◆ミドルシーン3 〜ベアトリーチェ〜
GM:君達の前に存在する王。 それは漆黒の髪を靡かせる美しい女性。眠りの皇帝・ベアトリーチェ。 アルジェント、ラインの母親にして、ディゼルの母。 『…久しぶりね…ディゼル…。大きく…なったのね…』 彼女は君を見て、その成長を嬉しく思っているのだろう。そう言った。 ディゼル:「母さん…母さん…」 夢でも見ているかのようにそう呟く、目ははっきりと自分の母の姿を見据えて。 サクス:「ば、馬鹿な……ベアトリーチェ、我が主が何故、ここに…?」 GM(ライン):「…ディゼル。最初のお前の質問に答えてやるよ…」 ラインは忌々しそうに君へ言葉を続ける。 ディゼル:ラインのあのセリフで気づけました、本当にry。 GM:おお、さすが(笑) 「…18年前、僕たちの母さん、ベアトリーチェは三騎士の叛乱によって その力を大きく削がれた…そこにエデンの連中が好機と見て、母さんと僕達の城に総攻撃を開始した」 アルジェント:しまったな、逃げたせいでママンに会えなかったぜ。 GM(ライン):「その時に、母さんは死んだとされているけれど… そうではなく母さんは重傷を負って生き延びていたんだ。 ただし記憶を失い、力も失い、ただの一人の女性としてね。 そうして記憶を失った母さんを、ある男が助け、そいつの故郷で暮らすことになった。 やがて、男との間に子が生まれた。もうここまで言えば…分かるだろう?」 ディゼル:重婚ね…ヒソヒソ。 GM(ライン):「お前がその指輪の力を借りれるのは、お前もまた“資格”があるからだ。 そう、眠りの皇帝ベアトリーチェの血を受け継ぐ…僕と兄さんの弟だからねっ!!」 忌々しそうに、それこそ憎悪の瞳でラインは君を睨む。 ディゼル:「…だから本来自分の家族にいなかった兄弟、僕が…邪魔だったわけか…」 傷の方もおおかた癒え、ゆっくりと立ち上がる。 GM(ライン):「3年前にクリストファーが君の故郷へ行ったのは母さんを迎えに行くためだよ 母さんの息子は僕と兄さんだけでいいんだよ…なのに、なんでお前なんかが…!」 再び激昂しようとするラインだったがそれを静止するように 『やめなさい…ライン…』 優しくベアトリーチェが諭す。 彼女の声を聞き、ラインはすぐに表情を戻し、母の方を振り向く。 『ねえ……ディゼル。私は…貴方も私の大事な息子だと、思っているのよ…』 ディゼル:「…………」 黙って聞いとこう(笑) GM:君の母、ベアトリーチェは君と暮らしていた頃と同じように優しく微笑み続ける。 『…貴方を殺したくはない…それは本当…。ラインは…どうしてもアルに 私の力を継承させたいと言っていたから…仕方なくアルの決断を見ていた…。 だけど…アルは…私達を裏切った……』 悲しそうにベアトリーチェは呟く。 『だから…私も決断したの…ディゼル……』 『私の…『眠りの皇帝』の継承者は…やっぱり、貴方にするわ…ディゼル…』 GM:その言葉にラインは衝撃を受け、絶句するが… 母に対し公然と反抗できないのか。唇を噛んでいる。 ディゼル:「……そう…ですか」 母の言葉にどこかしらの違和感を感じつつも自分のことを思ってくれていることは理解できた。 (でも母さん。 僕が本当に望んでいるのはそんな力なんかじゃないだ。 あの、いつもの小屋での生活が僕にとっての幸せだったんだよ…) 彼女の口からまたあの幸せな以前の暮らしへ戻ろうという言葉が出てくる希望が 彼女自身の台詞によって、潰えた。 GM:そう、ディゼルには分かっていた。 目の前の母は母であり、母ではない。 言葉では言い表せないどうしようもない違和感を感じている。 ディゼル:まぁ正直アルの母親だわなぁ(笑) GM:見た目や言葉や声、それらは確かに母のもの。 だけど、彼女から感じる雰囲気、それらはまるでこの世ならざる者のようであった。 『…ディゼルは……私を裏切らないわよね?…母さんの力を継いで… この大陸を支配して…母さんを脅かした人たちに…復讐してくれるわよね…?』 優しく、あくまでも優しい口調。 だが、伝えているその言葉の意味は、その口調にはあまりに不釣合いな内容だった。 さて、ディゼル。