その場に一つの笑い声が響く。
「…そうだよな。ここが選ばれた理由をずっと考えてきたが、どうしても一つしか思い浮かばなかった…」
ゆっくりと、しかし確実に立ち上がる。
「いい人ごっこはもう終わりだ…。その必要も、理由も、意味も、既に無くなった…」

GM(レオード):「………」 そんな君をやはり変わらず侮蔑の瞳で見下すように見ている。

イオス:「ああ、これは『歓喜』だ。絶望と、怒りの中でようやく見つけた光だ…。感謝するぞレオード=フォ ン=ヴァルムオンド…。貴様を殺せば、俺は全ての呪いを断ち切ることができる!!」

GM(レオード):「……ほぉ」 侮蔑の感情から初めて別の色を見せ、レオードは言葉を続ける。
「気づいていたのか。その『刻印』の消し方を」

イオス:「この刻印の用途がわかれば簡単なことだ…。捧げる対象が無くなった贄は既に贄ではない…」

セレナス:かっこいいフレーズだなぁ(笑)

GM(レオード):「なるほど。では私も一つお前に教えてやろう、一つの真実を。
なぜ、私が貴様に一度として興味を持たなかったか。簡単な理由だ。
自らが喰う『餌』に興味を持つ者など存在しない―――」

イオス:「だろうな」

GM(レオード):「それで『餌』の貴様が何をすると言うのだ?」

イオス:「俺はずっと自分が得たものを自分のものだとは思えなかった。この力も、居場所も、安らぎも、 全て誰かから与えられたものだ…。俺が自分の力で手に入れたものなどありはしない…。それが俺の、 最後の呪いだ…。イオス=ヴァルムオンドは4つの呪いを持っている。
一つはこの刻印。一つはお前という存在。一つは人との繋がり。一つは己の力で得たものがないというこ と。既に3つ目は断ち切られた。あとは、貴様を殺せば全ての呪いは解かれる!
俺と同じ、誰かから力を得た分際でふんぞり返っているセコい王!!」
一気にダッシュして斬りかかるぞ。

GM(レオード):「…一つ、訂正しておこう」 斬り込む君を冷ややかに見ながらレオードは続ける。
「私の力はすでに生まれたときより『完成』されたもの。
貴様らのような存在の力など含まなくとも十分なほどの、な。――<滅びの光(アヴィア・レテ)>」
レオードのその宣言に天空から飛来する大いなる神の光が君へ降り注ぎ超高密度の爆発を起こすっ!!
それは陽(ロア)天術・最上級の技。

リザベラ:天術はいやぁぁぁぁ。

イオス:命中する瞬間、白炎を一点に集中させてギリギリ相殺する。《完全なる盾》使用!

GM(レオード):「……ほぉ」 レオードは冷徹な瞳のまま、しかし面白そうにつぶやく。

リザベラ:演出だし、《オーヴァーロード》使おう。背中から白く光る翼を生やしてテナとセレナスの前に立 ちはだかる。

イオス:「言っただろう…一つしか思い浮かばなかったと…。準備をしておくのは当然だ…」
戦闘中の偶然だけどな!

セレナス:セレナスはテナを背に、斧構えてます(笑)

GM(レオード):「だが、イオスよ。貴様は私を超える事はできない。――絶対にな」

イオス:「ほざけ!俺は貴様を殺し!全ての呪いを断ち切る!!」

GM:君はそう宣言する。――だが次の瞬間、レオ―ドの姿はそこにはなかった。
そう、いつ移動したのか全く見えなかった。レオ―ドはイオスの真後ろにいた。
「言っただろう。お前は絶対に私を超えられない、と。―――地脈・第一階位《死(タナトス)》!」
その真紅の剣から放たれた死の斬撃は君の身体を一瞬にしてズタズタにする!