君は――どうする。 ディゼル:「……ッ、母さん…!もうそんな力なんてどうでもいいじゃないか…! 戻ろうよ!以前の…以前の僕と母さんの暮らしへ! なんでそんなことにこだわるんだ!ライン、君だってそうだ! 世界を支配する力を行使して得られる幸せってのはそんなにもいい事なのかよ! 大事な人がいればそれだけで幸せじゃないのかよ…ッ!」 自分の知らない母親の部分ばかりを見せられて、堪えられなくなった その感情を勢いに任せ言葉にする。 それは次第に大きく、最後には単なる哀願でしかないような悲痛な叫びになっていた。 「さぁ、母さん、僕たちの家へ帰ろう! そんな堅苦しい椅子から降りて、いつもの部屋で紅茶でも飲もうよ…!」 GM(アリス):「ディゼル……」 そんな悲痛な叫びを上げる君を見てアリスもまた知らず知らずの内に 君の心と同調したのか…悲しい表情を浮かべていた。しかしラインは―― 「……君と、僕が、はっ…冗談じゃないよ…。 僕に取っては兄さんと母さんが全て。この世界を支配するのも当たり前なんだよ! だって僕たちは“王”なんだから!」 だが君の叫びに対しラインはあくまでも己の主張を言い張る。 だが、ベアトリーチェ、君の母は――― 『……ディゼル……私は……』 GM:一瞬。わずか一瞬だったがベアトリーチェの雰囲気が、変わった。 だが、その刹那。この場にある男の声が響いた。 「よく言ったディゼル。それでこそ、私と一緒に暮らしていた奴だ」 ディゼル:キタ――――!(笑) GM:その声と同時に、この場に天雷が降り注ぐ! “ごおおおおおおおおおおおおおおん!!!!” 「くっ!な、何ッ?!」 「…へぇ…」 「っ、こいつは…」 ライン、クリストファー、レストと名立たる聖十騎士全員が同時に怯むほどの 大いなる天力をその雷は秘めていた。そして、その僅かな隙の間にその男―― 君を3年間育てた男ダグラスは、君の前に立っていた。 「久しぶりだな。追いつくのに時間がかかってすまないな、ディゼル」 サクス:かっこよすぎだろ(笑) アルジェント:おいしいところ持っていくねぇ、ダグラスさん。 GM:このためのキャラと言っても過言では無かった(笑) ディゼル:「ダグラスさん、どうしてここに?! それに天術…?いつも本ばっかり読んでるだけかと思ってたのに」 いきなりの登場に驚きと、そして自分とアリスにとっての光明を得た喜びに声が上ずる GM(ダグラス):「この場所はクロードから聞いた。砂漠越えは多少こたえたがな。 それと私が本ばかり読んでるただのニートだとでも思ったか、ディゼル? こう見えても私はエデン帝国随一の天術使い…だった男だ」 言って、ダグラスは掛けていた眼鏡を静かに下ろす。 そしてその瞳で―――サクスを射抜く。 「褐色、お前とも久しぶりだな、やはりお前が第三騎士だったか」 サクス:「ふん、薄々感づいていたか。その雷、少々厄介そうだ。 生憎と俺は多少焼けても問題ないが」褐色の肌を見せつつ、肩をすくめます。 GM(ダグラス):「そのようだな。お前の事、少しは信用出来そうだったんだがな…」 少し残念そうにダグラスは呟く。 サクス:「生憎と主の命は俺の中で絶対だ。 主の命ならば俺は親友であれ、そこの青年であれ容赦なく斬り捨てる」 GM(ダグラス):「主か…。お前が“仕えていた主”と“今の主”。 果たしてそれが同一であると言えるか?」 そうまるで、君を諭すようにダグラスは言う 「…まあ、いい。今は生憎とお前と話すほど時間の余裕は無いからな。 ディゼル、ここはひとまず撤退するぞ」 聖十騎士団の四人、そして眠りの皇帝を前にダグラスはあっさりと言った。 サクス:「ほう、見かけによらず豪胆な奴だ」 ディゼル:「え、あ、逃げるんですか?!」 あの天術を使えるのなら対抗できるのではとも一瞬考えたが 本人が言うのだ、手に余るのだろう。 「わかりました、アリス、行こう!」 GM(ダグラス):「先に行け、ディゼル。この場より撤退する術はすでに完了している。 なにしろ――私以外の援軍もここに到着しているからな」 その発言と同時に、サクス・クリストファー・レスト・ライン。 四人の足元に水が浸水していた! そして、その水を受けていた四人の身体はしびれるような痛みを受け、行動が制限される。 サクス:「これは……毒水、か」 ディゼル:殺さなくて良かった…! GM:ライン達全員が睨んだ先、そこにはいたのは――! 「ディゼルさん!アリスさん!こちらへ!」 そう、フェティが出口の扉を開き、そこから君達を援護していた。 ディゼル:「ありがとうフェティ!」 今はそれだけしか言う暇がないけど、あとでゆっくりと話そう。 彼女と戦った、あの日のことを忘れて。 GM:では、ディゼルとフェティは共に奥の通路へと行き それを見計らいダグラスも天上へ向けて再び雷の天術を放ち目を眩ませる。 “ごおおおおおぉぉぉん!!” 爆音と共に無数の瓦礫が落ち、この教皇の間唯一の出入り口である扉が 瓦礫と岩に塞がれ、ディゼル達はこの場より完全に脱出を果たした。 サクス:「主、放っておいていいのか?」水に浸かったまま問いかけます。 GM(ベアトリーチェ):『…構わないわ…結局…ディゼルはここに… 戻ってくるしか…ないはずだから…』 そう、静かにベアトリーチェは呟く。 『……少し…疲れたわ……後は任せるわね…ライン…サクス……』 そう言って、ベアトリーチェは玉座に座ったままそっと眠るように瞳を閉じた。 ◆ミドルシーン4 〜合流する者・利用される者〜 アルジェント:うーん、今になって思うがアルジェントのあの選択は あれでよかったんだろうか…。さんざん悩んだからか、行動した後だとなおのこと答えが出ない。 GM:総本山より東に2キロ。 荒れ果てた山脈の大地にディゼルとアリス、そしてダグラスとフェティの四人はいた。 「ここまで来ればひとまずは安心か」 ディゼル:「そうみたいですね」 一応周囲の警戒はしつつ発言する。 「お久しぶりです、フェティさん」 GM(フェティ):「ええ、お久しぶりです、ディゼルさん」 ディゼル:以前の彼女から感じられた迷いのようなものがなくなったような感じがする。 サクス:(私、あなたの嫁になります!ですね分かります) GM(フェティ):「…ふふっ、不思議なものですね。 少し前までは敵同士だったのに、今では私も貴方と同じで教団から狙われる立場です」 笑顔を見せるフェティは、そんな君の考えを肯定するようだった。 ディゼル:「ダグラスさんとはどこで…?」 ふと頭によぎる疑問がつい口にでてしまう。(知り合ったの?的なw GM(フェティ):「あ、実はダグラスさんがアルレシオ公国に来た時に 私が教団の追っ手に攻撃を受けていて、その時に助けてもらって…」 それに続けるようにダグラスが言う。 「まぁ、そう言う事だ。聞けばフェティはお前と戦ったが、もう教団を抜けたらしいからな。 敵ではないと判断した」 ちなみにアリスはフェティを見て、つーんとしてディゼルに傍にいる(笑) 「…ふんっ、あの時の水女か…」 とか言っている。 ディゼル:「コラッ、僕たちの命の恩人って言っても過言じゃないんだからそんな態度しないのっ」 めっ、と言わんばかりに自分の服の裾を握るアリスに言う(笑) GM(アリス):「…あ、あぅ…お前…旅の間にちょっと…強気になったな…」 ディゼル:「ん、そうかな?」 そんなつもりはないのだけどといった抜け顔で答える 後に、ん〜…といいつつ自分の髪とか見つつ「特に変わってないと思うけど」 サクス:その調子だ!どちらがご主人様か以下略(笑) GM(フェティ):「くすくすっ、お二人の関係は少し変わられましたね。 あ、根本的なところは一緒ですけど。それと安心してください、私はディゼルさんの事を アリスさんから奪おうだなんて……奪おうだなんて…その……」 なぜか最後の方をごにょごにょ言って終わらせるフェティ。 ディゼル:(ディゼル&アリス「奪うっ?!」) アルジェント:フラグが立ったか?! GM(ダグラス):「さてと、楽しい会話もいいが、とりあえず現状を確認したいが構わないか?ディゼル」 ディゼル:「あ、はい。もちろんです」 変な顔から元の顔に戻った。 GM(ダグラス):「ここでは何だ、そうだな…あそこの洞窟で 今までの旅の経過を聞かせてもらうとするか。 あ、ディゼル。