イオス:「がっ――!」

GM:それはまさに“死”そのものを体現した一撃。絶対死の剣技。
この場合、かすかに息をしてその場に倒れている君の方が驚きであろう。
そしてレオードはリザベラとセレナス達の方へすっ…と指をさす。

リザベラ:カバーリング!セレナスとテナ!光の翼を広げるよ。

GM:「<ローレライ伝説>」
そう宣言した瞬間、レオードの背後に三人の黄金に輝く女神達が降臨する。

リザベラ:海鳴も使うのかレオード?!

イオス:九十番台歌詞破棄?!

GM:三人の女神が放つ光は無数の黄金の刃となり君達のいる空間そのものに降り注ぐ!

セレナス:うわおおおおっ?!

GM:それはリザベラの広げた光の翼を紙切れのように打ち破るほどの威力!

リザベラ:「――――ッ!!」 吹っ飛んで体中血まみれになって転がろう。翼は消失してる。

GM:そのあまりの威力と刃の鋭さに全身を切り刻まれ、君達は倒れる。
天術・海鳴・地脈。レオードはこの世界に伝わる力『三つの神秘(トリニティ・ミスタリ)』全てを扱い
そのどれもが完全とも言える最上級能力を誇っていた。
「…哀れだな」 イオスを見つめたまま続ける。
「貴様のように中途半端な才能を持っている者はそうやって叶わぬ幻想を見る。だが、分かっただろう。 『完全』なる力の前では全ては無意味だと」

イオス:かすかに動く首で、ゆっくりとセクエンツィアの方を向いて
「くく…本当に哀れで無様だな…俺は…。これが本当の俺だよ…。君がずっと封じ続けてきた、本当のイ オス=ヴァルムオンドだ。…と言っても…今の君に言ったところで意味は無いか…」

GM(セクエンツィア):「………ぁ…わ、私は…」
セクエンツィアは恐ろしさのあまりか、涙を流しただ傷ついた君を見ている。
「―――だが、イオスよ」 そこで不意にレオードは君へ声をかける。
「私は初めて、貴様に『興味』が沸いた。本来ならすでに喰われているはずの餌の貴様がここまで来た。 そしてその執念…なかなかに興味を惹かれる。故にゲームをしてやろう」

イオス:「ゲームだと…?」

GM:「だがその前に、そこにいる貴様らにも戦う理由をやろう」
そう宣言した瞬間、レオードより放たれた紅い光がリザベラとセレナスへと向かう。

リザベラ:その壮大すぎる親子喧嘩に巻き込むな…。

GM:レオードから放たれたそれはリザベラの胸に刻まれ、痣のような形になる。
ただし、セレナスへ向けて放たれたその紅い光は君の持つ絶斧の輝きにより打ち消される。
「…なるほど、エルドラードの神器か。では、貴様には趣向を変えよう」

セレナス:「テナをこれ以上傷つけるなッ……!」

GM(レオード):「安心しろ、その娘ではない」
そう宣言したレオードは再び紅い光を放つ!それはこの館の前にいた君の姉・レーネの胸へ
「……え?」 “どすんッ”と刻まれた。

リザベラ:そっち?!

イオス:やっぱそっちか!

セレナス:「…あ?」

GM(レオード):「貴様の姉だ」 と宣言。
「貴様らに刻まれたそれは“死の痣”だ。一週間後、その死の痣は貴様らの心臓を食い潰し
――絶死する。解く方法は簡単だ。私を殺せばそれでいい」

リザベラ:一週間……短いッ。

GM(レオード):「そして、イオス」
再び、イオスを見下しレオードは語る。「セクエンツィアの胸を――見るがいい」

リザベラ:そっち処置済み?!

イオス:ロクに動かない首で、ゆっくりとセクエンツィアを見る。

GM:セクエンツィアは恐ろしさのあまり、恐怖で震えているが…その胸には死の痣が刻まれた後だった。

イオス:「安心しろ…そんなものが無くても…俺は命の限り貴様を追い続ける…」

GM(レオード):「…今、この時より地方公爵のレオード=フォン=ヴァルムオンドは終わりだ」
静かにレオードは暗雲に支配されるこの地に立ち宣告する。
「これより先、私は魔族達の王『死の王』レオードとしてこの大陸に君臨しよう。
そして我が魔族の軍勢を指揮し、この大陸に対する侵攻を行なう。
まずはテラスト王国、次にセファナード教国、そしてレオノス王国。
やがて、このフォブリアの全てを死滅させよう。ここまで言えばゲームの内容は理解できるな?」