インスタントコーヒーを持ってきたからフェティの水を沸かして私に煎れてくれ」 そう言ってインスタントコーヒーを君に渡して、ダグラスは洞窟の方へ向かう(笑) ディゼル:「そこはいつも通りですか…(笑)」 半ば呆れつつもいつもの習慣で手際よくコーヒーを入れる。 GM:そして一行は洞窟で休めるスペースを見つけ そこでコーヒーを交えながら今までの事をディゼルの口より聞く。 「…なるほどな。解せないな」 ディゼル:聖十騎士が何のために…って説明いらなかったか(笑) GM(ダグラス):「奴らの目的が眠りの皇帝の力をアルジェントやお前に継承させて 眠りの皇帝を降臨させる。それは分かった」 ディゼル:「そのために必要なものが3つ…」 GM(ダグラス):「お前の持つ指輪、約束の地、そして眠りの皇帝に匹敵するための大量の魂」 ディゼル:「そういうことみたいですね」 自分が聞いた通りの情報をダグラスに伝える。 GM(ダグラス):「そこまでは分かった。だが、だからこそ一つの矛盾が生まれる。 それはあの時、あそこに存在したお前の母にして眠りの皇帝・ベアトリーチェだ。 奴らはなぜ“眠りの皇帝”ベアトリーチェがいるのにお前やアルジェントを “眠りの皇帝”にする必要がある」 ディゼル:「生きているうちに継承しなければならないからではないんですか…?」 GM(ダグラス):「…生きている内に…か」 その言葉に対してダグラスは違和感を感じ、呟いた。 「私もあの時、ベアトリーチェを見た。あれは確かに眠りの皇帝に相応しい威圧感があった。 …だがそれ以上に何か、妙な違和感があった…」 ディゼル:「違和感ですか」 自分も違和感は感じたが、彼が感じた違和感とは別物だろう。 「具体的にはどういった違和感だったんです?」 GM(ダグラス):「…そうだな…こう言ったら何だが…ディゼル、あれはお前――」 ダグラスが続きを紡ごうとした瞬間「―――ごふっ!」 その口から血を吐いた。 それは一度だけでは治まらず、数度にわたり彼は咳き込むと同時に血を吐く。 「ごふっぐっ……くそっ、こんな…時に……」 ディゼル:ダグラスの今まで見たことのない苦悶の色。 「ダグラスさん!」 慌てて駆け寄る。 GM:駆け寄る君をダグラスは静かに手で制する。 「大丈夫だ……生まれ持っての…持病だ…気にするな…」 そう言って口周りの血を拭くが、その顔色は明らかに悪くなっている。 ディゼル:「でも、こんなひどいところ今まで僕は見てないですよ…!」 GM(ダグラス):「この病は、体内で急激なエネルギーの消費や流れがあれば それに反発するように発作的におきるんだ…。 くそっ…たったあれだけの活動でこんなに響くとはな…情けない…」 ディゼル:「あの天術で…」 自分を救ってくれたことによって今の現状が起きていると知る GM(ダグラス):「…気にするな、ディゼル。私が勝手にやっただけだ。 それにお前が野たれ死ぬ方が私にはよっぽど毒なんでな…」 ディゼル:「それはどういう――」 気になる物言いに思わず反応するがその言葉は最後まで言うことはなく 他の人の言葉によって遮られる(誰にだw GM:ではダグラスさんが遮ろう(笑) 「さて…それはともかく、お前は聖十騎士団と決着をつけなければいけないんだろう? お前の故郷を焼いたクリストファー。 それにお前の母とも、もう一度きちんと話したい、そうだろう」 ディゼル:「えぇ…母さんとはもう一度…いえ、僕の知ってる母さんと 話がしたい、暮らしていきたいんです。そのためにも…!」 GM(ダグラス):「…そうだな…それがいい。お前は幸せになるべきだ、ディゼル」 ふっと微笑みを浮かべてダグラスは言う。 「だが正直、あそこにもう一度行くとなると難しいな。今の私の状態ではまともに戦えるかどうか…」 それに続くようにフェティもまた 「私も…あの総本山内部にはほとんど入った事がなくって…。 あそこに入れるのは現状、今あそこにいる騎士団達だけでした」 サクス:アルジェントを連行するしか(笑) GM(ダグラス):「…せめて…もう一人、戦力になる奴とあそこの見取りに詳しい奴がいれば…。 フッ、我ながらあまりに都合良すぎる贅沢を望むな……」 とダグラスが呟いた瞬間だった。 「だったら、その役はオレがしてやるよ」 GM:その瞬間、君達がいた場にその男の声が響いた。 「――!この声は!」 その声を聞き、最も慌てたのはフェティ。 声の聞こえた洞窟の入り口、振り向くとそこには一人の男が壁に寄りかかるように立っていた。 腰に下げるのは二刀の刃。気だるそうな雰囲気を纏うその人物が。 アルジェント:馬鹿な、何故お前が! GM:そう現騎士団、最強の剣士レスト=カヴァール。 ディゼル:「レスト…さん?」 GM(レスト):「…オレがお前達の味方になってやるよ」 そう言って君達の下へ近づいてくるレスト。 だが、見ると驚くことに彼の利き腕の一つ、左腕が折れている事に気づく。 ディゼル:「…どうしてですか」 敵意は出さないにしても警戒を…ってええええ(笑) GM:その腕は完全に破壊され使い物にならなくなっている様子だ。 サクス:暗殺されかけた?(笑) GM(レスト):「見ての通りだよ」 折れた左腕を右手でひらひらと指す。 「ついさっき、オレもアヴェスター教会…っていうか聖十騎士団を抜けて来た。 この傷はその時のもんだ」 と、あっさりと言い切る。 「まあ、話せば長くなるし簡単に信用してはもらえないかもしれねーけど とりあえず現状はオレはお前らに取って使えるだろうから、遠慮なく使っておけよ」 そう言って君達の間に座り、問答無用でディゼルのコーヒーを奪いごくごく飲み出す。 ディゼル:「あうぁ」タシっと取られる…。 GM(レスト):「…まずっ…。これ目が覚めるから ますますオレに取ってはだめな飲み物だな…」 ディゼル:ミルクと砂糖が(´・ω・`)たんまり入ってるからね。 サクス:起きてるために飲んだのかと思った(笑) GM(レスト):「お、じゃあ、少しは美味いな」ずずずっ。 ディゼル:実は(´・ω・`)ブラックなんだけどね。 GM(レスト):「……オレ、紅茶な」 ディゼル:「わかりました」 にっこりとほほ笑んで紅茶を新たにつぎ足す。もちろん自分のコーヒーも。 「ダグラスさんのおかわりも注いでるから。催促しないでくださいね」 GM(ダグラス):「ああ、ではもらうか」 君の言葉を聞いてダグラスさんは少し笑う。そして、またレストも 「まあ、とりあえず、よろしくな。 腕一本は使えなくなってるけど、そこら辺の連中より使えるからよ」 マイペースな雰囲気はそのままに頼もしい笑みを浮かべ、ディゼルにそう言った。 GM:ではシーンをアルに移します。空間水での場所の指定とかある? アルジェント:うーん、特に無いですよ。 アヴェスター教会に見つからないようなとこならどこでも。 ぶっちゃけ洞窟内とかでもOKです。 GM:では、その方向で。洞窟内に転移した君とシアリー。 そこは静かな森の近くの洞窟。さえずる小鳥たちの声が耳に心地よい。 そんな平穏な洞窟でシアリーは君の方をゆっくり振り向く。 アルジェント:「はぁ…」 緊張の糸が切れたかのように、その場に座る。 GM(シアリー):「…アルジェント……」 アルジェント:「はい」 GM(シアリー):「…………」 『少し、行動が浅はかだったね』 GM:その声はシアリーの口から聞こえた。 アルジェント:「ッ?!」 ディゼル:ラインか…? GM(シアリー):『君の為に用意した『聖魂』に“僕”が何の仕込みもしていないとでも思ったのかい?』 この声はあの時、教皇の間にいた騎士の一人、“人形遣い”の声。 アルジェント:「――しまった!人形遣いかっ!」 GM(シアリー):『ああ、動かないほうがいいよ』 その宣言と同時に、シアリーの顔色がどんどん青ざめていく。 アルジェント:「貴様っ!何をっ!」 GM(シアリー):『今、彼女の身体に流れる血流の動きを止めたから 下手な真似をすると、この娘すぐに死んじゃうよ』 そうシアリーの口は動くが、彼女の身体を流れる血の流れは止まり みるみる内に彼女の皮膚が死人の皮膚へと変わっていく。 アルジェント:「やめろっ!!」 これってシアリー“眠らせて”何とかならない? GM(シアリー):『ああ、いけない。殺したら意味ないか』 その発言と共に血流は再び流れ出す。