イオス:「貴様を殺せれば勝ち、できなければ負けか…。単純で大いにわかりやすいことだ…」

GM(レオード):「その通りだ。死が全ての敗北を決する。
私は最果ての北の地にある我が城にて貴様を待とう。
無数の魔族の軍勢、そして残りの四柱達をすべて倒し、私の前へ来ることが出来るなら、な」
そこまで宣言し、レオードは静かに背を向け、イオスに向け最後の言葉を放つ。
「せいぜい、貴様の存在を私に証明する事だな―――」
その言葉を最後に死の王・レオードはその場から姿を消した。

イオス:「クックックックック…。やってやろう…。
貴様を殺すことが…イオス=ヴァルムオンドという存在の意味だ…」
既にレオードのいない空間に、搾り出すように言う。

GM(ペレリウス):「あっはっはっ!面白い事になったね〜♪」
愉快そうにペレリウスが笑う。
「それじゃあ、せいぜい頑張ってよ。イオス君。――ああ、それとそこの脆弱な騎士くん」
とペレリウスはセレナスを見る。
「そのゴミ、もういらないから君にあげるよ♪ま、せいぜい壊れるまでの期間、大事にしてよ」
と君の腕に抱かれるテナをその手で指す。

セレナス:「……テナも、姉さんも。絶対に幸せにしてみせるよ…お前なんかに人の幸せを踏みにじる権 利なんてない!!」 ペレリウスをきっ、と睨みつけます。

GM(ペレリウス):「…ふんっ。楽しみだね〜、君のその瞳が絶望に変わる瞬間が。
次はきちんと―――殺してあげるよ」

セレナス:「次はお前に、僕たちに向かって謝らせてみせるよ」

GM:君のその宣告に対し愉悦の表情を浮かべ、ペレリウスは消える。
「さて、と。それじゃあオレも消えるかな」とペレリウスの隣りにいたイクフォードが呟く。
「イオス、まあせいぜいお前の足掻きを見せてみろよ。あの人を越えられるかどうか、を」

イオス:「イクフォード…確かに俺は…お前の言う通り、弱かったのだろうな…。今までの俺は…
たとえこの刻印を消して…全てに勝利したとしても……お前を生かして帰すつもりだった」

GM(イクフォード):「…そいつは嬉しい言葉だな」

イオス:「だがいい人ごっこはもう終わりだ…。覚悟しておけ…」

GM(イクフォード):「だが確かにその決意では…『完全』を超える事は無理だな。
ま、いいさ。―――いいぜ、オレも…覚悟を決めておくよ」
そう――初めて寂しげな表情を浮かべ、イクフォードもまた消える。
そして、最後に残ったアドル=ローベンはリザベラとセレナス、そしてテナを見回す。
どこか悲壮なる決意を秘めたそんな瞳で。

セレナス:「アドルさん……」

GM(アドル):「……セレナス」

リザベラ:気絶してるんで一つヨロシク。

GM(アドル):「――テナを頼む。その子はもう四柱(テトラード)の一人でも誰かの言いなりの人形でもな い。一人の人間だから」

セレナス:「……テナは、アドルさんのことを、おにいちゃん、って呼んでたよ……?
僕は貴方を殺すことなんてできそうにない……貴方は、敵なんかじゃない、貴方は……!!」

GM(アドル):「…オレは君達の敵だよ。そして、その娘・フィリアの父を殺した残虐な仇だ」

リザベラ:「違うな……」 気が付いてもいいよねー。時間経ってるし…。

GM:いいよ(笑)

リザベラ:立ち上がりながら、「貴様は私の敵だ。とぉさまの仇だ。他の誰にも、やらん!」 笑うよ。

GM(アドル):「―――そうか…」

リザベラ:「長かった……14年。14年だ。貴様を殺すためだけに剣になった!
この14年、ずっと打たれ続けてきた!……久しい。嬉しいという感情は、こんなにも心地よいものだった のだな……。やっと、仇を討てるのだから。あぁ、この感情は“嬉しい”だ!」

GM(アドル):「…ならばその感情の赴くまま、オレを殺しに来るがいいさ。―――待っているぞ」

リザベラ:「是非も無い」

GM:君のその言葉を聞き終え、アドルも姿を消す―――。
そしてまたこの場を覆っていた無数の魔族達もまた全て消える。

イオス:セレナス以外暗黒面にずぶずぶ沈んでいくPC達…。

セレナス:「……リザ姉さん、アドルさんを殺すの……?」

リザベラ:「何を聞いていたのだお前は。とぉさまの仇を殺す…。セレナ、お前には関係ないことだ」

イオス:「セクエンツィア…」

GM(セクエンツィア):「…あ、あの。貴方はどうして私の名前を…?そ、それにこの痣は一体…。」

イオス:「君は俺のことを忘れて…よかったのかもしれないな…。これで…もし俺が死んだとしても…君は …涙を流さなくて済む…」

GM(セクエンツィア):「……貴方は、私の…大事なひと…だったんですか?」 と恐る恐る聞いてくる。

イオス:「君の大切な人だったイオスは…もういない…。ここにいるのは…ただ一人の男を殺すために生 きる…呪いに塗れた愚か者だけだ…」

GM(セクエンツィア):「……イオス……。それが、貴方の名前なんですね」

イオス:「覚えなくても…いい…」
そう言って意識を失う。その拍子にコートの内ポケットからばさりと封筒の束が落ちる。

GM(セクエンツィア):「…あ」 倒れた君に近づき、それを拾うセクエンツィア。
「私の書いた…手紙?………私、あなたの事を何も分かりません。
だけど、知ることはきっと…出来る。貴方が許してくれるなら…貴方の傍で貴方を知りたいです。
――イオスさん」 そう彼女は呟いた。

セレナス:「リザ姉さん……僕は、これ以上人の死ぬ姿を見たくないよ……」

リザベラ:「セレナス」 セレナスに話しかけるよ。
「それなら、逃げればいい。逃げるのが嫌なら、目を閉じていろ。
どちらにしろ、私はあの男を殺すだけだ。それよりも、問題はテナと君の姉上だ」

セレナス:「仇か……少なくとも、僕はペレリウスを殺したりしないよ」

GM:そう君達が会話している時、後ろからレーネの肩を借りたロトゥス達が出てくる。

セレナス:「姉さんッ!!」

GM(レーネ):「無事だったのね。セレナス」
そう言うレーネではあったが、その胸にはあの痣が刻まれていた。

セレナス:「僕は大丈夫だから、姉さん、姉さんが…!」

GM(レーネ):「私は大丈夫よ」 と笑顔を浮かべる君の姉。
「…それよりもその子、助けたのね」 とレーネはセレナスが抱えるテナを見る。

セレナス:「うん、今はどうなるか分からないけれど
それでも、生きていれば何か出来ることがあるはずだから」

GM(レーネ):「そっか。偉いぞ、男の子」 と君の頭を撫でる。
とレーネの隣りにいたロトゥスがテナと君を見て口を開く。
「セレナス。お前がその娘はお前が守ると決めたのなら、最後まで守り抜けよ。お前自身の力で」

セレナス:「うん、テナは僕の妹だ。
僕が姉さんに見守ってくれたのと同じように、僕はテナを守ってみせる」

そんなセレナスの言葉を受けレーネは微笑みを浮かべ、ロトゥスもまた笑みを浮かべる。
そう、この小さな騎士はもう立派な騎士としての心を、戦うべき理由を得ている。
その信念に二人ははっきりと気づいていたのだから。

この騎士に宿っているのはフォブリアを包む絶望を切り拓く希望の可能性。

そして、イオスとセクエンツィア…。
すれ違った二人の想いを再び戻るのか。全てはこの先にある希望を信じて物語は続いていく――。


 
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