ちなみに眠らせても意味はないですね。 これはクリストファーが糸でシアリーの体内構造を完全に支配操作してますから。 アルジェント:ちっ、操ってるわけじゃなくて肉体を直接支配してるのか…。 GM(シアリー):『まあ、そう言う事だね。あ、ちなみにシアリー様に施している 僕の糸は切らないほうがいいよ。それを切るとシアリー様の心臓を潰すように細工しているから。 それでアルジェント君、君の行動にライン様はとっても不服みたいなんだ』 サクス:お怒りだ(笑) GM(シアリー):『でもね、僕にとっては君の愚かな選択のおかげで 最高のシナリオへと転じてくれたよ』 アルジェント:「…何だと?」 GM(シアリー):『ねえ、アルジェント君。君が僕に協力するなら このシアリー様は五体無事に君に返すよ。もちろん傷一つつけないと約束しよう』 アルジェント:「協力…?」 GM(シアリー):『そう。まあ、どの道、もう君にはそれしか選択肢は無いしね』 そう言いながら、クリストファーはシアリーの口より言葉を続ける。 『君には掃除をしてもらいたいんだ』 アルジェント:ええっと、これ<静寂の領域>内で クリストファーの糸を切るとかあり?(←必死に抵抗を続けようとするアル) GM:意味ありませんね(キッパリ) 心臓が潰れるイコール死は確定します、領域内では仮死状態かもしれませんが 領域効果が切れた瞬間に事切れます。アルのMP量ではせいぜいもっと領域の維持は数分が限界。 それに領域の効果はあくまで死なないという事であって、苦痛や痛みを取り除く事はできません。 心臓が潰れて数分間“死ねない苦痛”をシアリーに味あわせてから殺すようなものですよ。 アルジェント:えっと、それを治す方法は無いわけか…。 GM(シアリー):『無駄な事は考えない方がいいよ。君の選択はもう最悪に転んだんだから』 アルジェント:「それで…何を掃除しろと言うんだ…」 まあ、自分でも激しく最悪の予感だ。主に今まで登場してないところで事態が急激に動いている辺り。 GM(シアリー):『決まっているよ。今いる聖十騎士団 レスト・サクス・ライン・フェティの四人。そう“ライン様を含むこの四人”を始末して欲しいんだ。 君の敵は『聖十騎士団』なんだろう?なら、簡単なことだよね♪アル』 とシアリーが君へ微笑む。 アルジェント:「確かにそうだ…。俺はあのとき、脱出の機会が得られず 本当に眠りの皇帝を継承したときは、聖十騎士団を潰すつもりだった」 GM(シアリー):『そうだろうね。君のその抜け目の無さは評価しているよ。 まぁ、最も君のその考えも策略も全部僕には筒抜けだったけどね』 言ってクリストファーはシアリーの口を借りて続きを言う 『とりあえず、この四人を始末できるならシアリー様は無事に返すよ、約束しよう』 アルジェント:「わかった。条件はのむ」 GM(シアリー):『いい返事だね。その方が僕も助かるよ、ありがとう。 あ、ただ一つ指定をしていいかな』 アルジェント:「何だ」 GM(シアリー):『最初に殺すのは――第六騎士・レスト=カヴァールにしてくれ。 君に取っても因縁の相手だろう?』 アルジェント:「…わかった。だからとっととシアリーの口から話すのをやめろ。 どうせ、いつでも支配できるんだろう?」 GM(シアリー):『ふふっ、分かったよ。じゃあ、後は頼んだよ。アルジェント君―――…』 その発言を最後にクリストファーの声は消えた。 それと同時に君の目の前でシアリーが崩れ落ちるように倒れる。 アルジェント:おっと、とっさに抱きとめるぞ。 GM:では君の腕の中でシアリーは気を失っただけだろう、息はちゃんとしている。 アルジェント:「きっと、あのときラインの要求をのみ眠りの皇帝を継承した方が 利口な選択だったのだろう。別にあの場面で無理に脱出しなくても、機会は後でいくらでもあった。 だが、だめだった。あの時の君の悲しみを抑えた顔を見たら あの場で逃げずにはいられなかった…」 シアリーを抱きとめたまま、呟くように言う。 アルジェントのその言葉は彼女に届いているのか シアリーはただ静かに瞳を瞑ったままだった…。 |